2 / 10
02:椿冬花の場合。
しおりを挟む
「んぅ……ッ!?」
枕元にある目覚ましの音で、俺が目を開けるとカーテンを閉めているとは言え陽の光で真っ暗ではない部屋で、ベッドで横になっている俺の方をジッと見ている目ん玉二つがあった。
「……椿先輩?」
寝て起きたら誰かいて俺の方を見ているというホラー体験をしながら、俺の方を見ているのが知り合いだと分かった。
長い黒髪をポニーテールにしている一つ上だけだと言うのに色香を纏っている女性、椿冬花先輩だった。
「あら、起きたのね。おはようレン」
「……あの、ビビるんで黙って見ているのはやめてくれませんか?」
「ふふっ、そうね。かなり驚いていたわね」
「こっちは面白くないんですよ……」
面白おかしく笑っている椿先輩に勘弁してくれと思っていたら、何だか俺の口周りが少しネバっとしている。
「涎が垂れてたのか」
「えぇ、唾液ね」
「えっ、涎では?」
「いいえ、唾液よ」
「あっはい」
何だそのこだわりは。まあ唾液だろうと涎だろうと変わらないからいいんだが。
「あれ……この寝間着で寝ていたっけ?」
「私が見たときはそれだったわよ」
「……まあいいですけど」
昨日着て寝た服が違っているような気がするんだが、一々そんなことは気にしないからいいんだが。
「朝食を作ってくるわね」
「あっ、ありがとうございます」
「いいのよ、私が好きでやっていることだから」
椿先輩が部屋から出て行ったが、何だろうこの違和感は。
……はっ! 朝勃ち、していない、だと……!? まあ最近はずっと朝勃ちしていなかったからな。特に違和感ではなくなってきている。
もう俺も年か。朝勃ちしなくなったのは悲しいことだが、俺には不必要な機能だから寂しさだけが残っている。まるで我が子が巣立ちしたような……我が子はいたことないけど。
というか最近、俺の性欲がヤバいんだけど。全くたたなくなったのはかなり問題ではないだろうか。俺まだ現役の男子高生だぞ?
そう思いながら身支度を済ませてリビングへと向かう。
「座って待ってて」
「はい」
エプロン姿で料理をしている椿先輩はこの世界のヒロインの一人で、生徒会長で先輩枠に入っている。
言わずもがな、佐倉のように俺は椿先輩にモブという最大の弱点を握られているから合鍵を渡して自由に俺の家を行き来できるようにしてある。
というか俺の家の合鍵は合計で五つあって、すべて俺の手元から離れている。
モブを貫きたい俺としては椿先輩とこうして関わるのも嫌だし、どうにかして縁を切りたいのだがそれができないから困っている。
何なら佐倉よりも手強いぞ、この人。
生徒会長ということは、この学園で最も強く人気がある人だから、何をしてくるか分からない。
というか佐倉もだが、俺みたいなモブといて何が楽しいんだか。罰ゲームか何かか? それならやめてくれ、ということを奴らに言ったら全員にもれなく何を考えているのか分からない目をされて『どうしてそう思ったのか』と聞かれてちびりそうだった。
まあこの際理由はどうでもいいが、どうせだから男主人公にこういうことをしてほしいのだが。
「あー……椿先輩は気になる異性とかいないんですか?」
「急にどうしたのかしら?」
「あー、いや、椿先輩くらいになるとどんな異性が好きなのかなぁって」
「レンくんかしら」
「ははっ、またまたご冗談を」
「冗談、だと思う?」
振り返った椿先輩の目を見て、俺は何も言えなくなって違う方向を見た。
「逆にレンくんは気になる異性はいないの?」
うん、何だか嫌な予感しかしない質問だが、ここはハッキリと言わねば!
「俺みたいなモブで普通な人ですかね!」
「それは無理だと思うわよ」
「何でですか。そんなこと分からないじゃないですか」
「そもそもあなたがモブじゃないもの」
「失礼な、学校での俺を見ればモブだと分かりますよ」
「えぇ、それは分かっているわ。でもこの状況がモブだと言えるの?」
確かに言え、いや待て! こうなっているのはすべて椿先輩たちのせいではないか?
「後輩を助けると思って、俺と関わるのを少しやめてみませんか……?」
ここは真摯にお願いしてみよう。そうすれば椿先輩も分かってくれるはず!
