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第7章
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何もかもが怖くて仕方がない。
今、俺の目の前でいかにも人の良さそうな顔したこの男も、俺達を取り囲む、周囲のざわつきさえも……全ての物に恐怖を感じる。
第一、この男が何を考えているのか、俺にはさっぱり分からない。
物腰は至って柔らかだが、俺を見る目は全てを見透かしているような、そんな気がしてならない。
テーブルの上に並べられた、この三つの物に、一体何の意味があるんだろう?
分からない!
ただただ怖くて、自然に震え出す両手を強くと握り締めることしか出来ず、わけも分からず込み上げてくる怒りにも似た感情にとうとう堪えられなくなった俺は、苛立ち交じりに席を立った。
「俺、急ぐんで……。行くよ、智樹」
気付いた時には、堪らず智樹の腕を掴んで一歩を踏み出そうとしていた。
急いでどこに行くのかなんて、分からなかった。
ただただこの場から、恐怖しか感じられないこの空間から、一刻も早く立ち去りたい……、その一心だった。
それなのに、
「これで終わりにするから」
顔色一つ変えることなく言う男と、俺の心を知ってか知らないでか、「座ろ?」と言って俺を椅子へと引き戻そうとする智樹。
俺は納得いかない想いを胸に抱えたまま、智樹の頼みならば、と自分に言い聞かせて再び椅子に腰を下ろした。
今、俺の目の前でいかにも人の良さそうな顔したこの男も、俺達を取り囲む、周囲のざわつきさえも……全ての物に恐怖を感じる。
第一、この男が何を考えているのか、俺にはさっぱり分からない。
物腰は至って柔らかだが、俺を見る目は全てを見透かしているような、そんな気がしてならない。
テーブルの上に並べられた、この三つの物に、一体何の意味があるんだろう?
分からない!
ただただ怖くて、自然に震え出す両手を強くと握り締めることしか出来ず、わけも分からず込み上げてくる怒りにも似た感情にとうとう堪えられなくなった俺は、苛立ち交じりに席を立った。
「俺、急ぐんで……。行くよ、智樹」
気付いた時には、堪らず智樹の腕を掴んで一歩を踏み出そうとしていた。
急いでどこに行くのかなんて、分からなかった。
ただただこの場から、恐怖しか感じられないこの空間から、一刻も早く立ち去りたい……、その一心だった。
それなのに、
「これで終わりにするから」
顔色一つ変えることなく言う男と、俺の心を知ってか知らないでか、「座ろ?」と言って俺を椅子へと引き戻そうとする智樹。
俺は納得いかない想いを胸に抱えたまま、智樹の頼みならば、と自分に言い聞かせて再び椅子に腰を下ろした。
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