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3章
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私は狂ってしまったのだろうか。何だってあんな幻覚を見てしまったのだろうか。病気だろうか。誰かに相談しようにも、こんな素っ頓狂な話を誰が信じるのだ。生前中用していた教師の霊が化けて出た。そんな話、にわかに信じがたいものだ。
あのあと、私は誰もいないリビングの床で、散らばった新聞紙の束の上に、仰向けでひっくり返って気を失っていた。おかげで背中と腰が痛む。目覚めた頃にはすでに日が昇っていて、しかも時刻は10時。学校は遅刻である。幸い学校は家から徒歩で10分ほどの距離なので、大急ぎで準備して走って投稿下ときには、まだ二時間目の終わる直前だった。
二時間目の数学の担当教師は浜本先生で、私が教室の後方のドアからこっそりと入って来る私に気づくと、
「今回だけは多めに見ますけど、次からは気をつけてくださいね」
とだけ言った。教師によっては廊下に立たされたりするのだが、まあ、比較的浜本先生は優しいのだ。女子にも人気のある教師らしいが、個人的にはあまり好きではない。なんとなく、無理して笑っているように見える。
「珍しいじゃん、遅刻なんて」
私が教室に入ってからものの数分で、授業終了のチャイムが鳴った。そして、百合がすぐに私の机に駆け寄ってきて、そう声を掛けてきた。
「うん。 ちょっと嫌なことがあって、ちゃんと寝れなかったの」
そこまで口に出して、しまったと思った。そんなことを言ったら、百合が心配してしまう。そうなると、根堀葉掘り聞かれるのが目に見えている。
「えっ!? 大丈夫なの!?」
「……うん」
案の定、百合は私の返事に納得行かない様子で、眉間にシワを寄せて無言で腕を組んだ。やっぱり、彼女にごまかしは効かないのだ。なんと言えばいいのだ。幽霊が出たと正直に言ったら、おかしくなったと心配されて病院に連れて行かれるのが関の山。当然だ、幽霊なんて大多数は信じない。
「ごめん、なんでもないの。 忘れて」
「嘘だ。顔色悪いじゃん」
「なんでもないの。 本当に……」
。
あのあと、私は誰もいないリビングの床で、散らばった新聞紙の束の上に、仰向けでひっくり返って気を失っていた。おかげで背中と腰が痛む。目覚めた頃にはすでに日が昇っていて、しかも時刻は10時。学校は遅刻である。幸い学校は家から徒歩で10分ほどの距離なので、大急ぎで準備して走って投稿下ときには、まだ二時間目の終わる直前だった。
二時間目の数学の担当教師は浜本先生で、私が教室の後方のドアからこっそりと入って来る私に気づくと、
「今回だけは多めに見ますけど、次からは気をつけてくださいね」
とだけ言った。教師によっては廊下に立たされたりするのだが、まあ、比較的浜本先生は優しいのだ。女子にも人気のある教師らしいが、個人的にはあまり好きではない。なんとなく、無理して笑っているように見える。
「珍しいじゃん、遅刻なんて」
私が教室に入ってからものの数分で、授業終了のチャイムが鳴った。そして、百合がすぐに私の机に駆け寄ってきて、そう声を掛けてきた。
「うん。 ちょっと嫌なことがあって、ちゃんと寝れなかったの」
そこまで口に出して、しまったと思った。そんなことを言ったら、百合が心配してしまう。そうなると、根堀葉掘り聞かれるのが目に見えている。
「えっ!? 大丈夫なの!?」
「……うん」
案の定、百合は私の返事に納得行かない様子で、眉間にシワを寄せて無言で腕を組んだ。やっぱり、彼女にごまかしは効かないのだ。なんと言えばいいのだ。幽霊が出たと正直に言ったら、おかしくなったと心配されて病院に連れて行かれるのが関の山。当然だ、幽霊なんて大多数は信じない。
「ごめん、なんでもないの。 忘れて」
「嘘だ。顔色悪いじゃん」
「なんでもないの。 本当に……」
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