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第3章 児玉進一
2話
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4年前、尚子は東大入学試験日の前日に獲得した究極の超能力「魔性力」をいつでも自由に使えるようになっていた。儀式後、山野櫻子に使い方を伝授され、好きな進一を、進一に気づかれずに、自宅に招き入れて、進一を自由自在に、気ままにもてあんで楽しんでいた。その進一は尚子にもてあそばれていることを全く知らない。世間体を気にする進一は、尚子が大好きで、いつでも抱きたい衝動に駆られていることを我慢して生きている小心者だった。その思いを、尚子は知らない。進一は尚子が好きで、大事にしたいから、本当にお互いが好きになってから、肉体的な関係になろう、と真剣に尚子との将来を考えていた。
ところが、尚子は進一が尚子の体を求めてこないから、進一から好かれていない、と思っていた。魔性能力を獲得した尚子ではあったが、そこまで相手の思考を分析する超能力は獲得していなかった。言ってみれば、肉体派魔性能力者だった。セックスすればお互いが気持ちよくなるのだから、また、気持ちいいことをするために、お互いを好きになる、そういうふうに、考えていた。体だけ大人に、魔性の女になっていた。清楚、可憐さをイメージさせる姿態を備えていたが、実は一般人は引いてしまう変質的な性癖になっていた。それは進一が原因でもある。好きな進一を振り向かせたい一心で特化した変質的な求愛行動をしてしまうようになっていた。好きな相手なら恥じらいなく直球勝負という性格。そういう得意な性癖は、進一が尚子を好きになった要素でもあった。魔性の力を得た尚子は、セックス大好き体質、人には言えない性癖に変貌していたことを進一は知る由もない。進一の記憶にある尚子は無邪気な、清楚で清純な尚子のままだった。尚子はそんな得意な、異常な性癖を好きな進一に知られてしまうことを恥ずかしいと思っていた。恥ずかしい、という乙女の意識は、魔性に変身しても進一に対する気持ちだけは残っていた。だから、進一のために、進一が好きな純粋無垢な尚子を演じようと思っていたが、どうしても、湧き上がる変質的な性癖を抑えることができない、我慢できない。進一と会うと、抱きたいし、抱かれたい、肉棒を弄びたい、いじくり回し、思いっきりくわえたい衝動に駆られて、自制が効かず、その行動を防ぐため、言葉で進一をいたぶる。それがまた楽しく快感だった。困った顔をする進一を見るのが楽しかった。まさに、変態だった。尚子は職場で進一に毎日会うのが楽しい。きょうはどうやって困らせてやろうか、と考えると、わくわくして、股間がすぐに濡れた。しかし、会うのが苦しかった。自分の変質的な性癖を隠さなければならない。進一を愛すば愛するほど、進一はよそよそしくする。それが悲しくて苦しかった。
「今週の土曜日、進ちゃんが遊びに来るの楽しみだなあ、お父さんも久しぶりに会えると言って喜んでたよ」
尚子はそういうたわいないことを話しながら、商品のバーコードをスキャンし、データー化していく。
「尚ちゃん、作業しながらの、私語は慎みましょうね」
進一はよそよそしく指導する。そして、尚子は作業を止めて、進一の目の前に近づいて、進一の顔をにらみ付けると、自分の足を軽く持ち上げると、進一の足の甲を一気に踏みつけた。
「アア、痛ーい、何するのーー?」
「進ちゃんがあたしに意地悪するから、仕返しよ! まったくあたしに意見するなんて、身の程知らずでしょ? 進ちゃんはあたしの下部でしょ?」
「まいったなあ、もう、そんな、訳の分からないこと言わないで、土曜日遊びに行くんだから、勘弁してよ、尚ちゃん」
「あらあ、苦しくなると、尚ちゃんって呼ぶのね…… ま、いっか? フフフ 許してやるね、じゃ、ここにキスして」
右手の甲を進一の前に差し出す。どうせ、手を払われるのが落ちである。尚子は心の中で、すごく困った顔の進一を見ることが幸せだった。本当に心底、変態だった。さて、土曜日、進一が遊びに来たら、どうやっていじくり回してやろうかな、否、歓迎してやろうか。進一のことを考えただけで、わくわくして、もう、楽しくて、土曜日が待ち遠しかった。
進一は土曜日を指折り数えていた。
「ああ、いよいよ、土曜日になるな、お父さんにどういう顔で接したらいいんだろ?」
尚子の父・安田仁から尚子の高校時代から絶大の信頼を得ていた進一は、久しぶりに尚子邸を訪問することを考えると、気が重かった。東大受験前日は、進一のとって、魔の変換点だった。あれから、人生の進路が大きく変わったと言っていい。
ところが、尚子は進一が尚子の体を求めてこないから、進一から好かれていない、と思っていた。魔性能力を獲得した尚子ではあったが、そこまで相手の思考を分析する超能力は獲得していなかった。言ってみれば、肉体派魔性能力者だった。セックスすればお互いが気持ちよくなるのだから、また、気持ちいいことをするために、お互いを好きになる、そういうふうに、考えていた。体だけ大人に、魔性の女になっていた。清楚、可憐さをイメージさせる姿態を備えていたが、実は一般人は引いてしまう変質的な性癖になっていた。それは進一が原因でもある。好きな進一を振り向かせたい一心で特化した変質的な求愛行動をしてしまうようになっていた。好きな相手なら恥じらいなく直球勝負という性格。そういう得意な性癖は、進一が尚子を好きになった要素でもあった。魔性の力を得た尚子は、セックス大好き体質、人には言えない性癖に変貌していたことを進一は知る由もない。進一の記憶にある尚子は無邪気な、清楚で清純な尚子のままだった。尚子はそんな得意な、異常な性癖を好きな進一に知られてしまうことを恥ずかしいと思っていた。恥ずかしい、という乙女の意識は、魔性に変身しても進一に対する気持ちだけは残っていた。だから、進一のために、進一が好きな純粋無垢な尚子を演じようと思っていたが、どうしても、湧き上がる変質的な性癖を抑えることができない、我慢できない。進一と会うと、抱きたいし、抱かれたい、肉棒を弄びたい、いじくり回し、思いっきりくわえたい衝動に駆られて、自制が効かず、その行動を防ぐため、言葉で進一をいたぶる。それがまた楽しく快感だった。困った顔をする進一を見るのが楽しかった。まさに、変態だった。尚子は職場で進一に毎日会うのが楽しい。きょうはどうやって困らせてやろうか、と考えると、わくわくして、股間がすぐに濡れた。しかし、会うのが苦しかった。自分の変質的な性癖を隠さなければならない。進一を愛すば愛するほど、進一はよそよそしくする。それが悲しくて苦しかった。
「今週の土曜日、進ちゃんが遊びに来るの楽しみだなあ、お父さんも久しぶりに会えると言って喜んでたよ」
尚子はそういうたわいないことを話しながら、商品のバーコードをスキャンし、データー化していく。
「尚ちゃん、作業しながらの、私語は慎みましょうね」
進一はよそよそしく指導する。そして、尚子は作業を止めて、進一の目の前に近づいて、進一の顔をにらみ付けると、自分の足を軽く持ち上げると、進一の足の甲を一気に踏みつけた。
「アア、痛ーい、何するのーー?」
「進ちゃんがあたしに意地悪するから、仕返しよ! まったくあたしに意見するなんて、身の程知らずでしょ? 進ちゃんはあたしの下部でしょ?」
「まいったなあ、もう、そんな、訳の分からないこと言わないで、土曜日遊びに行くんだから、勘弁してよ、尚ちゃん」
「あらあ、苦しくなると、尚ちゃんって呼ぶのね…… ま、いっか? フフフ 許してやるね、じゃ、ここにキスして」
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