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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編

-第二章九節 オーダーメイドの予約と童心-

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ドレッグに防具を作って貰い、更に刀を見事に仕上げて貰った事にマサツグが

感激しているとドレッグは自慢げに笑いながら金槌で自身の肩を叩き、マサツグに

出来を尋ねる。その様子にマサツグは文句無しと答えるのであった。


「あ~はっはっは!!どうだい!

ワシの作った武具は!久々に満足のいった仕事だ!!」


ドレッグの作った防具は本当に重くも無く、動きの邪魔にもならない仕上がり

だった。その証拠にマサツグの目の前でシロが飛んだり跳ねたりするも邪魔に

なっている様子も無く、元気に駆け回っていた。


「お前さんと嬢ちゃんのご要望でライトメイルに仕上げたがやはり軽めに作って

ある装甲は少し心許ない気がするかもしれん。だがワイバーンの素材がそれを

カバーし、戦闘でのダメージにも耐えれるだろう。

しかし、幾ら耐えれるからとは言え無理は禁物じゃぞ!」


「ありがとう!最高だよ!」


「ありがとうなのです!!」


シロが駆け回るのを止めるとマサツグの所に戻って、ドレッグにお礼を言う。

それを聞いてドレッグが笑顔でウンウンと頷き、喜びを分かち合うが次の瞬間、

ドレッグがマサツグとシロに申し訳なさそうな表情をするとある事を謝罪し始める。


「でだ……実はお前さん達には謝らないといけない事がある…」


「へ?何か問題でも有るのか?…」


「いや…ワシが作った防具は間違いなくここ最近にしては改心の出来じゃ。

問題は無い!!問題は無いんじゃが……実はな…

その装備はワイバーンとダマスカス、マラカイトの

ダマスカイト合金で作ったんだが…

申し訳ないが折角採って来てくれたオリハルコンは一切使っていないんじゃ……」


「まぁ、そう……」


「え!どうしてですか!」


この一言にマサツグが納得するよりシロが驚き、マサツグの会話を遮ると

ドレッグに何故使わなかったのかと尋ねる。それに対しドレッグは申し訳なさそう

にしながらも自分の頬を人差し指で掻きながら答える。


「それはな嬢ちゃん……今ここにある設備じゃオリハルコンを叩くどころか

オリハルコンを溶かしてインゴットにする事すら出来んのじゃ……

前にも言ったと思うがこいつはあくまでも簡易の設備、このレベルの鉱石を

加工するには圧倒的に火力も道具も足りんのじゃ……

設備があれば問題なく超一級品の武具を作ってやれるんじゃがな……」


そのドレッグの申し訳なさそうな返答に納得したのかシロはしょぼんとしながらも

うんと頷く。マサツグ自身もオリハルコンを掘ってきたもののこの設備で加工

出来るのかと悩んでいた為、問題なく納得する。そうして、マサツグとシロが

ドレッグの説明に納得しているとドレッグがマサツグにある提案を挙げる。


「そこでなんじゃがな、これをワシに預けてはくれんか?

一度、我が故郷「ドワーフファミリア」でコイツを最高の武具にする!

そこなら間違いなく設備も道具も一式揃っておる!

だから頼む!ワシにこれを預けてくれんか!?このとお!!……?」


ドレッグがマサツグに頭を下げ、懇願をするとマサツグがその下げようとする頭を

止める。何事かとドレッグが頭を上げるとマサツグが右手で自身の頭を止めている

事に不思議に思っているとマサツグがドレッグに二つ返事で答える。


「そんな頭下げんでもいいよ。

俺が持っていても仕方が無いし……

それにドレッグがコイツで作った武具を見てみたいし。」


「ほ…本当か!!」


「あぁ~後別にそのオリハルコンはドレッグにあげるよ。

自分勝手だけどそれが俺とシロの防具、後、刀の修理代金って事で。」


マサツグが笑顔でそう答えるとドレッグが急に険しい顔をしマサツグの提案を

断る。それどころかドレッグはオリハルコンを手に取るとある事をマサツグに

約束するのであった。


「いいや、受け取れねぇ!

