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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章六十六節 未知なるモノと各々の道と研究所の実態!…-

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さてマサツグがあの空飛ぶ炊飯器のヘイトを稼いでいる一方、モツ達はまず研究所と

思われる場所へ向かい!…そしてその道中他の仲間達との合流も計り!…しかし

不思議な事に如何のもその仲間達の気配すらも感じられない!…別にあの炊飯器から

逃げる際、然程隊列から離れた感覚は無いのだが!…それでも何故か合流出来ない…

…いや、同じところをグルグルと回って居る様な感覚になる!…それはどれもこれも

似た様な建物ばかりで、モツ達の方向感覚を狂わせ!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…な、何なんだこの町?…別に森の中って訳でもないのに…

…いや森の中より複雑な様な?…」


宛ら感覚的には迷いの森の中を歩いて居る様な、いやそれよりも複雑に感じ!…

と言うのも都市の建物は鉄筋コンクリートの豆腐建築が立ち並び!…故に目印に

なりそうなモノは一切なく、方向音痴が迷えば一溜りもない!…そんな街の構造と

なっていた!…そして何が潜んでいるか分からないが故に辺りを見回し何か物影が

無いか?と一つ一つ丁寧に確認をするが、やはり何も見つけられず!…

ただ分かるのは遠方から未だマサツグが追われているのか?…何かがぶつかる

衝撃音で!…それは近かったり遠かったり!…とにかく慌しい音を響かせていた!…

そしてシロやハクも他の仲間を探す様に匂いを頼りにするのだが、その嗅覚も

ここでは何故か役に立たない様子で!…


「…スンスンッ…スンスンッ……ッ?…変です…匂いもしない…」


「…まだ目印であるあの建物が有るから動けるけど…

これなかったら如何やって進めば良いんだ?…

てか元々ここに住んでた住人たちは如何やって生活を?…」


幾ら鼻をひくつかせようとも何も匂いがしないらしく、シロは不思議そうに

首を傾げ…そして何も匂いがしないと言う事に可笑しいと言葉を口にし出し!…

それに同意するようハクも辺りをチラチラ!…何か出て来ても大丈夫な様に

身構え続けると、不気味と言った反応を露わにする!…そしてモツもそんな

二人を見て余計に何かこの街に不気味さを感じて行くと、とにかく研究所が

ある方を見詰め!…それはまるで方角を確認する様にチラッと見て!…

今頃アレが無ければ迷子確定!と…故にここに住んでいた者達の生活に

ついても!…思わず疑問を感じてしまうが、それでも更に中央へと進んで行く!…

町から脱出する為に動き続ける!…さてそうして研究所の事だけを見つめて

居ると、少しは近付いて来ているのかその研究所の建物に近付き!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…確かに近付いて来てはいるが…何と言うか…」


「…なんだかゾワゾワするのです!…まるで何か見られて居る様な!…」


今のところ何事も無く進めており、一応は安全!と言った様子では有るのだが…

しかし同時にやはり何か不気味さも覚えるものを感じ!…それは視線として

感じて居るのか、或いは気配と言うか?とにかくハッキリとしない何かの存在を

感じ続け!…ハクがそれに対してゾワゾワする!と言葉を漏らすと、同じく

シロもソワソワとして見せる!…二人揃って落ち着かないそんな素振りを露わに

する!…やはり子供と言ってもフェンリルである分、こう言った五感には

鋭敏の様で!…と、モツもそんな二人の事をレーダー代わりに見て居り!…

二人の様子が可笑しい事に勿論警戒!…辺りを見回しその二人がソワソワとする

原因を探り始めると、ふとあるモノが目に付く!…そしてそれが原因と判断を

する!…


__…チラッ…チラッ……ッ!…


「…あれは…監視カメラか?…」


この時モツが見つけたモノと言うのは特段何の変哲もない都市の街灯で、その街灯は

都市の道に沿って等間隔に立っており!…と、その内立っている数本にはリアルでも

見る様な監視カメラが備え付けられ此方を見ており!…それは今現在進行形でREC録画

しているらしく!…赤いライトを点けてジッと文字通り監視する様に!…モツもそれを

見つけてこれか!とばかりに物を口にして行くと、一方でそんなモノなど知らない

二人は戸惑って見せ!…


「「ッ!…え?…かんし?…」」×2


「ッ!…って、そうか…コッチでは当たり前みたいなモンだけど…

コッチには本来ない筈のモンだもんな?…」


「……ッ?…」


それは初めて聞いた言葉とばかりにピクッと反応を示して見せ、そして戸惑い

気味に軽く言葉も復唱し!…するとモツもそんな二人の反応を見てハッ!とした

表情を露わに!…と言うのも改めてここが可笑しい事を認識して行き!…

ある筈の無い物が今ここに在る!と…二人の反応も当然!とばかりにその反応を

見て何か親心?の様なホッコリとしたモノを感じて行くと、一方でシロとハクは

首を傾げ続ける!…と、次にはモツもその監視カメラについて説明をする!…


「…ッ!…いいか?…

多分だけどシロちゃんとハクちゃんが感じている視線は…アイツからだ!…

アイツは監視カメラって言って…文字通り侵入者を見つけて監視!…

そしてその侵入者を排除する為に人を送り込んで来る機械!…

って言うとコイツが自我を持っているみたいになるな…」


まるで今現在進行形で追われているマサツグの代りにシロとハクの親をするよう、

この知識もちょっとした今後の糧になると信じ!…その際シロとハクが視線を

感じる原因はまさにその監視カメラのせい!と説明…更には一体如何言う目的の

物であるか等を語って行き!…この時改めてその監視カメラの説明に!…モツも

頭の中では分かっているが、いざ説明をするとなるとその説明の仕方で悩む

そんな様子を露わにすると、一方でモツの説明に二人は更に困惑する!…

これまた首を傾げて不思議そうにする!…


「「……ッ?…」」×2


「ま、まぁとにかく!…今の現状厄介な!……厄介?…

まぁ機械である事には違いないから!!……だから!!…」


その首を傾げている様子から本当に意味が伝わっているのか?が些か疑問が

残る所では有るのだが、モツは伝わった筈!と信じ…その際駄目押しで更に

今の現状厄介!…いや、厄介なのか?と思いつつも!…とにかく目障りで

ある事に変わらない!と話し…徐に自身の腰に付けているホルスターにスッと

手を伸ばして行くと、次にはその監視カメラに対して拳銃を抜いて構え始め!…


__スチャッ!…チャキッ!!……ッ…バキュウゥゥン!!…パアアァァン!!!…


「「ッ!?…え!?…」」×2


一度呼吸を止める様にして狙いを定め!…その状態で監視カメラに向かい

銃の引き金を引いて行くと、次には弾が撃ち出されては監視カメラのレンズを

粉砕!…見事に一発で破壊を成してしまう!…するとそんなモツの突然の行動に

シロとハクも驚いた様子でギョッ!と目を見開くと、銃を撃ったモツを見詰め!…

しかし一方でモツは涼しい顔をして見せて居り!…今度はシロとハクの方へ

向き直り!…今のが手本!とばかりに見つけ次第破壊するよう指示を出すと、

もう一つオマケに質問をし!…


「…こうして一個一個壊して行ってしまおう!…

…それに如何?…まだ視線を感じる?…」


「ッ!…え?……ッ!…あ、あれ?…」


「か、感じなくなったのです!!…」


と言うのもまだ奇妙な視線を感じているか?如何かについてであり、恐らく

モツの予想では消えた筈!と…となるとその有無についてシロとハクに

声を掛けて確認を取り出し!…するとシロもピクッと反応をして辺りを

見回すそんな様子を見せて行くと、次にはまた戸惑った表情を浮かべ!…

一方でハクも同じ反応を露わにする!…そしてハクがその奇妙な視線が

消えた事を口にすると、モツもやっぱり!と言った様子で安堵して行き!…


「ッ!…そうかそうか!…

…まだ機能しているかどうかは分からないけど…

破壊するに越した事は無さそうだな……見つけ次第破壊の方向で!!…

このままあの研究所へ向かう事にしよう!!…」


「「ッ!!…はいです!!」」×2


何ならこれでもう妨害?の心配ない!と言った様子で二人を見詰め!…しかし

それでも若干の不安を零しつつ!…それでも監視カメラの破壊も同時に進めて

行く方向で路線を固めると、勿論研究所に向かう!…その際二人に同意を

求める!…すると二人も納得した様子で返事をすると、いつもの様に元気良く

手を上げて見せ!…と、二人から同意を得られた事で研究所に向かい!…

その間監視カメラを見つけて行くと、カマイタチや氷撃で破壊!…不安要素を

取り除いて行く!…


一方でそんなマサツグやモツ達ともはぐれた隊列の面々はと言うと、全隊列を

フル活用しながら研究所の方へと進んでおり!…


「…皆辺りの警戒は怠らないで!!…

…さっきみたいなのが出て来たらどうなるか!…辺りの音にも注意して!!…

〈…上空班も様子は如何?…〉」


〈…こちら上空班ワイバーンフォース・ワン!…

上空より様子を見ていますが異常は無し!…

…ですが静か過ぎて異様!…引き続き地上班の方でも警戒が必要と思われます!!…

…尚、あの英雄マサツグはまだあの奇妙な機械に追われ続けていて!…

そして我らが大将シロ達はもう一人の英雄モツと行動を共にして健在を確認!!…

…何ならこのまま念話にて合流を図る事も出来ますが…

如何しますか?…オーバー!!…〉


ミサカが指揮の下、陣形を組み!…ファランクスの様な構えで都市の中を進んで

行くと、都市の上空では傘下の竜騎士達が索敵!…危険が無いか等も探っていた!…

そしてミサカが念話でその上空部隊と連絡を取ると、やはりまるでどこぞの航空

部隊の様に現状を見たまんまの事を報告し!…その際はぐれたマサツグやモツ達の

情報も報告して行き!…何ならナビゲートも出来るのか?…自らかって出る様な

そんな事を口にすると、その報告を受けてミサカは悩み!…


{…ッ!…うぅ~ん…確かに合流をした方が良いのは当然なんだけど…

今マサツグ君と合流するのは不味いかな…

なんせあの訳の分からない炊飯器に追われてるみたいだし…}


それは勿論合流が出来るのならした方が良いに決まっているが、状況が不味く!…

と言わずもがなマサツグは絶賛空飛ぶ炊飯器とパルクール中で!…迂闊に合流を

すれば自分達も巻き込まれる可能性があり!…更なる被害が出してしまうかも

しれない事を考えると、当然合流は出来ず!…何ならマサツグも望んで居ない!と

結論付ける!…そして今度はモツ達と合流をするか?で悩み出すと、ここでも

また別の難点が!…


{シロちゃんとハクちゃんも何だか…私を敬遠して居る様な?…

…って、そんな私情を挿んでいる場合じゃない!!…とにかく!!…

マサツグ君はともかくとして!…モツ君達の方は研究所に向かって居る筈!!…

となると迂闊に合流して危険値を上げるよりも!…現地で合流をした方が…}


と言うのも最近?シロとハクから敵視される様な視線を感じ、ミサカもそれが

何故か分からない様子で悩んでおり!…まぁ傍から見て居れば勿論その理由は

一目瞭然分かるのだが、ミサカも相当なニブちんなのか?…本気で嫌われている

様に感じてしまい!…これ以上嫌われない為にも自らからシロ達を敬遠する様に

考える思考になって居ると、思わず合流を避ける!…しかし次にはハッ!と

我に返って考え直す!…その際モツ達も自分達と同じくまずは研究所へ向かって

いる事を考えると、もしもの場合を考え!…それはシロとハクが大将である事から

至る考えで有り!…大部隊で動くとなるとその分逃げ場を狭める!…だったら

少数で動いて!…機動力を生かしシロ達の逃走に役立てて貰おうと考えると、

これまたやはり合流を見合わせる!…そして上空部隊に返事をする!…


〈…いや、大丈夫!!…もし何かあった場合また報告して!!…

…あとそうなった場合…私の判断は仰がなくて良い!!…

救助の方を優先して!!…とりあえず報告有り難う!!…

引き続き上空からの警戒をお願い!!…〉


〈ッ!…了解しました!…オーバー!!……アウト!…〉


まず合流するか如何か?と聞かれた際の返事をすると、合流を見合わせる事を

ちゃんと口に!…そして異常事態が起きた場合!…各々の判断に任せるよう

予め確認を取らなくて良い事も指示をすると、そのまま警戒に戻るよう話しを

済ます!…その際ちゃんとお礼も言って話を切ると、上空班も納得した様子で

返事!…と、そこからまた上空班は警戒に戻り!…ミサカも通話を終えて各々が

無事である事を祈り出すと、徐々にその件の研究所へと近付いて行く!…


さてそうして各々が警戒をしつつその三つ目の大都市にある研究所へと向かって

行くと、何とかその研究所の前で合流を果たし!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!!…おぉ~い!!!…


「ッ!!…おぉ!!…皆ぁ、無事だったかぁ!!…」


「そっちも無事で何よりだ!!…」


その際合流を果たせたと言っても大部隊とモツ達の二組であり、肝心のマサツグは

未だ追われ続け!…それでも互いに無事合流出来た事で安堵し合い!…その合流の

際も大部隊の先頭に立って居た者がモツ達に気付き!…こちらを認識して貰おう!と

大声を上げ!…モツもちゃんとそれに気が付いた様子でピクッと反応して振り返る

と、シロ達も気が付いた具合でその大部隊に笑顔で手を振る!…大部隊のSAN値を

回復させる!…さて無事合流出来た事で今度はコッチに!…恐らく研究所の玄関と

思われる門の前にモツ達は立ち!…


「っで、ここがその件の研究所らしいぜ?…」


「…みたいだな?…既に嫌な気配がプンプンしてる!!…」


この時ふと見上げる様にして各々がその研究所を改めて見詰め!…その内仲間の

一人が改めて確認をするようここに鍵がある事を口にすると、もう一人がそれに

対して返事をし!…と言ってもそれは嫌な予感がする!と言うのもであり!…

そう感じる原因として研究所の様相がワ○リーステージ!…宛ら中は罠だらけと

物語っている様に見えてしまい!…挙句の果てには何かBOSSラッシュの様な

モノまで有るのではないのか?と考えてしまう一方!…くまさんはシロとハクと

合流出来た事で無事を喜ぶ!…二人を抱き締めに向かって行く!…


「シロちゃん!…ハクちゃんも無事でよかったぁ~!!」


__ンギュ~~~!!!…ッ~~~!!!…パタタタタタタッ!!!…


くまさんは二人を掬い上げる様にしてガバッ!と行くと、興奮の余りそのまま

二人をホールドし出し!…となると二人もグッ!と抱き締められる事で若干

苦しそうな表情を露わに!…だがくまさんに抱き締められた事で!…何なら

心配をしてくれた事で我慢をするよう文句を言わずにされるがままでジッと

抱き締められ続けていると、尻尾だけを振って見せる!…少なくとも喜びを

露わにする!…するとそんなシロとハクの様子を見てマサキもピクッと動き出すと、

次にはくまさんに落ち着くよう言葉を口に!…


「ッ!…ちょちょちょちょ!!…

シロちゃんとハクちゃんがきまっとる!!…もうちょい加減せい!!…」


「ッ!?…あっ!…ご、ゴメン!!…大丈夫?…」


それこそ慌ててくまさんの肩に手を掛けて行き、二人を抱き締めるにしても

限度が有る!と…そう落ち着く様に注意の言葉を口にすると、くまさんも

ハッ!とした様子で我に返り!…と、次には徐々に力を緩めて降ろして行き!…

二人が怪我をしてないか改めて確認をする事になって居ると、そのくまさんの

後ろではオリハとフェルがオロオロ!…何故か揃って心配をする!…さて話は

戻って研究所の前へと変わって行くと、ある者がまずその研究所の玄関が

開くか?を確かめ始め!…


__……ッ…ヴウンッ…ピシュウゥゥン!!…ッ!?…どよ!?…


その者は別に特段何かを弄ると言った真似はしていないのだが、その玄関は

近付いただけで扉を左右に開いて見せ!…何ならその様子はまるでコンビニの

自動ドアの様に見えてしまい!…まだセンサーが生きているのも十分伺え!…

近付いただけで開いた事に思わずその近付いた冒険者!…更にはそれを見ていた

他の各々達もまるで文明に触れるかの様なそんな戸惑い様を露わにすると、

一方で更に中を恐る恐る確認!…罠が無いか?を見回し始める!…


「…ッ……ッ?……ッ!…な、中は普通のエントランス?…

何なら外よりよっぽど安全そうに見えるんだが?…」


勿論今から覗くのは未知のエリアなのでおっかなびっくり!…その際完全に

中へ入って行くのではなく、体半分だけを外に出すよう!…そうして一応の

保険を取った所で中を覗き!…何か怪しい物が無いか?…或いは奇妙な罠が

仕掛けられていないか?等を確認するが、これまた拍子抜け!とばかりに

何も無い!…この時普通のエントランスホールに見える事を言葉にする!…

するとそれを聞いた他の面々達が戸惑って見せると、その内の一人がもう一度

確認をするよう罠の有無について質問をし出し!…


「ッ!…ほ、本当に何か罠の様なモノは…無いのか?…」


「ッ!…え?…いやだって…」


__スッ…ッ!?…ピシュウゥゥン!!………。


それは別にその覗いて居た者の事を信頼していない!とかそう言った事ではなく、

念には念を入れる様に!…と言うのもそれで全滅しては元も子もない!と言う

判断の元で!…戸惑い警戒をした様子で声を掛け!…そう言われた事に対して

再度問われた者も思わずピクッ!と戸惑って見せると、次にはその研究所の中へと

入って行く!…となるとその様子にこれまた面々が驚いて見せる!…すると中から

これと言ったモノ音は一切聞こえず、ただ沈黙だけが辺りを支配し!…


__……ボカアアアァァァァァンン!!!…


「ッ!!…ッ!?……向こうで爆発!?……ヤブかな?…」


「ッ!?…そ、そんな冷静に判断をしている場合なのか!?…」


と、思ったら忘れた頃に爆発音が!…それはモツ達の居る場所からそこそこ離れた

場所から響き!…誰もがバッ!と振り返り何があったのか?を確認すると、そこで

黒雲が上がっているのを見つけ!…それは如何見ても何か施設を破壊した様な!…

決して時間が来た!とかそう言うのではなく!…恐らくマサツグが追われながらに

何かやったであろう事を推測すると、モツがそれを見詰めたまま言葉を!…すると

その冷静な判断に別の面々がツッコミを入れる!…それは然程モツが心配をして

いる様には見えないからで、心配をしなくて良いのか!?とばかりに言うのだが!…


「ッ!…え?…あ、あぁ~!…いや、もういつもの事だから!…

…何かもう慣れてしまって…」


「ッ!?…な、慣れって!!…慣れで済まされる様な問題なの?…」


モツは逆にツッコまれた事に対して戸惑った様子を!…その際心配しない理由に

慣れ!と言い…これがさも日常茶飯事である様に苦笑いをしながら答えて見せると、

当然そのモツの返事に各々は戸惑う!…一体どんな日常なんだ!?と言った表情を

浮かべてしまう!…そしてそのモツの言葉に対してまた一人が戸惑いツッコミを

入れる言葉を漏らしていると、次にはまた研究所の自動ドアが独りでに開き始め!…


__ピシュウゥゥン!!…ッ!?…バババッ!!!…


「…ッ……。」


__…コッ…コッ…コッ…コッ……パラッ…ッ!…


となるとまたその開閉音で途端に全員が臨戦態勢!…何ならそう言った場面も

慣れている様子で!…淀みない動きで何が出て来るのか!と…まさに一瞬で

身構えて出て来る物に対して殺気を放つと!…次にはその扉の向こうから先程

中へ入って行った者が!…平気な顔をして戻って来る!…その際その者の手には

何やらパンフレットの様な折り畳まれた紙が一部だけ握られて居ると、その者も

その紙をバッと広げて外で待って居た者達に内容を見せ!…


「…ほら、エントランスだけなら如何やら問題は無い様だ!…

…けどこのパンフレットを見てくれ!…この研究所はヤベェぞ!?…」


「ッ!?…い、いや…え?…」


「…色々ともう可笑しく……ッ!?…」


まるで自分が証拠!とばかりに…エントランスが大丈夫である事を自らの身を

持って証明すると、同時に別の事についても注目を願い!…と、そこで注目を

して欲しいのはパンフレット!と…だがそれ所では無いのは勿論であり!…

モツが戸惑いの言葉を漏らし!…周りに居た冒険者もその出て来た者の言葉に

理解が追い付かない様なそんな反応を見せると、一応そのパンフレットを

チラリッ?…と、次にはまた驚き様を露わにする!…ではそのパンフレットに

何が書かれて有ったのかと言う事なのだが、そのパンフレットにはこう書かれて

有り!…


 ---------------------------------------------------------------------------------

         <デグレアント帝国の技術は世界一!!!>


  我々は遂に世界を我が物とする手段と…その技術を得る事に成功した!!!

  馬を必要としない自立式の鉄の馬車の開発を始めとし!!

  そこから光を収縮させる事によって破壊をもたらすバリスタの開発など!!

  日々目まぐるしい成長を遂げている!!!……そしてこれからも!!…

  まだまだこれだけでは終わらない!!…世はまさに!!!…

  デグレアントの元に全てが集結しようとしているのである!!!

  現在この研究所では研究がされている!!!

  もしこの研究が達成された暁には!!!…もう!!!

 ただ全てを蹂躙するだけの圧倒的戦力を得る事が確定付けられる事になる!!!

  そんな我がデグレアントの素晴らしくも誇りである研究所の内容を!!…

  ここで少し紹介をしようと思う!!!……etcetc

 ---------------------------------------------------------------------------------

見出しの文言は某・奇妙な冒険に出て来るドイツ軍人の様な?…だが気にすべきは

そこではなく!…と言うのもこの研究所であの戦車やビーム砲台が開発された事が

伺えると、他にもまだまだ色々と戦略兵器を開発して居た様子がこれまた分かり!…

中にはその自分達が開発したと思われる兵器の写真を載せており!…それはまるで

本当に博物館のパンフレットの様な!…軽い感じで自国の戦力を自慢する様に

延々とそんな内容が書かれて有るのを目撃すると、それを見た者は呆れる様な唖然と

する様な?…とにかく思わず言葉を失う!…そして気になるのはそのパンフレット

にも書かれて有る[兵士を必要としない]という内容で有り、その部分に関してはまだ

未完成なのか?…詳しい情報は載っておらず!…


「…な、何だよ…これ?…」


「…おいおい…本当に頭ん中ヤベェ事になってるみたいだな?…

デグレアントって言うのは?…」


とにかくそんなパンフレットの内容を見て反応に困り!…何ならこう言った事を

恥ずかしげもなく掲載している事に!…もっと言うとこう言うパンフレットを

作っている事に対しても全員がドン引き!…あり得ない!と言った反応でジッと

正気かどうかを疑い出すと、ポツリポツリと言葉を…もはや異常である様に

零して行く!…そしてそんなパンフレットを見てモツも相変わらずか!と言った

呆れる反応を見せて居ると、一方で上空班からこんな報告が!…


〈…こちら上空班ワイバーンフォース・ワン!…応答願います!!…〉


〈ッ!…何!?…何か有ったの!?…〉


〈こちらつい先程確認が出来たのですが!!…

この町全体を包む様に魔法陣が形成!!…不穏な様子を見せています!!…〉


それは緊急事態が起きた様子で突如ミサカの元へ送信!…するとミサカも直ぐに

気が付いた様子で受信して行き、直ぐさま一体何があったのか?をその送信元に

尋ね出し!…するとその送信元からは町全体に異変が見られる事が報告され!…

とにかくヤバい気配が感じられる!と…つい先程始まった様にミサカへ続けて

話して行くと、ミサカも当然それを聞いて困惑!…更に詳細を求めるよう言葉を

漏らす!…


〈ッ!?…魔法陣?…〉


〈…まるで時間制限を表している様な?…そんな様に見えます!!…

と言うのも今その魔法陣と言っても形勢が中途半端で!!…

…何と言うか発動に時間が掛かって居る様な!?…〉


この時ハッキリとは分からないものの間違いなく異変!と受け取った様子で、

魔法陣?と戸惑い気味に言葉を復唱!…するとその送信元も更に詳しい話を

ミサカにし出し!…それは送信元の主観的か?…何か時間制限の様にも見える!と、

とにかく嫌な気配が感じられる事を口にすると、尚も現在進行形でその魔法陣は

生きて居る!と…慌てるそんな様子を露わにする!…するとそれを聞いてミサカも

更にハッと慌てる様なそんな素振りを露わにすると、自分からだとその様子は

見えない筈なのだが!…町の外の方へ視線を向け!…


__ッ!?…ッ!!!…


〈とにかく急がれる事をお勧めします!!!…

…何か特大級に嫌な予感がしますので!!!…〉


「…てっきりこんな街だからもっと機械めいたモノかと思ってたけど!…

まさかこんな!!…」


当然その光景はミサカからでは見える筈も無いのだが、しかし何故か不思議と

嫌な気配は感じられ!…となると送信元の言葉が如何にも真実である様に

感じられる一方!…その送信元は更にミサカを急かし始め!…早く逃げないと

トンデモナイ事になるであろう事を示唆して行くと、次にはミサカもそれを

聞いて思わずフッと念話を切る!…そしてしてやられた!と言った表情を

浮かべてしまう!…それは予想して居たモノと違う展開になった事でこれまた

戸惑い、他に手段が無くなった様に感じ!…何ならもう時間が無いのでは!?と

焦りも感じ始め!…すると今度はバッ!とその研究所の方へ振り向いて行き!…

慌てて面々に突撃の指示を出して行くのであった!…

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