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第2話 幼女のお湯
しおりを挟む「げふぅ……」
少女は全てを食べ尽くし、最終的にはボクの食べていたスモークチーズまで完食すると、なんとも心地良さそうに喉を鳴らした。
「おいしかった?」
「あうっ!(ぎゅっ)」
問いかけの意味を理解しているのかは謎だが、少女はボクの右手を小さな手と手で握りしめてにこっと笑い、そして――
「れろっ」
「うわっ!」
頬を愛おしそうに舐めた。
なめらかな感覚と雫がほっぺたを襲う。
ここだけの話、死ぬ程気持ちよかった……、いや、気持ちよかったのだが、よくない。
「じゅるるっ(ぺろぺろ)」
なんというか、これはヤバい。
ダークエルフ(?)の幼女が成人オスヒューマンの顔を舐め回しているのはなんか色々とまずい。
たぶん。
あと、舐めまわす以上必然的に少女の顔がボクの至近距離に迫るわけで、しかもこの子ってばめちゃくちゃかわいいわけで、このままではボクのボクが悪人になってしまう可能性があった。
なので。
「は、はーい、そこまで~」
ボクは少女の脇の下に両手を入れて、ばしっと引っペがした。
「りゃー?(ふにゃ?)」
なんで止めちゃうの、お姉さん? みたいな目でボクを見ないで……。
ボクだって君と舐め合いたかったんだから……(舐め「合う」のはマジでNGだけどね……)
「ぺろぺろしてくれるのは嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいからさ」
「ふぅ……?」
きょとんとしているが、もし内心「何言ってんだこの婆?」とか思ってたらどうしよう……。ちなみにボクは自分で言っててそう思ったけどね。
「それより、顔、すっごい汚れてるよ。油まみれ」
あんな食べ方をしたのだ、タレとかマヨネーズとかご飯粒とかそりゃあもうありとあらゆる食べかすが顔どころか銀色の髪にまで付着していた。
だからさっきボクのことを舐めている時も匂いがすごかった。
それでもかわいいのだから、この子の美しさは相当なものだけど。
というかむしろ綺麗なものが汚されている感があってですね、ゲヘヘ……。
『♪~お風呂が沸きました』
最低なことを考えていると、電子的アナウンスがボクを理性の世界に連れ戻してくれた。
なんていいタイミングなんだ。このまま汚れた少女と汚れた大人をキレイにしてしまえるってなもんだよ。このアナウンス、ボクなんかよりよほど空気が読めると見たね!
ちなみにダークエルフちゃんはその音にビクッと反応し、身を守るように音のした方を睨んでいたけども。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。お風呂だよお風呂。お風呂沸いただけだから」
「ぉ、う、ぉ……?」
機械と僕とで同じ発音が何度か続いたからなのか、どうにかそれらしき発音をしてくれたみたい。
ちっちゃなお口から紡がれるボクが今話したばかりの言葉……。
はわぁ~。
ボクはちょっと感動していた。世の中の親はみんなこんな気持ちを味わっているのだろうか。
え、羨ましすぎる。ずるい。
よし、じゃあボクも親になっちゃうか~! よーし!
「うんうん! すごいじゃん! そうそうお風呂! お風呂が沸いたんだよ~!」
なんかよくわからないテンションで、目の前の褐色ロリエルフに母性を抱く限界ボク。
そしてそれに乗ってきてくれる(?)幼女。
「ぉうぉ~!」
なんなのこのたどたどしい発音。かわいすぎて涙出る。
でもなんかこれはこの子に言葉を教えるいいチャンスっぽいので、ちょっとチャレンジしてみる。
「お・風・呂!」
「ぉうぉ?」
惜しい。
「お風呂」
「ぉうぉ。」
は~、なんかまだちょっと違うけどかわいいからOK!
目の前の幼女のあまりのかわいさにボクはハイになっていく。
「お風呂、いえーい!」
幼女もそれにあてられたのか、ボクの真似をしながらかわいく破顔する。
「ぉうぉ、しょぇ~ぃ!(きゃっきゃっ)」
「あっ……(キュン死)」
な、なんという、なんというかわいさなんだ……っ!