ワシのプライドが許さねぇ!!

これはちゃんとワシの手で立派な武具にしてお前さんに手渡す!!

だから、ドワーフファミリアに来た時にワシの工房を訪ねてくれ!!

流石のワシでもコイツは一筋縄では行かんからな!

お前さんが来る頃には立派な武具に仕上げる!」


迫力のある表情にマサツグが圧され」、後退りするもドレッグの目には闘志に似た

炎が何処かのスポ根漫画の様に燃えていた。それを見てマサツグが引ける状況では

ないと確認すると了承するのであった。


「…わかったよ。ドワーフファミリアだな。

でも、戻るって事はここを離れるんだよな?

ここはどうすんだ?」


「あぁ、その心配はいらん…

ちょいと待っとくれ、直ぐに終わるからな…」


マサツグがここの設備についてドレッグに尋ねるとドレッグは笑いながらマサツグに

一言答えると設備を片付け始める。その様子にマサツグは驚くしかなかったので

ある。ドレッグが自身よりかなり大きいリュックを折り畳んだ状態で取り出すと設置

してあった設備をいとも簡単に小さく折り畳んではそのリュックに仕舞いこんで

いく。軍事用キャンプテントも骨組みをバラバラにすると縄で縛り一括り、屋根に

使っていた帆も折り畳んでコンパクトに、椅子や机もコンパクトに畳んでは収納と

まるで深夜番組の通販をみている気になる。それと同時に某声の高い社長の顔も何故

かチラつく。そうして残りは竈だけになるが、さすがに竈は直せないのか一つ一つ

レンガを解体していくと洞窟の片隅に山のように積んで解体する。


「まぁ、こんなもんじゃな。」


そうして、設備を片付け終えるとドレッグはその簡易鍛冶セットの入ったリュックを

いとも簡単に背負うと待っていたマサツグに挨拶をする。その光景にマサツグも

シロも同じ様に驚き固まる。それを見て、軽く笑うとドレッグは自身の話を話し

始める。


「あっはっはっは!!これでも元々、ワシも流浪人…

気ままに武具を作り、売っていたらいつの間にかドワーフの中で現一番の腕に

なったんじゃ。」


笑いながら話すドレッグの話にマサツグが気になる事があった。それは「現一番」と

言う言い方である。本来なら普通に○○界一番と言う筈がドレッグに限っては

現一番。何か地雷の臭いも感じつつも恐る恐るその理由を尋ねるのであった。


「なぁ…少し気になってたんだけど何で現一番何て言い方をするんだ?

