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第3章 004
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「お前なぁ……」
肘鉄の次は拳骨でもお見舞してやろうかと、拳を振り上げる智樹。
「違うんです……。他に好きな人をつくったのは、弘行じゃなくて俺の方なんです。片思い……だったけど……」
だが、予想もしていなかった衝撃発言をする岸本を前に、一度は振り上げた拳を力なく下ろすしかなかった。
当然だ、さっきまで変わり果てた姿になった元恋人に泣き縋っていた男が、まさか別の相手に恋をしていたとは、智樹は勿論、翔真だって思ってもいなかったことだ。
二人は顔を見合わせ、脱力したように肩を落とした。
「えっと……、じゃあさ、別れ話は岸本さんの方から?」
「それは……」
翔真からの問いかけに、違うとばかりに首を横に振る岸本と、しきりに首を捻る翔真。
その様子に若干の苛立ちを感じた智樹は、これみよがしに盛大な溜息を一つ落とした。
「つかさ、アンタとあの死体とどんな関係だろうが、アンタが誰を好きになろうが、知ったこっちゃねぇ。今はとにかくここから出る方法考えねぇと……」
智樹のもっともな提案に、翔真は大きく頷いた……が、状況が把握出来ていない岸本には、何のことだか意味が分からず、キョトンとした顔で二人を交互に見た。
それもその筈、突然見知らぬ男に攫われたと思ったら、次に目を覚ました時にはこの状況だったのだから、戸惑うのも無理はない。
肘鉄の次は拳骨でもお見舞してやろうかと、拳を振り上げる智樹。
「違うんです……。他に好きな人をつくったのは、弘行じゃなくて俺の方なんです。片思い……だったけど……」
だが、予想もしていなかった衝撃発言をする岸本を前に、一度は振り上げた拳を力なく下ろすしかなかった。
当然だ、さっきまで変わり果てた姿になった元恋人に泣き縋っていた男が、まさか別の相手に恋をしていたとは、智樹は勿論、翔真だって思ってもいなかったことだ。
二人は顔を見合わせ、脱力したように肩を落とした。
「えっと……、じゃあさ、別れ話は岸本さんの方から?」
「それは……」
翔真からの問いかけに、違うとばかりに首を横に振る岸本と、しきりに首を捻る翔真。
その様子に若干の苛立ちを感じた智樹は、これみよがしに盛大な溜息を一つ落とした。
「つかさ、アンタとあの死体とどんな関係だろうが、アンタが誰を好きになろうが、知ったこっちゃねぇ。今はとにかくここから出る方法考えねぇと……」
智樹のもっともな提案に、翔真は大きく頷いた……が、状況が把握出来ていない岸本には、何のことだか意味が分からず、キョトンとした顔で二人を交互に見た。
それもその筈、突然見知らぬ男に攫われたと思ったら、次に目を覚ました時にはこの状況だったのだから、戸惑うのも無理はない。
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