うっ、む、胸が、胸が、苦しい……。
「ぉぅ?」
唐突にその場で苦しみだした変態を、訝しむ様に、見つめる幼女ちゃん。
「あ、いや、なんでもない。きみがあまりにもかわいすぎて」
「ぁー?(きょとん)」
ボクの謎発言に、呆けた顔を晒す幼女。半開きのお口がキュート。
「ちょ、その顔もかわいいっ! んんっ!」
「んへ?」
はい、その顔反則、ペナルティキッス、いくよ?(ダメです)
「はあ、はあ、だめだ。このままだとボクのなかのなにかが……。と、とりあえず、はやくお風呂にいこう……」
「ぉぅぉ!」
「そうだよ。お風呂。ちゃんと言えてえらい!」
「んへへ(にまー)」
ボクが頭をよしよしと撫でると、幼女は安らかな顔で微笑んだ。
言葉は伝わらずとも、なんとなく褒められていることはわかっているのかもしれない。
というわけで、脱衣所にきた。
けど――。
「どうしよう……」
なにせ、この幼女は異世界の元奴隷(?)である。
フォークも言語も羞恥心も知らないような。
そんな彼女が、果たして入浴という概念を知っているのだろうか。そもそも彼女の暮らす世界に風呂が存在しなかった可能性だって大いにある。だとすれば、よもやシャワーの使い方なんて、絶対にわからないはずだ。
だったら、お風呂場に一人放置しても、彼女はきちんと体を綺麗にできないかもしれない。というか、100パー無理である。てか子供だし。
つまり、彼女が万全を期してお風呂を謳歌するためには――
「ボクが一緒に入る必要がある」
大事なことなので、声に出しました。
「ふへ?」
幼女はきょとんとした無垢な顔でこちらを見上げる。
そんな無知で純朴で純粋で純真な幼女と、ボクは、ボクは――
「お風呂に入るんだっ!!!」
「っ!(びくっ)」
突然大声を出したボクに驚いたのか、小さな体を跳ねさせたかと思うと、自分の身を守るように両手を頭上に掲げる幼女。
「り、りえす、える…………」
「……。ごめんね、急に大きな声出しちゃって……」
ボクは猛省した。
反射的にそんな動作をするということ、その意味は、考えずともわかる。
――痛ましい。
さっきまでの葛藤が、不意にどうでもなくなってしまうくらい強く、そう思う。
だからボクは、びくびくと小さくなって震える彼女を、優しくぎゅっと抱きしめた。
「あぅ、う……」
「大丈夫だよ、ボクは君になにかひどいことをするつもりなんて、全然ないから」
「う、ぅー?」
彼女は不安げな面持ちで、ボクの表情を伺うように下から覗き込んでくる。
そんな彼女を、ボクはしばらくの間、ぎゅうっと抱きしめ続けた。
「じゃあ、脱ごっか」
しかし、いつまでも二人抱きしめ合ったままでは、入浴はできない。
なので、いやはや本当に仕方なく、ボクはまるで初モノAVの冒頭みたいなセリフを、出会ってまだ数時間の幼女に吐くのだった(完全に犯罪)。
「ぁー?」
とはいえ、言語による意思疎通はまだ難しい。
だから、まずボクが脱ぐ。
「お風呂に入る前は、こうやって、裸になるんだよ」
ボクは幼女の前で上半身裸になりながら、幼女に入浴の作法を教導する。
「はふ?(ぺちぺち)」
するとなぜか幼女はその小さな灰色のおててでボクの腹筋をつんつんと弾いた。
「ひゃん!」
「ぁっ!(びくっ)」
突然のこととはいえ、幼女に腹を触られただけで喘ぎ声を出してしまうボクと、それに驚いて手を引っ込める幼女。
「なんなんだろう、この構図は……」
思わず声に出してしまった。
「ごめんね、ボク、なんか敏感みたいで」
ボクは何を言っているんだ……。
幼女がそう感じたのかは不明だけれど、彼女は申し訳なさそうにこっちを見ていた。
「あぅ~(しょーん)」
「いや、ほんとなんかごめん」
なにが?
