H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第14章  日常5:素顔の僕とお姉ちゃん?

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 「あ、あのぉ……」

 言いかけた僕の腰を、KAZUがガッチリと掴んで固定する。

 「あーあ……、これ相当痛いでしょ? 真っ青になってるよ?」


 え、そんなに……?


 「なんて言うかさ……、蒙古斑みたいじゃない?」
 「ちょっと雅也、それは言い過……、ぷっ……」


 え、え、蒙古斑って……、嘘……でしょ?


 「あ、あの……」
 「あ、ごめんごめん……、なんだか赤ちゃんみたいでつい……、ぷぷっ……」


 あ、赤ちゃんみたいって……、めっちゃ恥ずかしいやつじゃん!


 「とりあえず湿布貼って様子見ようね?」
 「……はい」

 KAZUが身体の向きを変え、今にも泣きそうな僕の髪をそっと撫でてくれる。
 そして、頭を撫でられ、ちょっと油断した隙きに、僕のお尻にキーンと冷たい湿布がピトッと貼られた。

 「ひゃっ……」

 あまりの冷たさに、僕は咄嗟に枕に顔を埋め、相原さんとKAZUの匂いが染み付いたシーツをキュッと握った。

 「ごめんね、冷たいよね? でもさ、このままアザになっちゃったら大変だから……、ね?」


 うん、相原さんの言ってること、分かるよ?
 分かるけどさ、冷たいんだもん……


 「あ、ねぇ、HIMEちゃん次の仕事いつ?」
 「えっと……、確認してみないと分かんないけど、多分再来週だと……」
 「そっか、じゃあそれまでには治るかな」
 「ほんとに? ちゃんと治る?」


 さすがに蒙古斑状態で撮影は、ちょっと……ね?


 「うーん、保証は出来ないけど、多分大丈夫なんじゃない?」

 ねぇ、雅也……って、KAZUが僕を跨いだままの相原さんを振り返る。

 「え、ああ、うん。大丈夫だとは思うけど……」


 けど……、って?
 ねぇ、けど・・ってなに?


 「ほら、後ろは大丈夫でもさ、前は分かんないじゃん?」
 「ああ、確かにそうだよね?」


 え、どゆ……こと?
 確かにお尻は強打したけど、前はどこにもぶつけてないし、痛くも痒くもないんだけど?


 「どうする?」

 KAZUが僕の髪を撫でながら、シーツを握った僕の手にそっと自分の手を重ね、男の子にしてはぽってりとした指を僕の指に絡めた。


 ヤバい……、すっごくドキドキする。
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