蜃気楼の女

窓野枠

文字の大きさ
上 下
106 / 134
第35章 現代の安田邸

9話

しおりを挟む
「ねえ、進ちゃん、お仕置きって、何なのぉ?」  
 尚子にとって、進一はいつも誠実な男でいた。だから、尚子は進一の部屋を透視しながら、自分が超能力を使って、オナニーをさせていたと思い込んでいた。  
 しかし、進一に対し送った尚子の超能力は進一にはまったく通じていなくて、進一自らオナニーをしていたのである。そのことを尚子は知らなかった。  
 尚子にとって、進一からお仕置きをされる、なんて展開は尚子の想定外の展開だった。これは自分の超能力を使って作った妄想の世界ではない、と思い始めた。

  変態バージョンになった尚子は自分の考えているお仕置きと、尚子の大好きな進一の言っているお仕置きがどう違うのか、まったく想像ができない。進一のお仕置きが、どんなものか、やはり、本人に確認したくなった。
 なぜなら、尚子には、お仕置きという言葉に異様な興奮がたぎってしまう生い立ちがあった。お仕置きという言葉は、尚子の両親が秘密の部屋でよく使っていた単語だ。幼い頃から何度となく尚子は聞いてきた。進一の言うお仕置きは、その類いの行為なのか。尚子は高ぶりを抑えられなくなった。どんなお仕置きか、と考えると興奮する。尚子は、股間の奥深くが自然に熱を帯びてきていることを感じた。すでに、尚子にはお仕置きがどんなものか、進一の答えを待つ考えがなくなった。  
(進ちゃん、あたしにそれをしてほしいぃーー)  
 尚子の膝が期待で興奮し、ガクガク震えた。  
(ぅんんーー ねぇ…… ねえ…… 進ちゃん、これからそのお仕置きをあたしにーー早くぅぅぅーー)  
 尚子は目の前にいる進一の顔に向け、うらめしそうな目を投げかけた。それを見た進一はにたりと笑った。  
「きみはぁー こんなエッチな人形を使って自分をいつも慰めてきたんだぁー? この人形は僕と格好がまったく同じだよなぁー?」  
 進一の問い掛けに、尚子は首を左右に大きく振った。  
「えぇっ、そんな気のせいよぉー 誰かに似ているように作られているから、そう見えるんじゃないのぉー」  
「何だってぇー うそをつくのもいい加減にしろ! どう見ても、僕だろ? こんな人形を作って、きょうは僕がきみをたっぷり、とことん、慰めてやろうな…… さあ、きみが人形といつもやっていることを…… 僕に見せるんだ」  
「え? 進ちゃんの目の前でなんか、恥ずかしいよぉ…… できるわけ…… ないでしょぉ……」  
「きょうはそのとおりに僕がやってやろうというんだ。きみがいつもしている淫乱な痴態を見せないと、分からないだろぉー?」  
 進一に淫乱な痴態と言われた尚子は恥ずかしくなって、顔を真っ赤にした。
  しかし、いつもと同じ事を進一からしてもらえると聞いた尚子は、恥ずかしいのに、うれしかったが、それを隠すように、何度も首を左右に振った。
(やはり、本人を目の前にして、さすがに恥ずかしいなぁー)  
 と、思うが、毎日のように、進一にしてもらいたいと願いながら、全裸になって、ドールと戯れていた尚子は、拒めない。  
 けれど、人形としていることを、すぐそばにいる本人に、すぐにでも、してほしい、と願った。  
「ほら、早くしろ、その人形をいつもどう使ってるんだぁ?」  
「…… わ、分かったわ、進ちゃん」  
(進ちゃんは、こういうシチュエーションが好きだったんだぁー 嫌いかなぁと思って、今まで、我慢してきたの、何だったんだろ?)  
 心の中でそう思った尚子は、着ていた白のワンピースのボタンを自分で首元から外していく。二つ目のボタン外すと、色白の適度に膨らんだ濃紺色の生地のブラジャーに包まれたたわわな乳房が現れた。進一は目が点になるほど、乳房を見つめた。尚子の胸は、女学園時代の貧乳とはまるで違っていた。布地が小さくて、乳首を隠すだけの妖艶な濃紺色のブラジャーが、豊満な透き通るような白い肌を持った柔肉を包んでいた。  
 尚子は震える指で、下腹部の最後のボタンを外すと、濃紺色のパンティーが現れた。これも生地が少なくて細い布が茂みをかろうじて隠すだけの大きさだ。  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

窓野枠 短編傑作集 5

窓野枠
大衆娯楽
日常、何処にでもありそうな、なさそうな、そんなショートショートを書き綴りました。窓野枠 オリジナル作品となります。「クスッ」と笑える作風に仕上げているつもりです。この本の作品20編をお読みになりましたら、次巻も、閲覧のほど、よろしくお願いいたします。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...