「……ま、とりあえず、脱ごっか」
原点回帰。
ボクは避けられないその問題と向き合うことにする。
出来れば、幼女の側から脱衣状態に移行して欲しかったが……。
彼女はボクがいくら脱げと促したところで、脱ぎそうにない。
「よいっしょっと(パンツを脱ぐのに、なぜそんな掛け声が必要だったのか)」
それは、ボクが全裸になっても同じだった。
どうしたものか。
ボクは、今、幼女の前で堂々と全裸になり、イチモツを晒し、そのうえ、幼女までを全裸にしようとしている。
これは、果たして、たとえなんらやましい気持ちがなかったとしても、人道的に正しい行いだったとしても、やっていいことなのだろうか。
しかし、いくら考えたところで――というか、むしろ考えれば考えるほど興奮してしまいそうなので。
「ええい、ままよ!」
ボクは腹をくくった。
というか、なんならもうかなり凝視した後なのだ。彼女の裸なんて。出会い頭に。
だから、もう今更である。
「はーい、じゃあ、お洋服ぬぎぬぎしようね? ばんざーい」
こうして、ボクは一切の犯罪性などなしに、幼女の衣服をひん剥いた。
幼女の肢体は、なめらかで、すべすべで、頬ずりしたくなるほどに、もちもちとしている。
ボクはその究極の褐色ロリ肌にオスを猛らせないよう必死で内なる野獣と格闘しながら、幼女を風呂場へと連行した。
「ぉー!」
かわいらしいおそらくは感嘆の声が、むわっとした空間内にお風呂場特有の反響をする。
別にボクの家のお風呂は一般的なサイズで、いたって普通のものなのだけど、幼女は溜められたお湯とその湯気を見て、目を光らせていた。
「じゃ、まずは体を洗おうか……はっ!?」
ややややややややややややややっばい!!!!!!!
ボクは今更ながらに、やべえことに気付いた。
身体を洗う=身体に触るということ。
つまりボクはこれから幼女の身体を隈なく撫で回すことになるということ。
「犯罪では?」
「はんぁひ?(きょと)」
なんかさっき万歳した時のあれがまだ残っているらしく、ボクの言葉に反応して「はんざい」という発音を繰り返す幼女。
「ち、ちちちがうんだ」
否定したところで意味はないのに、思わず慌てて否定してしまった。
「んん?(きょときょと)」
ボクの奇行のせいで、幼女の愛らしい顔が左右にカクカクと揺れる。
そして、それに合わせて揺れる銀髪にくっついたたくさんの食べかすが、ボクを現実に戻す。
そう、これは決して、淫行などではない。
洗浄なのだ!
誰が見ているわけでもないのに、ボクはそう自分と架空の監視者に言い聞かせて、いよいよシャワーのノズルを捻った。
「しゃー」
ちゃんと適温のお湯が出てくるかを手に当てて確認していると、現代人ならば一々感動なんてしないその当たり前のモノに、幼女は感銘を受けたかのような声を上げた。
「これはシャワーっていうんだよ。シャワー。しゃ・わ・あ」
「しゃぁー?」
「そうそう、シャワー」
どうやら耳がかなりいいらしく、単語だけならばかなり正しく聞き分けられるようだ。
ボクは幼女の舌っ足らずながらも正しい日本語を褒めるべく、その小さな頭を撫でる。
なでなで。
「ぁー(とろーん)」
幼女は心地よさそうに脱力した。
――かわいい。
だが、この子はもっと可愛くなれる。というか、綺麗になれるのだ。物理的に。
身体のあちこちについた食べかすや砂などを、綺麗さっぱり削ぎ落とすことで!
てなわけで、幼女をバスチェアーに座らせ、お尻まで覆い隠すくらいに長くて美しい銀髪にシャワーを向ける。
「はうっ!(ぴくっ)」
適温だと思うのだけど、お湯が頭にかかった瞬間、幼女は甲高い声で吠えた。
「あうっ、う~っ!(じたばた)」
「だいじょうぶだから、そんな暴れないでー」
バスチェアごと倒れそうなくらいもがもが左右に揺れる幼女をなんとかなだめながら、銀髪についたソースやらなんやらをぬるめのお湯で洗い流していく。
そしてしばらくするといい感じに髪が湿ってきたので、そのままシャンプーすることにした。
取り敢えず手のひらにシャンプー剤をとって、泡立てる。
「それにしても、本当にきれいな髪の毛……」
ボクも結構ヘアケアには気を遣っている方だと思うのだけど、彼女のはそれよりも遥かに綺麗だった。
「やっぱり、染めてるからかなあ……」
自分のピンクアッシュなロングヘアーを(あまりシャンプーがつかないように)軽く撫でながら、ひとりごちる。
だけど。
「いや――若さか!」
悲しい答えを得てしまった……。ちょっと病む……。
さて、そんななか、固定されたシャワーからお湯を全身に浴びていた幼女は、悶えていた。
「……うぅー(がくがく)」
かわいい。
しかも瞳を閉じているのにかわいいのですごい(語彙力)。
まあ、気持ちよくて呻いているのか、お湯が嫌だけどなんとか耐えているのか、どっちなのかはよくわからないけれど。
でも、そんな感じで目をつぶっているのは、ある意味好都合だった。
「じゃあ、シャンプーするから、そのまま目つぶっててね?」
そう言ってボクは一旦シャワーを止めて、彼女の毛先から入念に、シャンプーをなじませるよう揉み込んでいく。
――でもよかったなー、この子の髪の毛が長くて。
そんなことを、彼女の髪を丁寧にシャンプーしていきながら思う。
だって、これがなくて、もし彼女がショートカットだとしたらだよ?
そりゃあもうボクは今理性的でいられるかどうか怪しかったよね。なにせこの長い銀髪がなかったら、彼女のH過ぎる褐色ロリ肌の肩甲骨やらヒップやらなにやら全部オープンになってたわけでしょ? そんなんもうボクはビンビンどころかビクンビクンしてたまである。
まあ、ゆうて今も結構あちこち見えているので必死に抑えようとはしているけど、残念ながら甘甘にはたっちしちゃっているんだけども(暴露)。
つーかあれですよ、幼女の一糸纏わぬ後ろ姿(しかも汁っけ120%)を見せられて、魅せられない方がおかしいんですよ。
だから、これはまあ、ノーカンでしょ。NO姦的な意味で(は?)。
そんなことを考えながら、幼女の髪の毛をひたすらに泡立てていくボク。
――へ、変態だ!?
自分で自分にドン引きした。
すると、
「あぅ?(ふり)」
幼女がこっちを振り返った。
そして。
「うー?(かくっ)」
いい加減じっと座っているのもあきたのか、「なにしてんのー?」みたいな顔を向けてくる。
出来ればまだ目をつぶっていて欲しかったけど、まあ流す時だけ――てか、なんなら流す時も別にボクが上手に流してあげればいいだけか!
ボクは勝手に自己解決して、幼女の疑問(?)に応えるべく、口を開く。
「今はね、髪の毛をきれいにするために、シャンプーしてるんだよ。シャンプー」
「しゃぁー?」
「ああ惜しいね。シャワーはさっきのお湯が出るやつ」
どうやらちゃんとシャワーという単語を覚えたらしき幼女に感心しつつ、間違いを訂正する。
なので、ボクはシャワーの方を指差しながら「あれが、シャワーね。シャワー」と、繰り返した。
「しゃぁー! しゃぁー!(きゃっきゃっ)」
ううっ、ボクが教えた言葉を何の疑いもなしに連呼する幼女……。
はあっ、かわい過ぎるよ……。
そして、幼女によってとろけた頭で、ボクは一瞬、このノリでいけば、「ちんちん」とかも連呼させられるのでは――? みたいなことを考えてしまい、死にたくなった。
――ダメだダメだ。ボクが今教えるべきは、ちんちんではなく、シャンプーなのだ。
しかしてボクはそんな馬鹿みたいな思考の末に、言葉を吐き出す。
「そう。シャワー。で、こっちが、シャンプー」
ボクは彼女の髪の毛をしゃばしゃばさせながら、そう言った。
「しゃぁー?」
「ノー。シャンプー。しゃ・ん・ぷ・う」
「ぁー……、ぁんふー?」
おどおどと、確かめる様にそういう幼女は、まさしく神からの贈り物だと思う。
「そう、シャンプー!」
「ぁんふー!」
「うんうん、おっけーおっけー。シャンプーシャンプー」
「ぁんふぅー!」
そんなわけで、嬉しそうな声でそう宣言する愛らしい幼女の頭皮を、ボクはねっちりマッサージした。
あと、そのいかにもなエルフ耳の根元とかも、念入りに洗っておく。
でも、なんとなくそういう部分って性感帯とかなのかな~とか思って(ボクは本当に何を期待しているんだ……)、めちゃくちゃおずおずと触ってみたのだけど、別にそういうのではなかったらしく、幼女は他の部位を洗われている時と同じように心地良さそうな声を漏らすだけだった。
ちょっと残念……とか思ってしまったのは、ここだけの秘密。
「ふう……」
ボクは一仕事を終えて、安堵のため息を漏らす。
別にとうとう致してしまったわけではない。別にナニからため息を漏らしたりはしていない。
単にシャンプーやトリートメント等を終えて憂鬱になっているだけだ。
なぜって、頭を洗ったら、後は洗う場所が身体しかないからである。
そう、身体しかないのだ。
つまり、ボクはこれから、幼女の全身を撫で回すことになる。
頭を洗うならまだしも、身体を洗うというのはどうなのか?
「いいんです!」
ボクは謎の自己肯定をして、ボディソープをむんずと掴んだ。
「ぅ?」
自分がこれからどんな陵辱を受けてしまうのか未だ知らぬ哀れな幼女は、そんな呆けた声を上げた――。
結論から言って、幼女の体は柔らかかった。
すべすべで、つるつるで、ぺたぺたで、正直洗う必要ある? みたいなところはあった。
でも、やっぱり実際あちこち色んなもので汚れていたわけで、致し方無かった。
だから。
「ぁ、あうう、う、ひゃっ……!(ふるふる)」
ボクが意を決して彼女の全身をぬるぬるにしている時に幼女がこんな声を上げていたとしても、別にこれはきっとH系の声ではないはずだし、だからボクが一人無限に高ぶっていたとしても、それは別になんら猥褻なことをしているわけではないのであってですね……。
「か、かゆいところとかあったら、言ってください、ね?」
なぜか床屋さんで髪を洗われたときの様なセリフを突然のたまってしまっているのも、別に精神に異常をきたしてしまったわけでなないはずだと信じたい。
「ぁっ、あふっ、ぅぐっ……!(もじもじ)」
ていうか、幼女先輩、そんなロリコンが勘違いしてしまうような声を出さないで!
はあっ、はあっ……。
「つ、次からは、こんな感じで自分で洗ってね?」
ボクはなんとかそう言い切るのに必死だった。
いくらタオル越しとはいえ、それくらいに、幼女の素肌は蠱惑的だったのだ。
洗えば洗うほど、そのやや灰色がかった浅黒い肌は白い泡で隠れていったわけなのだけど、それはそれでなんかえっちだったし。
なんかもう色々限界だった。
ボクは自分でもよく鎖骨を延々と撫でる機械に成り果てなかったなとか、腋にしゃぶりつかなかったなとか、そんな当たり前のことに感心したくらいだ。
なんと哀れな自画自賛だろうか。
ただ、そうならなかったのはきっと、少女のピュアな表情と、それに反して刻まれた足首の大きく酷い傷跡や、手足と首を覆う枷のせいだろうと思う。
道端で見たばかりのそれをもう一度しかと見て、ボクは再び彼女を悪意から守らなくてはと、強く思うのだった。
そんな一波乱があって、その後幼女を浴槽につからせたり身体を拭いたり服を着せたりとあれこれ世話を焼き切ったボクは今、居間で彼女の髪にドライヤーを向けていた。
「あふぅー(ぽぉー)」
すっかり湯船を満喫し、より一層美しくなった幼女。
完全に脱力し、だらけきっている。
かわいい。
もはやうつらうつらと、そのまま眠ってしまいそうなくらいだった。
ふと時計を見ると、もう十二時を余裕で過ぎている。
この子のいた世界でもそうなのかは不明だけど、子供はとっくに寝る時間だ。
彼女がそうなるのも、無理はない。
「えーと、うちに泊まるんでいいいのかな?」
一応、そんなふうなことを、聞いてみる。
が――。
「……(すぅ)」
幼女はもう既に、ボクに全体重を預け、眠ってしまっていた。
「どうしたものかな~……」
少し悩む。
でも、もう全てが今更な感はあるし、毒を食らわば皿まで。
ここまで来たら、もう何も怖くない。
ひとりぼっちはさみしいもんな。一緒に寝よう。
てなわけで、ボクは幼女のいじらしい寝顔を堪能しつつ懇切丁寧に彼女の髪の毛を乾かすと、いそいそと布団を敷き始めるのだった。
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