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-第八章-

-第八章二十九節 怨霊騒ぎの結末とブチギレの老人と土塊人形-

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結局の所戦闘時間としてはものの数十分!…しかしマサツグ達の本当の実力を

知るには十分で、パルメリアにフィロノマール!…それぞれが如何にも二人に

勝てない事を悟って行くと、脱力するようその場にへたり込む!…そして歯を

食い縛り悔しさを滲ませるそんな表情を露わにする!…その際バルディアナの

言う[歯向かえない]と言う言葉に疑問を持つと、所詮は言い訳であろう!と

結論付け!…まるでバルディアナの事を腰抜けの様に考え始め!…いや寧ろ

マサツグ達に寝返った様な!…とにかく自分にとって都合のいい?そんな解釈の

仕方をして行くと、一方でマサツグがフィロノマールに対して怒りを!…

遂には拳が飛び出す始末に!…


「…まぁとりあえず…」


__ガッ!…グイッ!!…


この時二人の様子を見てマサツグも空気を読むよう一旦待って見せると、次には

会話が終わった!と感じるや否や行動を!…と言うのもスッとフィロノマールに

近付き始め!…相手の攻撃が飛んで来るであろうが御構い無し!…寧ろ出来るのなら

やって見ろ!とばかりに堂々と目の前に立って見せると、今度はスッと腕を!…

フィロノマールの胸倉に向かい伸ばして行く!…そしてグッと捕まえた所で続け様に

グイッと引っ張って見せると、その突然のマサツグの行動にフィロノマールも

驚き戸惑い!…


「ッ!?…な、何を!!…」


「歯を食い縛れ!…」


一応目の前で動かれているのでフィロノマールも分かって居るが!…ずっと独りで

暴れていた様な状態であった為、TPの回復が中々追い付かず!…と、そんな中で

遂にマサツグの攻撃が始まり!…となると動揺が隠せず!…その際思わず慌てる様な

動揺の言葉を口にすると、一方でマサツグは一言だけフィロノマールに言葉を!…

そして次にはまるで雷の様な!…鋭い右ストレートをフィロノマールの左頬に

向かって放って見せる!…するとその場で綺麗に左頬を捉えたであろう音が辺りに

生々しく響いて行くと、喰らった方も悶絶し!…


__グオォ!!…バキイィ!!!…ッ!!…ッ~~~!!!……


その際マサツグの一撃はまるでフィロノマールの首を刎ね飛ばさん勢いで刺さって

行くと、フィロノマールもその余りの衝撃に一瞬意識が飛んでしまい!…すると当然

その衝撃に改めてヤバい!とそう感じ…そう何度もマサツグの攻撃を貰えない事を

認識すると、とにかく意識が飛んで行かないよう今は踏ん張る!…一方でマサツグは

未だ怒りを感じている様子で!…グッと自身の顔をその悶絶するフィロノマールに

近付けると、思った事を吠えて見せる!…


「…言っておくがバルディアナを引き込んだ覚えはないからな?…

何なら何でビビッてるのかも勿論知らねぇ!…

…けどそれでもテメェらの仲間!!…そうである事に違いはねぇだろ!?…」


それは別にバルディアナを魔王軍へ寝返らせた訳ではない事を話して行くと、

その今の状態についても知らない!と…が、こうして言った所で勿論信用して

貰える筈が無い訳で!…だが結局の所マサツグの言いたい所はそうではなく!…

言いたい事と言うのはその扱い!…バルディアナを目の前で杜撰に扱った事!…

これが何より許せない事を吠えて行くと、フィロノマールも意識が飛びそうながらに

返事を!…


「ッ!…な、仲間?…」


「そうだ!!……それを…それをテメェは!!…

さっきからまるで使えねぇ道具を見るみたいに!!…

好き勝手乱暴を働きやがって!!!…ッ~~~!!!…

見ているこっちは胸糞が悪ぃんだよ!!!…このクソが!!!」


それこそか細く消えそうな声で一言仲間?と零して行き…しかし何を言っているのか

分かって居ない様子でも有り!…一方でその言葉を聞いてマサツグが立て続けに!…

自身の怒りを大いに露わにしながらフィロノマールへ更にぶつけて行くと、見ている

こっちの気分が悪い!と…次にはフィロノマールを投げ飛ばしてしまう!…

それも思いっきり地面に叩き付ける様にして投げて行くと、フィロノマールの身体は

地面に弾む様にして転がり!…


__グオンッ!!…ドシャッ!!…ザザアアァァ!!!…ゴロゴロゴロゴロ!!!…


「ッ!!…ッ…ッ~~~!!!…」


となるともはやどちらの方が悪役なのか?…パッと見だと完全にマサツグが悪者と

化して居り!…その容姿と相まってこれまた邪悪な者の装って居ると、その様子は

例の宙に浮かぶ大画面で映し出され!…それは魔王以上に魔王をして居る様に見え!…

言っている事は至極真っ当!…だが容姿の方が勝っており!…これまた敵軍に対して

プレッシャーを掛ける事態となって行くと、一方で投げられたフィロノマールは

怯み続ける!…その際気になる言葉も口にし出す!…


「ッ!!…ッ~~~!!!……バ、鹿な!!…こ…んな!…筈…じゃ!…

ガハアァ!!!…ハァ!!…ハァ!!…ッ…い、言う通りに…動…けば!…

あの…方に!…あえる!……っと!…」


「ッ!…あの方?…」


と言うのもフィロノマールのこの行動?と言うのは、本来のデグレアントの

目的とは別に理由があったらしく!…と、今の現状を受け入れられない様子で

苦しそうに言葉を漏らし続け!…その際誰かに言われてそう動いて居た感じに…

更にはフィロノマールの本当の目的と言うのも!…誰かに会いたかった様子で

まだ死ぬ訳には行かない!と言った藻掻く様子を見せ始めると、その言葉に

マサツグもピクッと反応!…興味を持った様に言葉を零す!…そして地を這う

フィロノマールの事を見詰めて居ると、一方でパルメリアもダグレスの亡霊に

解放された様子で錯乱し始め!…


〔ッ!?…あっ…アアァァ!!…

パルメリア!!…パルメリアアアァァァ!!!………〕


「ッ!?…ダ、ダグレス様!?…ダグレス様!?!?…

ダグレス様アアアアァァァァァァァァ!!!!…」


それはフィロノマールが術を維持出来なくなった事でダグレスが霧散する事に!…

恨めしそうに言葉を漏らし!…早く何とかしてくれ!とばかりにパルメリアの

名前を必死に叫ぶが、敢え無くそのまま霧散!…姿を虚空に消してしまう!…

すると一方でパルメリアもダグレスの声が突如スッと聞こえなくなった事で途端に

ハッと我に返ると、次には辺りを見回しダグレスの名前を叫び!…が、幾ら見回し

名前を呼んだ所で返事はなく!…それはある意味で廃人になってしまった様な…

半狂乱のパルメリアが物悲しい姿を見せており!…モツもそれを見て何かやるせない

気分になって行くと、取り敢えず瓢箪をポーチに仕舞う!…そしてパルメリアに

思わず同情する様なそんな事を考えてしまう!…


{…アイツの何処をそんなに気遣えるのかが不思議なとこだが…

こうなってはもう…それに真実を話した所で信用して貰えそうにないって言うか…

実際止めを刺したのは俺だからなぁ…って、何でこんな後味の悪い気分に!…

…クソッ!!…全部どれもこれもアイツのせいだ!!…

…死んでまでまだ影響を与えてくんのか!?…}


その際何故おそこまであのダグレスの事を気に掛けられるのか?が不思議な

所では有るのだが、何を言っても無駄そうである事をその様子から悟り!…

