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戦争 終章

246.回収物

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 大将が倒れた影響か、兵士達は次々と逃亡していった。
 だが、その逃げる姿は元から想定していたかのようにも思えた。
 左手に持っていた武器を解除してから、誰もいなくなった事を理由に捜索を開始した。

「何か地図みたいなのあればいいんだけど」

 今後このような戦闘が続く場合、いつか全滅する。予め用意されているマップを確認する必要がある。
 例えば、魔王城までの道のりが描かれた地図とかだ。
 ここから近ければいいのだが、まあ、無いよなそんなの。
 近くに積まれていた木箱を一つずつ確認していく。中には色々と入っており、地図や本、更には修理器具なども入っていた。

「何でもありって事か」

 その中で地図を見ていく。いくつもの設計図や周囲の地形などが多い。
 この中に俺の欲しい奴があればいいが、中々見つからない。

「これかな」

 何やら他の丸められた物とは違い、赤い薔薇ので止められた地図の巻物を見つける。
 他とは違い、紙も違っていた。それを広げてみると、魔王城への最短ルートが書かれた地図だった。
 ビンゴだが、ここが落とされた事により、警備強化はしていそうだ。

「とりあえず、他に何かないか探すか」

 例えば、魔王城の城内が書かれたマップなどだ。
 それさえあれば、事前に記憶して攻略へと乗り移れる。
 何も知らずに乗り込むだけで、罠とかに引っかかったり、兵士や魔物が角待ちとかしている可能性だってある。
 とりあえず、重要そうな物を取り出しては確認していくか。

 10分程度で、何とか魔王城に関するマップを入手した。だけど、

「明らか種類多いよなあ」

 そこには約6種類の魔王城に地図があった。
 それぞれが各階層の地図だが、これで6階建てを意味していた。
 それぞれ照らし合せて、大体のマップとして並び替えた。

「とりあえず、全部回収してここを離れるか」

 まだ騎士団連中はここへは到着してない。なら、早めにずらかって、これをリーネの方へと渡す。
 俺は門へと向かい、フロアを後にした。


「騎士長!この有り様は」
「どうやら、先客が来ては暴れていたようだ。それにしても数が少ないな」

 彼が去った数分後だった。そこへ騎士団が到着した。
 突入した人数のほんの一部だが、彼らは与えられた役割を全うするかのように行動を開始した。

「あの勇者の仕業ね。多分何か回収した可能性があるわね。周辺に何かないか探しなさい」

 騎士団が色々と探し始める。するとすぐに、

「地図などが書かれた巻物がありました」
「よし、使えそうな地図は全てここに集めろ」

 数人の騎士が中へと入り、次々と木箱を開けていく。そして一つ一つ見ては閉じ、彼女の言っていた使える地図を次々と出していく。
 その数20個程度、それぞれが地方の地形などが描かれていた。
 それを見ながら、トラベルは彼らへと伝える。

「よし、引き続き捜索を頼む」

 そう命令した後、彼女は巻物を手に取り、それを開いていった。
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