76 / 190
第12章 ゲームの対戦相手
6
しおりを挟む
今、Rを押したら、このエレベーターは邪心界に行ってしまう。間違いなく慶子の魂はエロMエッサイ無様にもてあそばされてしまうだろう。慎之助はそれは絶対避けなければならない、と強く思った。なぜなら、慎之助の心には大好きな慶子を守りたい、という気持ちが芽生えていた。彼は慶子と時間を共有するに従い、一歩一歩、心は人間に近づいていた。
そうとは気が付いていない慎之助にとって、慶子は今までにない人間になっていた。
「あぁー かわいいぃー」
慎之助は思っていたことが声に出てしまった。男女の恋の橋渡しという修業はしていても、女性との交際など慎之助にはありえないことだった。それ以前に、天界にいた彼は、人間との交流が今までなかった。
「えぇ?? あんた、今ごろ何言ってるの?」
「ご、ごめんなさい、女の子にあまりなれていないので……」
「ええっ? そうなの?…… でも、付き合った子はいるんでしょ?」
慶子はこのイケメンがどう見ても遊んでいるとしか思えない。周囲の女が言い寄ってくるに違いない。なれていないなんて、よく言うわ、どれだけの女を泣かせてきたんだ? このイケメン、うぶな振りをするなんて、ある意味、嫌みに思う。いつもなら警戒マックスの男の筆頭なのに、ヒトメボレのせいであたしはこいつのことが好きになってしまったの? 慶子は体の芯が熱くなるのを感じた。エレベーターのドアが開いた。
「どうぞ……」
「あら、着いたの? そうよね? 2階だものね。でもさ、階段とか使ったほうが早かったんじゃない?」
そうとは気が付いていない慎之助にとって、慶子は今までにない人間になっていた。
「あぁー かわいいぃー」
慎之助は思っていたことが声に出てしまった。男女の恋の橋渡しという修業はしていても、女性との交際など慎之助にはありえないことだった。それ以前に、天界にいた彼は、人間との交流が今までなかった。
「えぇ?? あんた、今ごろ何言ってるの?」
「ご、ごめんなさい、女の子にあまりなれていないので……」
「ええっ? そうなの?…… でも、付き合った子はいるんでしょ?」
慶子はこのイケメンがどう見ても遊んでいるとしか思えない。周囲の女が言い寄ってくるに違いない。なれていないなんて、よく言うわ、どれだけの女を泣かせてきたんだ? このイケメン、うぶな振りをするなんて、ある意味、嫌みに思う。いつもなら警戒マックスの男の筆頭なのに、ヒトメボレのせいであたしはこいつのことが好きになってしまったの? 慶子は体の芯が熱くなるのを感じた。エレベーターのドアが開いた。
「どうぞ……」
「あら、着いたの? そうよね? 2階だものね。でもさ、階段とか使ったほうが早かったんじゃない?」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる