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-第八章-

‐第八章四十三節 ゼファー戦・後編と不穏な反応と禁忌の問答!…-

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ゼファーとの戦いも漸く終わりが近付いて来る!…それは余り美しい勝ち方では

無いのだが…それでも漸く終わりそうである戦いにマサツグとモツがあと少し!

と言った具合に奮起すると、一方でゼファーもまだ負けじ!とばかりに歯を

食い縛り、その二人の猛攻に堪えて見せる!…モツが斬り掛かれば往なして流し、

それでも受け切る事が出来なければ傷を負い!…更にマサツグも蹴りを繰り出せば

剣で防ぎ!…が、それでも一撃が重く!…大きく仰け反る事になって行くと、

体が悲鳴を上げる!…


「ッ~~~!!!…ハァッ!!…ハァッ!!…

…ッ!?…ッ~~~………ま、まだだ!!…まだ私の役目は!!…」


目の前では体をくの字に折りながら必死に痛みに堪えるゼファーの姿!…

その様子はとても痛々しく!…人によってはもう見て居られない様な!…

そんな状態であるよう映ってしまうが、それでも決して倒れようとしない!…

息を切らしながらも踏ん張り続ける!…そしてまだ倒れられない理由に

ついても苦痛に顔を歪ませながらポロポロと…奮い立たせるよう零して

行くと、そんなゼファーの様子にマサツグ達としてもまた違う戸惑いを

持つ事になって行き!…


「ッ!?…な、何か様子が可笑しくないか!?…

た、確かにこれだけ攻撃してたらそりゃこうなるだろうけど!!…」


と言うのもこれだけ攻撃したにも関わらず、まだゼファーが倒れない!と…

と、そのゼファーの異様なまでの不屈具合にマサツグも戸惑い!…

普通であればもう倒れて居る!と…更にそのダメージを受けているその姿を

抜きにしても!…その様子がどんどん不穏なモノに変わって行っている事を

口にすると、次にはモツも言葉を!…だがマサツグに向けてではなく

ゼファーに向けて発して行く!…


「…ッ…おいゼファー!!…アンタが飲んだあの小瓶の中身!!…

アレってバイオシアに在ったモンだろ!!…

…そして!…俺の記憶違いじゃなければ!…そいつは!!…」


「…フ、フフフッ!…さて、何の事かな?……ッ…」


その際若干焦った様子でゼファーが飲んで見せたあの小瓶の中身について!…

モツが何か知っている様子で尋ねて行くと、ゼファーもその問い掛けをされた事で

ピクッと反応をして見せ!…が、その問い掛けにちゃんと答える事は決してなく…

それこそ誤魔化す様に不敵に笑い!…次には徐々に体を起こし、一切炎を弱める

事無く!…またマサツグ達に対して抵抗の意志を露わにすると、余計にモツ達は

困惑!…そこまでするのか!?と驚いて見せる…


「ッ!?…ッ……本当に…

本当に自分の命より大事な人って事なのか!?…」


「…モ、モツ?…その小瓶の中身って一体?…」


それ程までに愛している人と言えばそれまでなのだが、それでもそのゼファーの

執着振りにやはり異様さを感じてしまい!…と、モツがそんなゼファーの様子を

見て退く様な!…別に軽蔑すると言ったモノではないのだが、それでも自身の命と

引き換えに!…そこまでするのか!?と生存本能的な意味で如何にも戸惑いの様な

モノを感じて居ると、一方でマサツグが疑問を!…モツにある質問をし始める!…

と言うのもモツが知って居る?あのゼファーが飲んだ小瓶の中身で!…

アレは何?と尋ねて行くと、モツはゼファーを注視しながら返事を口に!…


「…[]!!…

簡単に言うと鹿!!…けどこれはそんな生易しいもんじゃなくて!!…

だ!!!…」


「ッ!?…ちょ!?…はぁ!?…」


それは如何やら[生命等価交換薬]と言うらしく、モツは焦った表情のまま

如何言う薬なのか?をマサツグに話し!…それこそ時間が無い事から簡単に

説明をして見せ!…と、その説明を聞く限りとても良薬には聞こえて来ず!…

マサツグもその説明を聞いて当然更に戸惑い!…思わず間違って飲んだのか!?と

そんな疑問を持って行くと、一方で更にモツの説明は続く!…今度は何処でそれを

知ったのか?までも話して見せる!…


「…さすがに俺も資料で見た程度だから実物は見ていないんだが!!…

それでも俺やヤブを同時に相手にしているところを見ると!…恐らく!!…」


モツは具体的に何処で見たのか?は語らないが、それでも資料で見た事を口に!…

と、ここまでの道中でそんな資料が読めそうな場所は?と言えば一か所しか無く!…

となるとマサツグも次には何と無く察し!…一方でモツもそれらを話して!…

今の状況から自身の推理が合致しているであろう事を更に話すと、マサツグも

これまた戸惑いを覚え!…そしてモツへ更に質問を口にする!…と言うのも次に

気になるのはその薬の効果時間で!…


「ッ!?……ッ!!…ち、因みに効果時間は!?…」


「…分からない!!…人によって効力が違うらしくて!!…

その不安定具合から廃棄が決まった薬みたいだったからな!!…

…けどあの時見た小瓶は間違いなく!!…」


それこそ思い付いた様にハッとして見せ、そして効果時間について尋ねて行き!…

と言うのもこれは自分達がピンチなのでは!?と…或いはゼファーが危ない!と

言った両方の意味が取れるそんな反応を露わにすると、モツもそんなマサツグに

対してちゃんと返事!…しかし分からない!と言って見せる!…何でも元より

薬と呼ぶには危ないモノで、資料で見た限り廃棄となって居たらしく!…

が、現にゼファーが飲んだ事を気にして居り!…モツ自身慌てて居り!…

その薬を服用した事で何をして来るのか!?と言った警戒具合を強めて居ると、

マサツグの慌てる様子を見てか!…ゼファーが不敵に笑い続ける!…


「…フフフッ!…随分と余裕があるようだね?…」


__…ッ…バシュウウウウゥゥゥゥ!!!!…ッ!?!?!?…


それはまるで自分が心配されている様に感じた具合で言葉を漏らすと、次の瞬間

全身に纏う黒い炎の火力を更に上げ!…となるとその容姿はまるで魔神にでも

なったかの様に更に変貌!…もう辛うじて人と分かるのは顔のみで!…それ以外は

轟々と燃え盛り辺りにあるモノ全てを焦がさん勢いに火柱を上げると、それを見て

マサツグとモツももう一段階上の驚きようを!…まさに火事場を目にしている様に

戸惑って見せる!…するとそんな状態になった上で…ゼファーも落ち着いたそんな

様子を露わにすると、今になってモツの疑問に答え始め!…


「…確かに…君の言う通り私が飲んだのは[生命等価交換薬]!…

だが私には都合がいい薬でね…私専用である程度…

廃棄されないようストックして置いたんだ……まぁ…

私以外が飲めば如何やら発狂したのち精神が崩壊…

それはそれは酷い事になるらしいけどね…」


何でも小瓶の中身はお察しの通り、[生命等価交換薬]とゼファーは話し!…

と、あの時服用した理由についても話し始め!…それは自分にとっては良薬!と…

さも元から自分専用の薬であるよう笑いながら話すと、他の者が飲んだ場合の

末路についても触れ!…その様子を思い出した具合にクククッ!と笑う!…

それは本当にすこぶる調子が良くなった様子を露わにすると、マサツグが

思った事を口に!…


「ッ!?…そ、そんなモノを!?…てかこれは!?…」


「……丁度良い感じ君達が私の体力を奪ってくれた…

だから漸く私も本領発揮と言った所なんだ…」


何でそんな危なっかしいモノを!?と疑問を口に…が、その言葉を言い切る事は

そのままなく…それよりも今目の前に映っている火達磨のゼファー!…

ダメージを負って尚も何故ここまで炎上出来るのか!?と言った戸惑い様を露わに

すると、その事についてゼファーも律義に説明!…何ならお礼を言うよう本領発揮

と語って見せる!…寧ろ見ているこちらからすれば力が暴走しヤバい状態である様に

見えるのだが、ゼファーはそんなマサツグ達を余所に改めて武器を構え直し!…


__ッ!?……チャキッ!!…


「…[道化]を演じられるのは自分だけと思っていたのかな?…

…フフフッ!……甘い…実に甘いよ、君達は…」


その際腕が更に増えると言った事は無いのだが、それでもモツが斬った炎の腕は

復活しており!…何なら途端にマサツグを嘲笑うよう言葉を口にし始め!…

と言うのも[道化]を演じると言うのは自分だけでは無い!と…まるでマサツグが

ここに来るまでの道中を!…ずっと見て居たかの様に突如小馬鹿にするよう話しを

すると、それを聞いたマサツグとモツはもう一つ戸惑う事に!…だが一方で

ライモンドとエイブレントはゼファーにこれまた疑問を向けて行く!…


〔…やはりこの者、様子が可笑しい!!…この者は一体!?…〕


〔…おいテメェ!!…テメェは一体何モンだ!?…

人の皮を被った悪魔!!…って、それはそれであってるか?…

…とにかく!!…人でも悪魔でもねぇ!!…

テメェの正体を名乗りやがれ!!!〕


と言うのもやはりずっとその正体が気になって居た様子で、これだけの火柱を

起こせる!…いや、身に纏う事が出来る者が人間な筈が無い!と考え…

その際ゼファーが悪魔なのでは!?と考えた様子でもあるのだが、それもやはり

違う!と…これも魂の形や色から識別!…故に何者なのか分からない!と言った

戸惑いをエイブレントが見せて行くと、一方でライモンドが単刀直入に言葉を!…

苛立ちをそのままぶつけて行く!…その際エイブレントと同じ事を考え悩んで

いた事を口にすると、そのライモンドの言葉にゼファーはピクッと反応をして

見せ!…


「ッ!…私の正体?…私の正体など気にして…何になると言うのかな?…」


〔ッ!!…うるせぇ!!!…

ごちゃごちゃ抜かしてねぇでとっとと答えろ!!!…

お陰で如何にもやり難いんだよ!!…こっちはぁ!!!…〕


それはやけに食い付いたよう目に見えて反応!…そしてライモンドの質問を

嘲笑い!…答える気のない様子で逆に質問を返して行くと、そのゼファーの

言葉に今度はライモンドがカチンッ!と…やはり売り言葉と取った様子で

噛み付いて見せる!…その際感情のままに吠えるようもう一度文句交じりに

言葉を投げると、その言葉を受けてゼファーがまたピクッと反応をして見せ…


「……フフフッ…随分な口の割に神経質の様だ……鬱陶しい!…」


「ッ!…え?…」


それこそここに来てまた感情を露わにして見せ!…と言うのもゼファーが苛立って

いる様な…何か気にして欲しくない様なそんな反応の様に感じられると、その反応に

何故かマサツグとモツもピクッと反応!…思わず気になって見せてしまう!…

そしてマサツグが気になった様子でポソッと言葉を零して行くと、次にはゼファーが

そんなマサツグの言葉に機敏に反応!…そして振り向くなりマサツグ目掛けて攻撃を

始め!…


__ッ!!…シュボオォォ!!!…ゴワアアァァァ!!!…


「ッ!?…ちょ!?…」


「ッ!?…ヤブ!!…」


宛ら逆鱗に触れてしまった様に!…その腕に炎を握って行き!…瞬時に剣を

生成してマサツグに向かい攻撃を仕掛けて行くと、マサツグも突如ゼファーが

向かって来た事に動揺!…更にモツも慌てて見せる!…その際一体何が原因で

突如攻撃を仕掛けて来られたのかが不明ではあるが!…いや心当たりは一つ

有るのだが…とにかくゼファーが全ての腕を振り被り!…マサツグに攻撃を

仕掛けて行くと、マサツグもここで更に攻撃の手数を!…咄嗟に腰の刀に

手を掛ける!…


__チャキッ!!…グルンッ!!…ズギャギャギャアアァァンッ!!!…


この時左手に大剣を握っており、本来利き手である右手は現在フリーな訳で!…

となると当然右手で刀を握る事になって行き!…その際抜刀する勢いに任せて!…

その場で一度無駄にクルリと身を翻す様に回って見せると、これまたその勢い

そのままに刀を水平に振り抜く!…と、同時に大剣も水平に振り抜いて見せる!…

それはまるで漢字の二を描くよう綺麗に放つと、その両手の武器はそれぞれ

襲い来るゼファーの攻撃を全て弾き!…更に仕掛けて来たゼファー自身をも

怯ませ!…


「ッ!?…クッ!!…」


