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第26章 慶子の上京
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18歳の慶子は東京の京王大学に現役で合格し上京した。学内では持ち前のキュートさで、たちまちボーイフレンドはたくさんできた。彼女は入学したらスポーツサークルは幼少時からやっていたテニスと決めていたが、目を引くサークルを見つけてしまった。そのサークルは「世界を愛で変える今田を応援するグループ」と言った。慶子はどんな活動をするサークルなのか、直接、のぞいてみることにした。
世界を愛で変える、なんて、大仰な目標を掲げているが、ビッグビジネスを研究するのだろうか。世界を愛で満たせれば、自分も当然、愛で満たされるのだろう。
彼女は、将来、小山内グループの承継者となるにはメンタルを強くさせたい、と思っていた。幼少時から両親の、特に、父から愛を注がれ、なんの不自由も感じない家庭環境で育った。
女子高校を卒業したら、東京の大学に通学し、独立心を育てるためにも単身で暮らしたい、と父に訴えた。意外なほど、父はすんなり了承した。それもそのはずで、すべてが父の思い描いた進路と同じであったことを慶子は知る由もなかった。それでも、自分の考えで道を選択できたことに少しずつ自信が芽生えていく感覚を得た。父親はそうなるよう仕向けていたのかもしれない。
慶子は初めて登校した大学のガイダンスで、隣りに座っていた大人しそうな加藤小百合ととりとめのないことを話すうちに、友だちになった。小百合は慶子と真逆の性格だったが、不思議にくだけた話ができた。
「ねぇ、さゆりはあの長い名前のサークル、知ってる?」
「長い? ああーあれでしょ? あたしも興味を持ったわ」
「へぇー、そう? それで、世界を愛で変えるって、どういうことなの、知ってる?」
「今田という人が世界を愛で満たす社会をつくろうとしている、らしいわ、それを応援するのね」
世界を愛で変える、なんて、大仰な目標を掲げているが、ビッグビジネスを研究するのだろうか。世界を愛で満たせれば、自分も当然、愛で満たされるのだろう。
彼女は、将来、小山内グループの承継者となるにはメンタルを強くさせたい、と思っていた。幼少時から両親の、特に、父から愛を注がれ、なんの不自由も感じない家庭環境で育った。
女子高校を卒業したら、東京の大学に通学し、独立心を育てるためにも単身で暮らしたい、と父に訴えた。意外なほど、父はすんなり了承した。それもそのはずで、すべてが父の思い描いた進路と同じであったことを慶子は知る由もなかった。それでも、自分の考えで道を選択できたことに少しずつ自信が芽生えていく感覚を得た。父親はそうなるよう仕向けていたのかもしれない。
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「へぇー、そう? それで、世界を愛で変えるって、どういうことなの、知ってる?」
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