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覇王、時々商人
232ー1 入学式の一日ー1
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◇◇ 学院長 王弟モーマット ◇◇
今日は私が学院長として行う、最後の入学式だ。
来月には、いや、早ければ10日後には、私はデミル領の新しい公爵となる。
思い起こせば、あっという間の2年間だった。
私が学院長に就任した当初は、ヘイズ侯爵派の教師が大半を占め、王族である私にも横柄な態度をとり、非協力的で改革は思うように進まなかった。
それでも、教授会議を通さず入試制度改革を断行したことにより、ヘイズ侯爵派の入学者が激減し、学生のパワーバランスは均等になった。
共に戦ってくれる親友マキアートが、魔法部の部長教授として赴任してからは、少しずつだが学院内の風紀も改善された。
しかし、学生の学力低下や、最たる課題であった魔法部の立て直しは難しく、弛みきっていた学生に鞭を打つことは容易ではなかった。
卒業資格をC級魔術師からB級魔術師に変更したが、ヘイズ侯爵派の学生は態度を改めず、結局留年してしまった。
それらの問題全てを、僅か1年でひっくり返したのが覇王様だ。
中級学校にも行っていなかった平民は最高得点で入学し、入学式の挨拶で在校生・新入生・教師たちに魔獣の氾濫は起こるぞと脅し、使命を果たせと説教した。
また、入学直前にトーマス王子を巻き込み、いきなりブラックカードと妖精を見せつけ、王族である私やトーマス、マキアート教授にダメ出しをし、教授たちに堂々と喧嘩を売った。
指導するはずの我々が逆に指導され、次から次へと改革を迫られた。
今では、我々の常識が間違っていたのだと認めざるを得ず、間違った教えを正すため、今年度から初代覇王様が遺された【建国記】が、全学生の必須教科に加えられた。
さて、私も覇王様に負けないよう、新入生とその親たちに、しっかり脅しをかけておこう。
ここは遊びに来る場所ではなく、貴族としての使命を果たすことを学ぶ場所なのだと。
本年度、入学試験にトップ合格したのは、レイム公爵令嬢ナリスティアさんだ。
昨年度、覇王様はあまりにも印象的な新入生代表挨拶をされた。今年度はどうなのだろう。
レイム領……覇王様を輩出した領地の学生だ……ちょっと不安になってきた。
「今、我ら人間は、魔獣と生き残りを懸けた戦いの真っただ中にあります。
いつ何時、この王都が戦場になるか分からない状況です。
平和な時代なら、ただ勉学だけをしていれば良かったかもしれません」
おいおい、またか、またなのか?
レイム領の人間は、特に女性はなんでそんなに苛烈なんだよ!
「しかし我ら新入生は、この国の希望である【覇王軍】【王立高学院特別部隊】を作られた先輩方に学び、共に戦う戦士に足る人間となれるよう、懸命に学ばねばなりません。
王立高学院の学生として、国民の手本となれるよう切磋琢磨し、自らを鍛え国難を乗り越え、勝利をこの手に掴むまで、そして必ず生き残るため、全力で戦うことを誓います」
おいおいおい、勝利をこの手に掴むまでって言いながら、右手を上げギュッと掴む演技をするなんて、女子としては力強すぎ、いや、格好良過ぎやしないか?
兄上とは対極をなす凛々しい意見だが、公爵夫人の教えなのだろうか?
あ~っ、これから学院長挨拶なのに、言いたいことを先に言われてしまった。
仕方ない、ここはナリスティア嬢に拍手を、そして私は、新入生とその親たちに、もっと苛烈な念押しをするとしよう。
覇王様からお言葉を頂けるのが最善だったが、今朝早くに薬草採取に出掛けられた。
決して逃げた訳じゃないよな? 薬草不足が深刻だからだよな?
