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◆4 心理テスト
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宮前視点。
最初から最後までR指定が入ります。ご注意ください。
---
社内で二人が恋人関係だと周知され、それなりの月日を経た、ある土曜の夜。
宮前は愛菜を組み敷きながら、いつになく余裕のない自分自身に内心苦笑していた。
―――愛菜の唇はたまらなく好みで、だから宮前は彼女とのキスに執着している。
そういう自覚があるのに、今日は駆け引きめいたことを仕掛けてきた彼女に便乗する形で、昼前から事あるごとに彼女の唇を奪ってきた。
自分で自分の首を絞めるような所業かもしれない。
実際、いざ夜になって愛菜をベッドに押し倒した段階で、宮前の欲望はきついくらいに張り詰めていた。
キスに煽られたのは愛菜もだったようで、彼女の肌もいつも以上に敏感になっているようだ。
急激に昂ぶった身体は宮前が軽く愛撫しただけで達してしまい、挿入した弾みでまた絶頂を迎えている。
きつく締まった愛菜の中は気持ち悦すぎて、グッと堪えないと自身も簡単に持っていかれてしまいそうだ。
宮前は彼女の最奥に留まりながら、己の下で息を乱す彼女に囁いた。
「なあ愛菜。心理テスト、しようか」
それは日中の意趣返しだった。
「ッぁ、ん……っ?」
快楽に濡れた瞳が、こちらをとろんと見上げてくる。
すっかり蕩けた様子の愛菜の鼻先にちょんとキスを贈った。
「聖書のイヴ、分かる? ……広い花畑の中で、全裸のイヴが昼寝をしてる。そこに蝶がやって来た。蝶はどこで羽を休めると思う?」
「臣っ……」
「愛菜が答えるまでこっちはお預け」
体内に埋めた屹立を緩く前後させる。
しかしそれ以上は続けない。
立て続けに二度達した愛菜は、きっと快感に貪欲になっている。
そんな彼女にはこの程度の刺激では物足りないだろう。
宮前がそう予想した通り、愛菜は一瞬焦れた表情を浮かべ、涙の滲んだ瞳をそっと伏せた。
肩に縋る細い指先がきゅっと力を籠める。
「……お花……?」
「花? ……他には?」
「ぁ……っ……あとは……耳、とか……うつ伏せだったら、うなじでも、っ……」
「花と耳とうなじ、ね」
愛菜の回答を聞いて宮前はひとつ頷くと、彼女の肢体をくるりと反転させた。
浅く繋がった場所に、再び己をじわじわと収めていく。
欲望にまとわりつく熱い感触が堪らない。
このまま激しく貪りたくなるが、その衝動はなんとか抑えた。
昼からずっと我慢していたのだ。
その分、夜はじっくり愉しみたい。
「ふ、ぁ……!」
「よくできました。まあ想像通りの回答だったかな」
「ぃ、まの、は……っ……」
熱い屹立に背後から貫かれて震える愛菜が、浅い呼吸混じりに尋ねてくる。
宮前は微かに喘ぐ彼女をゆるゆると責めながら、その耳に囁きを吹き込んだ。
「今の答えで分かるのは、愛菜の性感帯」
「ッ、」
「耳とうなじが弱いのはもう知ってる。ちなみに花畑の花は性器を指すらしい」
「ぁ、っ……!」
意味を聞いて真っ赤になった耳にピチャリと舌を這わす。
そのままそこを甘く食むと、屹立を包む内壁がきつくうねった。
「……っ……ここを言わなかったのは意外だったな」
囁きながら華奢な身体を抱き寄せ、不安定な体勢を支えた。
胸の膨らみを手中に収める。
適度な重みと柔らかさを堪能しながら色づく先端を指腹で弄ると、腕の中の身体がビクンと跳ねた。
「ッ!」
「っく……」
宮前も思わず息を詰める。
愛菜の締め付けは何度味わっていても新鮮だ。
油断していると、うっかり理性を手放しそうになる。
だが、もうしばらくこのままでいたい。
緩やかに体内を突き上げながら、胸の頂をくにくにと捏ねる。
「っふ、ぁ、ぁ……!」
愛菜は後ろから責めると正常位のときより喘ぐようになる。
羞恥を煽ると感度が増すようだから、後背位は恥ずかしいと思っているのかもしれない。
……可愛い啼き声を堪能したら、また体勢を変えよう。
愛菜は身体が柔らかいし、体位によって反応が鮮やかに変化するから、夜が愉しくて仕方がない。