何か理由があるのか?」


マサツグがドレッグに尋ねた途端、笑い声は無くなり、ドレッグは俯くと静かに

なっていく。そして、少しの間静かになりマサツグが謝ろうとした瞬間、ドレッグが

その理由を答え始める。


「………スマン!!今のは!……」


「……それは、ワシ自身がドワーフ界一番と思っていないからじゃ……

ワシの中でドワーフ界一番の腕の立つ職人は未来永劫…ワシの師匠ただ一人じゃ…」


そう言うとドレッグは顔を上げ、出口に向かい歩き始める。その表情は心なしか、

何か吹っ切れた様にも見えるがその背中を見ていると、少し寂しさが出ているように

感じたのであった。


「さぁ、お前さん達…

ここを出るとするか…コイツを立派な武具にする為に!!」


こうしてマサツグとシロとドレッグは出口に向かい歩き始めるのであった。

その道中、マサツグはドレッグにこれ以上余計な詮索をしない様に気を使い、

シロはそんなマサツグの様子を見て、同じ様に黙っているのであった。そうして

マサツグ達が黙った状態で歩く事数十分。漸くマサツグ達が元の見覚えのある洞窟の

扉前に戻って来ると更に一軒家の扉を開け、日の光を全身に浴びる。ゲーム内とは

言え、三日ぶりの日の光にマサツグの目がショボショボとする。そしてシロはと

言うと全身に太陽の光を浴びる様に大きく伸びをする。マサツグの目が漸く慣れて

くるとここである事を思い出す。


「そういえば、どうやって下ろう…」


それはこの丘を降りることであった。またあの大音量の風音に悩まされるのかと

悩んでいるとドレッグがある物を取り出しマサツグに手渡す。それは何処を

どう見ても只の麻袋にしか見えないのであった。


「ほれ、お前さん。

これを使うんじゃ。これをこうしてな……」


ドレッグは徐に麻袋を丘の斜面に置くとそれを尻の下に敷き、前に進んでいく。

そして、ドレッグが斜面に半分以上乗り出した瞬間、ドレッグは勢い良く丘の

斜面を下っていくのであった。その際、ドレッグが背負っていたリュックが

何度も地面にぶつかり跳ねるもドレッグはバランスを保っていた。


「なるほどな。

これやるの子供の時以来だな…」


マサツグもドレッグと同じ様に麻袋を尻の下に敷くと斜面を下る一歩手前で

止まるとシロを呼び、マサツグの股座に座る様に指示をする。シロは今から何が

起こるのか分からないままマサツグの股座に座ると不安げにマサツグを呼ぶ。


「ご主人様?…」


「大丈夫だ!

安心しろ!じゃあ、行くぞ!!」


そう言うとマサツグが丘の斜面から半分以上乗り出し、ドレッグと同じ様に丘の

斜面を滑り始める。まるで童心返ったように喜んでいるとシロも同じ様に喜び

始める。


「イィィッヤホォォォォーーーー!!!」


「きゃーーーーー!!」


シロ大喜び。


マサツグとシロが勢い良く斜面を下って行くと何事も無く丘の下で待っていた

ドレッグと合流する。その際、ドレッグはマサツグ達をまるで孫を見る様な目で

微笑んで出迎えるとマサツグが思わず顔を赤くする。


「あっ!いや!これはその……」


「いいんじゃよ……

たまには童心に戻らんとな……」


「や…やめてくれ!!

俺が悪かった!!」


ドレッグとそんなやり取りをしているとシロはそんな事お構い無しに尻尾をブンブンと

振り、マサツグに訴えかける。その時、シロの尻尾はシロに名前を付けた時の様に

風を起こす位に荒ぶっていた。


「ご主人様!

もっ一回したい!!」


いつものですます口調が無くなる位に楽しかったのか目をキラキラとさせ、マサツグに

訴えかける。本来なら付き合っても良いのだが今下る際に使った麻袋は借り物で更に

また、あの丘を登るのかと考えるとさすがに考えてしまう。その間にもまたあの丘を

登っている冒険者が風穴から吹き出す突風に襲われ、転げ落ちている。マサツグが

シロに申し訳ない顔をしながらシロに説明をし始める。


「シロ…もう一回登る時、またあの大音量を聞く事になるぞ?

後これは借り物だからな?」


マサツグの説明に納得したのかハッと何かに気が付いた表情を見せると今度は

しょぼ~んとし俯く。そして、マサツグに小さく頷くと諦めたのか尻尾はゲンナリと

垂れ下がる。


「うぅ…諦めます…」


「別にいいんじゃがな……

これも教育と言うやつか…」


後ろでドレッグが呟くがシロには聞えていないのかションボリとしていた。マサツグ

自身もそのシロの様子に何とも言えない罪悪感を感じ、シロにある約束をする。


「…よし!

今度は、平和なところでやろうな。

後、道具屋で麻袋を買わないとな…」


「本当ですか!

絶対ですよ!ご主人様!!」


この約束に先ほどまで沈んでいたシロが急にパァッと明るい表情をするとマサツグに

向かい満面の笑みを見せる。その際、尻尾をブンブンと再度振り始め、喜びを全身で

現す。何度も何度もマサツグに確認を取るのであった。そしてシロが落ち着いて来た

所で借りていた麻袋をドレッグに返すのであった。


「ありがとう!

助かったよ。」


「別に貰ってくれてもいいんじゃぞ?」


「いや…今持っていると無駄に期待させそうだからな。

ちゃんと安全な所でやらないと不測の事態に落ちたら面倒だし…」


「なるほど…

では、確かに……

じゃあ、今度合う時はドワーフファミリアでな!

達者でな!!」


「あぁ、必ず!」


マサツグが麻袋を返すとドレッグはドワーフファミリアに向かい歩き始める。それを

シロと見送った後に一息付いているとシロが次の行き先をマサツグに尋ねる。

マサツグも少し悩むものの取り敢えずは一度ギルドへと向かい始めるのであった。


「ご主人様、どうしますか?」


「う~ん…

一度、ギルドに戻ろうか…

色々と有ったし、また不要な物は売りに行こうかな?」


「はいです!」


マサツグ達がギルドに向かい歩き始めるとその道中、他の冒険者とすれ違う。

その際、すれ違った冒険者達はある事を話しており、マサツグの耳に入る。

それは、このゲーム内でも最近起きたイベントか、物騒な話であった。


「おい、また何か妙なイベントでも起きているのか?

ついこの間、町の中でNPCがNPCを誘拐紛いな事をやっていたぞ?

スプリンフィーでも魔王が出たとか何か起きたみたいだし、梃入れか?」


「その話、俺も聞いた聞いた!!

何でも女性NPCばかりを襲うって話だぞ?

それに対しての依頼がギルド内で増えたって言ってたな!」


{誘拐ってまた穏やかじゃないな……

まぁ…やっているのがPCプレイヤーでないとは言え、

また物騒な梃入れだな……}


すれ違った冒険者からそんな話を聞いたマサツグに嫌な予感を感じながらもマサツグ

達が無事にホエールビアードに辿り着くとギルドに向かい歩き始める。町は最初に

来た時と変わらず活気に満ち溢れているとそれを見つけてしまう。それは、人の目に

付かない裏路地でその前を偶然通り掛ったマサツグの耳に入ってきた。


「やめてください!放して!!」


「あん?」


マサツグが声の聞える方を見るとそこには猫耳と尻尾の付いた獣人キャラがならず者

に襲われていた。猫耳お姉さんは髪は腰くらいまであるお下げに白に近いクリーム色

の髪。肌は褐色で耳や尻尾はジャガーやヒョウみたいな斑模様であった。そして、

グラビアのようなナイスバデー。ただし、遊びに着たのか水着姿で襲われていた。


「いいから来い!!

なぁ~に…良い事してやるからよぉ!!……」


「いや!!…誰か!…誰か!!…」


「助けなんて誰も来ねぇよ!!

へっへっへ……」


うわぁ…典型的な三下に捕まってるよ…それに帰って来て早々にこれかぁ……っと

シロと手を繋ぎ、立ち止まっているとマサツグは顔を手に当て、己の運に悲観する

も手を少し開け隙間からその様子を見る。


__チラッ


すると、向こうもマサツグの存在に気が付いたのかこちらを凝視しマサツグに助けを

求めるような視線を向けてくる。その際、その猫耳お姉さんは涙目でこちらを見つめ

、マサツグと視線を合わせる。それを見てマサツグも溜め息を吐くとその襲われてい

る猫耳お姉さんの助け舟になる。


「…はあぁ~……仕方ない…」


「ヘッヘッヘ…

ようよう!!」


「あ~……もしもし、そこのお兄さん達?」


「あぁ?…なんだ手前!

邪魔すんじゃねぇぞコラ!」


マサツグがシロを後ろに隠した状態でならず者達に話しかけるとマサツグの呼び掛け

に気が付いたのか、下から見上げる様にメンチをきってくる。そして、その他の

ならず者達も近くに居たのかゾロゾロと集まり始める。


「おい!どうしたんだ?」


「あぁ、こいつが何か俺達に文句がありそうな顔で突っかかって来たんだよ!!」


「ンだコラ!?

やっちまうぞ?オラァ!!」


「おうおう!手前!

なんだってんだコラ!」


{うわ~…見事なまでの三下臭……

幸いにもそんなレベルは高くないしシロとそこのお姉さんを護りながら

戦えるかな?…

それにしても……こいつらコラ以外言えんのか?…}


「嫌がっている女性に乱暴を働こうとしている奴に意見を言いに来ただけだ…

お前ら情けねぇな…群れなきゃ何も出来ないのかよ?…」


マサツグが静かにならず者達を鑑定しながら戦力を確認する。その際、ただ馬鹿の

一つ覚えの様にコラしか言わない相手にマサツグが呆れて、お約束のようなセリフを

言うとならず者達の注意がマサツグに集中する。それと同時にマサツグが後ろに

隠したシロも徐々に臨戦態勢を取り始める。


「ヴヴヴヴ!!……

ご主人様?…この人達はぶっ飛ばしちゃっても良い人達ですか?……」


「恐らくそうだけどやっちゃ駄目だからね?シロちゃん?

ステイ!ステ~イ!!」


「………ッ!!」


そうして、シロを宥めならず者達の注目を集めているとここで猫耳お姉さんが

隙を見て逃げ出す。それにならず者が気が付くも遅く、完全に逃げられると

その怒りの矛先がマサツグに向く。


「あ!コラ待ちやがれ!……

……手前!

この落とし前どう付けてくれんだ!!」


三下の一人がマサツグに殴りかかろうとするとマサツグはその飛んで来る拳に

頭突きをする。すると、マサツグの頭越しに相手の手が砕けたのか、砕けた感覚が

マサツグの頭を通して伝わってくる。


「ぎ…げやああああああ~!!…」


「おぉ、おぉ…

見事にクシャンクシャン…」


殴り掛かって来た三下の手は完全に大破し、見せられないよ!!の看板が掛かる。

それを見て、周りのならず者も驚きはするもののまだやる気なのかマサツグに

向かってくる。しかし…それを良しとしない幼女が一匹……


「お…おい?

野朗!!…覚悟……」


「せいや!!」


「ゲハッ!!!」


突如マサツグの目の前にシロが降って来ると向かって来ようとしていたならず者達を

横薙ぎに回し蹴りを繰り出すと一発でならず者達を鎮圧する。それと同時にマサツグが

呆気に取られ、立ち尽くしているとならず者達は近くにあったゴミを吹き飛ばして

倒れる。その際、ガラガラと音を立てると辺りから何があったのかと見物客が集まり

始める。


「おいおい、何だ?」


「喧嘩か?」


「誰か衛兵呼んで来い!!」


{まっず!!}


マサツグが現状一番に怪しまれる事を考えるがそれは相手も同じでその場から立ち

上がるとふら付きながらも逃げ始める、その内にマサツグの頭突きで手を砕かれた

三下が捨て台詞を吐く。


「覚えてろ!手前はゲステウス様の部下に手を出したんだ!!

生きて帰れると思うなよ!」


捨て台詞を吐く三下にムッとするとシロが落ちていた石を拾い、その三下目掛けて

石を投げつける。


「一昨日来やがれです!!

ご主人様にはこのシロが指一本……うわぁッ」


「それはいいから逃げるぞシロ!!」


シロが逃げる三下に腕を組んで、セリフを言うが我に返ったマサツグがシロを抱えて

急いでその場を後にする。


「シロ…気持ちは嬉しいが無茶はするな…」


「はいです…でも!あの人達!!」


「はい、ぎゅ~…」


「…あったかいです…」


そして、シロに無茶をするなと言い聞かせ、道具屋に向かうとダンジョンで消費した

アイテムと麻袋を買う。その際、シロは目をキラキラとさせ、麻袋を抱えるが回りの

目からはとても珍しい光景か、すれ違う人達がシロに注目する。

何だかんだでギルドに辿り着くのだがその後もマサツグ達に面倒事が押し寄せて

来るのを知らないのであった。

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