「入学おめでとう。
新入生代表者の挨拶にもあったが、間もなく、王都をグレードラゴンが襲うだろう。生き残りたくば、学ぶしかない。戦うしかないのが現状だ。
戦いたくないとか、国民を救いたくないと思う者は、教室に向かわず家に帰っても構わない。だが、自分の家が安全だと思わないことだ。
この学院には最強の【覇王軍】と、慈悲深く人々を救う【王立高学院特別部隊】がいる。
君たち新入生の中から、多くの者が先輩に続く正義の使徒となることを、私は心から願っている。
だがそれは、簡単な道程ではない。
指導者として多くの者を導き、救世者として多くの者を助けることは、決して簡単ではないのだ。
幸いにもこの国の、いや、世界の希望である【覇王様】と【勇者様】は、我が学院の魔法部3年に在籍しておられる。
そしてこの学院には、君たちを率いてくれる【執行部】メンバーがいる。
命を懸け民のために尽くす姿を見て、しっかりと学んで欲しい」
やれやれ、なんとか終わった。学院長としての威厳は保てただろうか。
ああ、眼前を注視すれば、予想通り新入生と親たちの顔色は悪いな。
共に戦うつもりで入学した者は瞳を輝かせ、あわよくば覇王様と勇者様に取り入りたいとか、利用しようと甘いことを考えていた者は、顔を引き攣らせている。
こんな時代に入学すればどうなるのか、覚悟もなく受験した者など居ないはずだが、私は自主退学することを止めはしない。
次は執行部部長の挨拶だ。トゥーリス君に期待しよう。
「入学おめでとう。
私は執行部部長で、医療コース1年に在籍しているトゥーリスだ。
先ず、学ぶ上で大切なことは、如何に己が無力であるのかを知ることだ」
そこからトゥーリス君は、昨年末に自領がドラゴン襲撃され、仲間の懸命の努力によって、多くの民が救われた体験談を自虐的に話し始めた。
救済活動で多くのことを学んだことや、領主や役人が無能だと、領民は助からないし助けられないと力説した。
国民は、懸命に頑張る我々を応援してくれるが、無責任な為政者には厳しいと笑って言った。
実際、昨日も今日も城へ向かう大通りは、抗議デモをする王都民で溢れかえっている。
親であるサナへ侯爵を無能だと言ったも同然の話と、時折聞こえてくる大通りの民衆の声に、列席していた貴族の親たちは、益々顔色を悪くしていった。
トゥーリス君は、貴族としての責務を果たすため、自分は今も学びの最中であり、できることは限られているが、己が決めた道を全うし、多くの者を救うため共に学んでいこうと締め括った。
今日は私が学院長として行う、最後の入学式だ。
来月には、いや、早ければ10日後には、私はデミル領の新しい公爵となる。
思い起こせば、あっという間の2年間だった。
私が学院長に就任した当初は、ヘイズ侯爵派の教師が大半を占め、王族である私にも横柄な態度をとり、非協力的で改革は思うように進まなかった。
それでも、教授会議を通さず入試制度改革を断行したことにより、ヘイズ侯爵派の入学者が激減し、学生のパワーバランスは均等になった。
共に戦ってくれる親友マキアートが、魔法部の部長教授として赴任してからは、少しずつだが学院内の風紀も改善された。
しかし、学生の学力低下や、最たる課題であった魔法部の立て直しは難しく、弛みきっていた学生に鞭を打つことは容易ではなかった。
卒業資格をC級魔術師からB級魔術師に変更したが、ヘイズ侯爵派の学生は態度を改めず、結局留年してしまった。
それらの問題全てを、僅か1年でひっくり返したのが覇王様だ。
中級学校にも行っていなかった平民は最高得点で入学し、入学式の挨拶で在校生・新入生・教師たちに魔獣の氾濫は起こるぞと脅し、使命を果たせと説教した。
また、入学直前にトーマス王子を巻き込み、いきなりブラックカードと妖精を見せつけ、王族である私やトーマス、マキアート教授にダメ出しをし、教授たちに堂々と喧嘩を売った。
指導するはずの我々が逆に指導され、次から次へと改革を迫られた。
今では、我々の常識が間違っていたのだと認めざるを得ず、間違った教えを正すため、今年度から初代覇王様が遺された【建国記】が、全学生の必須教科に加えられた。
さて、私も覇王様に負けないよう、新入生とその親たちに、しっかり脅しをかけておこう。
ここは遊びに来る場所ではなく、貴族としての使命を果たすことを学ぶ場所なのだと。
本年度、入学試験にトップ合格したのは、レイム公爵令嬢ナリスティアさんだ。
昨年度、覇王様はあまりにも印象的な新入生代表挨拶をされた。今年度はどうなのだろう。
レイム領……覇王様を輩出した領地の学生だ……ちょっと不安になってきた。
「今、我ら人間は、魔獣と生き残りを懸けた戦いの真っただ中にあります。
いつ何時、この王都が戦場になるか分からない状況です。
平和な時代なら、ただ勉学だけをしていれば良かったかもしれません」
おいおい、またか、またなのか?