一晩で色々と試したくなってしまう。
「耳とうなじと胸、どこが一番感じる?」
鼻先で髪を掻き分け、現れたそこに唇を寄せた。
愛菜は背筋や脇腹も弱い。
ゆっくりとした律動を続けながら、思いつく限りの場所に手を這わせていく。
彼女は答えない。
艶やかな唇から出てくるのは吐息混じりの微かな嬌声ばかりだ。
もう意味のある言葉を紡ぐ余裕が無いのだろう。
と、不意に愛菜がこちらを振り向いた。
震える手でシーツを掴み、自らの重みを華奢な腕で支えながら、身を捩って宮前を仰ぎ見る。
「……愛菜?」
「ぜ、んぶ……すき……っ……!」
―――その表情と言葉に、やられた。
悩ましげに寄せられた眉。
上気した頬。
濡れた上目遣い。
前戯に仕掛けた激しいキスのせいでぽってりと色付いた唇と、そこから出た「好き」の二文字。
それらを魅せつけられては、もう会話を続ける余裕など保てない。
理性も自制も瞬時に消し飛んでしまった。
宮前は愛菜の唇を奪い、後ろからガツガツと体内を穿ち始める。
「ん、んんっ……っぷぁ、や、ぁん、ん、ッ」
愛菜にしてみれば、ただでさえ上半身を捩っていて苦しい体勢なのに、濃密なキスで呼吸まで奪われては辛いだろう。
だが今は、そんな彼女を思いやるどころかもっと苛めたくなってしまう。
欲しくて欲しくて堪らない。
腰に重い熱が溜まっていく。
―――心理テストは愛菜を煽っただけじゃない。
俺も一緒に煽られて……
快楽の熱に侵された頭の中に、日中から今までのやり取りが過る。
けれど思考は長く続かない。
「ぁ、やっ……! 激、しッ……ん、あ、あぁっ……!」
宮前は律動にあわせて揺れる肢体を片腕で支え、もう一方の腕で己の体重を支えながら、密やかに喘ぐ愛菜が涙声で限界を訴えるまで彼女を激しく責め立てたのだった。
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※こちらは書籍発売時に自ブログにて期間限定公開したSSを加筆したもので、エタニティブックス様「web番外編」の続き的な内容です。
(「web番外編」SS、現在はバックナンバーからご覧いただけます)
http://www.eternity-books.com/extra/
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社内で二人が恋人関係だと周知され、それなりの月日を経た、ある土曜の夜。
宮前は愛菜を組み敷きながら、いつになく余裕のない自分自身に内心苦笑していた。
―――愛菜の唇はたまらなく好みで、だから宮前は彼女とのキスに執着している。
そういう自覚があるのに、今日は駆け引きめいたことを仕掛けてきた彼女に便乗する形で、昼前から事あるごとに彼女の唇を奪ってきた。
自分で自分の首を絞めるような所業かもしれない。
実際、いざ夜になって愛菜をベッドに押し倒した段階で、宮前の欲望はきついくらいに張り詰めていた。
キスに煽られたのは愛菜もだったようで、彼女の肌もいつも以上に敏感になっているようだ。
急激に昂ぶった身体は宮前が軽く愛撫しただけで達してしまい、挿入した弾みでまた絶頂を迎えている。
きつく締まった愛菜の中は気持ち悦すぎて、グッと堪えないと自身も簡単に持っていかれてしまいそうだ。
宮前は彼女の最奥に留まりながら、己の下で息を乱す彼女に囁いた。
「なあ愛菜。心理テスト、しようか」
それは日中の意趣返しだった。
「ッぁ、ん……っ?」
快楽に濡れた瞳が、こちらをとろんと見上げてくる。
すっかり蕩けた様子の愛菜の鼻先にちょんとキスを贈った。
「聖書のイヴ、分かる? ……広い花畑の中で、全裸のイヴが昼寝をしてる。そこに蝶がやって来た。蝶はどこで羽を休めると思う?」
「臣っ……」
「愛菜が答えるまでこっちはお預け」
体内に埋めた屹立を緩く前後させる。
しかしそれ以上は続けない。
立て続けに二度達した愛菜は、きっと快感に貪欲になっている。
そんな彼女にはこの程度の刺激では物足りないだろう。
宮前がそう予想した通り、愛菜は一瞬焦れた表情を浮かべ、涙の滲んだ瞳をそっと伏せた。
肩に縋る細い指先がきゅっと力を籠める。
「……お花……?」
「花? ……他には?」
「ぁ……っ……あとは……耳、とか……うつ伏せだったら、うなじでも、っ……」
「花と耳とうなじ、ね」
愛菜の回答を聞いて宮前はひとつ頷くと、彼女の肢体をくるりと反転させた。
浅く繋がった場所に、再び己をじわじわと収めていく。
欲望にまとわりつく熱い感触が堪らない。
このまま激しく貪りたくなるが、その衝動はなんとか抑えた。
昼からずっと我慢していたのだ。
その分、夜はじっくり愉しみたい。
「ふ、ぁ……!」
「よくできました。まあ想像通りの回答だったかな」
「ぃ、まの、は……っ……」
熱い屹立に背後から貫かれて震える愛菜が、浅い呼吸混じりに尋ねてくる。
宮前は微かに喘ぐ彼女をゆるゆると責めながら、その耳に囁きを吹き込んだ。
「今の答えで分かるのは、愛菜の性感帯」
「ッ、」
「耳とうなじが弱いのはもう知ってる。ちなみに花畑の花は性器を指すらしい」
「ぁ、っ……!」
意味を聞いて真っ赤になった耳にピチャリと舌を這わす。
そのままそこを甘く食むと、屹立を包む内壁がきつくうねった。
「……っ……ここを言わなかったのは意外だったな」
囁きながら華奢な身体を抱き寄せ、不安定な体勢を支えた。
胸の膨らみを手中に収める。
適度な重みと柔らかさを堪能しながら色づく先端を指腹で弄ると、腕の中の身体がビクンと跳ねた。
「ッ!」
「っく……」
宮前も思わず息を詰める。
愛菜の締め付けは何度味わっていても新鮮だ。
油断していると、うっかり理性を手放しそうになる。
だが、もうしばらくこのままでいたい。
緩やかに体内を突き上げながら、胸の頂をくにくにと捏ねる。
「っふ、ぁ、ぁ……!」
愛菜は後ろから責めると正常位のときより喘ぐようになる。
羞恥を煽ると感度が増すようだから、後背位は恥ずかしいと思っているのかもしれない。
……可愛い啼き声を堪能したら、また体勢を変えよう。
愛菜は身体が柔らかいし、体位によって反応が鮮やかに変化するから、夜が愉しくて仕方がない。
一晩で色々と試したくなってしまう。
「耳とうなじと胸、どこが一番感じる?」
鼻先で髪を掻き分け、現れたそこに唇を寄せた。
愛菜は背筋や脇腹も弱い。
ゆっくりとした律動を続けながら、思いつく限りの場所に手を這わせていく。
彼女は答えない。
艶やかな唇から出てくるのは吐息混じりの微かな嬌声ばかりだ。
もう意味のある言葉を紡ぐ余裕が無いのだろう。
と、不意に愛菜がこちらを振り向いた。
震える手でシーツを掴み、自らの重みを華奢な腕で支えながら、身を捩って宮前を仰ぎ見る。
「……愛菜?」
「ぜ、んぶ……すき……っ……!」
―――その表情と言葉に、やられた。
悩ましげに寄せられた眉。
上気した頬。
濡れた上目遣い。
前戯に仕掛けた激しいキスのせいでぽってりと色付いた唇と、そこから出た「好き」の二文字。
それらを魅せつけられては、もう会話を続ける余裕など保てない。
理性も自制も瞬時に消し飛んでしまった。
宮前は愛菜の唇を奪い、後ろからガツガツと体内を穿ち始める。
「ん、んんっ……っぷぁ、や、ぁん、ん、ッ」
愛菜にしてみれば、ただでさえ上半身を捩っていて苦しい体勢なのに、濃密なキスで呼吸まで奪われては辛いだろう。
だが今は、そんな彼女を思いやるどころかもっと苛めたくなってしまう。
欲しくて欲しくて堪らない。
腰に重い熱が溜まっていく。
―――心理テストは愛菜を煽っただけじゃない。
俺も一緒に煽られて……
快楽の熱に侵された頭の中に、日中から今までのやり取りが過る。
けれど思考は長く続かない。
「ぁ、やっ……! 激、しッ……ん、あ、あぁっ……!」
宮前は律動にあわせて揺れる肢体を片腕で支え、もう一方の腕で己の体重を支えながら、密やかに喘ぐ愛菜が涙声で限界を訴えるまで彼女を激しく責め立てたのだった。
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(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
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