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第二の試練
64.決着へ
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「ガオオオオオオ!」
七彩がキングのパンチを避けながら自身に宿る精霊攻撃を仕掛ける。
属性攻撃を使わなくとも腕を粉砕するほどの力を行使している彼が属性を使う事で更に破壊力が増していた。
「キングは歯ごたえあるが、一ヶ月に一回のペースで誕生どうにかならないかな」
なんとめ呑気な……、キングって事はこの山には一体しかいず、倒されたら一ヶ月掛けて誕生するのだろう。
パンチが炸裂し、キングに穴が開き、そこから血が出てくる。
「雪の塊なのに血が出るんだ……」
魔物としては特殊なタイプなのだろう。それに炎で溶かされて開けられた穴が再生されていく。
「核はどこにあるんだ」
「固い頭の中央にある。まずは身体中で再生能力を使わせて頭の魔力を薄めている最中さ」
頭は彼でさえ破る事が出来ないのか。てか、魔力で一番固く守られているのがそこからすると、そこが魔力の溜まり場でもある。
そこから再生へと魔力が使われている事になると、時間が掛かるだろう。
だから今の彼は素早く身体中に穴や崩壊させたりしていた。
「あとちょっとかな。魔力の使いすぎだと暴走始めるから、その時が狙い目だ。だけど気をつけておくれよ」
この通常時が固く、暴走した時が狙い目なのは分かったけど、気をつけるって事は能力も一時的にパワーアップして無差別に襲うのだろうか。
「ガオ……ガオオオオ!!!」
「気をつけろ!暴走に入った」
白色だった肌色が赤色の線を引きながら赤く染まっていく。これが暴走状態なのだろう。
すると先程とは思えないスピードで接近してくる。気付いた時にはもう目の前へと来ていた。
「熱回路」
俺は地面へと放った。キングへと火が通り、キングへと燃え移るが、全く効かない。
パンチをしてくる前に右へと回避して、一気に走り出し、体へと突き刺す。
「エレキショット」
キングの身体中が光り出す。その時、頭にコアらしき結晶が見えた。
だが、エレキショットでさえ焦がす程度で、先程と何も変わってない。これは少し無理があるだろう。
「ガオオオオ!」
「熱爆破」
雄叫びあげてる間に再度接近、突き刺し唱える。すると、内側から破裂し、頭が空中に放り出される。
「サンキュー、あとは僕が止めを刺しておくよ」
空中に飛んでいた頭を熱が込められた足で蹴った。すると頭から結晶体が姿を表す。その形はスノーヘッドよりも遥かにでかかった。形でいうと雪結晶みたいなマークだった。
それを手で掴み、熱で亀裂を入れて破壊した。
「お疲れ様」
「これが凶魔物の強さ」
「ここはまだマシだよ。ほかだともっと強い魔物も存在するから」
疲れて座り込んでいたが、彼の差し伸べた手を掴み立ち上がる。
放り出していたリュックを回収する。先程の戦闘で大体30分はかけただろうか。日の出を見に行くはずがボス的存在と遭遇する事になろうとは、
「さあ、今から行けば間に合うから行こうか」
何もなかったかのように先へと進む事にした。
「さあ、着いたよ。お?丁度出てくる頃だね」
あれから1時間ぐらい歩いた後、頂上に着いた。雲から光り輝く日が今でも出てこようとしていた。
綺麗な日が現れ、眩しい光が俺の目に入ってくる。そして美しい日が時間を掛けて徐々に姿を現していった。
俺はこの世界に来てから、こんな思いをしたのはほぼ初めてだろうなあ。
七彩がキングのパンチを避けながら自身に宿る精霊攻撃を仕掛ける。
属性攻撃を使わなくとも腕を粉砕するほどの力を行使している彼が属性を使う事で更に破壊力が増していた。
「キングは歯ごたえあるが、一ヶ月に一回のペースで誕生どうにかならないかな」
なんとめ呑気な……、キングって事はこの山には一体しかいず、倒されたら一ヶ月掛けて誕生するのだろう。
パンチが炸裂し、キングに穴が開き、そこから血が出てくる。
「雪の塊なのに血が出るんだ……」
魔物としては特殊なタイプなのだろう。それに炎で溶かされて開けられた穴が再生されていく。
「核はどこにあるんだ」
「固い頭の中央にある。まずは身体中で再生能力を使わせて頭の魔力を薄めている最中さ」
頭は彼でさえ破る事が出来ないのか。てか、魔力で一番固く守られているのがそこからすると、そこが魔力の溜まり場でもある。
そこから再生へと魔力が使われている事になると、時間が掛かるだろう。
だから今の彼は素早く身体中に穴や崩壊させたりしていた。
「あとちょっとかな。魔力の使いすぎだと暴走始めるから、その時が狙い目だ。だけど気をつけておくれよ」
この通常時が固く、暴走した時が狙い目なのは分かったけど、気をつけるって事は能力も一時的にパワーアップして無差別に襲うのだろうか。
「ガオ……ガオオオオ!!!」
「気をつけろ!暴走に入った」
白色だった肌色が赤色の線を引きながら赤く染まっていく。これが暴走状態なのだろう。
すると先程とは思えないスピードで接近してくる。気付いた時にはもう目の前へと来ていた。
「熱回路」
俺は地面へと放った。キングへと火が通り、キングへと燃え移るが、全く効かない。
パンチをしてくる前に右へと回避して、一気に走り出し、体へと突き刺す。
「エレキショット」
キングの身体中が光り出す。その時、頭にコアらしき結晶が見えた。
だが、エレキショットでさえ焦がす程度で、先程と何も変わってない。これは少し無理があるだろう。
「ガオオオオ!」
「熱爆破」
雄叫びあげてる間に再度接近、突き刺し唱える。すると、内側から破裂し、頭が空中に放り出される。
「サンキュー、あとは僕が止めを刺しておくよ」
空中に飛んでいた頭を熱が込められた足で蹴った。すると頭から結晶体が姿を表す。その形はスノーヘッドよりも遥かにでかかった。形でいうと雪結晶みたいなマークだった。
それを手で掴み、熱で亀裂を入れて破壊した。
「お疲れ様」
「これが凶魔物の強さ」
「ここはまだマシだよ。ほかだともっと強い魔物も存在するから」
疲れて座り込んでいたが、彼の差し伸べた手を掴み立ち上がる。
放り出していたリュックを回収する。先程の戦闘で大体30分はかけただろうか。日の出を見に行くはずがボス的存在と遭遇する事になろうとは、
「さあ、今から行けば間に合うから行こうか」
何もなかったかのように先へと進む事にした。
「さあ、着いたよ。お?丁度出てくる頃だね」
あれから1時間ぐらい歩いた後、頂上に着いた。雲から光り輝く日が今でも出てこようとしていた。
綺麗な日が現れ、眩しい光が俺の目に入ってくる。そして美しい日が時間を掛けて徐々に姿を現していった。
俺はこの世界に来てから、こんな思いをしたのはほぼ初めてだろうなあ。
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