225 / 709
魔王と覇王
126ー2 覇王、始動する(1)ー2
しおりを挟む
「ああ、女性の皆さんは、卒業後結婚のご予定などありましたら、遠慮なく言ってください。任命はしましたが強制ではありませんから」
こんな過酷な任務を、女性に続けさせるのは申し訳なさすぎる。
「アコル様、魔獣の大氾濫に打ち勝つまでは、結婚なんて考えられませんわ」
「そうですわねノエル様。私も結婚はマギ領に平穏が戻ってからにしたいですわ。
トゥーリス様もサナへ領の貴族を鍛えるのに忙しいでしょうし、私は卒業後も【王立高学院特別部隊】に残りますわ」
トゥーリス先輩の婚約者でもあるミレーヌ様は、1歳年上なので今年の夏には卒業だ。残ってトゥーリス先輩を支えていくのかもしれない。
「もちろん卒業後も【王立高学院特別部隊】や【覇王軍】に残る場合は、覇王が給料を支払います。出動したら出張手当も払います。
活躍に応じて報奨金も出す予定です。しかし、問題は卒業後に生活する場所ですね。寮は余分な部屋が殆ど無いので・・・」
俺は困ったなあという顔をして、ちらりとトーマス王子に視線を送る。
トーマス王子だけ、覇王は何も任命してないから、少しは役に立とう……とか考えてくれたら嬉しいんだけど、どうだろう・・・
「兄上、王族として出来ることがあるのではありませんか?
本来なら国が率先してすべきことを、アコ……覇王様に全てお任せしていては、国民や学生はどう思うでしょう?」
「そうだなルフナ。サナへ領の救済の時と同じでは、学生はついてきませんよ。
王を目指しているのなら、学生にも領主にも国民にも、ご自分の能力を示さねばなりません。
【覇王軍】を率いることに比べたら、簡単なことではありませんか」
ルフナ王子に続いて、リーマス王子も椅子から立ち上がり、トーマス王子に厳しい意見を言う。
サナへ領でのトーマス王子の態度には、二人とも首を捻っていたから、しっかりしろとエールを送っているのだろう。
「分かった。この件は私に預からせてもらう。卒業前には住居を用意しよう」
ここは任せろと力強く言って欲しいところだったが、用意してくれるなら問題ない。その煮え切らない態度も、そう長くは続かないだろう。
「それでは覇王として、トーマスを【王立高学院特別部隊】の住居調達担当及び相談役に任命する」
トーマス王子に何も役割を与えないと、覇王はトーマス王子を信用してないとか、見限ったと思われるだろう。
確かに一度は失格の烙印を押したが、遊ばせておく余裕も優しさも俺にはない。
使える王子は、使い倒さねばならない。倒れるまで働いたら、少しは逞しくなるだろう。
気付けば夕食時間になっていたので、続きは食事をとりながらすることとし、執行部のメンバーだけで同じテーブルに座り話をすることにした。
トーマス王子には、明日の放課後、学院長、副学院長のマキアート教授も含めて、また執行部室に集合して打ち合わせをすると伝えておいた。
食堂の前まで来たところで、俺を覇王として意識している全員に向かって指示を出す。
「俺が覇王として学生の前に立つ日まで、今まで通りの呼び方でお願いします。俺もこれまでと同じように話をします。分かりましたか?」
「分かりました」と14人が声を揃えて返事をする。でもきっと、エイトとボンテンク先輩は無理だろうな。
偶然なのか皆が気を利かせたのか、執行部が揃って食堂に入って来たので、8人掛けのテーブルが2つ並んで空いていた。遠慮なく座らせていただこう。
「それでトゥーリス先輩、あの後、モカの町はどうなりましたか?」
「はいアコルさ……くん、私はリーマス王子や医療班と一緒に、ケガ人や病人の手当をしたので、他の救済活動は役場長と役場長派の皆さんに任せました。
アコル君が出した指示通りに、西地区の被災者は副役場長と住民管理部長の家に移り、少しずつ普通の生活に戻っていきました。
