トライアングルパートナー

第26章 慶子の上京

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　人体のツボは刺激することにより健康を維持できる。一人でも可能であるが、複数であればさらなる健康を享受できるのがセックスである。大抵の人間はセックスしていると絶頂感を味わい脱力した体と精神に開放感が押し寄せる。それを表現した言葉に、昇天した、というものがある。それを日々、好きな時間、好きな人と、昇天する時間を共有できたとき、人は幸福感を得られる。ただ、気持ち良かっただけでも、その瞬間、心を無にできる、一切の煩悩を追い払える。それは一時期、瞬間、刹那、であってもいい。ただ、わずらわしさを開放したいのだ。それは、愛と呼ぶ名のリフレッシュである。愛は心の浄化を促す。人を愛することで心は浄化され、心身に爽快感が生まれる。
　愛を届ける真心サービスを駆使し世界を愛で満たす。ボランティア登録したセックスをこよなく愛する老若男女たちは相互扶助に基づき奉仕する。この相互扶助は完全無償の活動だ。愛に愛で答える。よって、相互の官能機関で喜びを知覚することで、脳は研ぎ澄まされ鋭敏に反応し、快楽を感覚細胞が脳に伝達し、脳は最終的に無の境地に到達できる。
　夜の人格･潤子はこの基本的な理念と活動が誇りであり、生きがいであり、何より自ら到達した境地であり、したがって、率先しセックスに特化した愛の奉仕活動をし、愛を満たすことが望みであり、この活動に全精力を傾ける覚悟だった。
　夜の人格･潤子は「将来、あたしの愛で、世界を愛で変える」と誓い、そのための選りすぐりの優秀な人材を獲得するため、あらゆる手法、人脈を使う覚悟だった。もちろん、獲得後、彼女はマンツーマンで愛の伝道師として活動できる人材に育てるつもりでいる。そのためのトレーニングセンターも全国に建設し、普及をさせる計画を立てていた。

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　昼の人格･今田純子の基本的理念はすべての健全なる生活者に愛をささげていく、ことだ。彼女の住むK区の住民は彼女のことを、神さま、仏さま、生き神さま、観音さま、弁天さま、純子さまといろいろな敬称で呼んだ。日本人は多神教国家である。もちろん、無神論者もいる。ゆえに、彼女の呼び方は一様ではない。