触れるな危険

紀村 紀壱

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15話 触れるな危険 【後】 その3

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 それは悪酔いした翌朝のように、目を開けるのが億劫な目覚めだった。



 視界に広がる見覚えのない部屋に一瞬、自分が何処にいるのか分からず混乱する。
 それくらい、酷く疲れ切った目覚めだった。
 一発殴る、と強く思っていたが。
 身体がだるくて、起きる気力も湧きやしない。
 ケツの違和感が半端ない。喉も痛いし股関節も痛い。
 倦怠感がひどいが、手を握り、開いて、しっかり力が入ることを確かめる。
 昨日の痺れ薬の効果はどうやらきちんと切れているようだ。
 横になったまま気配を探るが、部屋の中にシャルトーが居る様子はなかった。
 時間はまだ朝と言える頃か。
 何かしらの用がなければ、部屋を開けるという事はなさそうな時間帯だ。
 殴られるのが嫌で逃げたのか、それとも目的を果たして、興味を無くしてのヤリ捨てか。
 だが意外なことに、あれだけ汗水を垂らしたはずの肌が比較的さっぱりしていて、寝床も体液で汚れてはおらず。
(後始末をするくらいの『配慮』ってもんをあの馬鹿でも知っていたのか……)
 意識のない状態でアイツに甲斐甲斐しく拭かれたりしたのかと思うと、違和感と若干の抵抗はあったが、ドロドロの状態で放置されるよりはマシだろう。
 まあ、だからといって「最悪な体調」という状況から脱したわけではないが。
 できればこのままベッドの住人と化してしまいたいが、いつまでも原因を作った相手の寝床でゴロゴロしてはいられない。
「あ゛ー……だりぃ……」
 何とか気力をかき集めて体を起こす。すると、普段は痛んだことがない部分がジクジクと痛みを訴え、気分は最低で最悪だ。

 ――ふと。

 机の上に、昨晩はなかった小瓶とメモに気づく。
『悪い やりすぎた 飲んでいいよ』
 走り書きのように書かれたメモを握りつぶし、小瓶へと目を移せば回復薬マジックポーションだった。
 買ったことは無いが、見覚えのある、質の良さを誇る老舗メーカーの物に、一応、未開封品であることを確認したら、封を切って一気に煽った。
 飲み干すと、さっきまでの倦怠感やら痛みやらがすっと引いてくる。
 普通の回復薬といったら、名前こそ『回復』だが、症状の進行を一旦抑えたり、軽減する程度のものだ。
『退避する』ために、一時的に動けるぐらいに体を持っていく、そんな程度でもそこそこ値が張るというのに。
(えらく、速攻で効いたな……)
 想像以上の、今まで感じたことのない即効性と効き目に、思わず瓶底の値札を確認する。
 そこには馬鹿みたいなゼロが並んで居て、目を見張る。
 下手すると対中傷者レベルの回復薬じゃないだろうか。
 こんなブツ、普通なら『万が一』のために取っておくもんだが……
「…………」

 まさか、罪滅ぼしのつもりだろうか。

 すっかりいつも通り、どころか、もしかしたらすこぶる調子がいいかもしれない身体になって、へばり付いていたベッドから立ち上がる。
 チラリと水場の方も覗くが、やはりシャルトーの姿はない。
 このまま奴の戻りを待つか否か、という選択肢に迷う要素など欠片もなかった。
 シャルトーの家の鍵の場所など知りはしないし、そもそも知ったことじゃあないから、施錠もせず、さっさと上着を拾って帰路につく。
 少しばかりはコチラを労ろうという心尽持ちはあったようだが、俺の腹立ちはそれだけで収まるようなものじゃなかった。
 一発ぶん殴る、と思ったが、一発どころでは収まる気がしない。
 反抗でもしようもんなら、それこそウォルトが口出しして来ようと、アイツの存在を綺麗サッパリ居ないものとして扱ってやろうと思っていた。
 正直なところ、容赦の一つ、してやる気がしなかったのだ。





