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第5章 006
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気持ち良さげに寝息を立てる岸本を横目に見ながら、苦笑いを浮かべる翔真と、呆れを通り越して渋い顔をする智樹。
二人は、本来ならば至極座り心地の良い筈のソファーの上で、極めて居心地が悪そうに膝を抱えて座っている。
ついさっきまでの、横柄とも言える態度は、本木の登場によって大きく一変した。
それ程、本木と言う男は異質とも言える空気を醸し出しているのだ。
そして相原ホテル社長の存在も、決して威圧的ではないものの、二人に緊張を与える存在になっていることは間違いなかった。
二人は時折顔を見合わせると、翔真の手の中で、頻りに点滅を繰り返すプリペイド式携帯電話に目を向けた。
それは何かしらの通知を受け取った証で、智樹はこっそり翔真を肘で小突くと、それに気付いた翔真がウンと頷くと、
「あのぉ……、社長……?」
ゴクリと息を飲んでから、相原の方に身体を向けた。
「ん、なんだ?」
「ちょっと電話っつーか……、良いですか?」
「ああ、別に構わんが、仕事の話なんだろ?」
言われて翔真は暫く考える。
〝仕事〟と言えば仕事と言えなくもないが、誘拐の請が真っ当な仕事と言えるかどうかは……甚だ疑問だ。
それでも……
一応は〝仕事〟は仕事……だよな?
翔真は相原に軽く頭を下げると、席を立ち、バスルームへと駆け込んだ。
駆け込んだ先に本木がいることも忘れて……
二人は、本来ならば至極座り心地の良い筈のソファーの上で、極めて居心地が悪そうに膝を抱えて座っている。
ついさっきまでの、横柄とも言える態度は、本木の登場によって大きく一変した。
それ程、本木と言う男は異質とも言える空気を醸し出しているのだ。
そして相原ホテル社長の存在も、決して威圧的ではないものの、二人に緊張を与える存在になっていることは間違いなかった。
二人は時折顔を見合わせると、翔真の手の中で、頻りに点滅を繰り返すプリペイド式携帯電話に目を向けた。
それは何かしらの通知を受け取った証で、智樹はこっそり翔真を肘で小突くと、それに気付いた翔真がウンと頷くと、
「あのぉ……、社長……?」
ゴクリと息を飲んでから、相原の方に身体を向けた。
「ん、なんだ?」
「ちょっと電話っつーか……、良いですか?」
「ああ、別に構わんが、仕事の話なんだろ?」
言われて翔真は暫く考える。
〝仕事〟と言えば仕事と言えなくもないが、誘拐の請が真っ当な仕事と言えるかどうかは……甚だ疑問だ。
それでも……
一応は〝仕事〟は仕事……だよな?
翔真は相原に軽く頭を下げると、席を立ち、バスルームへと駆け込んだ。
駆け込んだ先に本木がいることも忘れて……
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