蜃気楼の女

窓野枠

文字の大きさ
上 下
95 / 134
第33章 再生細胞移植術後

3話

しおりを挟む
「進ちゃん、きょうもいっぱい出してくれたね? 気持ちよかったんだね?」  
 尚子は、進一に能力を使ってレイプできたことに満足した。毎夜、尚子は能力者であるゆえ、能力を使って進一をいかせたと、勘違いを繰り返していた。尚子の超能力は進一に働かなかった。進一に能力が効かないのは、進一を心から愛していたからだが、尚子には分からない。恋は、能力者を闇に押し込み、無能力者にすることを。自分の母・ナルミも安田仁を愛したがゆえに、ほぼ、無能力者に成り下がっていた。  


  *

 安田尚子が性女学園3年生に進級してから、毎日、児玉進一に家庭教師として自宅で学習を見てもらうようになった。尚子は学園から帰宅すると、同じ部屋に進一と二人きりになる。隣の家から見ていた進一とは違い、毎日、隣で肩を寄せる。ときどき、尚子は進一の腕が尚子の腕に当たるように体をなにげに寄せた。腕が少しだけ触れる。  
「あっ、進ちゃんの腕が当たったよー」  
 尚子は心の中でうれしくて叫んだ。尚子の超魔性能力は進一には通じない。昔から同じ。だから、仕方なく、尚子は、念じて、妄想するだけ。  
「ねえ、尚ちゃんさ、東大入試、このままなら、いけるぞ、がんばろ!」  
 隣に座る進一が尚子に激励する言葉は、彼の日課になり、呪文となった。尚子はこの進一の発する呪文を毎日浴びる。  
「ウヮーーー 進ちゃんのいつもの応援、ありがとう。もちろん、がんばるよ!」  
 勇気づけようとする進一をうれしく思う尚子は、脳内で、進一の顔をまだ発達していない乳房を使って抱きしめる。進一は苦しそうに口をパクパクしている。抱きしめられ、動けない進一のズボンの上に、尚子は手のひらを静かに置く。進一が驚いて腰をわずかに動かす。
 「ええ? それって、尚ちゃんの手なの?」
 尚子はそれに答えず、ジュニアを覆った手のひらを、ゆっくり上下に移動させる。少しずつ移動する手のひらの圧力を強くしていく。  
「アアァーー 尚ちゃん…… そんな…… だめだよーー そんなーーーことーー」  
 進一は声を途切れ途切れにしながら言う。  
「進ちゃん、どう? 直接の方がいい?」  
「アアアァー 」  
 尚子は進一の許可も受けず、抱きしめた進一から片手を外し、体をかがめた。進一のズボンのファスナーを素早く下ろし、パンツからジュニアを引っ張り出すと、急いで口に含んだ。その直後、尚子の口の中に、進一の精がすぐに放出された。きょうも、尚子は妄想の中で進一をもてあそび、レイプした。  
「進ちゃん、満足した?」  
 尚子が進一のジュニアを口から外し、進一の顔を見ようと顔を上げた。進一の顔はいつもの真面目な顔に戻っていた。  
「尚ちゃん、次、この問題をやろうか?」  
 その進一の声にはっとし、正気に戻る尚子。尚子はすっかりパンティーが湿っているのを感じていた。その後も、尚子の妄想の中で、進一のシンボルは尚子に刺激を加えられ、何度も射精させられた。  
 そんな妄想をする尚子の影響であるのか、進一の脳にも、尚子の妄想が現れるようになっていた。いや、尚子の妄想が現ると言うより、進一もまた、尚子に対し、妄想をしていたからである。家庭教師として尚子のそばに座る。勉強を教えようとすると、思春期の尚子が言い寄ってくるという設定で、進一は尚子を毎日犯していた。  
「尚ちゃん、きょうも僕が気持ちよくしてやるからね」
  進一が尚子の両足首を大きく広げながら言う。尚子は苦しそうな顔をして、首を上下に動かし、うなずく。
「尚ちゃん、いい子だよ」  
 そうやって、尚子を妄想の中でレイプしていた。二人はそういう似たもの同士だった。お互いが妄想の中で相手に愛情を注いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

喜劇・魔切の渡し

多谷昇太
大衆娯楽
これは演劇の舞台用に書いたシナリオです。時は現代で場所はあの「矢切の渡し」で有名な葛飾・柴又となります。ヒロインは和子。チャキチャキの江戸っ子娘で、某商事会社のOLです。一方で和子はお米という名の年配の女性が起こした某新興宗教にかぶれていてその教団の熱心な信者でもあります。50年配の父・良夫と母・為子がおり和子はその一人娘です。教団の教え通りにまっすぐ生きようと常日頃から努力しているのですが、何しろ江戸っ子なものですから自分を云うのに「あちし」とか云い、どうかすると「べらんめえ」調子までもが出てしまいます。ところで、いきなりの設定で恐縮ですがこの正しいことに生一本な和子を何とか鬱屈させよう、悪の道に誘い込もうとする〝悪魔〟がなぜか登場致します。和子のような純な魂は悪魔にとっては非常に垂涎を誘われるようで、色々な仕掛けをしては何とか悪の道に誘おうと躍起になる分けです。ところが…です。この悪魔を常日頃から監視し、もし和子のような善なる、光指向の人間を悪魔がたぶらかそうとするならば、その事あるごとに〝天使〟が現れてこれを邪魔(邪天?)致します。天使、悪魔とも年齢は4、50ぐらいですがなぜか悪魔が都会風で、天使はかっぺ丸出しの田舎者という設定となります。あ、そうだ。申し遅れましたがこれは「喜劇」です。随所に笑いを誘うような趣向を凝らしており、お楽しみいただけると思いますが、しかし作者の指向としましては単なる喜劇に留まらず、現代社会における諸々の問題点とシビアなる諸相をそこに込めて、これを弾劾し、正してみようと、大それたことを考えてもいるのです。さあ、それでは「喜劇・魔切の渡し」をお楽しみください。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

窓野枠 短編傑作集 4

窓野枠
大衆娯楽
日常、何処にでもありそうな、なさそうな、そんなショートショートを書き綴りました。窓野枠 オリジナル作品となります。「クスッ」と笑える作風に仕上げているつもりです。この本の作品20編をお読みになりましたら、次巻も、閲覧のほど、よろしくお願いいたします。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

男子高校生ヒロサダの日常

mr110
大衆娯楽
おっさんっぽい男子高校生の日常 感想をどしどし、書いて欲しいです。^_^

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

最近の女子高生は思想が強い ~雇用・利子および女子高生の一般りろん~

輪島ライ
大衆娯楽
 東京都千代田区にある私立ケインズ女子高校は本来の意味でリベラルな学校で、在学生には寛容の精神と資本主義思想が教え込まれている。  社会派ドタバタポリティカルコメディ、ここでも開幕!! ※この作品は「小説家になろう」「アルファポリス」「カクヨム」「エブリスタ」に投稿しています。 ※これは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、出来事と類似していても、それは偶然に過ぎません。 ※姉妹作「天然女子高生のためのそーかつ」を並行連載中です。(内容に一部重複があります)

処理中です...