 そのはず、なのだが――






「おっ、ギィ、お前やっと眉間のシワが取れたか。今回は長かったな」
「……あぁ? おい、触んな」
 ギルドの受付へ、任務の報告書を出しに来たジャグが出会い頭にそんな事をのたまわったかと思えば。
 眉間を親指で押してきて、その手をはたき落とす。
「イッてぇなぁ、こちらとら、ココ最近のお前があまりの凶悪顔で受付クビになるんじゃねーかと心配したっていうのに」
「ぬかせ」
 大げさに痛がったふりをするジャグに、それこそ眉間のシワを寄せて見せれば、何故か困ったような顔で苦笑される。
「なんだその顔、何が言いたい」
「い~や、お前、やっぱり昔から変わらねぇな、と思って」
「何がだよ」
 奥歯に物が挟まったような、やけに回りくどい言い方をする。
 それに苛ついて目を眇めれば。
「怒んなよ。 やっと『収まり』がついたんだろ?」
「無駄なことに労力を裂くのが馬鹿らしいだけだ」
「お前のそういうところ、身に覚えがある故にありがたいけど、たしかに心配だな」
 今度こそ、本当にすこし気遣わしげにそんな事を言ってきて。
 何だソレは、と思いながら、強烈な既視感を覚える。
 この言い方は『あの馬鹿』に似ている。
 かれこれ三週間ほど姿を見せないあの――
「おい。いい加減、報告書それよこして、さっさと帰れ」
「……へいへい、まあ俺も他に臨時依頼の報告があるから今日はコレで帰るわ」
 粘るかと思ったが、ジャグはあっさりと引いた。
 別件でフリーで依頼を受けている様子だから、あくまでも偶然、俺が受付に居る時間帯に来ただけだったのかもしれない。
「まー、とは言えあれだな、最終的にどちらに転ぶかはアイツ次第だよな」
「あん?」
 書類のチェックをしていたせいで、ジャグが何かをつぶやいたのか、うまく聞き取れなかった。
 顔を見上げるが、ちょっと肩をすくめて「気にするな、たいしたことじゃない」と言われればまあ、追求する気も起きないので、大人しく受領書を切って渡す。
「んじゃ、まあ『頑張れよ』」
「お前もな」
 俺の言葉に、ジャグはひらひらと手を振り去ってゆく。
 その後姿を見送りながら。

(嫌な事を思い出しちまったな……)

 せっかく、頭の端っこに追いやっていたというのに。
 気持ちを切り替えなければ、と思うが、やはり一旦思い出してしまうと、そう簡単にはいかないものだ。
 あのクソ野郎こと、シャルトーのことを思い出して、書類を束ねる手付きが少し乱暴になってしまう。
 とは言え、最初の頃に比べれば、気持ちは凪いだもので。
 よれた書類に舌打ちを一つ付けば、じわっと湧いた腹の底の苛立ちはそれ以上育つことなく、大人しくなる。
 強い感情というものは、長続きさせるには体力のいるものだ。
 特に怒り恨みなんてものは、抱えているとやたらと疲れる。
 恨みつらみを反骨精神で活力に変えるやつもいるが、元より不精な俺にはそのやり方は燃費が悪くて合っていなかった。嫌なもんを抱えて生きていくのはひどく疲れる。
 故に、あの日のシャルトーとの出来事も。
『殴る』という決意は変わらないが、いつまでもイライラしていてもしょうがない、と考えるぐらいのモノとなっている。
 とはいえ、当の本人が姿を見せやしないのだが。
 ……いや、いっそのこと、このまま見ないままでも良いのかもしれないが。
 もしあの日、顔を突き合わせていたら、ひとまず殴りとばしたところで俺の気は収まらなかっただろう。
 下手をするとシャルトーの言動や態度に、より怒りが燃焼する可能性もあった。

 しかしながら、だ。

 雲隠れしやがったおかげか、良くも悪くも感情はやや落ち着いてきた。
 思い返せば若い頃、ジャグと喧嘩した時もそうだった。
 アイツの場合は、俺が悪かったらさっさと謝るのがいいが、ジャグが悪い場合は少しお互いに離れて、しばらくしてからアイツの謝罪を受け入れる、という流れだった。
(ジャグの場合も大抵アイツが調子に乗ってやらかした事が多かったな……)
 芋づる式に思い出した内容に懐かしいな、と感慨に耽りかけたところだった。


 終業の鐘の音。その音に重なるように、ドアベルの音が鳴る。


 その瞬間、反射的にギルドの入口を見ていた。
 半ば確信的に、そこ立っているであろう人物を予想していて。
 そしてその予想は――
「あー……久しぶり?」
「この野郎……」
 実に三週間ぶりに。
 ノコノコとやって来たシャルトーに、どの面下げて、と言いたいところだが、やや気まずけな顔でコチラを伺う様子に、俺は悟った。

(こいつ、計算して姿をくらませてやがったな)

 俺の怒りが保っていられない時期を見通して戻ってきやがった。
 不意にジャグの、微妙な眼差しをしてこちらを見ていた顔が脳裏によぎる。
(あいつ、知っていたな。……むしろ、アイツの入れ知恵か)
「どいつもこいつも……」
 なんでこんなに周りが外堀を埋めてくるのか。
 とりあえず、アイツもぶん殴ろう。
「えっと……アンタさ、その後、身体はどう? 回復薬飲んだら、マシにはなったとは思うけど」
「お陰様で、最低最悪で糞みたいな体調が、すごぶる良好になったな」
「! そっか、まあうん、高いやつだったからネ」
 あ、コレは下手を打ったな。
 珍しくシャルトーがしおらしい調子だったせいで、思わず返答をしてしまった。
 こいつにダメージを与えるには、まるっと存在を無視したほうが良い。
 それなのに、それを咄嗟にしなかった。
 出来なかったのは、俺の怒りがやはりだいぶ下火になってしまっているせいだ。
 その事をシャルトーも気づいたのだろう。あからさまに顔色が明るくなった。
「この前のことはさ、ちょっと思ったより色々アンタが……いや、俺が悪かったとは思うけども、とりあえず、これで今後に支障が出ても困るしさ。なんていうか、コレお詫び」
「お前、ジャグと比べられたくねぇって言ったくせして、その手口、まんまジャグのそれだろ……」
 見たことあるぞ、この光景。
 少し早口になるところから、微妙に俺にも否があると言いたげなところも、モノで釣ろうとするところまで。本当にそっくりで。
 思わず額を抑えて呆れれば、シャルトーは口の端を下げて。
「……ムカつくけど、今は俺よりアンタの扱い知ってるのはあのおっさんだから、しょうがないデショ」
 何だその悔しげな顔は。
『今は』って今後があるわけねえだろ。
 だいたい、全然許してねぇからな。
 言いたいことは色々あったが、口を開く前に受付に置かれたシャルトーの『お詫び』の品を見て、動きが止まる。
(リュシカ産蒸留酒エレッツォ、しかも藍の庭ブルーガーデンのラベルだと……!?)
 もともと一般市場に出回る数が少ないエレッツォの中でも、ブルーガーデンの蔵で作られたそれは、毎年、蔵元直売の抽選でしか手に入れることができない。
 昔、依頼を受けた愛酒家の依頼主が、俺が同じ酒が好きだということで一口だけ舐めさせてくれたことがある。そのときに、その深い味わいに惚れ込んで、俺も一つ手元に置きたいと毎年抽選に細々と応募してはいたが、未だ手に入ってはいない、それを。
(なんで……こいつが持ってんだ!?)
 一体なぜ、どうやって手に入れたのか。
 俺がこの酒を求めている事を知っているのはどうせジャグが情報源だ、間違いない。
 しかし、問題は手に入れた手段だ。
 簡単に手に入れることなど、できるはずがないのだ。
「コレ、気に入った?」
「………」
 俺の視線が固定されたのに気がついて、シャルトーが喜びを滲ませた様子で尋ねて来る。
 こいつに、酌量の気配を見せては駄目だ、と思うのに。
 あの味を思い出すだけで喉が鳴る。
 天秤がグラグラと揺れる。
 ここで許してしまえば、こいつは確実に調子に乗る。
 あの夜味わった恥辱をきっとまた繰り返す羽目になる。

 ――でも、ここまでする相手を、俺は振り払って逃げることができるのか?

 結局はその場所に着地する。
「よし、殴らせろ」
 言い放ち、詰め寄ってシャルトーの胸ぐらを掴む。
 顔面を殴られると思ったのだろう。ぐっと身構えたが避ける素振りの無いシャルトーに、少しは覚悟をしていたのか、と思いつつ。
 ストレートに顎を狙うのをやめて、フェイントをかけて鳩尾に力いっぱい拳を叩き込んでやる。
「ぐっ!? そ……っち、かァ……」
 膝から崩れ落ちるシャルトーに少しは溜飲が下がる。
 気絶しなかったところはさすが、と言うべきか。
 あの吐き気を伴う嫌な激痛に襲われているのだろう、咳き込みつつ真っ青な顔で地べたに転がりながら、しかしてシャルトーは、はぁっ、と口を歪ませて満足そうに笑った。 


 その顔を見て、嗚呼、面倒臭えなぁと思う。


 一体、なんでまたこんなことになったのか。
 あの日、あの時。
 こいつに頭を触れさせなければよかった。
 まさか、こんなことになるとは思わないだろう。


 逃げれねぇかな。


 ……………………無理だろう。


 そう思ってしまうのはコイツの思うツボだとは、わかっちゃいるのだが。
 まぁ、無駄だと分かっていても、抵抗を諦めるのは流石にまだ当分先のことになりそうだ。
 転がるシャルトーをため息を付きながら見下ろしつつ、こめかみを揉む。
「仕事は受けてやる。だが、この前みたいなのは無しだ」
「一回するも二回するも一緒デショ」
「一回も二回も一緒だが、する意味がねぇ」
「……意味があればいいノ?」
 もう二度としねぇと言っているのに、なんで瞳孔が開いてんのか。
 不穏な言葉を吐きやがるシャルトーに眉を寄せながら。




 どうやらまだまだ油断はならないようだ。




 これ以上、面倒なことに巻き込まれないと良いんだが、とため息をついて酒瓶に手をのばす。


 なお、その後もなんだかんだと一緒に依頼をこなすうちに、二度目や、甚だ不本意ながら三度目、そして数えるのが面倒になる羽目になるとは、このときの俺は知らないのだった。





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