41 / 709
冒険者とお仕事
34ー2 目標達成と次の課題(2)
しおりを挟む
【上級魔法と覇王の遺言】の本を、半分くらいまで開けるようになった翌年の春、こっそり王都に戻った俺は、モンブラン商会の不動産部に依頼して、王都の下級地区に家を買った。
不動産部のマジョラムさんが、三階建ての店舗付き住居で、二階の半分が住居で一階の4分の1が小さな店スペースになっている物件を見付けてくれて、予算きっちりの金貨70枚で売ってくれた。
そして13歳になった俺は、念願の商業ギルドに登録した。
登録店名を【薬種 命の輝き】とし、個人ではなく最初から商店として登録し、金貨2枚を払って商店主になった。
子供だからと手続きを遅らせたりされないよう、保証人欄にモンブラン商会の創業者一族の代表であり伯爵であるダルトンさんが、推薦者欄にモンブラン商会のマルク人事部長が名前を書いてくれた。
二人の名前を見た商業ギルドの受付のお姉さんが、目をぱちくりさせて急ぎ扱いで登録してくれたので、ギルドの手続きや家の手続きが2日で完了した。
「お前なぁ、あれだけ目立つなと言ったのに変異種を討伐したらしいな」
大変お世話になっている冒険者ギルド王都支部に立ち寄った俺は、ギルマスの執務室で、疲れた顔をしたギルマスから文句を言われながら睨まれた。
「たまたま遭遇したんだから、仕方ないじゃん。それに家を買うためにお金が必要だったんだよ」
俺は言い訳をしながらも、討伐は【宵闇の狼】として報告してるから問題ないはずだと胸を張った。
「どこの世界に13歳で王都に家を買うような子供が居るんだよ。それに、なんで商業ギルドに登録してるんだぁ? もう冒険者でいいんじゃないのか?」
「何度も言うけど、俺は大商人になるんだよ。秋から高学院に入学して、モンブラン商会の商会員になって・・・まあ、時々冒険者も遣る予定だけど、魔獣の大氾濫のために魔術は絶対に学ばなきゃダメだろう?」
ブラックカードを持っている冒険者なのに、本業が商人って、あり得ないだろうとブツブツ言うギルマスだけど、こればかりは譲れない。
俺が王都を追われた時から、ギルマスもダルトンさんも、モンブラン商会の会頭やマルクさんも、軍や魔法省から俺をずっと守ってくれている。
そのことは本当に、心から感謝している。
……でもなぁ、魔獣の大氾濫は必ず起こるはずだけど、その時俺は、高学院の学生をしている気がする。商人だとか冒険者だとか、軍とか魔法省なんて関係ない立場の学生をしながら、きっと俺は戦うことになるだろう。
「とにかく、俺は冒険者として学ぶという目標は達成した。これからは、魔獣の大氾濫の前に自分が消されることがないよう、情報収集とこの国の現状を学んでいく」
仕方ないなあという諦めの表情で、ハァと息を吐くギルマスに向かって、俺は次の新たなる課題を伝えて、王都に魔獣が攻めてくるような事態になったら、学生をしていても加勢すると約束して執務室を出ていった。
サブギルマスのダルトンさんにも、いろいろとお礼をしたかったが、復活した魔術師ギルドとの会合のため留守だったので、7月末までには王都に戻ると伝言を頼んだ。
◇◇ 3年後 ◇◇
久し振りの王都に母さんは少し涙を浮かべて、感慨深げに下級地区の景色を見ている。準男爵家の令嬢だったのに、家出して冒険者になった母さんは、18歳から一度も実家に帰っていない。
風の噂で兄が家を継ぎ、なんとか貴族を続けていると聞いていたが、会いに行きたいとは思わないらしい。寧ろ、関わりたくない様子だ。
妹のメイリは、ド田舎から王都に来たもんだから、ワクワクがいっぱいの王都の街並みを見て、大はしゃぎしている。
無事にヨウキ村の家や畑や牧場が売れて、お金に余裕ができた母さんは、そのお金を家を借りる補償金(敷金)にしなさいと渡してくれたけど、冒険者で稼いだお金でもう購入したと説明したら、目が点になっていた。
危険な依頼を受けたのかと怒り出した母さんに、【宵闇の狼】が一緒だったんだから問題ないとセイガさんが庇ってくれた。
「ちょっとアコル、ここ? この建物なの?」
