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閑話2 発熱に至る顛末 3*
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混乱するルスターの頭にその時ひらめいたのは、受け身だからよくないのではないか、という事で。
アルグのほうから伺いを立てられれば、断る事にひどく罪悪感を覚えるはめになる。
だから、こちらが先に動くことで、なんとか流れを変えられないかと考えたのだ。
「手で、お相手するのは駄目でしょうか?」
恐る恐る申し出れば、ひどく驚かれた。
それはそうだろう。ルスター自身、提案した後に何を自分は言っているのだと思った。
しかしながら、己の貧相な肢体に対して昂ぶる、放置されたアルグのモノを見て。
流石に同じ男として同情が禁じれなかった。
まあ、正直なところ少々口が滑った感がないこともなかったが。
……とりあえず、服を着たい。
頷ずいたアルグに、今度こそルスターはスラックスを引き上げて。
やや渋る気配があったが風邪を引いてしまうので、と言えば、シャツを羽織ることを許された。
あまり待たせすぎれば、また焦れてこちらに手が伸びてくるかもしれない。
故に本当はきっちりとシャツの身頃を整えたいが、裾を仕舞うこともなく襟元のボタンを2つ開けたまま、アルグに向かい合った。
「………それで、どうする?」
どうしたものか。
ルスターと対して、アルグはなんとも堂々としたものである。
己なら思わず股間を隠してしまいそうになるのだろうが。
まあ、奉仕されるのだ。
隠されてもそれは困るものだが。
「ひとまず、そのままの体勢でいてくださいますか」
ソロリ、とこちらの方からアルグへと近づきつつ。
少し考えて、ルスターはソファに腰掛けたアルグの足の間に膝立ちになろうとする。
「まて」
「はい?」
「それでは膝が汚れるだろう」
膝を折りかけたルスターをアルグが引き止める。
アルグの言い分はわからなくはないが、しかし体勢的にそれが一番だろうと思っていたルスターはアルグを困ったように見返すと。
「向かい合った抱擁と同じ体勢ならいいだろう」
ーーあれか。あの体勢か。
アルグの言葉にルスターの頬が一瞬引きつった。
幼子が母親に抱きつくように、膝をまたいで向き合った抱擁は最近はなかったものだ。
背後からより幾分気恥ずかしさが高いあれは、確かに事をなすのに適した体勢とは思うが。
(スラックスなどまた洗えばよいので……)
と、思うが声には出せずに。
「……失礼、します……」
密着度が高いのは、正直怖い。
が。やはり断ることができなくて。
ぐっと勇気を引き絞って、ルスターは膝をソファへと乗り上げた。
ギシリ、とソファが軋む音が妙に大きく聞こえて。
五感がずいぶんと過敏になっているなと、アルグはそんな己の状態に心の中で苦笑した。
妙に口が乾いて、唇を舐めて湿らせる。
最初は控えめに、しかし、次第に太ももにかかる重みと接地面積が増して、そこからじわじわと伝わってくる熱にたまらない気持ちになる。
眼の前のうつむいたルスターの耳の後ろに口づけたいのを我慢しながら、そっと腕をルスターの腰に回す。
「あ、の」
「いつもの抱擁とそう変わらないだろう?」
実際は上着とベストに包まれた腰が、シャツの下に素肌を、背骨の凹凸を感じられる程に違うのだが。
ルスターは言いよどんで、しかし諦めたように口を閉じる。
おそらく己の腰に回る手よりも、大きな問題が眼前に横たわっているせいで、小事にかまっている場合ではない為だろう。
その証拠に、まさに恐る恐るといった体で、普段はドレスグローブに包まれたルスターの手が己の股座に遅々とした速度で伸びてくる。
日に焼けていない手は確かに男の手だが、ほっそりと白く、己の皮の厚い手にくらべ、とても綺麗なものに見えるのは、やはり惚れた欲目か。
ルスターの手が、わずかに震えながらズボンのボタンを外して。チャックに手をかければ、中から押し上げているモノの存在のせいか、ジジジと、鈍い音を立ててジッパーが下がる。
やっと下着に手がかかるが、思い切りがつかぬのか縁に添えられた手が動きを止める。その仕草はまるで焦らされているようで。
「ルスター」
ルスターの手を取り、己のものを押し付けたい衝動にかられながら。
アルグはぐっと衝動を堪え、しかしてルスターの腰を手慰みに撫でる。
腰を擦られたルスターは息を詰め、その行動はアルグに促されたようにとれたのだろう。止めた手の動きを再開させて。
「っ!?」
窮屈だった下着の中から、文字通り飛び出す勢いで立ち上がった己の物をやや気恥ずかしく思うものの。
「ルスター?」
「え、ぅは、はい!?」
アルグの愚息を目にした瞬間、明らかにビシリと音がしそうな雰囲気で体がこわばったルスターに呼びかければ、これまた盛大に体を跳ねさせ動揺を隠せぬ様子を返してくる。
「……大丈夫か」
先程までは緊張していたようだが、今度は完全に落ち着かない様子になったルスターにそう問いかければ。
「あ、いえ、その、そ、想像とすこし、違っていたので……申し訳ありません」
「何か、変だろうか」
俯かれているせいでルスターの顔を見ることができないが、明らかに頭の傾き具合からモノから顔をそむけられていることに気がついて、不安になるが。
「いえ、なんといいますか……………大きいな、と」
「…………煽っているのか?」
思わず声のトーンが1オクターブほど下がってしまったのは許してほしい。
「ひっ」
ルスターが怯えたのは、アルグの声のせいか、それとも角度をました愚息のせいか。
体格的に己の『持ち物』はそう大きいというわけではなく、あくまでも普通だと思うのだが。
そもそもサイズなど、大きければよいというものではないだろうに、やはり時と場合によってはこういったセリフにぐっと揺さぶられてしまうものなのだな、とアルグは改めて認識しつつ。
「ルスター……すまないが、少し、辛い」
無理強いは、と頭をよぎるが、いい加減に煽られすぎて放置された股間のモノが痛い。
素直に申告すれば、ルスターはまたヒクリと体を震わせたが、恐れより、男の性に対する同情が勝ったのかその手はゆるゆるとアルグのものに伸びてきた。
「っ……」
緊張しているせいか、触れてきたルスターの手は少し湿っており、ヒヤリとしてアルグは一瞬息を詰めるが、ルスターの手が己のものに触れていると思うと堪らなくなって、腹の底がますます熱くなってゆく。
自身にも同じものがついているだろうに、ルスターの手の動きはまるで慣れぬものに触れているかのようにぎこちない。
触れられているという事実に興奮が高まるが、しかしながらいつまでも撫でるように擦られる刺激は物足りない。
「もっと強くてもいい。普段、お前がしているように」
自分で擦りたい。その手に腰を振り立て擦り付けたい。
中途半端な刺激に、高まった欲望がじわじわと理性を溶かし始めて。アルグはうつむいたルスターの耳に唇を押し付けながら要望を吹き込む。
己の吐息がひどく熱い。だが唇をつけたルスターの耳も負けず劣らず熱を持っている。
アルグの要望にルスターが答えるように先ほどとは変わって、指で輪を作って擦る動きが強くなっていく。向かい合ってルスターがアルグのものを擦る動きは、腰の位置が近いこともあってまるでルスター自身が自慰をしているかのような光景にも見えた。
カリの部分を擦る動きにじんわりと頭の芯がしびれる快感が広がる。
荒くなる吐息がルスターの耳をくすぐる。
その熱から逃げるためかルスターが首をそらせば、いつもよりも開いた襟ぐりが白い首筋を晒して、アルグは無意識にそこに吸い寄せられていた。
アルグのほうから伺いを立てられれば、断る事にひどく罪悪感を覚えるはめになる。
だから、こちらが先に動くことで、なんとか流れを変えられないかと考えたのだ。
「手で、お相手するのは駄目でしょうか?」
恐る恐る申し出れば、ひどく驚かれた。
それはそうだろう。ルスター自身、提案した後に何を自分は言っているのだと思った。
しかしながら、己の貧相な肢体に対して昂ぶる、放置されたアルグのモノを見て。
流石に同じ男として同情が禁じれなかった。
まあ、正直なところ少々口が滑った感がないこともなかったが。
……とりあえず、服を着たい。
頷ずいたアルグに、今度こそルスターはスラックスを引き上げて。
やや渋る気配があったが風邪を引いてしまうので、と言えば、シャツを羽織ることを許された。
あまり待たせすぎれば、また焦れてこちらに手が伸びてくるかもしれない。
故に本当はきっちりとシャツの身頃を整えたいが、裾を仕舞うこともなく襟元のボタンを2つ開けたまま、アルグに向かい合った。
「………それで、どうする?」
どうしたものか。
ルスターと対して、アルグはなんとも堂々としたものである。
己なら思わず股間を隠してしまいそうになるのだろうが。
まあ、奉仕されるのだ。
隠されてもそれは困るものだが。
「ひとまず、そのままの体勢でいてくださいますか」
ソロリ、とこちらの方からアルグへと近づきつつ。
少し考えて、ルスターはソファに腰掛けたアルグの足の間に膝立ちになろうとする。
「まて」
「はい?」
「それでは膝が汚れるだろう」
膝を折りかけたルスターをアルグが引き止める。
アルグの言い分はわからなくはないが、しかし体勢的にそれが一番だろうと思っていたルスターはアルグを困ったように見返すと。
「向かい合った抱擁と同じ体勢ならいいだろう」
ーーあれか。あの体勢か。
アルグの言葉にルスターの頬が一瞬引きつった。
幼子が母親に抱きつくように、膝をまたいで向き合った抱擁は最近はなかったものだ。
背後からより幾分気恥ずかしさが高いあれは、確かに事をなすのに適した体勢とは思うが。
(スラックスなどまた洗えばよいので……)
と、思うが声には出せずに。
「……失礼、します……」
密着度が高いのは、正直怖い。
が。やはり断ることができなくて。
ぐっと勇気を引き絞って、ルスターは膝をソファへと乗り上げた。
ギシリ、とソファが軋む音が妙に大きく聞こえて。
五感がずいぶんと過敏になっているなと、アルグはそんな己の状態に心の中で苦笑した。
妙に口が乾いて、唇を舐めて湿らせる。
最初は控えめに、しかし、次第に太ももにかかる重みと接地面積が増して、そこからじわじわと伝わってくる熱にたまらない気持ちになる。
眼の前のうつむいたルスターの耳の後ろに口づけたいのを我慢しながら、そっと腕をルスターの腰に回す。
「あ、の」
「いつもの抱擁とそう変わらないだろう?」
実際は上着とベストに包まれた腰が、シャツの下に素肌を、背骨の凹凸を感じられる程に違うのだが。
ルスターは言いよどんで、しかし諦めたように口を閉じる。
おそらく己の腰に回る手よりも、大きな問題が眼前に横たわっているせいで、小事にかまっている場合ではない為だろう。
その証拠に、まさに恐る恐るといった体で、普段はドレスグローブに包まれたルスターの手が己の股座に遅々とした速度で伸びてくる。
日に焼けていない手は確かに男の手だが、ほっそりと白く、己の皮の厚い手にくらべ、とても綺麗なものに見えるのは、やはり惚れた欲目か。
ルスターの手が、わずかに震えながらズボンのボタンを外して。チャックに手をかければ、中から押し上げているモノの存在のせいか、ジジジと、鈍い音を立ててジッパーが下がる。
やっと下着に手がかかるが、思い切りがつかぬのか縁に添えられた手が動きを止める。その仕草はまるで焦らされているようで。
「ルスター」
ルスターの手を取り、己のものを押し付けたい衝動にかられながら。
アルグはぐっと衝動を堪え、しかしてルスターの腰を手慰みに撫でる。
腰を擦られたルスターは息を詰め、その行動はアルグに促されたようにとれたのだろう。止めた手の動きを再開させて。
「っ!?」
窮屈だった下着の中から、文字通り飛び出す勢いで立ち上がった己の物をやや気恥ずかしく思うものの。
「ルスター?」
「え、ぅは、はい!?」
アルグの愚息を目にした瞬間、明らかにビシリと音がしそうな雰囲気で体がこわばったルスターに呼びかければ、これまた盛大に体を跳ねさせ動揺を隠せぬ様子を返してくる。
「……大丈夫か」
先程までは緊張していたようだが、今度は完全に落ち着かない様子になったルスターにそう問いかければ。
「あ、いえ、その、そ、想像とすこし、違っていたので……申し訳ありません」
「何か、変だろうか」
俯かれているせいでルスターの顔を見ることができないが、明らかに頭の傾き具合からモノから顔をそむけられていることに気がついて、不安になるが。
「いえ、なんといいますか……………大きいな、と」
「…………煽っているのか?」
思わず声のトーンが1オクターブほど下がってしまったのは許してほしい。
「ひっ」
ルスターが怯えたのは、アルグの声のせいか、それとも角度をました愚息のせいか。
体格的に己の『持ち物』はそう大きいというわけではなく、あくまでも普通だと思うのだが。
そもそもサイズなど、大きければよいというものではないだろうに、やはり時と場合によってはこういったセリフにぐっと揺さぶられてしまうものなのだな、とアルグは改めて認識しつつ。
「ルスター……すまないが、少し、辛い」
無理強いは、と頭をよぎるが、いい加減に煽られすぎて放置された股間のモノが痛い。
素直に申告すれば、ルスターはまたヒクリと体を震わせたが、恐れより、男の性に対する同情が勝ったのかその手はゆるゆるとアルグのものに伸びてきた。
「っ……」
緊張しているせいか、触れてきたルスターの手は少し湿っており、ヒヤリとしてアルグは一瞬息を詰めるが、ルスターの手が己のものに触れていると思うと堪らなくなって、腹の底がますます熱くなってゆく。
自身にも同じものがついているだろうに、ルスターの手の動きはまるで慣れぬものに触れているかのようにぎこちない。
触れられているという事実に興奮が高まるが、しかしながらいつまでも撫でるように擦られる刺激は物足りない。
「もっと強くてもいい。普段、お前がしているように」
自分で擦りたい。その手に腰を振り立て擦り付けたい。
中途半端な刺激に、高まった欲望がじわじわと理性を溶かし始めて。アルグはうつむいたルスターの耳に唇を押し付けながら要望を吹き込む。
己の吐息がひどく熱い。だが唇をつけたルスターの耳も負けず劣らず熱を持っている。
アルグの要望にルスターが答えるように先ほどとは変わって、指で輪を作って擦る動きが強くなっていく。向かい合ってルスターがアルグのものを擦る動きは、腰の位置が近いこともあってまるでルスター自身が自慰をしているかのような光景にも見えた。
カリの部分を擦る動きにじんわりと頭の芯がしびれる快感が広がる。
荒くなる吐息がルスターの耳をくすぐる。
その熱から逃げるためかルスターが首をそらせば、いつもよりも開いた襟ぐりが白い首筋を晒して、アルグは無意識にそこに吸い寄せられていた。
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