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第7章 小山内慶子

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 しかし、いかんせん、進一とは年齢差があり過ぎた。25歳の差は父娘のような差だ。彼は相手にもされないと断定する。そんな娘みたいな子と浮気する気持ちはないよ、と鼻で笑う進一だ。
 そう思いながらも、妄想が全開の進一は相変わらず慶子を見つめていた。慶子は屈託なくゲラゲラ大口を開けて笑っている。彼は、直立の姿勢で立っているが、すぐに顔を慶子に向けて、口の中をのぞきたい衝動が湧いてくる。
「きみの白い歯は輝いているなぁ、べろも奇麗だねぇ」
 彼は感想を彼女に伝える。すると、彼女は唇をピンク色に湿った舌の先を使ってゆっくりなめて言う。
「係長、いつも見てくださってありがとうございます。お礼にいつもより口を長く開けますね。このベロ、係長さんのベロでなめてくださっても構いませんことよ。先を出しますからどうぞ」
 そう言って口をわずかに広げ、ベロの先を唇から差し出している。その後、彼女は両手のひらを上に向け進一の前に差し出している。
「何? それ?」
 進一が挙動不審の慶子に問い掛けると、慶子は口を閉じて立ち上がった。
「だって係長って、いつもあたしのことを見ていますよね? あそこの席で、これからは拝観料をいただきまーーーす」
 慶子は進一の席に人差し指で指し示した。
「何? いつも見てるって? 拝観料って? 僕がきみを見ているのは業務として、指導する立場として見ているのだよ、何を言ってくれちゃっているの? 人をエロ男のように言ってくれて嫌だなぁー いやー きみのような新人の指導は、僕も大変だよぉー すべてを仕方なく見てるのだよ」
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