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都市開発本格始動
107:迷宮へ。
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「だあああああぁ! 本を読むのはやめだ! 外に遊びに行こうぜ!」
俺に完全敗北したグレゴリーは体を動かすことを提案してきた。
「私はいいわ」
「行かない」
「私もここにいたいな!」
しかしアヤとアリスとヘルに断られて再び撃沈した。
「僕と一緒に行く?」
「行かねぇよ! 誰が行くかよ!」
まあ承諾されてもヘルに止められていただろうな。
「グレゴリー、少しはヒルくんみたいに文字を覚えたらいいじゃない」
「うるせぇ、アヤだって読めないだろ」
「そうかしら? 試してみる?」
「よっしゃ! 俺が勝ったら一緒に外に遊びに行くぞ!」
「負けることがないからいいわよ」
アヤとグレゴリーが勝負をしていると、ヘルがすぐそばまで来た。
「アーサーさま、この秘密基地はどういうことですか?」
「あっ、やっぱり気が付いた?」
「当たり前です」
「前に来た時に僕も気が付いていたから、危なそうな自爆スイッチとかは消しておいたよ」
「ですが、この秘密基地はランスロット家まで繋がっていますよ? これはアーサーさまの仕業ですか?」
「それは違うよ。たぶんランスロット家に襲撃しようとしていた人たちの秘密基地だろうね。何か起こってたの知ってる?」
「……いえ、知りません。この場所が閉鎖されていないということは、犯人はこの進入路を使わずに捕まったか、計画をやめたかになりますね」
「そっか」
ベラが知らないということは、これができたのは少なくとも五年以上は前になるな。
「危険は取り除いているから、アリスたちの秘密基地は許してね」
「……かしこまりました」
すごく迷っている感じだったが納得してくれたベラ。
「はい、私の勝ちね」
「……いつも俺の方が勉強しているのに……」
「グレゴリーは才能がないのかもしれないわね」
「うぐっ!」
アヤとグレゴリーの勝負はアヤが勝ち、さらにグレゴリーに追い打ちをかけるアヤ。
文字を覚えるのに才能はいらないと思うし、追い打ちは死体撃ちだぞ。好きな子にそんなことを言われるグレゴリーの身にもなってみろ。
「うがぁ! もうやめだ! 外に行ってくる!」
走り去ったグレゴリーを、誰一人として止める者はいなかった。
「あんな感じだから嫌いなのよね」
「私も」
哀れ、グレゴリー。
「でもあの年頃の男の子はあんな感じだと思うよ?」
「いやいやいや、それより年下のヒルくんが言うことじゃないわよ? あれがうるさいだけよ」
あれ、これ、グレゴリーの好感度を下げている要因って俺なんじゃないか……? いや、グレゴリーが悪いことにしておこう。
でも少しだけ罪悪感はあるし、ちょっとやってみたいことがあるからグレゴリーがいない間にグレゴリーのために秘密基地を少し改造してあげよう。
「あれ? 何かここに押せる場所があるよ?」
俺が秘密基地を改造したことにヘル以外誰も気づくことはなく、唯一気が付いたヘルは何をしているのかと聞いてくる前にそう言い放った。
「どこ?」
「ここだよ」
「本当ね。何かしら?」
「押してみる」
「不用心すぎるわ!」
アヤの制止を無視してスイッチを押したアリス。
すると地下へと続く道が現れた。
「……どこに続いているのかしら?」
「分からない。だから行ってみる」
「あなたのそういうマイペースなところはすごいと思うけど、状況が違うとバカにしか思えないわよ」
「大丈夫。それで秘密基地を見つけれたから」
「……そうだったわ」
アヤはアリスに納得させられていた。
「わぁ! こんなところ今まで見つかってなかったんだ!」
「そうよね。不思議ね」
ヘルちゃんによる遠回しな文句が俺に向かってきた。
「行こう」
「あっ、もう……」
いつもアリスが先行して、それにアヤが付いて行くのが普通なんだろうな。
俺もヘルもアリスに付いて行くが、ヘルがまた俺の近くによってきた。
「どういうことですかアーサーさま。秘密基地を改造なされて」
「いや、こういう感じにやってみたかったからね」
「……まさか、屋敷でもやっていますか?」
おぉ、鋭いなベラは。
「それはどうかな?」
「帰ったらくまなく調べます」
ベラに見つけられるかどうか、見ものだな……!
少し階段を降りたところで、上の広間よりも広い空間につながった。
「うわぁ……」
「……なにここ、すごいわね」
アリスとアヤが見ている光景は、様々な道に分岐している迷宮だった。
ここはさっきの秘密基地よりも下の空間ではなく、異次元に作られた空間になっている。
改造したのは下に続く道を作ったことで、この空間はすぐに作り終えることができている。
まあこの空間に俺の秘密基地を繋げることができるから、アリスの秘密基地からランスロット家につながる道は完全に塞いでおこう。
俺に完全敗北したグレゴリーは体を動かすことを提案してきた。
「私はいいわ」
「行かない」
「私もここにいたいな!」
しかしアヤとアリスとヘルに断られて再び撃沈した。
「僕と一緒に行く?」
「行かねぇよ! 誰が行くかよ!」
まあ承諾されてもヘルに止められていただろうな。
「グレゴリー、少しはヒルくんみたいに文字を覚えたらいいじゃない」
「うるせぇ、アヤだって読めないだろ」
「そうかしら? 試してみる?」
「よっしゃ! 俺が勝ったら一緒に外に遊びに行くぞ!」
「負けることがないからいいわよ」
アヤとグレゴリーが勝負をしていると、ヘルがすぐそばまで来た。
「アーサーさま、この秘密基地はどういうことですか?」
「あっ、やっぱり気が付いた?」
「当たり前です」
「前に来た時に僕も気が付いていたから、危なそうな自爆スイッチとかは消しておいたよ」
「ですが、この秘密基地はランスロット家まで繋がっていますよ? これはアーサーさまの仕業ですか?」
「それは違うよ。たぶんランスロット家に襲撃しようとしていた人たちの秘密基地だろうね。何か起こってたの知ってる?」
「……いえ、知りません。この場所が閉鎖されていないということは、犯人はこの進入路を使わずに捕まったか、計画をやめたかになりますね」
「そっか」
ベラが知らないということは、これができたのは少なくとも五年以上は前になるな。
「危険は取り除いているから、アリスたちの秘密基地は許してね」
「……かしこまりました」
すごく迷っている感じだったが納得してくれたベラ。
「はい、私の勝ちね」
「……いつも俺の方が勉強しているのに……」
「グレゴリーは才能がないのかもしれないわね」
「うぐっ!」
アヤとグレゴリーの勝負はアヤが勝ち、さらにグレゴリーに追い打ちをかけるアヤ。
文字を覚えるのに才能はいらないと思うし、追い打ちは死体撃ちだぞ。好きな子にそんなことを言われるグレゴリーの身にもなってみろ。
「うがぁ! もうやめだ! 外に行ってくる!」
走り去ったグレゴリーを、誰一人として止める者はいなかった。
「あんな感じだから嫌いなのよね」
「私も」
哀れ、グレゴリー。
「でもあの年頃の男の子はあんな感じだと思うよ?」
「いやいやいや、それより年下のヒルくんが言うことじゃないわよ? あれがうるさいだけよ」
あれ、これ、グレゴリーの好感度を下げている要因って俺なんじゃないか……? いや、グレゴリーが悪いことにしておこう。
でも少しだけ罪悪感はあるし、ちょっとやってみたいことがあるからグレゴリーがいない間にグレゴリーのために秘密基地を少し改造してあげよう。
「あれ? 何かここに押せる場所があるよ?」
俺が秘密基地を改造したことにヘル以外誰も気づくことはなく、唯一気が付いたヘルは何をしているのかと聞いてくる前にそう言い放った。
「どこ?」
「ここだよ」
「本当ね。何かしら?」
「押してみる」
「不用心すぎるわ!」
アヤの制止を無視してスイッチを押したアリス。
すると地下へと続く道が現れた。
「……どこに続いているのかしら?」
「分からない。だから行ってみる」
「あなたのそういうマイペースなところはすごいと思うけど、状況が違うとバカにしか思えないわよ」
「大丈夫。それで秘密基地を見つけれたから」
「……そうだったわ」
アヤはアリスに納得させられていた。
「わぁ! こんなところ今まで見つかってなかったんだ!」
「そうよね。不思議ね」
ヘルちゃんによる遠回しな文句が俺に向かってきた。
「行こう」
「あっ、もう……」
いつもアリスが先行して、それにアヤが付いて行くのが普通なんだろうな。
俺もヘルもアリスに付いて行くが、ヘルがまた俺の近くによってきた。
「どういうことですかアーサーさま。秘密基地を改造なされて」
「いや、こういう感じにやってみたかったからね」
「……まさか、屋敷でもやっていますか?」
おぉ、鋭いなベラは。
「それはどうかな?」
「帰ったらくまなく調べます」
ベラに見つけられるかどうか、見ものだな……!
少し階段を降りたところで、上の広間よりも広い空間につながった。
「うわぁ……」
「……なにここ、すごいわね」
アリスとアヤが見ている光景は、様々な道に分岐している迷宮だった。
ここはさっきの秘密基地よりも下の空間ではなく、異次元に作られた空間になっている。
改造したのは下に続く道を作ったことで、この空間はすぐに作り終えることができている。
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