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覇王の改革
190ー1 商会主アコル(4)ー1
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◇◇ アレクシス領主子息 エドガー ◇◇
馬車に乗り込んだ私はハーッと大きく息を吐いた。
先程まで震えていた体も、覇王様から離れたことで治まったようだ。
「あれが覇王様……そうと知る前は聡明な感じの少年だと思った程度だったが、知ってしまった後は、底知れぬ力というか魔力の圧に顔を上げることさえできず、全身全霊で意識を保たねば言葉を発することさえ難しかった」
「はいバロン王子。私の妻の話では【覇気】という覇王様しか使えないお力だそうです」
私同様、青い顔で震えていらしたバロン王子は、ようやく安心されたのか話を始められた。
私の妻はマリード領の伯爵家の娘で、マリード侯爵の姪にあたるため、覇王軍や覇王様の情報入手が可能だった。
マリード侯爵は昨年まで体調を崩し、魔法省大臣の仕事を休んでおられた。
しかし、覇王様のお陰で元気になられて、元の大臣職に復帰されたそうだ。
今では、ご子息のハシム殿まで軍の大臣職に就かれている。
そして、王立高学院特別部隊や覇王軍とも大きく関わっておられる。
妻の兄である私の義兄は、領主の命令で覇王講座を受講しており、私はその内容を詳しく聞いていた。
そして私はその情報を、ニルギリ公国の王や王子に報告していた。
我が国もいつ何時魔獣の氾濫が起こるか分からないと考えられた王様は、高位貴族や王子に冒険者登録させ魔獣討伐ができるよう指示を出された。
しかし、そう簡単に魔獣が倒せるはずもなく、第二王子であるバロン様は、アレクシス領の冒険者ギルドで討伐経験を積まれている最中だった。
「まさか覇王様に来ていただけるとは、夢にも思っていませんでした。
レギル火山のドラゴンだけでも絶望的だったのにミル山が噴火し、正直私はもう駄目だとあきらめ、無駄に戦って死ぬより逃げる方がいいのではと思っていました」
確かにサブギルマスのケッパーは、隣国に応援を頼むより先に、危険地域に避難命令を出す方がいいと私に言っていた。
だが私とバロン王子は、浅はかにも直ぐ近くにある隣国を頼ってしまった。
自分であれば必ず応援を連れ帰ることができる。たくさんの冒険者さえいれば、鍛えてきた腕を試せる・・・と思い上がっていた。
「指導者として先ずすべきだったのは領民の避難誘導だ。
魔獣の下山も脅威だが、今回の噴火はこれまでと様子が違う。火山を甘く見ていると大災害を招きかねない。
王子として、領主の子息として責務を果たす気があるなら、戻ったら直ぐに領民を建物の中に避難させろ……と覇王様は仰られた。
私は愚かにも、噴石の危険を考えず、西の海側に向かって逃げるよう住民に命令するつもりだった。
もう少しで判断を間違え、住民を危険に曝すところだった」
バロン王子は己の判断の甘さを反省し、正しい避難指示を出してから、ミルダの町へ行くのが正解だったのだと言って肩を落とされた。
……いいえバロン王子、悪いのは私です。領主の子息なのに、魔獣のことしか頭になかった私が悪いのです。本当に申し訳ありませんでした。
「確かに私たちは覇王様からお𠮟りを受けましたが、バロン王子がミルダの町へ行くことを同意してくださったから、覇王様にご助力いただける僥倖に恵まれたのです。
決して無駄ではありませんでした。全ての責任は私がとります。
どうかバロン王子は、領民と一緒に避難してください」
私は心から頭を下げ、危険地域に向かおうとされている王子に、命を懸けようとされている王子に、避難してくださいとお願いする。
「エドガー、私は王子だ。覇王様はコルランドル王国の王子でもあり、まだ成人さえされていない。
それでも覇王として、我が国のために戦おうとされている。ここで逃げることなんてできないよ」
……ああ、この方はこういう人だった。
誰よりも自分に厳しく、国のため懸命に覇王講座の内容を学ぼうとされていた。
ミル山が噴火しなかったら、明後日にはマリード領の義兄の元にお連れする段取りになっていた。
「お二人とも、本物の覇王様に直接ご指導いただけるのです。こんなチャンスは二度とめぐってこないでしょう。
どうやらお二人は死ぬ気で戦おうとされているようですが、覇王軍と冒険者の合言葉は【命大事に!】ですよ。
そこを間違えたら、覇王様にもっと叱られると思います」
悲壮感漂う私とバロン王子を見て、サブギルマスがこれはチャンスなのだと言い出した。
そして、コルランドル王国の冒険者たちは、覇王様から命を粗末にすことは許さないと厳命されているのだと教えてくれた。
……命大事に・・・確かに、指導者である私が命懸けで戦えば、私と共に戦う者も命を懸けることになる。そういえば義兄は、生きる為に戦うのが覇王様なのだと言っておられた。
あれこれ考えている間に、アレクシス領の冒険者ギルドに到着した。
覇王様は直ぐにミル山の東に向かわれるということで、私たちが出発した後の様子を急いで確認する。
「ご報告します。
ミル山の東の麓にあるレイシス領の冒険者ギルドから届いた報告によると、ミル山の噴火で流れ出した溶岩が、レイシスの町の直ぐ側まで迫り、住民は王都に向かって南に避難を始めたようです。
魔獣の群はアレクシス領に向かって移動しており、群れの半数は噴石を避けるようにミル山の西側の山中に向かっています。
半数は山から離れアレクシスの町に向かっているようです。
溶岩を避けるため築かれた町の防護壁到達まで、30分くらいだと思われます」
騒ぎになることを望まれない覇王様は、馬車の中で待機しておられるので、私は覇王様の馬車の扉の前で跪き大きな声で報告する。
馬車に乗り込んだ私はハーッと大きく息を吐いた。
先程まで震えていた体も、覇王様から離れたことで治まったようだ。
「あれが覇王様……そうと知る前は聡明な感じの少年だと思った程度だったが、知ってしまった後は、底知れぬ力というか魔力の圧に顔を上げることさえできず、全身全霊で意識を保たねば言葉を発することさえ難しかった」
「はいバロン王子。私の妻の話では【覇気】という覇王様しか使えないお力だそうです」
私同様、青い顔で震えていらしたバロン王子は、ようやく安心されたのか話を始められた。
私の妻はマリード領の伯爵家の娘で、マリード侯爵の姪にあたるため、覇王軍や覇王様の情報入手が可能だった。
マリード侯爵は昨年まで体調を崩し、魔法省大臣の仕事を休んでおられた。
しかし、覇王様のお陰で元気になられて、元の大臣職に復帰されたそうだ。
今では、ご子息のハシム殿まで軍の大臣職に就かれている。
そして、王立高学院特別部隊や覇王軍とも大きく関わっておられる。
妻の兄である私の義兄は、領主の命令で覇王講座を受講しており、私はその内容を詳しく聞いていた。
そして私はその情報を、ニルギリ公国の王や王子に報告していた。
我が国もいつ何時魔獣の氾濫が起こるか分からないと考えられた王様は、高位貴族や王子に冒険者登録させ魔獣討伐ができるよう指示を出された。
しかし、そう簡単に魔獣が倒せるはずもなく、第二王子であるバロン様は、アレクシス領の冒険者ギルドで討伐経験を積まれている最中だった。
「まさか覇王様に来ていただけるとは、夢にも思っていませんでした。
レギル火山のドラゴンだけでも絶望的だったのにミル山が噴火し、正直私はもう駄目だとあきらめ、無駄に戦って死ぬより逃げる方がいいのではと思っていました」
確かにサブギルマスのケッパーは、隣国に応援を頼むより先に、危険地域に避難命令を出す方がいいと私に言っていた。
だが私とバロン王子は、浅はかにも直ぐ近くにある隣国を頼ってしまった。
自分であれば必ず応援を連れ帰ることができる。たくさんの冒険者さえいれば、鍛えてきた腕を試せる・・・と思い上がっていた。
「指導者として先ずすべきだったのは領民の避難誘導だ。
魔獣の下山も脅威だが、今回の噴火はこれまでと様子が違う。火山を甘く見ていると大災害を招きかねない。
王子として、領主の子息として責務を果たす気があるなら、戻ったら直ぐに領民を建物の中に避難させろ……と覇王様は仰られた。
私は愚かにも、噴石の危険を考えず、西の海側に向かって逃げるよう住民に命令するつもりだった。
もう少しで判断を間違え、住民を危険に曝すところだった」
バロン王子は己の判断の甘さを反省し、正しい避難指示を出してから、ミルダの町へ行くのが正解だったのだと言って肩を落とされた。
……いいえバロン王子、悪いのは私です。領主の子息なのに、魔獣のことしか頭になかった私が悪いのです。本当に申し訳ありませんでした。
「確かに私たちは覇王様からお𠮟りを受けましたが、バロン王子がミルダの町へ行くことを同意してくださったから、覇王様にご助力いただける僥倖に恵まれたのです。
決して無駄ではありませんでした。全ての責任は私がとります。
どうかバロン王子は、領民と一緒に避難してください」
私は心から頭を下げ、危険地域に向かおうとされている王子に、命を懸けようとされている王子に、避難してくださいとお願いする。
「エドガー、私は王子だ。覇王様はコルランドル王国の王子でもあり、まだ成人さえされていない。
それでも覇王として、我が国のために戦おうとされている。ここで逃げることなんてできないよ」
……ああ、この方はこういう人だった。
誰よりも自分に厳しく、国のため懸命に覇王講座の内容を学ぼうとされていた。
ミル山が噴火しなかったら、明後日にはマリード領の義兄の元にお連れする段取りになっていた。
「お二人とも、本物の覇王様に直接ご指導いただけるのです。こんなチャンスは二度とめぐってこないでしょう。
どうやらお二人は死ぬ気で戦おうとされているようですが、覇王軍と冒険者の合言葉は【命大事に!】ですよ。
そこを間違えたら、覇王様にもっと叱られると思います」
悲壮感漂う私とバロン王子を見て、サブギルマスがこれはチャンスなのだと言い出した。
そして、コルランドル王国の冒険者たちは、覇王様から命を粗末にすことは許さないと厳命されているのだと教えてくれた。
……命大事に・・・確かに、指導者である私が命懸けで戦えば、私と共に戦う者も命を懸けることになる。そういえば義兄は、生きる為に戦うのが覇王様なのだと言っておられた。
あれこれ考えている間に、アレクシス領の冒険者ギルドに到着した。
覇王様は直ぐにミル山の東に向かわれるということで、私たちが出発した後の様子を急いで確認する。
「ご報告します。
ミル山の東の麓にあるレイシス領の冒険者ギルドから届いた報告によると、ミル山の噴火で流れ出した溶岩が、レイシスの町の直ぐ側まで迫り、住民は王都に向かって南に避難を始めたようです。
魔獣の群はアレクシス領に向かって移動しており、群れの半数は噴石を避けるようにミル山の西側の山中に向かっています。
半数は山から離れアレクシスの町に向かっているようです。
溶岩を避けるため築かれた町の防護壁到達まで、30分くらいだと思われます」
騒ぎになることを望まれない覇王様は、馬車の中で待機しておられるので、私は覇王様の馬車の扉の前で跪き大きな声で報告する。
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