「そうだよ母さん。二階が住居で、小さいけど一階に店もある。留守の間の管理は、モンブラン商会の支店時代の友達バジルがしてくれていたんだ。さあ、とにかく二階に入ってみて」
驚いた顔の母さんと、「ここが新しいお家?」って、階段のある家に初めて入るメイリの手を引いて、俺は階段を上り住居スペースのドアを開けた。
都会の家を買う時は、大きな家具が残されていることが多いらしく、食器棚や食卓テーブルセットが残っていたので、家から持ってきたのは、ベッドやタンスが大きな家具で、あとは衣装や食器や細々としたものだけだった。
「それじゃあ出すよ」と言って、俺はマジックバッグから荷物を取り出した。
「相変わらず常識知らずのマジックバッグね」って、母さんが呆れる。
一緒に王都まで戻ってきた【宵闇の狼】のメンバーが全員、引越しの手伝いをしてくれるから、俺はキッチンで夕食の準備を始める。
3年間の雑用係生活で、料理のレパートリーも増えたし、旅の途中で色々な香辛料を買うのが趣味だったから、味付けだって工夫している。旅の宿で食べた料理が美味しかった時、小銀貨1枚(五千円)でレシピを教えて貰ったりもした。
「宵闇の狼の皆さん。3年間本当にお世話になりました。今日は引っ越しまで手伝っていただき、ありがとうございました。心ばかりの料理ですが、感謝の気持ちを込めて作りました。どうぞ、お腹一杯食べてください」
「なんだよアコル、他人行儀に。世話になったのは俺たちも同じだ。アコルと旅を始めて【宵闇の狼】の稼ぎは倍増した。ああぁ、でも、アコルの旨い料理が今日限りだと思うと、泣きたくなるのは俺だけじゃないだろう」
「そうだなリーダー」ってデルさんが苦笑すると、他の二人も笑って頷く。
いよいよ明日からモンブラン商会に戻る。
高学院の受験の準備も始めなければならない。
でも、最初に俺を待ち受けているのは、魔法省との対決だ。
不動産部のマジョラムさんが、三階建ての店舗付き住居で、二階の半分が住居で一階の4分の1が小さな店スペースになっている物件を見付けてくれて、予算きっちりの金貨70枚で売ってくれた。
そして13歳になった俺は、念願の商業ギルドに登録した。
登録店名を【薬種 命の輝き】とし、個人ではなく最初から商店として登録し、金貨2枚を払って商店主になった。
子供だからと手続きを遅らせたりされないよう、保証人欄にモンブラン商会の創業者一族の代表であり伯爵であるダルトンさんが、推薦者欄にモンブラン商会のマルク人事部長が名前を書いてくれた。
二人の名前を見た商業ギルドの受付のお姉さんが、目をぱちくりさせて急ぎ扱いで登録してくれたので、ギルドの手続きや家の手続きが2日で完了した。
「お前なぁ、あれだけ目立つなと言ったのに変異種を討伐したらしいな」
大変お世話になっている冒険者ギルド王都支部に立ち寄った俺は、ギルマスの執務室で、疲れた顔をしたギルマスから文句を言われながら睨まれた。
「たまたま遭遇したんだから、仕方ないじゃん。それに家を買うためにお金が必要だったんだよ」
俺は言い訳をしながらも、討伐は【宵闇の狼】として報告してるから問題ないはずだと胸を張った。
「どこの世界に13歳で王都に家を買うような子供が居るんだよ。それに、なんで商業ギルドに登録してるんだぁ? もう冒険者でいいんじゃないのか?」
「何度も言うけど、俺は大商人になるんだよ。秋から高学院に入学して、モンブラン商会の商会員になって・・・まあ、時々冒険者も遣る予定だけど、魔獣の大氾濫のために魔術は絶対に学ばなきゃダメだろう?」
ブラックカードを持っている冒険者なのに、本業が商人って、あり得ないだろうとブツブツ言うギルマスだけど、こればかりは譲れない。
俺が王都を追われた時から、ギルマスもダルトンさんも、モンブラン商会の会頭やマルクさんも、軍や魔法省から俺をずっと守ってくれている。
そのことは本当に、心から感謝している。
……でもなぁ、魔獣の大氾濫は必ず起こるはずだけど、その時俺は、高学院の学生をしている気がする。商人だとか冒険者だとか、軍とか魔法省なんて関係ない立場の学生をしながら、きっと俺は戦うことになるだろう。
「とにかく、俺は冒険者として学ぶという目標は達成した。これからは、魔獣の大氾濫の前に自分が消されることがないよう、情報収集とこの国の現状を学んでいく」
仕方ないなあという諦めの表情で、ハァと息を吐くギルマスに向かって、俺は次の新たなる課題を伝えて、王都に魔獣が攻めてくるような事態になったら、学生をしていても加勢すると約束して執務室を出ていった。
サブギルマスのダルトンさんにも、いろいろとお礼をしたかったが、復活した魔術師ギルドとの会合のため留守だったので、7月末までには王都に戻ると伝言を頼んだ。
◇◇ 3年後 ◇◇
久し振りの王都に母さんは少し涙を浮かべて、感慨深げに下級地区の景色を見ている。準男爵家の令嬢だったのに、家出して冒険者になった母さんは、18歳から一度も実家に帰っていない。
風の噂で兄が家を継ぎ、なんとか貴族を続けていると聞いていたが、会いに行きたいとは思わないらしい。寧ろ、関わりたくない様子だ。
妹のメイリは、ド田舎から王都に来たもんだから、ワクワクがいっぱいの王都の街並みを見て、大はしゃぎしている。
無事にヨウキ村の家や畑や牧場が売れて、お金に余裕ができた母さんは、そのお金を家を借りる補償金(敷金)にしなさいと渡してくれたけど、冒険者で稼いだお金でもう購入したと説明したら、目が点になっていた。
危険な依頼を受けたのかと怒り出した母さんに、【宵闇の狼】が一緒だったんだから問題ないとセイガさんが庇ってくれた。
「ちょっとアコル、ここ? この建物なの?」
「そうだよ母さん。二階が住居で、小さいけど一階に店もある。留守の間の管理は、モンブラン商会の支店時代の友達バジルがしてくれていたんだ。さあ、とにかく二階に入ってみて」
驚いた顔の母さんと、「ここが新しいお家?」って、階段のある家に初めて入るメイリの手を引いて、俺は階段を上り住居スペースのドアを開けた。
都会の家を買う時は、大きな家具が残されていることが多いらしく、食器棚や食卓テーブルセットが残っていたので、家から持ってきたのは、ベッドやタンスが大きな家具で、あとは衣装や食器や細々としたものだけだった。
「それじゃあ出すよ」と言って、俺はマジックバッグから荷物を取り出した。
「相変わらず常識知らずのマジックバッグね」って、母さんが呆れる。
一緒に王都まで戻ってきた【宵闇の狼】のメンバーが全員、引越しの手伝いをしてくれるから、俺はキッチンで夕食の準備を始める。
3年間の雑用係生活で、料理のレパートリーも増えたし、旅の途中で色々な香辛料を買うのが趣味だったから、味付けだって工夫している。旅の宿で食べた料理が美味しかった時、小銀貨1枚(五千円)でレシピを教えて貰ったりもした。
「宵闇の狼の皆さん。3年間本当にお世話になりました。今日は引っ越しまで手伝っていただき、ありがとうございました。心ばかりの料理ですが、感謝の気持ちを込めて作りました。どうぞ、お腹一杯食べてください」
「なんだよアコル、他人行儀に。世話になったのは俺たちも同じだ。アコルと旅を始めて【宵闇の狼】の稼ぎは倍増した。ああぁ、でも、アコルの旨い料理が今日限りだと思うと、泣きたくなるのは俺だけじゃないだろう」
「そうだなリーダー」ってデルさんが苦笑すると、他の二人も笑って頷く。
いよいよ明日からモンブラン商会に戻る。
高学院の受験の準備も始めなければならない。
でも、最初に俺を待ち受けているのは、魔法省との対決だ。
2
お気に入りに追加
311
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~
udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。
それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。
唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。
無断朗読・無断使用・無断転載禁止。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる