177 / 227
第13章 特別編「偏愛…」
13
しおりを挟む
僕のせいだ。
僕がもしこんな身体でなかったら……
僕がもっと早く智子の身体の異変に気付いていれば……
そうすれば、もしかしたら智翔はこんな選択をせずに済んだのかもしれない。
そう思ったら、僕は僕自身を責めずにはいられなかった。
僕が愛する娘の人生を台無しにしてしまったんだ、と……
でも智翔が女学校を辞めた理由は、それだけじゃなかった。
「済まない……!」
それまで終始無言を貫いていた潤一が、突然その場に跪き、地面に額を擦り付けるようにして頭を垂れた。
「お、おい、何も君が謝ることじゃあ……」
僕は潤一に駆け寄ると、頭を上げるよう、潤一の肩を揺すった。
僕には、潤一がそうまでして僕に謝罪する理由が見つからなかったから……
「頭を上げてくれないか?」
「いや、俺のせいなんだ。俺が……」
一体全体何がどうなっているんだ……
僕は救いを求めるように二木を振り返った。
でも二木は決して僕と視線を合わせまいとしてか、顔を背けてしまう。
「教えてくれ、どうして君が……?」
困惑する僕の視線の先で、潤一の手が砂利を掴み、握った拳を地面に叩き付けた。
余程力が入っているのか、その指先には薄らと赤い物が滲んでいて……
「お、おい、何をしている。止めないか」
僕は咄嗟に潤一の手を掴んだ。
僕がもしこんな身体でなかったら……
僕がもっと早く智子の身体の異変に気付いていれば……
そうすれば、もしかしたら智翔はこんな選択をせずに済んだのかもしれない。
そう思ったら、僕は僕自身を責めずにはいられなかった。
僕が愛する娘の人生を台無しにしてしまったんだ、と……
でも智翔が女学校を辞めた理由は、それだけじゃなかった。
「済まない……!」
それまで終始無言を貫いていた潤一が、突然その場に跪き、地面に額を擦り付けるようにして頭を垂れた。
「お、おい、何も君が謝ることじゃあ……」
僕は潤一に駆け寄ると、頭を上げるよう、潤一の肩を揺すった。
僕には、潤一がそうまでして僕に謝罪する理由が見つからなかったから……
「頭を上げてくれないか?」
「いや、俺のせいなんだ。俺が……」
一体全体何がどうなっているんだ……
僕は救いを求めるように二木を振り返った。
でも二木は決して僕と視線を合わせまいとしてか、顔を背けてしまう。
「教えてくれ、どうして君が……?」
困惑する僕の視線の先で、潤一の手が砂利を掴み、握った拳を地面に叩き付けた。
余程力が入っているのか、その指先には薄らと赤い物が滲んでいて……
「お、おい、何をしている。止めないか」
僕は咄嗟に潤一の手を掴んだ。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる