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第2章 管理職昇任試験
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今田進一が役所に登用されて、初めての昇任試験を受けたが不合格、そして、1年が経ち、2度目の受験だった。去年、彼は初めての試験だし、1発合格はありえないと思っていた。だから、不合格は予想していた。しかし、彼は今年は別だった。妻に刺激を受け、試験に備え、受験対策に力を入れた。目立たないフツメンの彼でも、バリバリキャリアウーマンの女性とひとつ屋根の下にいるのだから、多少の功名心は生まれて当然だった。組織としては上司となっている妻に、少しは追いつきたい、と少なからず思っていた。
「純子、輝いてるなぁ」
彼は役所のイベントで彼女のもとへ部下が近づくなり指示を出している彼女の姿を見てつぶやいた。だから、彼女に自分も少しは近づきたい、と思った。入所当初から期待されていた妻は順調に昇格し役職の位置を一歩ずつ上げた。彼女の学歴、能力からすれば、当然の結果だ。
あるとき、彼は支援で行ったイベント会場で彼女の部下が会話している声が聞くとはなしに耳に入った。
「今田課長って輝いて見えますよね? オーラっていうんですか?」
会議の準備に出た新人職員は、大抵、彼女を初めて見ると、決まってだれもが同じ言葉を先輩職員に言う。彼女の自然に放つオーラにだれもが魅了された。
「きれいな方ですねぇ」
「ああ、それに性格の良さもピカイチだからね」
「え? どんなふうにですか?」
「ここだけの話、困った人を助ける女神さまとでも言えばいいのかなぁ」
「なんですか? それ?」
理由を聞かれたベテラン職員は新人職員の耳元に口をゆっくり近づけて声を低くして言う。
「きみもだんなさんを見れば分かるよ」
「はぁー?」
「人を外見で判断しない人、って、まさに彼女のことだな、って、思うから」
「え? なんですか、それ? ますます分かりませんよぉー」
「純子、輝いてるなぁ」
彼は役所のイベントで彼女のもとへ部下が近づくなり指示を出している彼女の姿を見てつぶやいた。だから、彼女に自分も少しは近づきたい、と思った。入所当初から期待されていた妻は順調に昇格し役職の位置を一歩ずつ上げた。彼女の学歴、能力からすれば、当然の結果だ。
あるとき、彼は支援で行ったイベント会場で彼女の部下が会話している声が聞くとはなしに耳に入った。
「今田課長って輝いて見えますよね? オーラっていうんですか?」
会議の準備に出た新人職員は、大抵、彼女を初めて見ると、決まってだれもが同じ言葉を先輩職員に言う。彼女の自然に放つオーラにだれもが魅了された。
「きれいな方ですねぇ」
「ああ、それに性格の良さもピカイチだからね」
「え? どんなふうにですか?」
「ここだけの話、困った人を助ける女神さまとでも言えばいいのかなぁ」
「なんですか? それ?」
理由を聞かれたベテラン職員は新人職員の耳元に口をゆっくり近づけて声を低くして言う。
「きみもだんなさんを見れば分かるよ」
「はぁー?」
「人を外見で判断しない人、って、まさに彼女のことだな、って、思うから」
「え? なんですか、それ? ますます分かりませんよぉー」
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