__…ザザアアァァァ!!!…シュボオォォ!!!…


何ならその手に持っていた炎の剣を見事に悉く粉砕して見せ!…その際ゼファーも

後ろへ吹き飛び!…だが大してダメージも負っていない様子で…難無く受け身を

取ってマサツグから距離を取ると、またその手に炎を!…無限生成で剣を握る!…

が、面食らった事に変わりはなく!…と言うのも片手にそれぞれ大剣と刀を握って

振り回す光景に戸惑いの表情を浮かべ!…それは到底常人が出来る筈もない

扱い様で!…よもや!と言った具合に困惑して行き!…一方のマサツグも何とか

攻撃を対処出来た事でホッと安堵して見せると、息を切らす!…それこそ反射的に

やって見せた事を物語る!…


「ッ!!…だはあぁぁ!!…ハァ!!…ハァ!!…

…あっ…あっぶなぁ!?…」


「ヤ、ヤブ!?…大丈夫か!?…」


「ッ!…あ、あぁ…何とか……にしても…」


マサツグはその場で崩れる様にして酷く戸惑い、何なら自分でも良く動けた!と

ばかりに危なかった!と本音を漏らし…となるとモツもそんなマサツグの事を

心配して声を掛け!…その際未だ動けないマサツグのカバーに入るよう!…

ゼファーの動きに警戒をしながら身構える素振りを露わにすると、マサツグも

モツに大丈夫である事を気の抜けた様子で返事!…そして同時に何か気になった

具合に言葉を続ける!…と言うのもやはり気になった事と言うのはゼファーが

正体を詮索された時の反応で、モツもそんなマサツグの言葉を聞いて同じく

疑問を持ち!…


「…急に様子が変わったな!…

それだけ触れて欲しくないって事なんだろうが…」


「…逆にここまで反応されると気になる所ではあるよな?…

…鬼が出るか蛇が出るか……ッ…」


それこそ別に詮索をする気も本来なら起きない筈ではあるが、相手がゼファーと

なると事が変わり!…と言うのもこれも扱い様によっては動揺を誘え!…

その動揺から隙を!…しぶといゼファーを倒すきっかけになるやもしれない事を

考えると、余計に気になる事となり!…が、先程見た通り触れただけで

あの怒り様!…まだ序の口ではあろうが、それでも逆鱗に触れる事によって

ゼファーを暴走させるかもしれない事を考えると、ある意味ギャンブルの様な!…

二人はゼファーをジッと見詰める!…そしてマサツグも徐々に体勢を立て直して

スッと構えて直して行くと、ゼファーは警戒を強め!…


__…シュボオォォ!!!……ッ…


〔…おい…とことん詰めるぞ!!〕


〔ッ!?…な!?…お前は何を言って!!…〕


それは先程のマサツグの反撃から迂闊に攻撃を仕掛けても無駄だと悟り!…

元の相手の動きに注目する構えを露わにして行き!…しかし一方でライモンドも

そんなゼファーの様子に気が付いたのか、次には敢えて神経を逆撫で!…

触れて行く事で早期決着を目指す様な口振りを叩いて行くと、そのライモンドの

言葉にエイブレントも困惑!…有り得ないと言った様子で慌てて見せる!…

そして戸惑いの言葉を漏らして見せるのだが、ライモンドは御構い無しに

詮索をし始め!…


〔…テメェの魂を見る限り!!…多分だが半分は[人間ヒューマン]の様だな!?…

…だがもう半分は間違いなく[人間ヒューマン]じゃない!!…

何か異質なモン!!…人外である事は確かなようだ!!…〕


〔ッ!?…お、おいライモンド!!!…貴様モツ殿達を殺す気か!!!!〕


この時自身が分かる!…見える範囲でわざわざ挑発をする様に言葉を口に!…

それは何かのハーフであるよう!…純粋な[人間ヒューマン]とはまず違う事を口にすると、

更にその魂は異質!と…まるで化け物であるよう話しをする!…するとそんな

話をし始めた事でエイブレントも慌て出すと、次にはマサツグ達を殺す気か!と

言って止めようとし!…が、時既にお寿司と言った様子でも同時に在り!…

ライモンドがそんな事を言い出した事で!…ゼファーも聞き逃せなかった具合に

ピクッと反応をして見せると、やはり感情的になったよう!…

また様子が急変する!…


「ッ!……ッ…」


