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魔王城への進行

294.徹底された装備

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「あと数発!それだけぶつければ破壊出来るわ!」

 残り砲弾の数が少なくなった頃、リーネがそう呟いた。こちらからは何も見えない為、把握は出来ないが、リーネが言うのだからそうなのだろう。
 しかし、敵の動きがない。俺らの位置特定を優先にしているか。

「・・・そう、分かったわ。そちらは予定通りに行動して」

 リーネは鈴を持ちながら、喋る。その後に彼女は匍匐前進をせずに、直で魔王城を見上げる。

「私達を見つけたと思ったでしょうが、まだまだよ」

 彼女は見えない魔王城へとガッツポーズをとった。
 それでも砲弾を魔王城へと撃ち続けるのだった。


「壁が・・・」
「無敵とも言われる防壁を突破されるのか・・・」
「壁内部の兵士をかき集めろ!生存者を集めるんだ。壁はもう保たない」

 ベレニアスが声を上げ、兵士達に指示を送る。
 先程からの砲弾で内部にいた兵士達も瓦礫や当たった衝撃で飛ばされている。

「意外にも壁内部に配置してたのが致命傷になったか」

 彼女はつぶやきながら、兵士の救出を最優先にさせた。

 今もなお、屋上には兵士がいるだろう。それを対応する為に更に対空砲に機能が備わっていた。

「対空砲は次のステップ」

 配置させていた地位空砲の一台がその指示に従い、何かを設置する。
 両手で抱える砲弾ではなく、ビー玉サイズの球体を使用する。
 設置した物は横にハンドルらしき物が装着されていた。穴の空いている部分に袋に入れていた球体を流し込み始める。
 二袋ぐらい入れた後に蓋を閉める。
 そしてそれを魔王城へと向ける。
 対物理弾だ。内部は爆発するように作られているが、外側から魔法を使用し、魔法障壁の内部で行使する事は出来ない。
 正直に言うと、今の装備では屋上までは届かないだろう。
 その為なのか、細長い物を更に先端にくっ付けては回して止める。
 魔法と木と金属だけで作ったとは思えない代物だ。

「設置完了しました」
「なら、その角度で全弾撃ちまくって!」

 ほぼ、壁にしか向けてない。半分ぐらいの所まで届きそうだが、あたはリーネが魔法で浮上でもさせるのか。
 隣についていたハンドルを大きく回し始める。その時に2人の騎士が対空砲を両サイドを持った。
 まさか、かなり反動があるんじゃないだろうな。
 そう思った時に、勢いよく発射口から玉が飛び出す。連続で何発もが、高い音を出しながら次々と魔王城へと飛んでいく。
 これで一体何を始めるんだ。
 俺はそれを見てた時、リーネは水晶を空中に浮かせた。
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