シラミド男爵は、ココア村とモカの町の間に魔獣を防ぐ壁を造るそうです」
トゥーリス先輩は、やや俯き加減で報告する。きっと俺が満足するような救済活動を行えていないと考え、申し訳ないと思っているのだろう。
「リーマス王子、ケガ人や病人はどうでしたか?」
「はい、ケガ人は【薬種 命の輝き】から買った薬草や湿布が役立ちました。
次の日には、領都に薬草を買いに行っていた役人も戻って来て、ポーションも作れました。
問題は、薬草の代金を当然のようにシラミド男爵に請求しようとした、役人と私が言い争いになったことくらいです」
そう言ったリーマス王子は、はーっと大きな溜息を吐いた。
「嫌な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでしたリーマス王子」
「いや、トゥーリス君が謝ることではないよ。サナへ侯爵も王様も似たようなものだ。
だからこそ、これから我らが先頭に立って意識改革をするんだ。そうですよねアコル君?」
落ち込むトゥーリス先輩を慰めながら、リーマス王子は俺に同意を求める。
「はいそうですリーマス王子。
トゥーリス先輩、落ち込む必要はないですよ。先輩が侯爵や役人を説得しなくても、改めざるを得ない作戦を用意してあります。
これ以上自領の恥をさらすことが出来ないよう、俺は売られた喧嘩をちゃんと買いましたから」
俺は何時もの如く魔王の頬笑みを浮かべ、学院長にも提出した【危機管理指導講座の企画書】を3部取り出し(商学部の教授たちが徹夜で仕上げてくれた)、皆に目を通して貰う。
「これは……ここまで詳しく書いてあると、サナへ領から参加する役人は肩身が狭いでしょうね」と、マサルーノ先輩は同情しているようで顔がにやけている。
「仕方ありませんわ。真実ですもの。あの時の側近も参加するのかしら?」
「そうですわねノエル様。ぜひ参加していただきたいわ。講義では手加減なしでビシバシと・・・レイム領の怒りを思い知らせて差し上げますわ。ホホホ」
レイム公爵家の古参伯爵家の令嬢であり、俺の従者となったボンテンク先輩の妹であるカイヤさんは、うっとりとした瞳で完全にやる気モードになっている。
「ああ、金貨1枚の人ね」と俺が言うと、全員が俺に視線を向けプッと噴き出した。名指しで参加させれば、全員の気が済むだろう。
俺は会いたくもないし、思わず【覇気】が漏れちゃったら、腰を抜かして立てなくなるかもしれない。それはそれで医療班が迷惑するよなぁ……
「それから、【王立高学院特別部隊】の今後の活動で、重要な決定事項を伝えたいと思います」
だいたい皆が食べ終わる頃、俺はちょっと真面目な顔をして切り出した。
こんな過酷な任務を、女性に続けさせるのは申し訳なさすぎる。
「アコル様、魔獣の大氾濫に打ち勝つまでは、結婚なんて考えられませんわ」
「そうですわねノエル様。私も結婚はマギ領に平穏が戻ってからにしたいですわ。
トゥーリス様もサナへ領の貴族を鍛えるのに忙しいでしょうし、私は卒業後も【王立高学院特別部隊】に残りますわ」
トゥーリス先輩の婚約者でもあるミレーヌ様は、1歳年上なので今年の夏には卒業だ。残ってトゥーリス先輩を支えていくのかもしれない。
「もちろん卒業後も【王立高学院特別部隊】や【覇王軍】に残る場合は、覇王が給料を支払います。出動したら出張手当も払います。
活躍に応じて報奨金も出す予定です。しかし、問題は卒業後に生活する場所ですね。寮は余分な部屋が殆ど無いので・・・」
俺は困ったなあという顔をして、ちらりとトーマス王子に視線を送る。
トーマス王子だけ、覇王は何も任命してないから、少しは役に立とう……とか考えてくれたら嬉しいんだけど、どうだろう・・・
「兄上、王族として出来ることがあるのではありませんか?
