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指導者たち
146ー2 王宮の混乱(3)ー2
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◇◇ マギ公爵 ◇◇
気付けば夕日が沈みかけていた。
大混乱に陥った王宮は、王命によりマロウ王子の攻撃を止めさせたことで、外見上は静寂を取り戻していたが、城の地下室では医療班がケガ人の対応に追われていた。
何事もなかったかのように、魔鳥は天守に居座り続けているが、今のところ攻撃してくる気配はない。
ビッグホーンの群の討伐を終えたワイコリーム公爵が戻って来て、魔鳥を倒すには古代魔法や古代魔法陣を使わなければ無理だから、絶対に魔鳥を攻撃するなと言ったことで、ワーワー騒ぎ立てるマロウ王子を黙らせることができた。
王宮で働く者は急いで帰宅し、宿直当番だった役人や王宮警備隊が城で警戒にあたっている。
王宮で暮らしている者は、用心のため地下室に避難したり、執務棟に移動して一夜を過ごすことになった。
側室や王女や王子たちは、地下にある王族用の部屋に移動している。
恐怖心はあるが、下手に動いて魔鳥の餌にされるより、地下の方が安全だと騎士団長が判断し、王様も同意され地下に移られた。
今夜はできるだけ灯りを点けず、食事も非常食をとることになった。
本来なら私も自分の屋敷に帰るところだが、執務棟を警護するのが王弟シーブル率いる一般軍と決まったので、用心のため王様の警護要員として城に残っている。
実は、勝手に攻撃を始めたことについて、王様に弁明するためマロウ王子が執務室に向かう途中、「シーブルがビッグホーンは弱い魔獣だと言うから・・・」と、マロウ王子がブツブツ言っているのを私と騎士団長は聞いてしまった。
私と騎士団長は、無謀とも思える今日のマロウ王子の行動の陰に、王弟シーブルが関わっているのではないかと疑惑を抱いた。
ヘイズ侯爵の行動や言動も、明らかに度を越していた。
……尋常ではない興奮状態だったのは、初めて魔獣と対戦したからではなく、もしかして薬物?
そう考えると、どうしても確かめたくなる。
私は騎士団長にそのことを告げ、極秘に探って欲しいと頼んだ。
こんな時に宰相であるサナへ侯爵が居れば、取れる手段が他にもあるだろうとつい考えてしまう。
彼は昨日、デミル領からやって来る流民対策のためにサナへ領に帰ってしまった。
マロウ王子とヘイズ侯爵の行動についての責任追及は、魔鳥が飛び去るか討伐してから行うと王様は我々に告げられた。
するとヘイズ侯爵は、自領の魔獣の氾濫が心配だから、これからヘイズ領に帰ると言い出した。
確かに今朝の時点では、王様も他の大臣たちも、自領に帰れと勧めていたので文句が言えなかった。
魔獣の氾濫の一報が入った時点で、ヘイズ領に帰っていればいいものを、何故か準備があると言い張り、マロウ王子と一般魔法省が魔獣退治するという展開になってしまった。
考えてみれば、あれやこれやの事態も、エイトやミレーヌから聞いていた覇王様の心配が的中したことになる。
今の王宮の在り方ではダメだ。
どれだけ無策でも、どれだけの被害を出しても、王様は責任者を厳罰に処すことができない。
降格と厳罰では全く違うと思うのだが、きっと今回も、王様はヘイズ侯爵を罷免されないだろう。
マロウ王子に対しても謹慎くらいの罰で済まされるはずだ。
いっそのこと覇王様が・・・と考えてしまう自分の感情を押し殺し、臣下としてはっきり王様に意見しなければならない。
◇◇ ワイコリーム公爵 ◇◇
王宮で魔鳥に攻撃するなと命じて、私は直ぐ覇王様に報告するため高学院へと馬車を向かわせた。
【魔獣討伐専門部隊】は、基本的に上級地区で活動しないと決まっているので、これ以上の口出しはせず、騎士団長とマギ公爵に後のことを任せた。
「なるほど、マギ公爵は薬物を疑っていると・・・まあ、それが事実だったとしても、今後一般魔法省は王宮の守りに口出しできなくなる。
気になるのは王弟シーブルとワートン公爵の動きでしょう。
シーブルは確実に王座を狙っているので、邪魔になったヘイズ侯爵やマロウ王子を自滅させ、王様を魔獣に襲わせて・・・なんて考えても不思議ではありません」
王宮の様子を報告した私に、アコル様は別に驚くこともなく淡々とシーブル様の関与を受け入れられた。
いや、それよりも、シーブル様が王座を狙っている?
しかも断定?
