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第25章 scene5:チャペル
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綺麗にメイクをして貰って、可愛いドレスまで着せて貰って、素敵な場所に立てて……
そう、夢心地だったんだ、その時までは。
僕は、背後から近付いてきた足音に、ゆっくりと振り向いた。
「え……、なん……で……?」
そこには僕が予想もしていなかった人達が立っていて……
まさか僕の最後の撮影だから?
……って、一瞬はそう思ったけど、そこに立つ人達の服装を見た瞬間、そうではないと気付いた。
「ね、これってどーゆーこと?」
僕は咄嗟に長井さんを振り返ると、信じられないとばかりに首を振った。
だって本当に分からなかったんだもん、どうしてKAZUや相原さん、それに松下さんまでもが、この場にいることが……
「ね……、僕、何も聞いてないよ……?」
ただただ戸惑うばかりの僕は、自分の声が震えていることすら気づかず、長井さんと三人との間で忙しなく視線を泳がせた。
その時、
「おやおや、全員お揃いのようだね」
三人の後ろから、一見すると暑苦しくも見えなくないオジサンがこちらに向かって歩いて来て……
「君がHIMEかい?」
細めた目で僕の全身を舐め回すように見た。
「は、はい……、あの……」
オジサンはだぁれ?
言いかけた僕の耳元で、長井さんが「佐藤監督だ」って教えてくれた。
「えと…、今日はよろしくお願いします」
佐藤監督は、僕が頭をペコリと下げると、それまでポッケに突っ込んでいた手をスッと僕の前に差し出し、僕がその手を握り返すと、とても暑苦しいオジサン(いちいち失礼でゴメンね♡)とは思えない、爽やかな笑顔を僕に向けた。
あ、笑うとけっこう優しい顔になるんだ?
僕は第一印象があてにならないってことを改めて感じていた。
「で、大体の流れは頭に入ってるんだよね?」
「え……、ああ、はい、一応……は……」
初めて一緒にお仕事する監督だから、流石に「絵コンテしか見てない」と言えなくて、僕は曖昧な返事をして適当に誤魔化した。
そう、夢心地だったんだ、その時までは。
僕は、背後から近付いてきた足音に、ゆっくりと振り向いた。
「え……、なん……で……?」
そこには僕が予想もしていなかった人達が立っていて……
まさか僕の最後の撮影だから?
……って、一瞬はそう思ったけど、そこに立つ人達の服装を見た瞬間、そうではないと気付いた。
「ね、これってどーゆーこと?」
僕は咄嗟に長井さんを振り返ると、信じられないとばかりに首を振った。
だって本当に分からなかったんだもん、どうしてKAZUや相原さん、それに松下さんまでもが、この場にいることが……
「ね……、僕、何も聞いてないよ……?」
ただただ戸惑うばかりの僕は、自分の声が震えていることすら気づかず、長井さんと三人との間で忙しなく視線を泳がせた。
その時、
「おやおや、全員お揃いのようだね」
三人の後ろから、一見すると暑苦しくも見えなくないオジサンがこちらに向かって歩いて来て……
「君がHIMEかい?」
細めた目で僕の全身を舐め回すように見た。
「は、はい……、あの……」
オジサンはだぁれ?
言いかけた僕の耳元で、長井さんが「佐藤監督だ」って教えてくれた。
「えと…、今日はよろしくお願いします」
佐藤監督は、僕が頭をペコリと下げると、それまでポッケに突っ込んでいた手をスッと僕の前に差し出し、僕がその手を握り返すと、とても暑苦しいオジサン(いちいち失礼でゴメンね♡)とは思えない、爽やかな笑顔を僕に向けた。
あ、笑うとけっこう優しい顔になるんだ?
僕は第一印象があてにならないってことを改めて感じていた。
「で、大体の流れは頭に入ってるんだよね?」
「え……、ああ、はい、一応……は……」
初めて一緒にお仕事する監督だから、流石に「絵コンテしか見てない」と言えなくて、僕は曖昧な返事をして適当に誤魔化した。
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