本来なら国が率先してすべきことを、アコ……覇王様に全てお任せしていては、国民や学生はどう思うでしょう?」
「そうだなルフナ。サナへ領の救済の時と同じでは、学生はついてきませんよ。
王を目指しているのなら、学生にも領主にも国民にも、ご自分の能力を示さねばなりません。
【覇王軍】を率いることに比べたら、簡単なことではありませんか」
ルフナ王子に続いて、リーマス王子も椅子から立ち上がり、トーマス王子に厳しい意見を言う。
サナへ領でのトーマス王子の態度には、二人とも首を捻っていたから、しっかりしろとエールを送っているのだろう。
「分かった。この件は私に預からせてもらう。卒業前には住居を用意しよう」
ここは任せろと力強く言って欲しいところだったが、用意してくれるなら問題ない。その煮え切らない態度も、そう長くは続かないだろう。
「それでは覇王として、トーマスを【王立高学院特別部隊】の住居調達担当及び相談役に任命する」
トーマス王子に何も役割を与えないと、覇王はトーマス王子を信用してないとか、見限ったと思われるだろう。
確かに一度は失格の烙印を押したが、遊ばせておく余裕も優しさも俺にはない。
使える王子は、使い倒さねばならない。倒れるまで働いたら、少しは逞しくなるだろう。
気付けば夕食時間になっていたので、続きは食事をとりながらすることとし、執行部のメンバーだけで同じテーブルに座り話をすることにした。
トーマス王子には、明日の放課後、学院長、副学院長のマキアート教授も含めて、また執行部室に集合して打ち合わせをすると伝えておいた。
食堂の前まで来たところで、俺を覇王として意識している全員に向かって指示を出す。
「俺が覇王として学生の前に立つ日まで、今まで通りの呼び方でお願いします。俺もこれまでと同じように話をします。分かりましたか?」
「分かりました」と14人が声を揃えて返事をする。でもきっと、エイトとボンテンク先輩は無理だろうな。
偶然なのか皆が気を利かせたのか、執行部が揃って食堂に入って来たので、8人掛けのテーブルが2つ並んで空いていた。遠慮なく座らせていただこう。
「それでトゥーリス先輩、あの後、モカの町はどうなりましたか?」
「はいアコルさ……くん、私はリーマス王子や医療班と一緒に、ケガ人や病人の手当をしたので、他の救済活動は役場長と役場長派の皆さんに任せました。
アコル君が出した指示通りに、西地区の被災者は副役場長と住民管理部長の家に移り、少しずつ普通の生活に戻っていきました。
シラミド男爵は、ココア村とモカの町の間に魔獣を防ぐ壁を造るそうです」
トゥーリス先輩は、やや俯き加減で報告する。きっと俺が満足するような救済活動を行えていないと考え、申し訳ないと思っているのだろう。
「リーマス王子、ケガ人や病人はどうでしたか?」
「はい、ケガ人は【薬種 命の輝き】から買った薬草や湿布が役立ちました。
次の日には、領都に薬草を買いに行っていた役人も戻って来て、ポーションも作れました。
問題は、薬草の代金を当然のようにシラミド男爵に請求しようとした、役人と私が言い争いになったことくらいです」
そう言ったリーマス王子は、はーっと大きな溜息を吐いた。
「嫌な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでしたリーマス王子」
「いや、トゥーリス君が謝ることではないよ。サナへ侯爵も王様も似たようなものだ。
だからこそ、これから我らが先頭に立って意識改革をするんだ。そうですよねアコル君?」
落ち込むトゥーリス先輩を慰めながら、リーマス王子は俺に同意を求める。
「はいそうですリーマス王子。
トゥーリス先輩、落ち込む必要はないですよ。先輩が侯爵や役人を説得しなくても、改めざるを得ない作戦を用意してあります。
これ以上自領の恥をさらすことが出来ないよう、俺は売られた喧嘩をちゃんと買いましたから」
俺は何時もの如く魔王の頬笑みを浮かべ、学院長にも提出した【危機管理指導講座の企画書】を3部取り出し(商学部の教授たちが徹夜で仕上げてくれた)、皆に目を通して貰う。