「第一王子は魔法省大臣に毒を盛り、王妃は国王を毒殺しようとする。王弟は王の座を狙い暗躍する・・・いったいこの国の王族は、どうなっているんでしょう」
覇王の執務室で仕事をしているマリード侯爵家のハシム殿が、溜息を吐きながら王族を憂う。
「王族の愚行は、今に始まった訳ではありません。
私の契約妖精のエクレアの前の契約者も王子でしたが、他の王子に苛め抜かれ、伯爵の身分に落とされ、そして兄に暗殺された。
私だって、赤ん坊の時に施設に火を放たれ殺されかけましたよ・・・王妃とヘイズ侯爵に。
王宮に住んでいる妖精たちは、私にいろいろなことを教えてくれます。
だからこそ私は、腐った王権になど興味がない。
覇王として出来ることがあるとしたら、王族の在り方を理解していない王を、殴り飛ばすことでしょうか・・・貴重なポーションですが、これで王の逃げ道を塞ぎましょう」
アコル様はにっこりと黒く微笑まれ、青いポーションの瓶を机の上に置かれた。
我々が知らなかった王族の黒歴史や、王妃に暗殺されかけたこと、国王を殴り飛ばすという物騒な発言をされるアコル様からは、王族への敬意は感じられない。
王を殴るのはどうだろうかと思うが、このままではダメだと私も思う。
「逃げ道を塞ぐ・・・ですか?」とハシム殿が首をひねる。
「ええ、今日ワイコリーム公爵に使った【天の恵み】は中級ポーションで、マリード侯爵が使われたのはハイポーションです。
これは、この世に存在しないはずのエリクサー【神々の涙】という奇跡のポーションで、あらゆる毒を中和し、ケガなら欠損部分を修復し、病を完治させることができます。
必要な場面がきたら、これを王に与えます。
以後20年は次期国王の選出は必要なくなるでしょうから、王子より早く、国家認定A級一般魔法師を取得していただきましょう」
アコル様の表情は、実の父の健康を気遣う息子の表情ではなく、王としての責任を果たして戦えと命じる覇王の表情だった。
恐る恐る値段を訊いたら、商業ギルド本部の鑑定魔道具では金貨120枚だったので、もしも商業ギルド本部が売るとしたら金貨150枚以上になるだろうとのこと。
確かに王様が健康になれば、領主や大臣たちも後継者問題より、魔獣の大氾濫に目を向けることができるだろう。
気付けば夕日が沈みかけていた。
大混乱に陥った王宮は、王命によりマロウ王子の攻撃を止めさせたことで、外見上は静寂を取り戻していたが、城の地下室では医療班がケガ人の対応に追われていた。
何事もなかったかのように、魔鳥は天守に居座り続けているが、今のところ攻撃してくる気配はない。
ビッグホーンの群の討伐を終えたワイコリーム公爵が戻って来て、魔鳥を倒すには古代魔法や古代魔法陣を使わなければ無理だから、絶対に魔鳥を攻撃するなと言ったことで、ワーワー騒ぎ立てるマロウ王子を黙らせることができた。
王宮で働く者は急いで帰宅し、宿直当番だった役人や王宮警備隊が城で警戒にあたっている。
王宮で暮らしている者は、用心のため地下室に避難したり、執務棟に移動して一夜を過ごすことになった。
側室や王女や王子たちは、地下にある王族用の部屋に移動している。
恐怖心はあるが、下手に動いて魔鳥の餌にされるより、地下の方が安全だと騎士団長が判断し、王様も同意され地下に移られた。
今夜はできるだけ灯りを点けず、食事も非常食をとることになった。
本来なら私も自分の屋敷に帰るところだが、執務棟を警護するのが王弟シーブル率いる一般軍と決まったので、用心のため王様の警護要員として城に残っている。
実は、勝手に攻撃を始めたことについて、王様に弁明するためマロウ王子が執務室に向かう途中、「シーブルがビッグホーンは弱い魔獣だと言うから・・・」と、マロウ王子がブツブツ言っているのを私と騎士団長は聞いてしまった。
私と騎士団長は、無謀とも思える今日のマロウ王子の行動の陰に、王弟シーブルが関わっているのではないかと疑惑を抱いた。
ヘイズ侯爵の行動や言動も、明らかに度を越していた。
……尋常ではない興奮状態だったのは、初めて魔獣と対戦したからではなく、もしかして薬物?