「どうしてそんなことを言うのかしら?」
言葉だけを見れば疑問を口にしているだけだが、振り返ってこちらを見る椿先輩の表情と何を考えているのか分からない目、声色を聞いたら背筋が凍る。
「ねぇ、答えて?」
「あ、いや、その……やっぱり椿先輩にこうやってお世話になるのは申し訳ないなと思って。それにこのままだと俺の生活力が鍛えられないので……」
恐怖しか感じない椿先輩の言葉で、俺はとっさにそう言った。
「あら、そんなことを気にしなくていいのよ? だってこれからずっと私がお世話をしてあげるから」
「そ、そうですか」
「そうよ。レンくんは何も気にしなくていいわ」
ふぅ、何とか椿先輩は元に戻ったな。でもその代わり変な方向に行った気がするのは気のせいであってほしい。
うん、こういう時は何も考えないようにしよう。今は椿先輩のエロいうなじとかすらっとした足を見て目を休めよう。
「レンくんはもうモブのフリをやめれば楽だと思うわよ」
「フリって、もう少し言葉を選んでください」
「ならモブもどき?」
「いやあまり変わらない気がするんですけど。せめてモブと言ってください」
「それはそれで違うと思うけれど……まあいいわ。それでやめる気はないの?」
そのことを佐倉にも言われるのだが、どうしてモブをやめさせようとするのだろうか。そもそも俺は生粋のモブなのだからモブをやめろと言われてもやめれないだろ。
「モブはどこまで行ってもモブですから。そもそもこういう状況がおかしいんですよ」
「レンくんがモブを好きなのは分かったけど、モブでいいことなんかないわよ」
いやあるんです。イベントに巻き込まれないのが一番の理由ですけど。
でもこの状況だとイベントに巻き込まれそうだなぁ。あれ? それならモブとして動くのは意味なくないか? いや考えるのは止そう。心が折れる。
「俺はモブがいいんです!」
「はいはい。それは来世で頑張りましょうね」
うーむ、前世がある俺にその発言とはかなりレベルがたけぇな。
「はい、できたわよ」
俺と会話している間にも朝食を作る椿先輩。
今日の朝食は俺がリクエストしていた焼き鮭がある和風朝食だ。
「いただきます」
「召し上がれ」
正面に椿先輩が座り、俺と同じ朝食が椿先輩の前にも置かれている。
椿先輩に見られながら朝食を口にする。
「おいしいです」
「そう、ありがとう」
……思ったんだが、どうしてみんなニコニコしながらご飯を食べている俺を見てくるのだろうか。そこに何か意図があって怖いな。
「そういえばレンくんのクラスは今日、ダンジョン実戦の授業があったわね」
「あー、そうですね。いやぁ、モブにとってダンジョン実戦はキツいですよ」
「それなら生徒会に入ればいいわよ。生徒会に入れば授業をサボれるわ」
「そんなことで生徒会に入ったらダメでしょ。それに俺は強くないですから無理ですよ」
生徒会は学校の真下にあるダンジョンから出てくるモンスターの排除ができなければ入れない、という条件がある。
それはゲームの時でもそうで、一定の強さがなければ生徒会に入れないようになっている。逆に圧倒的な強さがあれば、椿生徒会長からお誘いが来るというイベントはやったことがある。断ったけど。
だからこそ生徒会では授業を抜け出す理由ができるのだ。
「大丈夫よ、ずっと私のそばにいれば安全だから」
この学園で俺を除いた生徒や先生を含め、一番強いのは椿先輩だ。それは『鑑定』をして分かる。
ちなみに俺はステータスがバレないように一番初めに『偽装』のスキルを取っているが、俺みたいな目立ちたくないけど強いやつ以外は不要なスキルだ。
「……それなら、あいつらを近づけさせない」
「ッ!?」
その言葉だけで、俺は全身を震え上がらせてしまった。
枕元にある目覚ましの音で、俺が目を開けるとカーテンを閉めているとは言え陽の光で真っ暗ではない部屋で、ベッドで横になっている俺の方をジッと見ている目ん玉二つがあった。
「……椿先輩?」
寝て起きたら誰かいて俺の方を見ているというホラー体験をしながら、俺の方を見ているのが知り合いだと分かった。
長い黒髪をポニーテールにしている一つ上だけだと言うのに色香を纏っている女性、椿冬花先輩だった。
「あら、起きたのね。おはようレン」
「……あの、ビビるんで黙って見ているのはやめてくれませんか?」
「ふふっ、そうね。かなり驚いていたわね」
「こっちは面白くないんですよ……」
面白おかしく笑っている椿先輩に勘弁してくれと思っていたら、何だか俺の口周りが少しネバっとしている。
「涎が垂れてたのか」
「えぇ、唾液ね」
「えっ、涎では?」
「いいえ、唾液よ」
「あっはい」
何だそのこだわりは。まあ唾液だろうと涎だろうと変わらないからいいんだが。
「あれ……この寝間着で寝ていたっけ?」
「私が見たときはそれだったわよ」
「……まあいいですけど」
昨日着て寝た服が違っているような気がするんだが、一々そんなことは気にしないからいいんだが。
「朝食を作ってくるわね」
「あっ、ありがとうございます」
「いいのよ、私が好きでやっていることだから」
椿先輩が部屋から出て行ったが、何だろうこの違和感は。
……はっ! 朝勃ち、していない、だと……!? まあ最近はずっと朝勃ちしていなかったからな。特に違和感ではなくなってきている。
もう俺も年か。朝勃ちしなくなったのは悲しいことだが、俺には不必要な機能だから寂しさだけが残っている。まるで我が子が巣立ちしたような……我が子はいたことないけど。
というか最近、俺の性欲がヤバいんだけど。全くたたなくなったのはかなり問題ではないだろうか。俺まだ現役の男子高生だぞ?
