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第8章 二人だけの執務室
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ピピー
では、お昼、楽しみです。
慶子
進一は「うん」とだけメッセージをタイピングしてから送信して慶子を見た。スマホを見ていた慶子が顔を上げて、進一に笑顔を見せていた。それを見た進一も笑顔になっていた。昨日から慶子との仲が、急に親密になったような気がする。これはスマホのヒトメボレの効果なのか、と進一は思う。二人で同じスマホを持っていることで仲間意識が芽生えたのか。それにしても「リア・ラブゲーム」とは、どんなゲームなのか。進一は、昼休みに慶子から詳しく聞いてみようと思っている。昨夜は純子から早く帰るように言われていて慶子からゲームの話を詳しく聞いていない。早くゲームのことを知らないと、これから慶子とどう接したらいいか分からず、不安だった。
*
執務室に昼を知らせるチャイムが鳴った。進一の係のものはそれぞれこの建物にある食堂へ食べに行くが、全員が同じ場所へ行くので今まで、なんとなく連れ立って行った。慶子が席を立たずに、机の引き出しから紙袋を出して机の上に置いた。それと同時に慶子が進一に顔を向けて言った。
「あのぅ あたし、お弁当を作ったんですけど 係長の分もありますので良ろしかったらご一緒に」
そう言った慶子がほおを真っ赤にしている。
「えっ? 僕の分? うれしいけど、いただいていいのかなぁ?」
「昼休み、会議室が空いてますからそこでいかがでしょうか?」
進一は若い女子職員と二人きりで会議室で食べているなんて、変なうわさが立つと嫌だな、と思った。
では、お昼、楽しみです。
慶子
進一は「うん」とだけメッセージをタイピングしてから送信して慶子を見た。スマホを見ていた慶子が顔を上げて、進一に笑顔を見せていた。それを見た進一も笑顔になっていた。昨日から慶子との仲が、急に親密になったような気がする。これはスマホのヒトメボレの効果なのか、と進一は思う。二人で同じスマホを持っていることで仲間意識が芽生えたのか。それにしても「リア・ラブゲーム」とは、どんなゲームなのか。進一は、昼休みに慶子から詳しく聞いてみようと思っている。昨夜は純子から早く帰るように言われていて慶子からゲームの話を詳しく聞いていない。早くゲームのことを知らないと、これから慶子とどう接したらいいか分からず、不安だった。
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執務室に昼を知らせるチャイムが鳴った。進一の係のものはそれぞれこの建物にある食堂へ食べに行くが、全員が同じ場所へ行くので今まで、なんとなく連れ立って行った。慶子が席を立たずに、机の引き出しから紙袋を出して机の上に置いた。それと同時に慶子が進一に顔を向けて言った。
「あのぅ あたし、お弁当を作ったんですけど 係長の分もありますので良ろしかったらご一緒に」
そう言った慶子がほおを真っ赤にしている。
「えっ? 僕の分? うれしいけど、いただいていいのかなぁ?」
「昼休み、会議室が空いてますからそこでいかがでしょうか?」
進一は若い女子職員と二人きりで会議室で食べているなんて、変なうわさが立つと嫌だな、と思った。
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