そう考えると、どうしても確かめたくなる。
私は騎士団長にそのことを告げ、極秘に探って欲しいと頼んだ。
こんな時に宰相であるサナへ侯爵が居れば、取れる手段が他にもあるだろうとつい考えてしまう。
彼は昨日、デミル領からやって来る流民対策のためにサナへ領に帰ってしまった。
マロウ王子とヘイズ侯爵の行動についての責任追及は、魔鳥が飛び去るか討伐してから行うと王様は我々に告げられた。
するとヘイズ侯爵は、自領の魔獣の氾濫が心配だから、これからヘイズ領に帰ると言い出した。
確かに今朝の時点では、王様も他の大臣たちも、自領に帰れと勧めていたので文句が言えなかった。
魔獣の氾濫の一報が入った時点で、ヘイズ領に帰っていればいいものを、何故か準備があると言い張り、マロウ王子と一般魔法省が魔獣退治するという展開になってしまった。
考えてみれば、あれやこれやの事態も、エイトやミレーヌから聞いていた覇王様の心配が的中したことになる。
今の王宮の在り方ではダメだ。
どれだけ無策でも、どれだけの被害を出しても、王様は責任者を厳罰に処すことができない。
降格と厳罰では全く違うと思うのだが、きっと今回も、王様はヘイズ侯爵を罷免されないだろう。
マロウ王子に対しても謹慎くらいの罰で済まされるはずだ。
いっそのこと覇王様が・・・と考えてしまう自分の感情を押し殺し、臣下としてはっきり王様に意見しなければならない。
◇◇ ワイコリーム公爵 ◇◇
王宮で魔鳥に攻撃するなと命じて、私は直ぐ覇王様に報告するため高学院へと馬車を向かわせた。
【魔獣討伐専門部隊】は、基本的に上級地区で活動しないと決まっているので、これ以上の口出しはせず、騎士団長とマギ公爵に後のことを任せた。
「なるほど、マギ公爵は薬物を疑っていると・・・まあ、それが事実だったとしても、今後一般魔法省は王宮の守りに口出しできなくなる。
気になるのは王弟シーブルとワートン公爵の動きでしょう。
シーブルは確実に王座を狙っているので、邪魔になったヘイズ侯爵やマロウ王子を自滅させ、王様を魔獣に襲わせて・・・なんて考えても不思議ではありません」
王宮の様子を報告した私に、アコル様は別に驚くこともなく淡々とシーブル様の関与を受け入れられた。
いや、それよりも、シーブル様が王座を狙っている?
しかも断定?
「第一王子は魔法省大臣に毒を盛り、王妃は国王を毒殺しようとする。王弟は王の座を狙い暗躍する・・・いったいこの国の王族は、どうなっているんでしょう」
覇王の執務室で仕事をしているマリード侯爵家のハシム殿が、溜息を吐きながら王族を憂う。
「王族の愚行は、今に始まった訳ではありません。
私の契約妖精のエクレアの前の契約者も王子でしたが、他の王子に苛め抜かれ、伯爵の身分に落とされ、そして兄に暗殺された。
私だって、赤ん坊の時に施設に火を放たれ殺されかけましたよ・・・王妃とヘイズ侯爵に。
王宮に住んでいる妖精たちは、私にいろいろなことを教えてくれます。
だからこそ私は、腐った王権になど興味がない。
覇王として出来ることがあるとしたら、王族の在り方を理解していない王を、殴り飛ばすことでしょうか・・・貴重なポーションですが、これで王の逃げ道を塞ぎましょう」
アコル様はにっこりと黒く微笑まれ、青いポーションの瓶を机の上に置かれた。
我々が知らなかった王族の黒歴史や、王妃に暗殺されかけたこと、国王を殴り飛ばすという物騒な発言をされるアコル様からは、王族への敬意は感じられない。
王を殴るのはどうだろうかと思うが、このままではダメだと私も思う。
「逃げ道を塞ぐ・・・ですか?」とハシム殿が首をひねる。
「ええ、今日ワイコリーム公爵に使った【天の恵み】は中級ポーションで、マリード侯爵が使われたのはハイポーションです。
これは、この世に存在しないはずのエリクサー【神々の涙】という奇跡のポーションで、あらゆる毒を中和し、ケガなら欠損部分を修復し、病を完治させることができます。
必要な場面がきたら、これを王に与えます。
以後20年は次期国王の選出は必要なくなるでしょうから、王子より早く、国家認定A級一般魔法師を取得していただきましょう」
アコル様の表情は、実の父の健康を気遣う息子の表情ではなく、王としての責任を果たして戦えと命じる覇王の表情だった。
恐る恐る値段を訊いたら、商業ギルド本部の鑑定魔道具では金貨120枚だったので、もしも商業ギルド本部が売るとしたら金貨150枚以上になるだろうとのこと。
確かに王様が健康になれば、領主や大臣たちも後継者問題より、魔獣の大氾濫に目を向けることができるだろう。
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