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魔王城への進行

280.進行開始

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 2日程経った時、魔王城を見ていたら突如となく爆破した。何かが空から無数に降り注いでは魔王城の障壁を破ろうとしていた。

「あの攻撃では障壁を破れるとは思えないな」

 魔法による砲弾攻撃だろうけど、あの障壁は魔法を完全に打ち消している。あの遠距離攻撃では障壁を破壊出来ないだろう。
 ここからでも分かるほどあれは強力だ。いつも使っている障壁とは違い過ぎる。
 それよりも、あの攻撃はどこから飛んで来ているんだ。

「まさかあれは分からないの?」
「ん?あぁ。今まで見たこともない攻撃だからな」

 あれも王国が所持する物なのか。あの攻撃だとかなりサイズは大きいはずだ。数も数台はあると見ていいだろう。
 場所もここからかなり離れた位置から撃っているみたいだ。
 まだまだ砲弾の数もあるみたいだし、障壁を破るまで撃ち続けるだろう。

「一応あれは対魔王城攻略で製作された魔導バリスタよ。魔法を使用した兵器よ。でも欠点としては魔導師がいないと使えないって事だけど」

 矢を砲弾のように丸い球体にして飛ばしているんだろう。
 だけど、あれは完全に持久戦になるだろう。今は見てることしか出来ないが、近いうちに出撃する事になるかもしれない。

「今すぐ動くことはないと思うから、今はゆっくり体を休ませなさい」
「動くとしたら中央騎士団が進行開始した時からか」

 その事に彼女はコクリと頷いた。
 でもこの雲行きはなんだ。この先に何が起ころうとしているのだ。


「地響きが続くようだが」
「騎士団の悪あがきでしょう。それにしてもこんな攻撃どこから・・・」

 魔王城では地響きが響いていた。遠くから雨のように降り注いでくる砲弾が敷地に落下しているのだ。
 外では今もベレニアスが奮闘して砲弾を破壊している。それでも遠くから降り注ぐ量は多い。

「まあ、もう少し様子を見るとしましょう。もしかすると、もうすぐ攻めてくるかもしれません」
「城内に仕掛けた罠は確認も忘れるなよ」
「はい」

 セイランは魔王へと一礼した後、その場を扉の前で待機していた兵士達とともに出て行った。
 1人残った魔王は目を瞑った。目の前の柱では揺れとともに埃が散っていた。


「バリスタ弾などは半分は残しておけよ。近距離からバリスタを味わってやる」
「それぐらいだ。この後一気に魔王城に進行する!」

 副官の指示が飛び、バリスタ弾が装填されてた分を発射し、新たに装填されることはなかった。

「全騎士!準備は良いな!これより我が騎士長『マッシュラ・クーデスト』の名において魔王城へと進行開始する!」

 彼が魔物へと跨がり、魔王城へと走らせた。
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