そう思いながら身支度を済ませてリビングへと向かう。
「座って待ってて」
「はい」
エプロン姿で料理をしている椿先輩はこの世界のヒロインの一人で、生徒会長で先輩枠に入っている。
言わずもがな、佐倉のように俺は椿先輩にモブという最大の弱点を握られているから合鍵を渡して自由に俺の家を行き来できるようにしてある。
というか俺の家の合鍵は合計で五つあって、すべて俺の手元から離れている。
モブを貫きたい俺としては椿先輩とこうして関わるのも嫌だし、どうにかして縁を切りたいのだがそれができないから困っている。
何なら佐倉よりも手強いぞ、この人。
生徒会長ということは、この学園で最も強く人気がある人だから、何をしてくるか分からない。
というか佐倉もだが、俺みたいなモブといて何が楽しいんだか。罰ゲームか何かか? それならやめてくれ、ということを奴らに言ったら全員にもれなく何を考えているのか分からない目をされて『どうしてそう思ったのか』と聞かれてちびりそうだった。
まあこの際理由はどうでもいいが、どうせだから男主人公にこういうことをしてほしいのだが。
「あー……椿先輩は気になる異性とかいないんですか?」
「急にどうしたのかしら?」
「あー、いや、椿先輩くらいになるとどんな異性が好きなのかなぁって」
「レンくんかしら」
「ははっ、またまたご冗談を」
「冗談、だと思う?」
振り返った椿先輩の目を見て、俺は何も言えなくなって違う方向を見た。
「逆にレンくんは気になる異性はいないの?」
うん、何だか嫌な予感しかしない質問だが、ここはハッキリと言わねば!
「俺みたいなモブで普通な人ですかね!」
「それは無理だと思うわよ」
「何でですか。そんなこと分からないじゃないですか」
「そもそもあなたがモブじゃないもの」
「失礼な、学校での俺を見ればモブだと分かりますよ」
「えぇ、それは分かっているわ。でもこの状況がモブだと言えるの?」
確かに言え、いや待て! こうなっているのはすべて椿先輩たちのせいではないか?
「後輩を助けると思って、俺と関わるのを少しやめてみませんか……?」
ここは真摯にお願いしてみよう。そうすれば椿先輩も分かってくれるはず!