と、次には後味が悪い気分で一杯になり!…またダグレスに対してムシャクシャ!…

未だ消えてもまだ何かしら影響を与えて来るのか!?と鬱陶しさを感じて居ると、

一方でパルメリアはもう壊れた玩具の様…ただひたすらにダグレスの事を

叫び続ける!…そして魔術師達との戦いも呆気なくこれにて終わりと思われて

行くのだが、そうは問屋が卸さない様子で!…


「……許さぬ…許さぬぞ!!…」


「ッ!…ん?…」


「え?…今度は?…」


この時その出来事と言うのは囁く様に!…確かに許さない!と聞こえ始め!…

マサツグとモツもその言葉を聞いてピクッと反応をして見せると、その声の

聞こえた方へ振り向き!…そこで何か小刻みに震えるヴァンドルイドの姿を

見つけて行く!…それこそまるで怒りに震えている様に当然見えると、二人も

それぞれ言葉を漏らし!…が、一方でヴァンドルイドの怒りは凄まじいモノに!…

それはヴァンドルイドの震えに比例するよう!…徐々にヴァンドルイドを中心に

地震の様な揺れが発生し始めると、勿論そのあり様に二人も戸惑い!…


__プルプルプルプルッ!!……ッ…グゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…


「ッ!?…な!?…」


「本当の敵はコッチだったってか!?…」


当然こんな展開に驚きを隠せず!…二人は揃ってその場にしゃがみ!…

それこそ一旦揺れに耐えるよう慌てながらも!…落ち着き行動するそんな素振りを

見せて行くと、一方で愛国心の様なモノに火が点いたのか!…ヴァンドルイドが

更に怒りを露わにする!…それは炎上する雪崩除けの壁に向かって両手をバッと

広げて見せ!…さも天に祈るようゆっくりその広げた手を合わせて行くと、次には

グッとその重ねた手を自身の顔の前に持って来て!…


「んんんんんんんん!!!!……ッ!!!…ヌゥン!!!!」


__グゴゴゴゴゴゴゴ!!!!……ッ!!!…グシャアアアアァァァァァ!!!!…


「「ッ!?…な!?…ッ!?!?…」」×2


と、同時にその場で何故か大きく力みんで見せ!…するとそのヴァンドルイドの

動きに連動するよう!…今度はその雪崩除けの壁が何やら?…音を立てて崩れる様に

大きく揺れが見られ出すと、次には恐るべき事が!…マサツグとモツの目の前で

その壁がグシャッ!と潰れてしまう…それは壁と壁の両端からグッ!と一纏めに

なるよう思いっきり!…跡形もなく行ってしまうと、その場に居たであろう

人狼達を巻き込み!…となるとそんな様子を目にして勿論動揺を隠せず!…

次には二人揃ってヴァンドルイドに視線を向け!…ヴァンドルイドもその視線に

気が付いた様子でピクッと反応をして見せると、クルッと振り向き!…

そこで鬼の形相を露わにする!…


__ッ!……ッ…クルゥリ…ッ!?!?…


「……如何やら少々…アナタ方はやり過ぎてしまった様じゃ!!…

これ以上はもう好きにはさせん!!…我が全力を持ってお相手しよう!!…」


__カアアァァン!!!……ッ!?……ッ…


そこには先程まで唖然とし戸惑い続ける老人の姿は何処にもなく、在るのは

まるで復讐に燃えるよう恐ろしい形相をしたヴァンドルイドの姿で!…

となるとそんなヴァンドルイドの様変わり様に思わずたじろぎ!…しかし改めて

ここからが本番!と…二人揃って本能的にこれが大BOSSである様なそんな

緊張感を持って行くと、一方でヴァンドルイドが二人に対して言葉を!…

ここから本腰を入れて相手をする事を口にする!…その際二人を威圧する様に

カンッ!と音を立てて杖を突くと、それが合図とばかりに徐々に地震が

治まって行き!…と、更にそんな神の御業の様な事をされて二人は戸惑い!…

が、怯みっぱなしではいけない!と…音もなくスッと立ち上がり!…

本気になったヴァンドルイドに身構える素振りを見せて行くと、ヴァンドルイドも

二人を睨む!…と、次にはあの自身の聖堂で見せた自身の分身を作って見せる!…


「…ッ…《我が依り代を模して具現化せよ!!…それは傷付かぬ無痛の体!!…

意志を持ちて歩く姿は我の姿!!…今ここに現れりて!!…

我が目の前に立ち居る敵を蹂躙せよ!!!…[創造せし土塊人形クリエイト・ソイルゴーレム]!!!…》


__…ッ…ボゴッ!!…ボゴボゴボゴボゴオオォォ!!!…ッ!?…


それはある意味で!…いやまるっきりホラー展開!…他の魔術師達と同様自身の

足元に魔法陣を展開、そして魔法陣内にやはりボゴッ!と土の山を作り…

と、次の瞬間その土の山からマドハ○ドが生え出し!…ニョキッ!と勢い良く

手が伸びて!…地面に手を付くようクッ!と力を入れる素振りをそのマドハ○ドが

見せて行くと、次には自身の体をその土の山から引っ張り出す様に!…

徐々に全体の姿を作って見せる!…それはまるで地中に埋まって居たゾンビが

出て来る様にウゴウゴと無数に姿を現すと、もはやSAN値チェックが入りそうな!…


「…ヤ、ヤベェな!?…」


「…俺こう言うの何か洋画で見た事ある!…」


と言うのも思わずその出て来る様子に鳥肌を立たせ、そして現実リアルにこの光景を

目にした事にも驚きを感じ!…と言ってもマサツグはこれで二度目の体験で有り、

一回目は夏海原にて本物のゾンビで体験しており!…が、しかし慣れない様子で

言葉を零し!…一方でモツは初見なのか?…思わず映画で見た事が有る!と言葉に

すると、やはり現実リアルに体験するとは思っても居なかった様子!…同じく鳥肌を

立たせしまう!…するとそんな二人の反応を見てヴァンドルイドもフッと不敵に

笑って見せると、次にはご丁寧に忠告を!…


「…お覚悟なされよ?…

これはパルメリアの水の兵より強力と言っても過言ではありませんからな?…

…もっとも?…手心を加える気は元より無い訳で御座いますが!…」


それこそパルメリアの呪文とはまた違う!とばかりに…余程自信がある様子で

堂々とした態度を露わに!…その際それは自身の若い頃を模したモノなのか?…

自身の周りに等身大の武器を握らせた土のゴーレムを量産すると、同時に手加減は

しない事を口に!…と、次にはマサツグとモツに向かいそのゴーレム達を

嗾けさせる!…するとそんなゴーレムが向かって来た事で二人もハッ!と

慌て出すと、特にモツが注意を呼び掛けるようマサツグに声を掛けて行き!…


「ッ!!…来るぞ!!!」


__ッ!!…ッ…チャキッ!!…


と、何が有るか分からない事を仄めかす様に!…この時簡単に一言言葉を纏めて

話し!…その言葉を受けたマサツグも途端に集中をしてスッと大剣に手を伸ばすと、

明らかにフィロノマールを相手にした時とは違う態度を露わに!…その向かって

来るゴーレム達を迎え撃つ!…そしてそのヴァンドルイドのゴーレムがその手に

持つ武器を掲げて襲い掛かろうとして来ると、マサツグもそれに合わせて翼で

まずは弾ぎ飛ばそうとするのだが!…


__タッタッタッタッタッ!!…ッ!!…ヴァッサアァ!!!…


「ッ!?…お、重!?…ま、まぁそれでもいけない事も無いが…

それでも直に相手にした方が早そうか!…」


意外と機敏に動くゴーレムに対してまるで羽箒の様に!…が、水や炎とは違い

そこにはしっかりと質量と言うモノが存在しており!…そう簡単に上手く弾き

飛ばせない事が翼越しにズッシリ!と…伝わって来てマサツグが思わず重い!と

言葉を零して行くと、同時に戸惑う反応も露わにする!…そして次には下手に

弾くと言った事をしない方が早いのでは?と結論付ける!…一方でその試した

ゴーレムは弾き飛ばすと言うより…まるで押し倒された様にしてその場に

ゴロン!と転がって行くと、やはり何ともない様子で直ぐに復帰し!…


__…ッ…グググッ!!…ヌゥ!!…


「ッ!…で、当然の様に無傷!!…

…いや?…顔の形が変わったか?…」


音も無くヌッとまるで人の様に立ち上がり、そしてまたマサツグに向かい

襲い掛かろう!とするのだが…しかし今度は学習した様子で無策に突貫を

するのではなく!…まるで様子を見る様に距離を取り!…しかしいつ攻撃が

飛んで来ても大丈夫な様に!…身構え続けるそんな様子を見せて行くと、

マサツグもそれを見てただの雑魚じゃない!と…警戒を更に強めて見せる!…

その際相手が無傷である事を零して行くが、顔が変形している様子を見つけ…

これはダメージ何かどうかと思わず悩み!…その場で困惑する様な!…

今関係の無い事で一人勝手に固まって居ると、一方でモツの方でも異変が!…


「ハアアアアアァァァァァ!!!!」


それは戸惑って居るマサツグを余所に一体でも多く!とばかりに剣を振るうと、

その大量に居るゴーレムの内の一体に斬り掛かり!…その際勇ましい声を

上げつつエイブレントの剣で頭から真っ二つに切り裂こう!と…剣を上段に

構えて行き!…まるで示現流の様に大きく剣を振り下ろして見せるのだが、

そこで驚くべき光景を目に!…と言うのもそのモツが振り下ろした剣は

確かに頭から真っ二つにするよう、ザックリと刃が通るのだが!…


__フォンッ!!!…ガスッ!!!…ッ!?…


「な、何だこれ!?…刃が、立たない!?…

…いや立っているのか!?…」


しかし完全に斬ってしまう事叶わず、その刃は中途半端な所で止まってしまい!…

その際モツの感覚的にはまるで粘土を相手にして居る様な!…硬過ぎず軟過ぎずの

丁度良い感じ!…が、それが故にその刃は止まってしまい!…言い方はアレに

なってしまうが、人とは違う何か得体のしれない妙な物を相手にしている気分に

なって行くと、やはり困惑!…思わす目の前の様子に問答する!…そしてモツが

その刺さった剣を見て困惑の言葉を漏らして居ると、一方でその中途半端に斬られた

ゴーレムは反撃とばかりにその武器を振り回し!…


__…ヌゥ…ッ!!…フォンッ!!…フォンッ!!…


「ッ!?…あっぶねぇ!!……ッ!!…」


その際体の半分位が裂かれて居ても平気なのか、その手に持つ武器で困惑する

モツに襲い掛かり!…が、モツもそれに気が付くなり機敏に反応!…この時も

決して剣を放さず!…いや放せない様子で何とかその攻撃をしゃがむなり

何なりして回避をすると、そこで漸く剣が反動でゴーレムから抜ける!…

と、モツも漸く安堵する!…そして後退しながら危なかった事を口にすると、

一方で目の前では左右にパックリと裂けた状態のゴーレムがまだ存在し!…


__ズシャッ…ズシャッ…ズシャッ…ズシャッ…


「ッ!?…お、おいおい!…

こんなんちょっとした子供ならトラウマ必至だぞ!?…

…てか如何する!?…思う様に刃が通らないって言うか何と言うか!!…」


何なら未だモツを狙っている様子でゆっくりと近付き!…その異様な出で立ちに

モツも思わずビックリした様子!…まるで何かアンデット系のモンスターを

相手にしている様な!…そんなトラウマ必至のホラー気分になっていると、

ホラーが苦手な者にとっては最悪!と…これまた戸惑いの言葉を漏らしてしまう!…

だがそんな事ばかりを言っている場合では当然無く!…次にはそのゴーレムの

倒し方を考え始め!…


__ズシャッ……ズシャッ……ズシャッ……ズシャッ…


{ッ!?…ど、如何する!?…

頭から腹に掛けてまるでタコさんウィンナーの足みたいになってるのに!!…

まだ平気な顔をして歩いて来やがる!…}


と、倒し方を考えている間にも当然ゴーレムは依然としてモツに接近しており!…

が、さすがに頭を左右に裂かれた事で歩き難いのか?…若干テンポが遅く如何にも

フラ付く様なそんな様子を見せて居ると、そんなゴーレムの様子を見てモツも

更に慌てる素振りを!…しかしずっと慌てているだけではモツとしても勿論

終われない様子で思考を巡らす!…その際色々と心の中でツッコミを入れつつ!…

だがその眼差しではまだ諦めていない必死の様子を露わにすると、まずは基本的な

事から確認をし始め!…


{……ッ!…確かこう言うのってコアがあるって相場が決まっているが!…}


__チラッ?…チラッ?…ッ~~~…


と言うのもゴーレムと言うのだから少なからずコアが有るのでは?と考えて行くと、

まだワンチャンあるようすぐさま目の前のゴーレムに注目をし!…それこそまだ

距離がある事を良い事にジッと目を凝らして見せ!…その裂いた所や他にそれらしい

物がないか?…その他色々な所を見回し見逃しが無いよう確認を一つ一つして行く

のだが、何処を如何見てもそれらしい影も形も何も無く!…となると何も無い事に

これまた言葉を零して行く!…


「…ンなモン何処にもないって感じだな、本当にありがとうございます!!!…

…っでもって如何する?!…このままだと本当に!!…ここまで来てか!?…」


それこそコアが無い事にキレるようモツが文句を漏らして行くと、更に焦りを感じて

いよいよ万事休すか!?と…敵居城を目の前にしてクッと歯を食い縛る様なそんな

表情を浮かべ始め!…一方で徐々にモツを他のゴーレム達が包囲して行き!…

そして遂には逃げ道を塞がれてしまい!…本当にいよいよ不味い!と言った…

誰が如何見てもそう感じる状態にへとなって行くが、ここでまだ諦めていない!…

いや何か思い付いた様子でその窮地に男が一人颯爽?と現れる…

それは言わずもがな!…


「おんどりゃああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」


__ギュンッ!!!…ドガアアアァァァァァンンン!!!…ッ!?…ッ!?!?…


勇ましい声と共に次にはモツを包囲して居たゴーレムの一部隊が吹き飛ぶ!…

それはまるで車が衝突した様な音を立て、撥ねられたであろうゴーレム達は

天高く高々と宙を舞い!…宛らその光景は某・サッカー漫画を題材にした

フ○ミコンゲームに出て来るキャラの様に!…仰向け状態で吹っ飛んで行き!…

地面に落ちた際もやはり粘土で出来ている様にグシャッ!と形を変えてしまうと、

一方でモツの目の前には翼を生やしたマサツグが!…さも駆け付けて来た様に

某・蜘蛛男のポージングで止まっていた!…そしてモツもそれに気が付いた所で

思わずビクッとして居ると、次にはマサツグが用件を口に!…


「…本ちゃんモツ!!…ちっとばかし協力してくれ!!!」


それは勿論モツに協力を申し出る言葉で有り!…急いだ様子で中の人の方の

名前を口にすると、とにかく協力して欲しい事を訴え出し!…その際モツに

背を向けたままその場でスッと立ち上がって見せて行き!…同時に大剣も

構え直し!…辺りに対して殺気を放つ様にクッと警戒を露わにすると、途端に

そのマサツグのその殺気を感じ取ってか!…ゴーレム達もビタッと動きを

止めて見せる!…と言ってもある程度距離を保つ様に身構えて見せると、

マサツグの様子に警戒をし!…と、一方でそんなマサツグの言葉でモツも

これまた戸惑いを露わに!…助かった様な面倒事に巻き込まれた様な…