__…お前は…ッ~~~……所詮……


その際ゼファーの様子はライモンドの言葉がきっかけで何かを思い出した様な!…

若干俯くと小刻みに震え!…この時ゼファーの頭の中でとある記憶が紐付けられて

いた様にフラッシュバックが起きてしまうと、それは誰かに何かを言われている!…

幼少期の思い出したくない記憶となってゼファーの頭を占領する!…

だがそれも完全に思い出した!…いや、やはり思い出せない様にして居るのか!…

ノイズ交じりに聞こえて来ると、その出来事を思い出した事でプルプルと怒りを

露わにし出し!…


「……黙れ…」


〔…テメェの容姿と合わせて考えて行くとぉ~?…

まずは[獣人ハーフリング]じゃねぇなぁ?…

テメェにはちゃんとした人間の耳が付いている!…

[獣人ハーフリング]って線は勿論論外だ!!…〕


まるで呟く様にしてゼファーは文句の言葉を口に!…それは今ここで黙れば

まだ赦してやる!と…まだ怒りを抑えるトーンでハッキリとマサツグ達にも

聞こえる声で言ったのだが、ライモンドは全く気にしないどころか御構い無し!…

更に煽るよう言葉を続ける!…と言うのもそのゼファーの容姿からそれぞれの

種族の特徴と照らし合わせる様な!…そんな言葉をを続けて行くと、まずは

獣人族とは違う!と言い…となると一向に落ち着かないライモンドに対して

エイブレントも言葉を!…


〔おい止めないか!!!…本当にトンデモナイ事になるぞ!!!…〕


〔じゃあさっきも言った[悪魔ディアボロス]は如何だって話だが~?…

それも違うだろうってのがよく分かる!!…なんせテメェには角も尻尾もねぇ!!…

…となるとその点を加味すると[竜人ドラゴニュート]!!…[オーガ]とか言った種族とも違う!!…〕


やはり止めるよう言葉を口に!…その際ライモンドへ詰め寄り、無理やりにでも

その口を塞ぎたい所ではあるのだが!…互いに闘気と言うモノでなって居る為、

如何にも出来ず!…故にライモンドは留まる事を知らず、更にドンドン!と…

他の種族の名前を上げてやはり違う事を指摘すると、ゼファーの神経を逆撫で!…

そして徐々にその選択肢の幅を狭める様な!…とにかく煽り続けるそんな言葉を

口にすると、更にゼファーの怒りを露わに!…ライモンドに再度文句を言う!…


「…黙れと言っている!!…」


〔じゃああと残っている種族はって言うとぉ~?…

[エルフ]に[天使セレスティア]…後は[リッチ]とか言うアンデットだっけか?…

じゃあ[エルフ]に関してはさっき言った通り!!…

耳が尖ってねぇ事からそれも外れる!!…何なら翼も見られねぇ!!…

[天使セレスティア]って線も消えて行く!……残るは一つ!…

[リッチ]って線だが…そもそもそう言った事自体が出来ねぇ!!…

出来ない事はねぇって話だがぁ?…〕


それは二度目と言う事でもう容赦はしないよう更に声を荒げて見せるのだが、

尚もライモンドの言葉は止まらず!…それこそ自身の知って居る種族で更に

当て嵌まらない事を飄々と言うと、人外である事を際立たせ!…

何なら一番触れてはいけないであろう天使についても語り出し、当然!と

ばかりに当て嵌らない!と…と、その際何か豆知識めいた事も口にするが…

それよりも遂に我慢の限界が来た様子で!…ゼファーがブツン!とライモンドに

ではなくマサツグに対して睨みを利かすよう視線を向けると、これまた

マサツグもそんな視線を向けられた事で戸惑う!…何で俺!?と慌て出す!…


__ッ!!…シュボオオオオォォォォ!!!!……ッ!?…


「…三度目は無いぞ!!…今ここで貴様を黙らせてくれる!!…」


「ッ!?…お、俺ぇ!?…」


その際ゼファーの頭の中ではまだ何か言葉が響いているのか、頭を抱えるそんな

素振りを見せるのだが!…そんな事よりライモンド!と…この時宿主である

マサツグに睨み!…ノイズを元から断とう!とマサツグに身構えて見せて行くと、

もう攻撃をする事しか考えていない!…自身のペースを自ら乱す!…となると

ライモンドの狙いとしては成功なのだが、それを対処するのはマサツグであり!…

