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第13章 小山内慶子の攻略

9

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 慶子は黙って配置を見つめていた。進一はそれを見て即座に動いた。
「いいねえぇー さすがだね。僕はここに座らしていただこうか? さあ、座ろう」
 慶子が弁当をそれぞれの机に置いた。
「では」
 純子が座ったあと、二人も座った。進一の右隣に純子、左隣に慶子が座った。慶子が大きな声を上げた。
「これ? ピラミッドの形?」
 感激している慶子を見た純子が、進一に顔を向けた。
「慶子さんは、あたしたちが、これは、世間で言われている三角関係になることを望んでいらっしゃるの? ッフフフ 大胆な娘さんね? 庁舎内の会議室であたしに宣戦布告するなんて…… さすがに小山内グループの継承者ね? あたし、あなたのことがとても気に入ったわ。これから仲良く楽しみましょうね? さあ、食べる前にヒトメボレを机の上に出して……」
 進一は純子の不敵な笑いを初めて昼間に見た。進一の背中に汗が一筋流れるのを感じた。あの憂いを含んだような笑い方は、夜の純子の笑い方だ。このとき、進一は昼の純子に、夜の潤子が出現したことを知らない。多忙な昼の純子が夜の時間まで食い込んで使う悪の所業に夜の潤子の堪忍袋の緒が切れた。夜の潤子が、ついに、昼の純子に警告することをしないで出現を開始した。
 進一は体が硬直した。純子が怖い。これから起こる何かに、進一の体の中心が大きく反応していた。そういう期待をしてしまう自分の心が怖かった。
「これから僕はどうなってしまうのだろう」 進一は、慶子と純子が見つめ合う姿を眺め、恐怖と興奮を感じ、体が震えていた。
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