何方とも言えない何か奇妙な気分になって行くと、戸惑いながらもまずは

話を聞き出し!…


「ッ!?…ヤ、ヤブ!?…ってか…きょ、協力って?…」


「こいつ等を一掃する!!…

その為には本ちゃんの力が絶対に必要なんだ!!!…

…俺が!!…から!!…

本ちゃんはそれに合わせてくれ!!!」


状況が状況だけにもう四の五のと言っては居れず!…直ぐに乗っかるよう

戸惑いながらも!…マサツグの後ろで剣をスッと構え直しながら…

一体何をするか?とその説明をマサツグに求めて行くと、マサツグは

急いだ様子で説明!…そこでトンデモナイ事を口にする!…と言うのも

モツの協力が必要不可欠である事を大前提に話して行くと、マサツグが

モツに攻撃をする!と話し…と、勿論この時冗談を言っている様子など

微塵もなく!…至って真剣な表情で!…とにかく合わせて欲しい事を

モツに言葉で説明をすると、それを聞いてモツも一度は納得した様な…

そんな反応を見せるのだが!…


「ッ!!……ッ!?…ちょ、ちょっと待て!?…お、俺に攻撃するの!?…

てかそのタイミングって!?…合わせようにも何を合わせたら!?…」


「行くぞ!!!…このメンドクセェ土塊共め!!!…

一気に焼いて据えてやらぁ!!!!」


「だから具体的な事を!!!…って、ああぁ~~もう!!!!」


当然改めてその作戦を頭の中で考え直すなり動揺を露わに!…となると続けて

慌てて見せ!…色々と質問攻めにするよう!…更に詳しい説明を求めてマサツグに

話しをするのだが、マサツグはその話を聞き入れる事無くぶっつけ本番!と…

周りのゴーレムに対して敵意を剥き出しにして見せる!…するともうマサツグの

様子から見て話しを聞ける状態では無い事を悟って行くと、それでもモツは

マサツグにツッコミを口に!…が、言ったところでやはり無駄である事に

変わりはなく!…仕舞いにはモツまで自棄に!…鬱憤を晴らす様にその場で

大きく吠えて見せると、エイブレントの剣に黒衣を!…またバスターソードに

変えてしまう!…さてそうして二人の準備が整った所でマサツグがクルッと

振り向くと、その振り向き様にモツへ向かって公言通り!…


__…ッ!!…ババッ!!…グオンッ!!!…ッ!!…


「業炎!!!…爆破斬!!!!」


マサツグはモツに向かって大剣を掲げ!…そしてその大剣に炎を纏わせると、

身構えるモツに向かって振り下ろし!…となるとモツもそれに対して当然機敏に

反応を示し!…それこそマサツグの攻撃を受け流す様に!…その攻撃の軌道を

見切ってスッと自身のバスターソードでガードをして見せると、次にはその

双方の剣が互いに歯を擦り合わせる様にしてぶつかり流れ!…辺りにトンデモナイ

金属音を響かせて行く!…


__ッ!?…ギャギギギギイイイイイイイィィィィィンン!!!!…


「ッ!!…よし!!!…後は頼んだぜ!?…」


「ッ!?…え!?……ッ!!!…」


それは怪音となって辺りに響き、それを遠くからでも耳にした者は思わず身震いを

してしまい!…しかし肝心のマサツグはこれで良い!と…まるで自身の出来る事は

やった!とばかりに…満足げな表情をしてモツに後の事を任せて行くと、そのまま

受け流された状態で地面に剣を!…一方でモツはその言葉に戸惑い慌てて見せて

しまう!…それも当然ただ訳が分からずマサツグの攻撃を受け流しただけで有り、

その行動に何の意味が有るのか全く分からず!…が、次にはマサツグの考えを直ぐに

理解する事になり!…改めてマサツグの化け物振りに!…モツは驚きを隠せない

のであった!…

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