「どうしてそんなことを言うのかしら?」
言葉だけを見れば疑問を口にしているだけだが、振り返ってこちらを見る椿先輩の表情と何を考えているのか分からない目、声色を聞いたら背筋が凍る。
「ねぇ、答えて?」
「あ、いや、その……やっぱり椿先輩にこうやってお世話になるのは申し訳ないなと思って。それにこのままだと俺の生活力が鍛えられないので……」
恐怖しか感じない椿先輩の言葉で、俺はとっさにそう言った。
「あら、そんなことを気にしなくていいのよ? だってこれからずっと私がお世話をしてあげるから」
「そ、そうですか」
「そうよ。レンくんは何も気にしなくていいわ」
ふぅ、何とか椿先輩は元に戻ったな。でもその代わり変な方向に行った気がするのは気のせいであってほしい。
うん、こういう時は何も考えないようにしよう。今は椿先輩のエロいうなじとかすらっとした足を見て目を休めよう。
「レンくんはもうモブのフリをやめれば楽だと思うわよ」
「フリって、もう少し言葉を選んでください」
「ならモブもどき?」
「いやあまり変わらない気がするんですけど。せめてモブと言ってください」
「それはそれで違うと思うけれど……まあいいわ。それでやめる気はないの?」
そのことを佐倉にも言われるのだが、どうしてモブをやめさせようとするのだろうか。そもそも俺は生粋のモブなのだからモブをやめろと言われてもやめれないだろ。
「モブはどこまで行ってもモブですから。そもそもこういう状況がおかしいんですよ」
「レンくんがモブを好きなのは分かったけど、モブでいいことなんかないわよ」
いやあるんです。イベントに巻き込まれないのが一番の理由ですけど。
でもこの状況だとイベントに巻き込まれそうだなぁ。あれ? それならモブとして動くのは意味なくないか? いや考えるのは止そう。心が折れる。
「俺はモブがいいんです!」
「はいはい。それは来世で頑張りましょうね」
うーむ、前世がある俺にその発言とはかなりレベルがたけぇな。
「はい、できたわよ」
俺と会話している間にも朝食を作る椿先輩。
今日の朝食は俺がリクエストしていた焼き鮭がある和風朝食だ。
「いただきます」
「召し上がれ」
正面に椿先輩が座り、俺と同じ朝食が椿先輩の前にも置かれている。
椿先輩に見られながら朝食を口にする。
「おいしいです」
「そう、ありがとう」
……思ったんだが、どうしてみんなニコニコしながらご飯を食べている俺を見てくるのだろうか。そこに何か意図があって怖いな。
「そういえばレンくんのクラスは今日、ダンジョン実戦の授業があったわね」
「あー、そうですね。いやぁ、モブにとってダンジョン実戦はキツいですよ」
「それなら生徒会に入ればいいわよ。生徒会に入れば授業をサボれるわ」
「そんなことで生徒会に入ったらダメでしょ。それに俺は強くないですから無理ですよ」
生徒会は学校の真下にあるダンジョンから出てくるモンスターの排除ができなければ入れない、という条件がある。
それはゲームの時でもそうで、一定の強さがなければ生徒会に入れないようになっている。逆に圧倒的な強さがあれば、椿生徒会長からお誘いが来るというイベントはやったことがある。断ったけど。
だからこそ生徒会では授業を抜け出す理由ができるのだ。
「大丈夫よ、ずっと私のそばにいれば安全だから」
この学園で俺を除いた生徒や先生を含め、一番強いのは椿先輩だ。それは『鑑定』をして分かる。
ちなみに俺はステータスがバレないように一番初めに『偽装』のスキルを取っているが、俺みたいな目立ちたくないけど強いやつ以外は不要なスキルだ。
「……それなら、あいつらを近づけさせない」
「ッ!?」
その言葉だけで、俺は全身を震え上がらせてしまった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました
如月 雪名
ファンタジー
★2024年9月19日に2巻発売&コミカライズ化決定!(web版とは設定が異なる部分があります)
🔷第16回ファンタジー小説大賞。5/3207位で『特別賞』を受賞しました!!応援ありがとうございます(*^_^*)
💛小説家になろう累計PV1,820万以上達成!!
※感想欄を読まれる方は、申し訳ありませんがネタバレが多いのでご注意下さい<m(__)m>
スーパーの帰り道、突然異世界へ転移させられた、椎名 沙良(しいな さら)48歳。
残された封筒には【詫び状】と書かれており、自分がカルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー、第一令嬢12歳となっているのを知る。
いきなり異世界で他人とし生きる事になったが、現状が非常によろしくない。
リーシャの母親は既に亡くなっており、後妻に虐待され納屋で監禁生活を送っていたからだ。
どうにか家庭環境を改善しようと、与えられた4つの能力(ホーム・アイテムBOX・マッピング・召喚)を使用し、早々に公爵家を出て冒険者となる。
虐待されていたため貧弱な体と体力しかないが、冒険者となり自由を手にし頑張っていく。
F級冒険者となった初日の稼ぎは、肉(角ウサギ)の配達料・鉄貨2枚(200円)。
それでもE級に上がるため200回頑張る。
同じ年頃の子供達に、からかわれたりしながらも着実に依頼をこなす日々。
チートな能力(ホームで自宅に帰れる)を隠しながら、町で路上生活をしている子供達を助けていく事に。
冒険者で稼いだお金で家を購入し、住む所を与え子供達を笑顔にする。
そんな彼女の行いを見守っていた冒険者や町人達は……。
やがて支援は町中から届くようになった。
F級冒険者からC級冒険者へと、地球から勝手に召喚した兄の椎名 賢也(しいな けんや)50歳と共に頑張り続け、4年半後ダンジョンへと進む。
ダンジョンの最終深部。
ダンジョンマスターとして再会した兄の親友(享年45)旭 尚人(あさひ なおと)も加わり、ついに3人で迷宮都市へ。
テイムした仲間のシルバー(シルバーウルフ)・ハニー(ハニービー)・フォレスト(迷宮タイガー)と一緒に楽しくダンジョン攻略中。
どこか気が抜けて心温まる? そんな冒険です。
残念ながら恋愛要素は皆無です。
美少女ゲームの悪役令息に転生した俺、『本編先乗り』と【モンスター錬成】で原作を破壊する
ふつうのにーちゃん
ファンタジー
美少女ゲーム【ドラゴンズ・ティアラ】は、バグが多いのが玉に瑕の1000時間遊べる名作RPGだ。
そんな【ドラゴンズ・ティアラ】を正規プレイからバグ利用プレイまで全てを遊び尽くした俺は、憧れのゲーム世界に転生してしまう。
俺が転生したのは子爵家の次男ヴァレリウス。ゲーム中盤で惨たらしい破滅を迎えることになる、やられ役の悪役令息だった。
冷酷な兄との対立。父の失望からの勘当。学生ランクFへの降格。破滅の未来。
前世の記憶が蘇るなり苦難のスタートとなったが、むしろ俺はハッピーだった。
家族にハズレ扱いされたヴァレリウスの【モンスター錬成】スキルは、最強キャラクター育成の鍵だったのだから。
差し当たって目指すは最強。そして本編ごとの破滅シナリオの破壊。
元よりバランス崩壊上等のプレイヤーだった俺は、自重無しのストロングスタイルで、突っかかってくる家族を返り討ちにしつつ、ストーリー本編を乗っ取ってゆく。
(他サイトでも連載中)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
マッシヴ様のいうとおり
縁代まと
ファンタジー
「――僕も母さんみたいな救世主になりたい。
選ばれた人間って意味じゃなくて、人を救える人間って意味で」
病弱な母、静夏(しずか)が危篤と聞き、急いでバイクを走らせていた伊織(いおり)は途中で事故により死んでしまう。奇しくもそれは母親が亡くなったのとほぼ同時刻だった。
異なる世界からの侵略を阻止する『救世主』になることを条件に転生した二人。
しかし訳あって14年間眠っていた伊織が目覚めると――転生した母親は、筋骨隆々のムキムキマッシヴになっていた!
※つまみ食い読み(通しじゃなくて好きなとこだけ読む)大歓迎です!
【★】→イラスト有り
▼Attention
・シリアス7:ギャグ3くらいの割合
・ヨルシャミが脳移植TS(脳だけ男性)のためBLタグを付けています
他にも同性同士の所謂『クソデカ感情』が含まれます
・筋肉百合要素有り(男性キャラも絡みます)
・描写は三人称中心+時折一人称
・小説家になろう、カクヨム、pixiv、ノベプラにも投稿中!(なろう先行)
Copyright(C)2019-縁代まと
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
《完結》転生令嬢の甘い?異世界スローライフ ~神の遣いのもふもふを添えて~
芽生 (メイ)
ファンタジー
ガタガタと揺れる馬車の中、天海ハルは目を覚ます。
案ずるメイドに頭の中の記憶を頼りに会話を続けるハルだが
思うのはただ一つ
「これが異世界転生ならば詰んでいるのでは?」
そう、ハルが転生したエレノア・コールマンは既に断罪後だったのだ。
エレノアが向かう先は正道院、膨大な魔力があるにもかかわらず
攻撃魔法は封じられたエレノアが使えるのは生活魔法のみ。
そんなエレノアだが、正道院に来てあることに気付く。
自給自足で野菜やハーブ、畑を耕し、限られた人々と接する
これは異世界におけるスローライフが出来る?
希望を抱き始めたエレノアに突然現れたのはふわふわもふもふの狐。
だが、メイドが言うにはこれは神の使い、聖女の証?
もふもふと共に過ごすエレノアのお菓子作りと異世界スローライフ!
※場所が正道院で女性中心のお話です
※小説家になろう! カクヨムにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる