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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-
-第七章二十六節 大レイド予告とマサツグの不安と閑話休題?…-
しおりを挟むドラ子からデグレアントの宣戦布告?を聞かされ一同困惑!…その中でも何故か
グレイスが一番戸惑って居る様に見えおり、そしてそのくだらない会話内容に
パルシィも更に呆れを露わに!…それは喧嘩を売ったドラ子に対してなのか?…
はたまたドラ子に言われた位で直ぐに宣戦布告して来たデグレアントの使者に
対してなのか?…とにかく面倒!と言った具合に頭を抱え!…思わず小さな溜息を
一つ零して行くと、ドラ子も更に続ける!…と言うのもパルシィに謝罪をする!…
「…この度は勝手な事をしてしまい…ご迷惑をお掛けする事を謝罪します…
申し訳御座いません…」
「…まぁ…なってしまったモノは仕方がないであろう…
それよりもこの件に関してアンジュは既に動いているのか?…
出来ればその情報についても話して欲しいのだが?…」
自身の軽率な発言のせいで大変な事になってしまった!と言う自覚が有るのか、
ドラ子は深々と頭を下げてパルシィに謝罪をして見せ!…と、一方でパルシィは
その謝罪を聞かされても特段慌てる様子もなく…ただなってしまったモノは
仕方が無い!と…何ならこうなるであろう事は最初から分かって居た様子で
淡々と諦めて見せて行くと、次にはドラ子に質問!…今のアンジュの動きに
ついて尋ねて行く!…するとドラ子もその質問を受けてピクッと反応する素振り
を露わにすると、徐々に頭を上げて返事を口に!…
「ッ!…はい…
現段階でのデグレアントからの動きは見られず…規模もまだ不明…
ですがこの宣戦布告をする前に何やら大規模で兵士を失ったとの事であり…
恐らく一旦は人員の補充に追われて居ると思われる一方…
今すぐに侵攻して来たとしても自国の防衛等も有りますので…
今のところは大した数ではないかと…
更に宣戦布告を受けたに当たって既にマスターがこのウィンタースノーに居る
全冒険者に召集を…」
それは既に動ている様子で話しを口に!…その際アンジュではなくデグレアントの
動きについて説明をし出し!…その際どの時の事を言っているのかは不明なのだが…
何やら知らない所で打撃を受けて居た様な事を続けて説明!…と、その話を聞いて
何か思い当たる事が有るのかその者達がまたそっぽを向き出し!…私関係無い!と
ばかりに知らんぷりを決め込んで居ると、次には招集を掛けている事もドラ子が
話す!…すると空気を読んだ様にマサツグ達の元にショートメールが届き始める!…
__ピロリン♪…
「ッ!…言ってたら入ったみたい…」
「…では、私が戻るまで耐え続ける事は可能と言う事だな?…
…後は私の力が完全に戻れば事を治める事が出来るが!…」
まさかのグッドタイミングな通知音にマサツグ達が驚く!…そしてマサツグが
それに対してツッコミを入れる様に言葉を零すと、パルシィはパルシィで
話しを進め!…取り敢えず自衛が出来る事に安堵して見せ!…そして一番の
問題として自身の力が戻り切っていない事を挙げて行くと、ドラ子は尚もまだ
何か有る様子で説明を続ける!…そこでマサツグ達も聞き覚えのある名前を
耳にする!…
「尚、マスターも更に援軍を呼んで来るようです…
何でも秋雲国よりギルドマスター・クロエを招集するとか…」
「ッ!?…あの軍神を!?……アンジュの奴!…
一体どこにそんな太いパイプを持っていたのだ?…」
{いや…アンジュさんとクロエさん…中では多分顔を何度も合わせてるし…
更に言うと同じ運営の同僚みたいだから…特段変わった事じゃないし…}
と言うのも冒険者達を指揮する事に慣れていないのか、秋雲国よりあのクロエを
呼ぶ事を口に!…と、その名前を聞いた瞬間パルシィも知っている様子で驚きを
露わに!…何ならクロエを軍神!と呼び!…心強い助っ人が来てくれる事に何か
期待を寄せるそんな反応を見せて行くと、そこからアンジュの交友関係についても
戸惑って見せ!…一方で内情を知っている者達は思わず苦笑いをしてしまう!…
何なら二人共運営で同僚なのでは?と考えて別に可笑しい事ではない!と思うの
だが、如何やらパルシィに取っては違う様子で!…
「…なるほどな?…まぁいい…
とにかく現状知りたい事はそれだけだ…
ここまで来てくれて有難う…」
__ッ!…スッ……ッ!…チラ?…
とにかくドラ子の説明の甲斐もあってかパルシィも状況を理解!…そしてわざわざ
報告に来てくれた事へ感謝をして行き!…改めてだが面倒である事も重々承知して
徐に腕を組んで見せると、悩む様子も露わにする!…そして一方でドラ子もお礼を
言われた事でパルシィに会釈をして行くと、次にはふと何かを思い出した様子で
スッとマサツグ達の方を振り向き!…続けてマサツグとモツに声を掛け出し!…
「…それと…マサツグ様…モツ様…」
「ッ!…え?…今度は俺達?…」
それは勿論用件がある様子でジッと見詰め!…となると突如声を掛けられて更に
見詰められた事で二人も若干戸惑い!…だが次には返事を口にして行き!…
その際確認をするよう言葉を漏らし!…更には自分達であるか?を確認するよう
自分達を指差しながらドラ子を見ると、ドラ子は二人に対して頷き返事!…そして
呼んだ用件を口にする!…と言うのも今回の件に当たって二人は重要視されている
様子で!…
「はい…あなた様方には必ずこの作戦に協力して欲しい!との…
マスターからの指示を承っております…
今回…春野原王国の王女…リーナ様が誘拐されたと伺っております…」
「ッ!?…あ、あぁ~…」
ドラ子が言うには今回の戦いに当たって必ず参加して欲しい!と言う旨を口に!…
それはアンジュから言伝を預かって来た様子で話して行くと、更にはリーナの事も
既に伝わっている様子で会話が続き!…となるとこの話にマサツグとモツもピクッ
と反応!…まるで今朝のやり取りがフラグの様に!…丁度チャンス?が巡って来た
事で二人が揃ってマジか!とばかりに更に戸惑う反応を見せて居ると、ドラ子からの
伝言も続き!…
「マスターからはリーナ様が誘拐された際…
ペナルティ等は発生して居ない事を伝えると同時に…
助けに行くのならまずはこの依頼を受けてくれと伝言を…
これから起きるであろう大レイドバトルに協力をして欲しいとの事…」
まずは誘拐された際の罰の有無についてであるが、これは不慮の事故と見なされた
様子で不問とされ!…更には既にマサツグ達の行動も見透かしている様子でこれを
イベントとする旨を口に!…その際それを証明する様に!…ドラ子は自身が身に
着けているエプロンのポケットから徐に巻物二つを取り出して行くと、それぞれ
マサツグとモツに手渡し!…改めて大レイドへの参加を求める!…その際手渡された
そのクエスト巻物と言うのは内容が内容だけ表紙が物々しく装飾
され!…二人もおっかなびっくりその封を解くと、一応内容を確認して行き!…
__スッ…カサッ…パラ……チラッ?…チラチラッ?…
「……いつも通りだな?」
「…だな?…」
それは縦に広げるよう二人が並んで巻物を開示!…するとその巻物に興味を持った
他の面々も覗き込み!…そしてその内容を見てやはりあぁ~…マジか!と言った
反応を露わにしつつ!…一方でマサツグとモツは既に慣れている様子で苦笑い!…
もはやいつも通りの事なのか…互いにそう言葉を口にして確認を取り合う反応を
見せて居ると、そんな二人の様子にグレイスも戸惑う!…改めて何者!?と言った
疑問を持ち出してしまう!…因みに言わずもがなその巻物に書かれて有った内容と
言うのは[参加招待状]!…そしてその巻物を広げたまま固まり!…一方で二人に
対してまだ有るのかドラ子が言葉を!…
「…そして最後に…
一応この大レイドは強制で無いので断っても構わない!…との事です…」
「ッ!…え?…でもさっき…」
と言うのもこれが最後の言葉であるらしく!…このイベントに関して強制力は
無い!と、改めてドラ子がそう説明をして行き!…となるとその言葉を聞いて
これまた戸惑い!…先程は強制であった様な?…色々と矛盾しているのでは?
とモツが疑問を持った様に反応をすると、ドラ子は静かに首を左右に振る!…
そして先程の言葉の意味をこれまた改めて説明し始める!…何でもアレは全部
アンジュの願望であったらしく、更には他にも言葉も口にして行き!…
「…あくまでもマスター個人のお願いで有り…
ギルド的手続きに置いて…何の拘束力もありません…
…そしてマスターはこの事も…
決して単独でデグレアントに乗り込まないで欲しいとの事です…」
「ッ!…ッ…」
__どよ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…
それはまるで注意をする様に!…特にマサツグに向けてであろう言葉を口にすると、
更にマサツグを戸惑わせる!…何なら今朝方の話をまた掘り返された様な気がしては
思わず驚き、そして俯き黙ってしまい!…と、そんな監視している様な的確な言葉に
各々も戸惑い!…今も監視されている様な!…思わず辺りを見回し何か怪しい物が
無いかを確認し出して居ると、更にドラ子はデグレアントの情報についても吐露!…
危険である事を説明する!…
「…現在、デグレアント帝国では馬を必要としない[鉄の馬車]が多数見かけられ…
その偵察に向かった者達が次々と行方知れずとなる言った事件が多発しています…」
__ッ!?…ッ…
その際その話題に上がって来たモノと言うのは[鉄の馬車]!…恐らくあのドワーフ
ファミリアで見掛けた戦車の事で!…そしてドラ子が言うにはもう量産化もされて
いる様であり!…その際偵察に向かった者達も居るらしく!…しかしどの偵察も
未だ帰って来ない!…行方不明状態である事が話されて行くと、マサツグ達も嫌な
予感を感じてしまう!…何なら[死]の文字が頭を過る!…そして思わず黙ってしまい
ただドラ子の話を聞いて居ると、更にその危険性をドラ子が話し!…
「…恐らく捕まって始末されたであろう事が考えられ…
この点から警備が厳重である事…
更には人を簡単に消せるだけの脅威がある事が推測されます…
…マスターが言うには鉄の馬車は「戦車」と言う物で有るらしく…
本来この世界には無い物だとか…
そしてこの世界に「戦車」なる物を作り出せる者が居るとするなら…
恐らくそれは冒険者の他に居ないらしく…
…もしかするとギルドを裏切り…
秘密裏に情報を流している可能性も考えられる状態です…」
改めて考えられるであろう結論を淡々と話し続け!…そこから更にアンジュから
聞いた話を!…やはりある筈の無い物!と…戦車が異物である事を口にすると、
その生まれてしまった経緯についても推測!…何なら身内にスパイが居るのでは?
と考えて居る事を更に続ける!…それそこ当然冒険者達がその気になれば戦車
どころか某・機動戦士を作る事だって可能であり!…それを聞いてマサツグ達も
更に戸惑う反応を見せるのだが、しかしそれよりももっと有力な仮説が有る
らしく!…
「…ですが…別にもう一人…
マスター居るのでは?と考えているようです…」
「ッ!…ハッカー!……」
この時遅れてドラ子は意味深に言葉を零し!…何か別にもっと出来そうな者が
居る事を臭わせ!…と言うのもその者にマサツグ達は会った事は無いのだが、
マサツグ達も被害を受けた事があり!…そしてそのドラ子の言葉の零し様に
察しの良い者もピクッと反応!…次にはそのドラ子が言い掛けた最有力仮説の
者の名前を!…ポロッと漏らしてドラ子に確認をする様な尋ね方をして行くと、
ドラ子は肯定をする様に話しを続ける!…とにかくマサツグ達に注意を呼び
掛ける様に話しもする!…
「…ですので…単独で戦いに行かれるのは非常に危険かと思われます…
…特に未知なる異物を作る者達となれば…
何を如何言った事をして来るか分からないとの事です…」
「……なるほどな?……ッ!…ッ…」
相手が未知である以上危険である事を訴え!…無暗に挑む事を止めさせる様に
ドラ子が言葉を続けて行くと、マサツグも納得した様子で腕を組む!…その際
一度はドワーフファミリアでその戦車と戦闘になり、砲弾を弾き返した事を
思い出したりするのだが!…しかしそれも数が多いとなると突破出来るか?が
怪しくなり!…更に不安要素を上げて行くとキリが無く!…その中でもふと
シロの事を考え出し!…自力で守れるか?等自身の中で問答すると、マサツグは
更に黙ってしまう!…それは深く考える様に俯き始める!…
{……シロ……シロをこのまま連れて行くのか?…
このまま連れて行くにしてもかなり厳しい戦いになる上に…
もしもの事を考えると!……やっぱり…ッ~~~…}
と言うのもこれからの戦闘は自分が生き残れるかすら分からない未知の領域に
なる訳で、シロを連れて行くにしてもあまりにも危険で!…更にはある事に
ついても考えさせられる事になり!…それはこのゲームのペットシステムの
仕様について!…基本プレイヤーが死んだ場合はリスポーン可能!…だがペット!…
NPCに限ってはリスポーンが出来ない仕様で有り!…勿論復活させる
事も出来るのだが、復活させるにしても専用アイテム!…無ければそのまま
[ロスト]と言うテイマー泣かせの仕様であり!…当然その事を知っている分、
躊躇いが強く!…折角会えた親子と決別!…勿論マサツグもシロの事を大切に
して居り!…このまま失うかもしれない事を考えてしまうと、そんな運命は
見たくない!と思い始め!…
「………。」
「……ッ!…暗くなって来た?…」
一人深い闇に囚われてしまう様にマサツグはそのまま黙ってしまい!…また心の
中でどす黒い靄の様な物も抱え出し!…そして自身の中である結論に行き着こう
としており!…しかしそれを拒否する自身も居ると言う!…とにかく酷く葛藤を
する様なそんな状態に陥って居ると、まるで空気を読んだかの様に日が沈む!…
そして夜の帳が下りて来る!…となるとそれに合わせて城内も暗く辺りが見難く
なって来ると、モツがマサツグに声を掛け!…
「…もうすぐ夜か……
まぁ俺達も色々とデグレアントには苦渋を舐めさせられて来たし?…
リーナを取り返すつもりで居たから…
どの道デグレアントに行こうとも思ってたし?…
この依頼はある意味グッドタイミングの依頼なんじゃないか?…ヤブ?…」
「………。」
「……ヤブ?…」
それこそもう夜になってしまう事を気にしつつ…改めてその巻物を手に前向きに
事を考えるよう話しをすると、渡りに船!と…マサツグにもいいタイミングでは?
と尋ねて行く!…しかしこの時のマサツグは勿論それ所ではない様子で黙っており、
そのモツの言葉に対して返事はなく…寧ろほとり更に深い闇に飲まれるそんな
表情を浮かべて居り!…となるとモツも返事が無い事で疑問を持ち出し!…再度
答えを求める様にマサツグの事を呼んで行くと、ここで漸くその声が届いたのか!…
次にハッとして見せ!…
「ッ!…え?…あ、あぁ!?…そ、そうだな!…」
「……ッ?…」
慌てた様子で顔を上げ!…そして話を聞いていたのかすら怪しいままモツの言葉に
同意をすると、一旦は考える事を止めて行く!…しかし傍からすればそのマサツグ
の様子が可笑しい!と言うのはパッと見て分かるレベルで有り!…モツもそんな
マサツグの慌て様を目にして更に疑問を浮かべ!…となると一体如何した?と更に
声を掛けたくなるのであるが、しかしそれ以上は敢えて詮索せず!…その一方で
依頼を受ける意向を聞き!…ドラ子がピクッと反応をすると、再度に二人に質問を
する!…
「…それではマサツグ様とモツ様はこの依頼を受けると…
そう言う解釈して宜しいのでしょうか?…」
「ッ!…あぁ!…それで頼む!…」
__ッ!…はあぁ~……ッ!!…コクリッ!…
それは最終確認であるよう言葉を口に!…大レイドへの参加表明と言う解釈か
どうかを尋ね!…するとその質問に対してモツもハッとした様子で返事をして
行き!…こうしてモツ・マサツグの参加が決まり!…その際周りの面々も乗り
掛かった舟!とばかりに!…溜息を吐いたり苦笑いをして見せたりと色々な
反応を露わにすると、次にはやる気を見せる様に頷く!…デグレアントとの
因縁にケリを付けると言った覚悟を見せる!…するとそれに感化されてかシロも
ムン!とピーカブーの構えを見せて行くと、同じく張り切る様に言葉を口に!…
「ッ!!…よぉ~し!!…シロも頑張っちゃいますよ~!!」
__ブンブン!!…ブンブン!!…ッ!……ッ…
この時その尻尾をブンブン!と振り回し張り切るシロの姿にマサツグはまたもや
ナーバスに!…するとマサツグの視線がシロに向けられている事でモツもハッ!
と察した様子を!…その際他の面々もそんなマサツグの様子に気が付いたのか
シロを見詰め!…だが一方のシロはそんなマサツグとは裏腹に張り切り続ける!…
何ならグレイスも心配そうに見詰めて居り!…その表情も行かないで!と言った
慈愛に満ちた悲しい母親の顔をして見せると、マサツグもハッとそれに気が付いた
様子!…となると更にある結論へと近付いて行く!…さてそうして各々が色々な
表情を見せて居ると、一方でドラ子は一人帰り支度をし始め!…
「…了解いたしました…それでは私はこれからギルドに戻り…
この旨をマスターに伝えようと思います…」
「ッ!…え!?…い、今から!?…
でも確かこの霊峰って夜になると!!…」
支度をすると言ってもクルッと振り向き!…そしてそのまま謁見の間を後にしよう
とするだけなのだが、その際ドラ子はこの事をアンジュに伝える!と…急いでいる
様子で言葉を残す!…するとその言葉にモツも途端にピクッと反応をして見せると、
慌てて次にはもう外に出ない方が良い!とばかりに忠告を口に!…と言うのもこの
霊峰は夜になるとブリザード地獄と化して行く訳で!…何の対策もしないで出れば
あっと言う間に氷漬け!…勿論ドラ子自身が危ない!と…引き留める様にして
モツが待ったを掛けようとするのだが!…ドラ子はそれを分かっている様子でモツに
返事を!…
「はい…とてつもないブリザードが起きて…
一日と立たずに氷漬けになります…
ですが私にはそのブリザードに対する耐性が付いていますのでご安心を…
それにもう…時間もあまり残されておりませんので…」
「ッ!……ッ…」
「…ご心配頂きありがとうございます…それでは…」
まるでモツが言おうとしていた事をそのまま話し!…そしてそれ用の対策も
しっかりとしてある事を続けてモツに話して行くと、更に時間が無い事も
口に!…と、それを聞いてモツもハッ!としては黙ってしまい!…次には
何故か何も言い返せない!…と言うより何か言ってはいけない様なそんな
気分になってしまうと、ドラ子は一度モツの方へ振り返って会釈を!…更に
心配をしてくれた事に感謝を示す!…さてそうしてモツにも感謝をした所で
改めて出入り口の方へ振り向き直すと、そのままその場を後に!…
__…ギイイィィィ……バタン!!…
「…行っちゃったし……耐性が有るって言ってたけど…本当に…」
ドラ子がその場を後にすると扉は音を立ててゆっくり閉まり!…そして謁見の間内が
何か妙な沈黙に包まれて行くと、次にはアヤがドラ子を心配!…幾ら耐性が有るとは
言っていたが本当なのか?と…思わず外の様子が見える窓が有る方を振り向いて
行き!…そこで雲行きが怪しく!…今にもブリザードが起きそうなそんな光景を
目にしてしまうと、次にはパルシィが大丈夫!と…アヤを安心させる様に言葉を
掛ける!…
「心配するな!…アイツは過去にこの霊峰までの空路を!…
何時間もフライトし続けた熟練者だ!!…
それこそ敵に落とされたりしない限り!!…
アイツが帰れないなんて事は無い!!…」
「…いやぁ…そんな飛行機のパイロットみたいに言われても…」
それはグッと笑顔を見せる様に微笑み掛けると、ドラ子の事を飛行の熟練者!
と語って行き!…それこそ今までのフライト時間まで口にするよう話し続け!…
知識と経験!…他の誰よりも優秀である様に!…余程の事態が起きない限り
ドラ子が落ちる訳が無い!と堂々と自慢げに語って見せると、それを聞いた
マサキが思わずツッコミを!…やはりパイロットの様に聞こえた事を口にする…
それはまるで旅客機でも操縦しているのか?とばかりに投げ掛けて行くと、
今度はその出入り口からまた扉の軋む音が聞こえ出し!…
__…ギイイィィィ…ッ!…チラッ?…
「…皆様方…お食事の準備が整いましたので食堂へ…
或いはもうお休みになられるのでしたら…
寝室の準備も整っておりますので…どうぞ…」
突如扉の軋む音が聞こえて来た事で一同は視線をそちらに!…するとそこには
シルビィが火の付いた燭台を手に立って居り!…中に居たマサツグ達に対して
食事の用意が出来た事を伝えて行くと、デジャブか…シルビィもカーテシーで
頭を下げる!…その際更にはそれぞれの部屋のベッドメイキングも済ませて
ある事を口にすると、モツがハッ!と何か久々に姿を見た様な気がして声を…
「ッ!…シルビィ!…って、あれ?…グラトニアの姿は?…」
「………」
「……え?…」
時間的には大して間は空いていないが、それでもとにかくシルビィと呼び!…
その際グラトニアが如何なったのか?が気になった様子で質問を口に!…
するとシルビィは突如何故かジッと黙って沈黙し始め!…意味深にその謎の
沈黙を数秒間貫きモツ達の事をジッと見ると、更にモツ達もそんなシルビィの
様子に戸惑ってしまう!…しかし次にはシルビィが何事も無かったかの様子で
返事をする!…だがその返事と言うのはまた不気味で、不穏な臭いを感じさせ!…
「……ご安心ください…まだ死にはしていませんので…」
__ッ!?…どよぉ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…
と言うのもその言い方はまるで今虫の息の様に聞こえてしまい、当然そのシルビィの
言葉を聞いた面々は漏れなく戸惑いを露わに!…何ならそのグラトニアの事が心配に
なり出し!…生きているのか?と言った具合で互いに顔を見合わせる!…明らかに
動揺を表に出し!…さすが鬼教官!?とシルビィの容赦の無さに思わず畏怖の念を
持ってしまう様なそんな反応を見せて居ると、グレイスも思わず戸惑ってしまう!…
だが気分を切り替える様に全員を一度食事に誘う!…
「…せ、折角シグルーンが夕食を用意してくれたみたいですし…
い、一旦食事と言う事にしませんか?…色々と悩む事もありましたが…
悩んで居るばかりでは前に進みません!…一度休憩を挿む意味でも…」
__クウゥゥ~!…ッ!…え、えへへへ♪…
「ッ!…そ、そうやな?…よし!…飯にしよ!!…
ほんで後でゆっくりと考え事したらエェやん!…行こ行こ!…」
この時グレイスもそのシルビィの容赦の無さを知って居た筈だが戸惑いを隠せず!…
それでも一度休憩を取るよう面々に言い!…その際労りも兼ねて言葉を続けて口に
して行き!…何ならその足元では小さく腹の虫を鳴かせるシロの姿も!…それを
聞いて釣られてお腹が空いた様なハティも表情を曇らせるそんな反応を見せて行く
と、次にはマサキが全員を引っ張るよう返事を!…グレイスの言葉に甘え始める!…
そして先陣を切る様にそのシルビィの居る方へと向かって行くと、シルビィもそれに
合わせて言葉を口に!…
「ッ!…では、こちらへ…」
__ガチャ!!…ギイイィィィ……
「ッ!…え?…」
それは全員をその場へ案内するよう返事をしつつ!…だが次の瞬間奇怪な事が!…
と言うのもこの時シルビィはマサキ達に対して会釈をして見せ…一切扉には手を
触れて居なかったのだが!…なのに謁見の間の扉は何故か独りでに音を立てて開き
始め!…となるとそんな光景にえ?っと驚き!…周りの雰囲気から何か不気味なモノ
を見てしまった様な…思わずそんな反応を露わにすると、マサキも言葉を漏らす!…
何ならその足も止めてしまう!…そしてその光景に誰もが見間違いじゃないよな?と
言った様子で慌て出すと、各々目の前の光景に言葉を零し!…
「ッ!?…え?…何で?…って、それより…
なんでシルビィちゃんは澄ましてられるん!?…
それに俺の記憶が正しければこの扉ってぇ?…
そんな自動開閉なんてハイテクなモンじゃなかったよなぁ?…」
「…当たり前ではないか?…さっきドラ子が手動で開けていたでは無いか…
…確かに風で開いたにしても説明に無理が見られるがな?…」
__…ブルルルル!!…ッ…
突然のホラー展開?に度肝を抜かれ!…マサキが一つ一つ思い出す様にして色々と
疑問を持って行くと、それに対してパルシィが返事!…その際奇怪な物を見た!と
ばかりに腕を組み!…何なら興味も持った様子でジッとその独りでに開閉した扉を
見詰めて行くと、くまさんが思わず身震いをして見せ!…アヤもスッとモツの方へと
駆け寄って震える!…何なら怖がる様にしてモツの腕に組み付いて行くと、モツも
気が付いた様子でピクッと反応をして見せ!…
__…キュッ…ッ!…ッ?…
「ッ!…ほぇ~!…」
「ッ…ッ……」
「…魔力の気配も感じられませんね……
それにシグルーンに魔力等に関する適正は無い筈…」
そして一方でシロとハティもこんな光景初めて見た!とばかりにそれぞれ驚いたり
警戒したり!…そんな反応を露わにして居るとグレイスも言葉を!…それはシルビィ
が無実である事を徐に口に!…この時魔法の類で無い事も話して行き!…グレイス
自身もこの現象を初めて見る!と言った若干の驚き様を見せて居ると、一方で無実と
言われたシルビィはフッと軽い笑みを零す!…そこから更に自分がやった事を白状
するのであった!…
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優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!
中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。
※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。
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