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全能の爆誕
006:スマホ。
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ただいま執務室にてお父上様が書類と格闘している机の正面にあるソファーでお菓子を食べているところです。
どうしてかと聞かれればお菓子があるから来ないかとお父上様からお誘いがあったからで、三歳児がこれに乗らないわけがない。
忙しいお父上様と親子で会話するためにはこういうところで会うしかないのだろう。
それにしてもさすがは執務室だ、快適に仕事をするために冷風を出す魔道具が設置されているから涼しい。
さすがは全能と言えばいいのか、ジッと魔道具を見た時にその構造が一瞬で見ることができた。
魔道具はランスロット家の屋敷でかなり見るから珍しいわけではないが、あの魔道具の構造を見た時にどう考えても燃費が悪すぎるから、改良したいとうずうずしてしまうがその気持ちは抑えないと。
「ねぇお父さん!」
「何だい? アーサー」
お菓子を食べていると、こちらに話したそうな視線をチラチラと向けてきていることが丸わかりなお父上様だったから、話しかけることにした。
「シルヴィーお姉ちゃんとルーシーお姉ちゃんの使ってた魔法は何なの?」
「あぁ、『纏鎧』と『創剣』か。アーサーも気になるお年頃になったか……」
パスカルと鍛錬している時に使っていたシルヴィー姉さんの鎧とルーシー姉さんの剣について教えてもらったことがなかったから、これを聞くことにした。。
「あれは固有魔法だ」
「こゆうまほう?」
「魔法は大きく分けて三種類存在している。火・水・風・雷・土などの属性魔法、魔力弾・魔力障壁・身体強化などの無属性魔法、生まれた時から魂に魔法陣が刻み付けられている固有魔法。この三種類だ。ただ固有魔法は属性魔法と無属性魔法の二つと大きく違って、それが最も得意な魔法になっている。血筋で引き継がれることが多いね」
おぉ……普通の三歳児が聞いたら絶対に理解できないことを言っていることを理解しているのか?
「僕にも、固有魔法があるのかな?」
ただ公爵家の三歳児だ。理解しても問題ないだろ。
それにこの流れは俺に都合よく布石を打てそうだ。
「あぁ、あるよ。ランスロット家の固有魔法である『纏創鎧剣』は受け継がれていないようだけど、とても素晴らしい才を持って生まれているよ」
これは俺がスマホを出したことを言っているのか。
普通だったら素晴らしいとか言わずに奇妙な能力と言うだろうが、このお父上様は家族に甘いからそう言ってくれた。
スマホのことがバレていたのは分かっていたから、これは俺が何もしなくても『創造』の布石が打たれていたな。
「これがその証拠だよ」
お父上様が机の引き出しから取り出したのは、丁度俺が思っていたスマホだった。
あれからずっとお父上様が持っていたとは。だがあれから話が出ていなかったから所在は分からなかった。
「それは……?」
「これはアーサーが生後一ヶ月くらいに手元に作り出していた何かだ」
そう言ってお父上様は俺の隣に座ってスマホを渡してきた。
……おぉ、俺が前世で持っていたものと同じものだ。それに三年も前になるのか。
正直スマホ依存症の俺だったが、案外なくなればなくなったでそれほど触りたいとは思わなくなった。
「これが何なのか、王都にいる鑑定士に見てもらったが『全く分からない』という回答が返ってきた。中身を見ようとしてもどうやって開けるか分からないから、透視の魔法が使える魔法使いにお願いしたが『説明することもできない構造になっている』という回答が返ってきた。つまり、これはこの世界で解明することが不可能な代物ということになるね」
「そうなんだ……」
そりゃそうだろうな。現代人の頃の俺でも構造なんざ詳しく知らないんだからこの世界の人間が構造を知ったところで分かるわけがない。
それに透視でスマホを見たらちゃんと前世のスマホと同じになっている。これが全能か。
「落ち込むことはない。この世界で解明不可能ということは、これを作り出したアーサーはこの世界の人間よりも上位の存在になっているということだ」
お父上様? ちょっとそれは盲目じゃありませんか? どう考えても異端と言うんですよ?
