触れるな危険

紀村 紀壱

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15話 触れるな危険 【中】

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<ギィド視点>


 

「で、あの噂はどういうつもりなんだ」
 シャルトーの住処は意外にも職人通りの片隅にあった。
 ぱっと見た処、俺の住んでいる処とたいして変わりのないランクか。
 てっきり根無し草の傭兵がよく利用する長期滞在型の宿かと思っていたが、共同住居に部屋を借りているのには驚いた。
 家具はこの手によくある備え付けのもの。他の私物らしき物が少ないのは寝に帰る程度なのだろう。
 しかしその使い古された家具やベッドの上に毛皮が目について、ある意味期待を裏切らない様に、呆れるのを通り越して思わず感心してしまった。
「アンタさぁ、せめて飲ませてもらった酒の感想くらい言えないの?」
 着いて早々に「まあとりあえず、口でも湿らせる?」と、不揃いのグラスを2つ。
 差し出された酒をひと舐め、グラスを置いて俺が放った言葉に、シャルトーが口の端を引き下げる。
「…………お前と酒盛りするつもりで来たわけじゃねぇ」
 指摘された内容はもっともだが。
 先程から些か余裕と、何やら企んだ様子のシャルトーに。
 相手の手に乗ってやるのも癪で、当初の目的が何であるのかを突きつけるようにそういえば。
「そう、まあ良いヤ。俺は俺で勝手に飲むし」
 噛み付いて来るかと思ったがシャルトーはあっさりと引く。
 まったくもって。
「あ゛ぁ、クソ、調子が狂う。お前のその態度。本当にどういうつもりだよ」
 アロ・ルル狩り前からやや生意気な態度が落ち着いて来た時も、気になっていなかったわけではないが、今のコレは裏が読めない分、余計に違和感がついて回ってひどく落ち着かない。
 ペースをかき乱されているのはあまり好きじゃない。
「ええ? わかんナイ? 噂が耳に入ってんなら、だいたいわかるでしょ」
「半分、信じたくねえんだよ、つかあの噂の出処、やっぱりお前なのか」
「まあ『俺がギィドと寝た』とか『アッチの意味でも相棒だから手を出さないほうが良い』とか『突っ込んだのはギィドのほう』って噂のことなら、確かに俺だね」
 シャルトーは出店から買ってきた包の中から肉の串を一本取り出して齧りつく。
 咀嚼しながら「ルダ肉、意外と美味いわ。食べる?」と聞いてくる。
 その様子に、俺の耳は本当にちゃんと動いているのかと心配になる。
 聞いた時、己の耳と頭を疑った内容を、まるで肉串の感想を言うようにぺろりと言われて。
「………………俺は男を抱く趣味はねえし。この前の続きをしてぇとかなら諦めろ。お前に突っ込むとか萎える。無理だ」
 一体どうしてコイツが俺に執着したのかわからないが。
 ひとまず、これだけはしっかり宣言しておかないといけないだろう。
 なんでこんな事を言わなきゃなんねえんだと、ため息を付きつつそう言えば。
「あぁ、べつに俺もアンタに抱かれたいわけじゃないから」
「はぁ?」
 じゃあ、あの噂はなんなのだ。顰め面で睨み返せば。
「何あんた、俺にケツ狙われてるって噂のほうが良かったノ?」
「冗談じゃねえ」
「うん、俺もそういう対象にアンタが見られるのは糞ムカツクんだよね。でもツバつけてるのを周りに示しときたいし」
 肉を食べ終えた串をフラフラと揺らしながら。
「だから、逆なら良いかって」
「逆ならって……」
 シャルトーの言いたい意味がよくわからない。いや、正直にはあまり理解したくないのだろう。そんな俺の思考を分かっているのかいないのか。
「俺、意外と独占欲強いみたいなんだよネ。ほら、こういう男同士で下だと分かるとたまに俺にも試させろって馬鹿が湧くでショ? アンタが簡単にヤラれるとは思わないけど、そういう顔を見ていいのは俺だけでいいし。俺が絡まれても別に蹴り飛ばせばいいし」
 なんだそれは。
 なにを前提で話が進んでいるのか。
 コレではまるで。
「アンタにぶち込みたいとか考えるのは俺だけでいいし」
「おまえ、ちょっと黙れ……」
 せっかく目を背けていたというのに。
 ヒシヒシと感じていた嫌な予感をまるっと肯定する言葉を吐かれて、まだたいして飲んでやいないのに酔いが回ったようにクラリと目眩がした。
 シャルトーの執着には気がついていた。しかしそれが『どこまで』のものなのか見誤っていた。
 あの日。おぼろげな記憶の中で言葉通り、オナニーを覚えたてのガキみたいに何度も擦り合ってイキまくった以上の事はなかった。
 ただ、ウォルトからコイツが俺を条件に正所属員になった話と、シャルトーが流した噂を耳にしたとき、俺の中で盛大に違和感が膨らんだのだ。
 今までのコイツの執着はただの物珍しさと好奇心からくるものだ。何かと絡んでは来るが手放せる程度に距離をどこか置けるようにしていた。あくまでも己が損をしない程度に狩りを楽しむ。そういう線引きが垣間見えた。
 だからもし噂が「シャルトーに俺が突っ込まれた」といったものならまだ鼻で笑っていられたのだ。
 なのにだ。
 正所属員とあの噂にはシャルトーに損しか産まない。
 にもかかわらず、それを選択したと言うなら。
「気がついた?」
「うるさい、黙れ」
 俺がどこまで思考しているのか分かっている、といった様子で声を掛けてきたシャルトーにドスを効かせて答えるが、逆に笑いを堪えるような気配がした。
 ああ、なんで俺はこんな駆け引きをするハメになっているのか。
 コイツが『本気で』俺を狩りに来ていると『俺が気がついた』事に、コイツは気がついた。
 いや、気がつくように仕向けられたのかもしれない。
(一体、どうする?)