「これは……ここまで詳しく書いてあると、サナへ領から参加する役人は肩身が狭いでしょうね」と、マサルーノ先輩は同情しているようで顔がにやけている。
「仕方ありませんわ。真実ですもの。あの時の側近も参加するのかしら?」
「そうですわねノエル様。ぜひ参加していただきたいわ。講義では手加減なしでビシバシと・・・レイム領の怒りを思い知らせて差し上げますわ。ホホホ」
レイム公爵家の古参伯爵家の令嬢であり、俺の従者となったボンテンク先輩の妹であるカイヤさんは、うっとりとした瞳で完全にやる気モードになっている。
「ああ、金貨1枚の人ね」と俺が言うと、全員が俺に視線を向けプッと噴き出した。名指しで参加させれば、全員の気が済むだろう。
俺は会いたくもないし、思わず【覇気】が漏れちゃったら、腰を抜かして立てなくなるかもしれない。それはそれで医療班が迷惑するよなぁ……
「それから、【王立高学院特別部隊】の今後の活動で、重要な決定事項を伝えたいと思います」
だいたい皆が食べ終わる頃、俺はちょっと真面目な顔をして切り出した。
4
お気に入りに追加
312
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
いや、自由に生きろって言われても。
SHO
ファンタジー
☆★☆この作品はアルファポリス様より書籍化されます☆★☆
書籍化にあたってのタイトル、著者名の変更はありません。
異世界召喚に巻き込まれた青年と召喚された張本人の少女。彼等の通った後に残るのは悪人の骸…だけではないかも知れない。巻き込まれた異世界召喚先では自由に生きるつもりだった主人公。だが捨て犬捨て猫を無視出来ない優しさが災い?してホントは関わりたくない厄介事に自ら巻き込まれに行く。敵には一切容赦せず、売られたケンカは全部買う。大事な仲間は必ず守る。無自覚鈍感最強ヤローの冒険譚を見よ!
◎本作のスピンオフ的作品『職業:冒険者。能力:サイキック。前世:日本人。』を並行連載中です。気になった方はこちらも是非!*2017.2.26完結済です。
拙作をお読み頂いた方、お気に入り登録して頂いた皆様、有難う御座います!
2017/3/26本編完結致しました。
2017/6/13より新展開!不定期更新にて連載再開!
2017/12/8第三部完結しました。
能力1のテイマー、加護を三つも授かっていました。
暇野無学
ファンタジー
馬鹿の巻き添えで異世界へ、召喚した神様は予定外だと魔法も授けずにテイマー神に丸投げ。テイマー神もやる気無しで、最低限のことを伝えて地上に降ろされた。
テイマーとしての能力は最低の1だが、頼りは二柱の神の加護だけと思ったら、テイマーの能力にも加護が付いていた。
無責任に放り出された俺は、何時か帰れることを願って生き延びることに専念することに。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
魔眼の守護者 ~用なし令嬢は踊らない~
灯乃
ファンタジー
幼い頃から、スウィングラー辺境伯家の後継者として厳しい教育を受けてきたアレクシア。だがある日、両親の離縁と再婚により、後継者の地位を腹違いの兄に奪われる。彼女は、たったひとりの従者とともに、追い出されるように家を出た。
「……っ、自由だーーーーーーっっ!!」
「そうですね、アレクシアさま。とりあえずあなたは、世間の一般常識を身につけるところからはじめましょうか」
最高の淑女教育と最強の兵士教育を施されたアレクシアと、そんな彼女の従者兼護衛として育てられたウィルフレッド。ふたりにとって、『学校』というのは思いもよらない刺激に満ちた場所のようで……?
秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!
中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。
※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる