ショートショートショート

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  貴方の姿を見ると後ろめたい

「仕事なんだ、またね」

  そういう貴方の後ろ姿を見送る日々

  今月は会えるかな

  そう呟いた声は貴方には届くのでしょうか

  此方側から予定を合わせても

  貴方の声は聞こえない

  弱っている私など貴方は見たくないだろうから

  弱音は吐きませんでした。

「寂しい」の数文字すら口に出すのを憚られました。

  だんだんと

  だんだんと

  心が死んでいく

  乾いていく

   ふと、そんな私に差し出された腕

  思わず縋り付いてしまった。

  わかっているのです。

  これはいけないことだと

  でも、乾涸びてしまった私には

  差し出されるだけでも

  嬉しかった

  ごめんなさい、ごめんなさい

  彼に抱かれても、貴方の顔が思い浮かぶばかり

  ごめんなさい、ごめんなさい

  帰ってきた貴方に触れる私の手は

  なんて醜いのでしょうか

きっと、このまま私はこれを抱えて醜いまま生きていく

貴方からは離れられない

綺麗じゃなくて、ごめんなさい

でも、貴方が好きだから、はなれたくないの。

許して