 ギルドをやめて、流れる――のは、無駄か。


 本来は、シャルトーにこういった面倒事に巻き込まれた場合、最後に切るはずだったカード。
 それが、油断をしている間にすっかり切り札として使えなくなっている事を後も自覚させられるとは。
 もともと根無し草の傭兵だ。ギルドをやめる事など、住処の領地を大きく移る際やトラブルに巻き込まれて身をひそめるときには何度か経験するものだ。
 なのに、この街に来てもう8年だ。
 引退する前なら良かった。
 引退して5年。まだ1、2年程度なら、それほど悩まなかっただろう。
 しかし5年も経てば、どうしたって現役のフリーよりも名も腕前も劣る。
 そもそもコイツを振り切るため、という理由ならある程度移動が必要だし名も潜めなければならない。
 コイツが本気になる前ならば、それほど大仰に考えなくても良かっただろう。
 しかし本気で狩ろうとして来ている相手を振り切るとなると話は別だ。
 命の危険がかかっているのならそれくらい仕方のないことだが。
 実際はどうだ。
 自分のケツの心配だ。
 殴り飛ばしたいほど嫌だが、だが命に比べればなんてちっぽけでアホらしい理由なのか。
「お前、マジか……つか、なんでだよ……」
 考えれば考えるほど、頭の痛い話にため息が出るのを抑えきれない。
「俺も自分の頭がおかしくなったかと思ったけど、どうもアンタの事、本気で気に入っちゃったっぽいんだよネ。まあ、アンタと組んで面白かったし、いいかって」
「そこで開き直んなよ」
「だってアンタだって俺と組んで悪くなかったでショ?」
 そう指摘されて。
 俺は答えあぐね、苦し紛れに眼の前の酒をグラスに注いで煽る。
 カッと喉を焼いて、鼻に抜けるアルコールは老熟した樽の香りをまとっている。
 腹が立つ事に、本当に俺好みのいい酒だ。
 俺が飲みたい酒のリストがジャグから漏れているのだろう。しかしそれらの中で、なんでコイツが選んだ物がこんなに美味いのか。
 ぶっちゃけ、確かにコイツとの連携の相性はいいのだ。
 攻めと引き際のタイミングは合うし、ここに居て欲しいという場所にいるし、次に動いて欲しい手を打つ。身軽さを活かした躱しの動きは最小で、仕留めるときの判断と手際も感心する――というのは口が裂けても言えないが、ケツを狙われていなければ、普通に目にかけるくらいはしていたかもしれない。
 ……かもしれない、が。
「ペア組んだ同士で処理し合ってんノ、よくある話じゃん」
「ねぇよ。稀にだろ。それに俺はお前と組むのを了承してねぇ」
「でもウォルトには言われたでしょ?」
「………百歩譲って組むのはわかった。しかし、てめぇにケツを貸す気はねぇ」
 落とし所はもうここしかないだろう。
 そう宣言するが。
「まあ、俺は諦めるつもり無いけど」
「引けよそこは」
 譲歩してやったというのに、まるっとこちらの条件を無視した返答に思わずこめかみがひくついた。
 いや、そもそも。そもそも、だ。
「お前な……よく見ろ、オッサンだろ。お前も元々そっちの趣味があるわけじゃないんだろ? マジになる必要ねえだろ」
「ほんと、なんでオッサンなのにね。俺も不思議」
「疑問に思うなら止まれよ」
「うん、でも味見くらいならいいと思わない」
「ほかを当たれよ」
「それがなんでか味見したいのはアンタだけなんだよね、責任とってよ」
「なにをだよ、なんで俺が責任取る方なんだよ」
「だって、こんな事になったのはアンタの所為だし。俺もこんな性癖の扉を開けたくなんてなかったよネ」
「ならその扉をさっさと閉めろよ」
「それが自分では閉めれないみたいなんだよね」
「あ゛ー……」
 ああ言えばこう言う、といったやり取りはこういう事を言うのだろうか。
 なにをとち狂っているのか、シャルトーは考えを改める気はないらしい。
「ねぇ、せっかく買ったのに食べないの?」
「食欲の失せる話を振ってきてるのは誰だよ」
 俺が頭を抱えている間にも、シャルトーはちびちびと酒を舐めながらマイペースに肴を消費している。
「じゃあ、俺食べてイイ?」
「誰がやるか」
 出店で買ったミックス炒り豆の袋をひったくるように奪い返して。
 まとめて口に放り込みたい気分だが、せっかく買ったのに味わう事なく消費すればそれこそ後でまた荒れそうだと、気持ちを落ち着かせるようにため息を付いて、一粒ずつ摘むことにした。
 ああ、クソ。うまいな、コレ。
 いい感じに塩味と豆の風味が混ざり合って、香ばしい匂いが鼻を抜ける。緑や白い炒り豆はよくあるが、白に赤い斑の炒り豆は味が濃くて皮のパリパリとした歯ごたえと実のサクサクとした食感の差がなんとなく癖になる。
「とりあえずさ、試してみない?」
「あぁ゛?」
 駄目だ、完全に脳みそが逃避に走っていた。
 シャルトーの言葉で我に返るが、コイツが何を言ったのか分からず、思わず眉間にシワを寄せて聞き返せば。
「擦りあい、良かったでしょ?」
 ニッコリと笑って指摘された内容に、否定するには前回の残状があんまり過ぎて滑稽にしかならない。
 しかしながら、ただ押し黙っているのは負けた気がして。
「はっ、だからってするわけねえだろ。で?拒否ったら無理やりする気か」
 鼻で笑って、シャルトーを見据える。
 そっちがその気なら、またコチラとしても、とことん切り捨ててやるだけだ。
 ウォルトの要望には表面的には答えてやろう。だがそれ以上コイツに俺を割りさいてやらなければいい。
「やっぱりそうくるよネー」
 この馬鹿を切り捨てようと意識を切り替えようとしたら、シャルトーは大げさにため息を付いたかと思うと、前かがみに両足へ肘を置いて頬杖をつく。
「そうやってサ。切り捨てるところ、安心だけど、心配だよね」
「はあ?」
「俺にはその対応が有効だけどさ。他のやつにはやんないでよね。もうちょい死に物狂いで抵抗しなよ」
「あぁ゛? テメェみたいにとち狂ったやつは居ねえよ」
「そんなのわかんないジャン、根拠は俺自身だし」
 そう言われると非常に説得力があるが。
「つか、言われなくても抵抗するに決まってんだろ。お前の場合は抵抗するよりこっちのほうが効くみたいだしな」
 なんで効果があるのかなんて言うのは、あんまり考えたくない話だが。
「それならいいけどネ。……でもさ、そうとはいっても俺、諦める気もアンタに切り捨てられる気もナイんだよね。だから周りを固めて、アンタを落とそうかと思って」
「話がループしてんぞ」
「うん、ワザと。言ったでショ。俺、執念深いって」
「おい、ランクアップしてないか」
「諦めて、試してみない? 娼婦と寝るのとそう変わんないし、気持ちよくしてあげるヨ」
「なんだ、男娼のマネか? 落ちたもんだな」
「こういの、アンタにしかしてあげないから自慢していいよ?」
「冗談がキツイな」
 ワザと煽ってみるがさっぱり手応えがない。
 むしろ、シャルトーは何が可笑しいのか、苛立つどころか妙にご機嫌になっている。
「お前な、性格が変わりすぎだろ」
「なんかアンタにはこっちのほうが有効っぽいし」
「プライドはないのかよ、プライド」
「手に入れるためならいらないでしょ、そんなノ」
 サラリと、そう言われて。
(――コレは駄目だ)
 なんとかコイツの興味が失せやしないかと思ったが。
 自体が想像以上に面倒な事を悟って俺は口を歪めて頭を抱えた。
 プライドなんてものは持っとく分にはいいが、場合によっては曲げたり一旦脇に置いとくべきもんだ。
 高尚な生き方をしているわけじゃない。いちいちへし折れるぐらいならそこらへんの狗にでも食わせてしまうぐらいじゃなきゃ生きていけない。
 だからといってだ。
 ポイポイ捨てれるもんでもないのだ。
 なのに、そいつを脇に置くくらい、コイツは――
(マズイな、面倒くせぇ……)
 絶対に、この俺の思考パターンはシャルトーの思う壺だ。
 分かっているのに頭の中ではコイツを振り切るのはひどく面倒だと。
 拒否をするから興味が失せないのではないか、ならばいっその事一度好きにさせてみたら、と一瞬思い浮かんで、慌てて思考を振り切るようにグラスの酒を煽った。
「うーん、やっぱり少しぐらいは強引に行った方が良いカナ?」
 唇から傾けたグラスを離すかいなかというタイミングで、シャルトーのそんな呟きとゆらりと気配が動くのを感じて、はっとして身構えるが一歩遅かった。
「うん、イイ反応」
「いってぇな、クソッ」
 テーブルを乗り越え飛びかかってきたシャルトーに、グラスを投げつけ逃げようとしたが、よりにもよって身をひねったところで首の後ろと左腕を抑え込まれ、右手はソファと体の間で折り畳まれてしまった。
「あのサ、アンタだってこのまま拒み続けるのも面倒くさいって思ったでしょ? だからさ、ちょっとくらい試してみナイ?」
 この状態で。
 圧倒的に有利に立った状態でシャルトーは尋ねてきた。
 ちらりと、視線を後ろに投げる。
 口元は笑っているが目の奥がじっとこちらを伺っている。
 これからどうやってコイツから逃げられるか。
 骨が折れそうだと、思う時点でもう俺はコイツの術中に嵌っているのかもしれない。
 どれくらいの線引きで、俺がどちらを面倒じゃないかと判断するか、それを推し量っている気配をこうもヒシヒシとぶつけられて。
 こうなりゃ腹をくくるか、と。
「あ゛ぁ゛、クソ、試せば良いんだろ、試せば!」
「……やっぱりアンタ、簡単に諦めすぎじゃない?」
 折れてやったというのに、それはそれで不満げな声をもらされて。
「なんでだよ!」
 俺が思わず怒鳴り返えしたのは仕方がないだろう。
「まあ、やる気になってくれたのなら良いけど」
「やる気では一切ねぇけどな」
「さて、と。とりあえず……」
 ふっとソファに押さえつけていた力が抜ける。
 腹はくくったとはいえ、少々腹が立っている。せっかくだから腹いせに一発殴っとくか、と――

 チクリと。

「なっ!?」
 痛みが走った首筋を抑える。
「アンタのそういうとこ嫌いじゃないけど、殴られてあげるのは後でね」
 シャルトーの手の中で銀色に光る細い針。
 それを認識すると同時にぞわり、と首からジリジリとした痺れが襲ってくる。
「大丈夫、ヤバイやつじゃないカラ。バジダラの痺れ薬って分かる? アレをちょっといじったやつ」
「ぜってぇ、だいじょぅぶじゃ、ねへ」
 それ、アレじゃねえか。家畜の捕縛に使うやつだろうが。
 舌がビリビリと痺れて、口がうまく回らない。指先が震える。
「安心しなよ。絶対気持ちよくしてあげるカラ」


 このクソ野郎。


 腕が震え、ズルズルとソファに沈み込みながら。


 明日絶対殴り飛ばす。と、俺は決意を新たにした。

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