レイム領の人間は、特に女性はなんでそんなに苛烈なんだよ!
「しかし我ら新入生は、この国の希望である【覇王軍】【王立高学院特別部隊】を作られた先輩方に学び、共に戦う戦士に足る人間となれるよう、懸命に学ばねばなりません。
王立高学院の学生として、国民の手本となれるよう切磋琢磨し、自らを鍛え国難を乗り越え、勝利をこの手に掴むまで、そして必ず生き残るため、全力で戦うことを誓います」
おいおいおい、勝利をこの手に掴むまでって言いながら、右手を上げギュッと掴む演技をするなんて、女子としては力強すぎ、いや、格好良過ぎやしないか?
兄上とは対極をなす凛々しい意見だが、公爵夫人の教えなのだろうか?
あ~っ、これから学院長挨拶なのに、言いたいことを先に言われてしまった。
仕方ない、ここはナリスティア嬢に拍手を、そして私は、新入生とその親たちに、もっと苛烈な念押しをするとしよう。
覇王様からお言葉を頂けるのが最善だったが、今朝早くに薬草採取に出掛けられた。
決して逃げた訳じゃないよな? 薬草不足が深刻だからだよな?
「入学おめでとう。
新入生代表者の挨拶にもあったが、間もなく、王都をグレードラゴンが襲うだろう。生き残りたくば、学ぶしかない。戦うしかないのが現状だ。
戦いたくないとか、国民を救いたくないと思う者は、教室に向かわず家に帰っても構わない。だが、自分の家が安全だと思わないことだ。
この学院には最強の【覇王軍】と、慈悲深く人々を救う【王立高学院特別部隊】がいる。
君たち新入生の中から、多くの者が先輩に続く正義の使徒となることを、私は心から願っている。
だがそれは、簡単な道程ではない。
指導者として多くの者を導き、救世者として多くの者を助けることは、決して簡単ではないのだ。
幸いにもこの国の、いや、世界の希望である【覇王様】と【勇者様】は、我が学院の魔法部3年に在籍しておられる。
そしてこの学院には、君たちを率いてくれる【執行部】メンバーがいる。
命を懸け民のために尽くす姿を見て、しっかりと学んで欲しい」
やれやれ、なんとか終わった。学院長としての威厳は保てただろうか。
ああ、眼前を注視すれば、予想通り新入生と親たちの顔色は悪いな。
共に戦うつもりで入学した者は瞳を輝かせ、あわよくば覇王様と勇者様に取り入りたいとか、利用しようと甘いことを考えていた者は、顔を引き攣らせている。
こんな時代に入学すればどうなるのか、覚悟もなく受験した者など居ないはずだが、私は自主退学することを止めはしない。
次は執行部部長の挨拶だ。トゥーリス君に期待しよう。
「入学おめでとう。
私は執行部部長で、医療コース1年に在籍しているトゥーリスだ。
先ず、学ぶ上で大切なことは、如何に己が無力であるのかを知ることだ」
そこからトゥーリス君は、昨年末に自領がドラゴン襲撃され、仲間の懸命の努力によって、多くの民が救われた体験談を自虐的に話し始めた。
救済活動で多くのことを学んだことや、領主や役人が無能だと、領民は助からないし助けられないと力説した。
国民は、懸命に頑張る我々を応援してくれるが、無責任な為政者には厳しいと笑って言った。
実際、昨日も今日も城へ向かう大通りは、抗議デモをする王都民で溢れかえっている。
親であるサナへ侯爵を無能だと言ったも同然の話と、時折聞こえてくる大通りの民衆の声に、列席していた貴族の親たちは、益々顔色を悪くしていった。
トゥーリス君は、貴族としての責務を果たすため、自分は今も学びの最中であり、できることは限られているが、己が決めた道を全うし、多くの者を救うため共に学んでいこうと締め括った。
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