となるとそんな怒りの矛先を向けられた事でマサツグも慌て!…身構えて居ようとも

その圧は凄まじく!…今にも飛んで来そうなゼファーに思わず引け腰になると、

一方でエイブレントがライモンドに文句を!…罵倒するよう言葉を吐く!…


〔貴様は本当に!!!…ッ!!…

考え無しにもほどがあるだろうが!!!…

この脳筋大馬鹿者ぉ!!!!…

そんな事すればこうなる!!!…〕


〔こうしないといけねぇからやったんだろうが!!!…〕


__ッ!!…ッ?…


それこそ禁忌に触れた様な怒り様を露わにすると、ライモンドを考え無し!と…

となると後はボロクソに文句を言うよう叱咤の言葉を!…とは行かない様子で

ライモンドがぶち切り!…と言うのもライモンド自身賭けである様な!…

ワザとこうした様に自身も緊張を覚えている様子で反論をすると、まさかの反論に

エイブレントがビクッ!と…気圧された様に黙ってしまう!…そしてその言葉の

意味が分からない様子でライモンドに視線を向けると、ライモンドはそんな視線に

気が付いているのか?…それでもやはり特に説明をする事無く話しを進め!…


〔…とにかく!!…これでやっとまともに戦える状態になった!!…

…正真正銘!!…この一瞬でケリを付ける事になる!!!…遅れるなよ?…〕


〔ッ!?…ラ、ライモンド…お前?…〕


何なら本人曰くアレを大真面目にやった様子でとにかく緊張!…

そして向かって来るであろうゼファーを見詰め!…エイブレントに身構えるよう

これが最後になる言葉を掛けて行くと、そんなライモンドの言葉にやはり困惑!…

いつもと違う様子に戸惑ってしまう!…一方でゼファーに睨まれているマサツグは

引け腰ながらも両手に剣を構えて行くと、モツも戸惑った様子で直ぐにカバーに

入れるよう構え!…が、勿論そんな二人の事などお構いし!…次にはゼファーが

憎さ百倍の様子で襲い掛かり!…


「…私の馬鹿にした事!!…後悔させてくれる!!!…」


__ンバッ!!…ッ…ギュンッ!!…


「ッ!?…バック!!!」


この時ゼファーは恨み言を口にすると、大きくマサツグに向かい飛び上がり!…

そして眼下に居るマサツグを捉えながら次には降下をして見せ!…するとその様子は

宛ら隕石でも降って来たかのよう!…何ならゼファーの顔だけは見えている事から、

某・東方不敗の様な!…その際も手に持つ剣をマサツグに向かい突き出し!…

一撃で確実に仕留めようとする殺意の高さを露わにすると、モツもそれを見て慌てて

マサツグに指示!…バックステップを口にする!…するとマサツグもその指示を

受けてハッと我に返るそんな反応を露わにすると、慌ててゼファーから逃げて

見せ!…


「ッ!?…う、うわあぁあぁ!?…」


__ババッ!!…ドゴオオォォン!!!…ッ!?…ッ~~~!!!…


何なら情けない声も漏らす羽目となってしまい!…だが一方でマサツグが居た

場所にゼファーが落下して行き、床に着地をした瞬間火柱を!…音を立てて

文字通り大炎上を巻き起こし!…その熱量も凄まじく!…迂闊に近付けない

どころか逃げた後でも吹き飛ばされそうになって行くと、まだゼファーの攻撃は

止まらない!…更に猛攻がマサツグを襲う!…それは着地から約十数秒経った

辺りでその火柱の中からゼファーがバッと姿を現すと、逃げたマサツグに向かい

斬り掛かり!…


__バシュンッ!!!…ゴオオォォ!!…ッ!?…


「逃さない!!!」


火柱を置き去りにしてゼファーが突貫!…迷う事無くマサツグを襲い!…

その腕全てでただマサツグだけを滅多斬りにする勢いを露わにすると、

モツもそんなゼファーの行動に反応が遅れる!…カバーに入れず戸惑って

しまう!…その際ゼファーもマサツグに対して絶対に逃がさない事を

口にすると、容赦の無い一撃!…いや無数の斬撃をお見舞いしよう!と…

が、マサツグもそんなゼファーの様子に対して次には反応!…


「ッ!?……ッ!!…あ、そうか…そう言う事か!!…」


それこそ最初ゼファーが飛んで来る様に向かって来た事で戸惑うのだが、