「それがどういうものなのか、アーサーの固有魔法がそれを作るものなのか、これからアーサーのペースで探っていこう」
「うん!」
まあ子煩悩だからこうして俺が変な物を出したとしてもこういう対応をしてくれるわけだから、感謝しかない。
俺の魔法を鑑定とか言われたらいけないから、そこは偽装を使って『創造』と誤魔化すことにしよう。
この欠陥全能、モブキャラになろうと能力を隠すことはできない。だがその人に影響を与えて誤魔化すことはできるということが分かった。
ガバガバではあるが、人に影響を与えるということはこれからずっと誤魔化し続けないといけないというわけだからあまり使わない方向にする。
どうしてかと聞かれればお菓子があるから来ないかとお父上様からお誘いがあったからで、三歳児がこれに乗らないわけがない。
忙しいお父上様と親子で会話するためにはこういうところで会うしかないのだろう。
それにしてもさすがは執務室だ、快適に仕事をするために冷風を出す魔道具が設置されているから涼しい。
さすがは全能と言えばいいのか、ジッと魔道具を見た時にその構造が一瞬で見ることができた。
魔道具はランスロット家の屋敷でかなり見るから珍しいわけではないが、あの魔道具の構造を見た時にどう考えても燃費が悪すぎるから、改良したいとうずうずしてしまうがその気持ちは抑えないと。
「ねぇお父さん!」
「何だい? アーサー」
お菓子を食べていると、こちらに話したそうな視線をチラチラと向けてきていることが丸わかりなお父上様だったから、話しかけることにした。
「シルヴィーお姉ちゃんとルーシーお姉ちゃんの使ってた魔法は何なの?」
「あぁ、『纏鎧』と『創剣』か。アーサーも気になるお年頃になったか……」
パスカルと鍛錬している時に使っていたシルヴィー姉さんの鎧とルーシー姉さんの剣について教えてもらったことがなかったから、これを聞くことにした。。
「あれは固有魔法だ」
「こゆうまほう?」
「魔法は大きく分けて三種類存在している。火・水・風・雷・土などの属性魔法、魔力弾・魔力障壁・身体強化などの無属性魔法、生まれた時から魂に魔法陣が刻み付けられている固有魔法。この三種類だ。ただ固有魔法は属性魔法と無属性魔法の二つと大きく違って、それが最も得意な魔法になっている。血筋で引き継がれることが多いね」
おぉ……普通の三歳児が聞いたら絶対に理解できないことを言っていることを理解しているのか?
「僕にも、固有魔法があるのかな?」
ただ公爵家の三歳児だ。理解しても問題ないだろ。
それにこの流れは俺に都合よく布石を打てそうだ。
「あぁ、あるよ。ランスロット家の固有魔法である『纏創鎧剣』は受け継がれていないようだけど、とても素晴らしい才を持って生まれているよ」
これは俺がスマホを出したことを言っているのか。
普通だったら素晴らしいとか言わずに奇妙な能力と言うだろうが、このお父上様は家族に甘いからそう言ってくれた。
スマホのことがバレていたのは分かっていたから、これは俺が何もしなくても『創造』の布石が打たれていたな。
「これがその証拠だよ」
お父上様が机の引き出しから取り出したのは、丁度俺が思っていたスマホだった。
あれからずっとお父上様が持っていたとは。だがあれから話が出ていなかったから所在は分からなかった。
「それは……?」
「これはアーサーが生後一ヶ月くらいに手元に作り出していた何かだ」
そう言ってお父上様は俺の隣に座ってスマホを渡してきた。
……おぉ、俺が前世で持っていたものと同じものだ。それに三年も前になるのか。
正直スマホ依存症の俺だったが、案外なくなればなくなったでそれほど触りたいとは思わなくなった。
「これが何なのか、王都にいる鑑定士に見てもらったが『全く分からない』という回答が返ってきた。中身を見ようとしてもどうやって開けるか分からないから、透視の魔法が使える魔法使いにお願いしたが『説明することもできない構造になっている』という回答が返ってきた。つまり、これはこの世界で解明することが不可能な代物ということになるね」
「そうなんだ……」
そりゃそうだろうな。現代人の頃の俺でも構造なんざ詳しく知らないんだからこの世界の人間が構造を知ったところで分かるわけがない。
それに透視でスマホを見たらちゃんと前世のスマホと同じになっている。これが全能か。
「落ち込むことはない。この世界で解明不可能ということは、これを作り出したアーサーはこの世界の人間よりも上位の存在になっているということだ」
お父上様? ちょっとそれは盲目じゃありませんか? どう考えても異端と言うんですよ?
「それがどういうものなのか、アーサーの固有魔法がそれを作るものなのか、これからアーサーのペースで探っていこう」
「うん!」
まあ子煩悩だからこうして俺が変な物を出したとしてもこういう対応をしてくれるわけだから、感謝しかない。
俺の魔法を鑑定とか言われたらいけないから、そこは偽装を使って『創造』と誤魔化すことにしよう。
この欠陥全能、モブキャラになろうと能力を隠すことはできない。だがその人に影響を与えて誤魔化すことはできるということが分かった。
ガバガバではあるが、人に影響を与えるということはこれからずっと誤魔化し続けないといけないというわけだからあまり使わない方向にする。
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