この土壇場でふとある事に気が付いた様子で!…と言うのも今度は一人納得!…

そして理解出来た様子で言葉を零し!…途端にスンッと真剣な表情に戻って

見せると、向かって来るゼファーに対して真っ向から勝負!…迎え撃つ姿を

露わにする!…それはもう何も怖くない!と言った晴れ晴れとした表情にも

見えて行くと、そんな表情で向かって来た事にゼファーも戸惑い!…


__ッ!?…ッ!!!…


「つまりそう言う事でいいんだよな!?…

俺が倒してしまっても構わないんだよなぁ!?」


「ッ!?…ちょ!?…」


が、だからと言って退く様子は見せる事無く!…共に真正面から向かって行き!…

その際マサツグがライモンドの真の狙いに気が付いたよう!…確認をする言葉を

口にすると、その最後で馬鹿なのか何故かフラグめいた言葉も続け!…

となるとモツがその言葉を聞いて途端に慌てる!…それこそツッコミを入れたそうに

漏らして見せると、一方でライモンドもマサツグが気付いてくれた事にニヤッと

笑い!…するともう何も言わない様子でマサツグに力を!…ブチギレたゼファーに

引導を!…文字通りこれで最後にするつもりでマサツグが果敢に向かって行くと、

またこの時その場の不釣り合いな振り子時計がカチリ!と…針が十二時の方へと

近付くのであった!…

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俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス
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よくある話の異世界召喚。 ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん) いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ? 王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。 だけど、夢にみた迄の異世界… 慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。 自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 現在書籍化されている… 「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」 の100年前の物語です。 リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。 そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。 その作品の【改訂版】です。 全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。 今回のHOTランキングでは最高5位かな? 応援有り難う御座います。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
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 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

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俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
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『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

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