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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章十四節 鬼畜の片鱗とマサツグの条件と見えていた結果!-

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フィロはその口元を隠して居た扇子をパチンと閉じると、スッと小馬鹿にする

ようグラトニアの顔先に突き出し!…そして魔王らしく妖しい笑みを浮かべて

見せると玩具扱い!…勿論この時グラトニアは不服!と…フィロを睨み今にも

噛み付かんばかりの怒りの表情を浮かべて見せるが、フィロは構わず話を続ける!…

如何にグラトニアが足手纏いになるか?を小話を交えて話して行く!…


「…そうじゃのう?…仮に些細な事で…

あの小娘がその些細な事を頑なに拒絶し始めたと考えよう!…

しかしその些細な事と言うのはデグレアントにとって、

とってもとぉ~ても重要な事で!…絶対になさねばならない!と言った!…

…あぁ~…まぁとにかくあの小娘とデグレアントとの間で小競り合いが起きて!…

それでどうやってあの小娘に言う事を聞かせるか?で悩む事になるじゃろうな?…

そしてそれに因んで同刻、お主が仮に必死の猛攻を見せるも捕まったとしよう!…

となるとわっちとしてはその侵入者を天からの使いと考えるじゃろうな?…

…何故ならば…その侵入者を小娘の前に引きずり出して拷問に掛ける!…

苦痛に歪むその顔をあの小娘に見せて!…傀儡に出来ると考えるからじゃな?…」


__ッ!?…どよ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…


その際その小話と言うのはまさに結婚の話をネタにしたモノで、恐らくグラトニアが

捕まった際に受けるであろう末路を語り!…と、フィロがそんな話をし出した事で

周りの面々は思わずギョッ!と…そのショッキングな場面を想像したのか?…何なら

それを笑みを浮かべながら話すフィロに狂気の様なモノを感じて居ると、フィロは

話を続ける!…更にデグレアントが取るであろう無慈悲な行動についても予測を

立てる!…


「…因みに言っておくがぁ?…別にお主があの小娘に対して縁も所縁も無くとも…

わっちであればそうするであろうなぁ?…

…あんな単純大馬鹿娘じゃ、その性格が直ぐに優しいモノだと直ぐに悟れよう!…

そして侵入者についても罪状は適当に!…王の暗殺未遂とでもして…

その刑罰を小娘に見せて心を挫く!…その際その侵入者が!…

小娘にとって縁が有った者であれば尚の事好都合と言うモノ!…

あとは先程言った通り!…目の前に連れて来てただ甚振る!…お主を泣かせる!…

それだけであの小娘の心は脆く!…簡単に砕けるであろうからなぁ?…」


それこそリーナの正義感や優しい性格を利用する事を考えて行くと、リーナの

心を折る材料とされる事を話し!…それは見せしめの様に拷問をされる!と

フィロは続け!…その話を聞いてマサツグやモツも恐らく予想が出来てしまった

のか!…そのフィロの話を否定する事無くギュッと拳を握るそんな反応を見せて

居ると、どんどん話は重く圧し掛かる!…グラトニアの心を押し潰す様な方向

へと向かって行き出す!…そしてリーナの心も強くはない!…脆弱!と分かって

いる具合に話しをすると、フィロは更にそのへたり込むグラトニアへ向かって

詰めて見せ!…


__…スゥ…グンッ!!…ッ!?…


「何せ囚われた自分を助ける為に侵入した者が!…

今目の前でひたすらに痛め付けられ!…泣きながらに悶えようとも終わらない!…

永遠の様な責め苦を味わって居るのを見させられる訳なのじゃからなぁ?…

幾ら止めろ!と訴えても自分が首を縦に振らぬ限り助けられぬ!…

…いや?…いっそ目の前で盛大に!…派手に殺して完全に心を砕き!…

もはや物言わぬ廃人にしてしまうと言う手も有るな?…その方が後々楽じゃしな?…

…罪悪感で押し潰される方が先か…自我を捨てて何も考えぬ様になるのが先か…

あの小娘の性格を理解している分、向こうとて容赦はせんじゃろうな?…」


突如フィロに詰められた事でグラトニアは戸惑い、だがそれでもフィロの話は

全く止まらず!…寧ろ更に今度はリーナの心情についてフィロは予測が出来る

様子で話しをして行き!…何ならその話もリーナとグラトニアで関りがある

前提で話を!…そしてその後のリーナの扱いに対しても!…まるで飼い殺しに

出来るよう仕立て上げる様な事を口にすると、さも自分の事の様にほくそ笑む!…

魔王らしい非道な一面を露わにする!…そしてここまでが自分の中で予測が

出来るデグレアントの動きである事を口にすると、更に周りの面々を怯えさせる

様にどよめかせて行き!…


__どよどよ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…


「…それにあの時の水を操る魔術師!…あ奴は空間転移魔法も扱えたな?…

あの魔法を扱えると言う事は相当な錬度を誇っていると考えた方が良い!…

そしてその様な者が何人も居るとなると、更にその潜入は苛烈を極める!…

…マサツグでも無理となるとそのマサツグより弱いお主が行ってももはや

自殺をしに行く様なもの!…最悪…利用するだけして後は奴隷!……いや!…

奴隷であればまだマシか…酷い者となるとそれはもう!!…

筆舌に尽くしがたい!…したくも無い事になるだろうな?…」


各々青褪めてはジッとフィロを見詰め!…まるでそこに本物の悪女が居る様な

感覚に襲われて居ると、更にそこへ補足説明を入れる様にパルシィが言葉を!…

如何に難しいのか?を話し始める!…その際鍵となるのはやはりパルメリアの

様な特異な魔術師達の存在である事を口にすると、同時にその潜入するに

当たっての難易度の高さを!…この時マサツグを物差し代わりに話しを進め!…

そのマサツグより弱いグラトニアでは自殺行為!と…ド直球に無理である!と

現実を見せる様に話しをすると、そんな魔王達からの忠告に対してグラトニアも

ハッ!と…遂には折れた様子でガクッと折れる!…そして何やら小刻みに震える

そんな様子も伺えて来ると、次にはポロポロと泣いているのか涙を零し!…


「……じゃあ!…じゃあ如何すれば良いのよ!!!…」


「ッ!…グラトニア?…」


「もう!…もう!!…あんな思いをするのは嫌なのに!!!…

二度と見たくも無いのに!!…感じたくも無いのに!!!!…

また…また黙って見過ごせって言うの?…ふざけろ!!!!…」


行き場のない怒りにグラトニアは吠え!…その吠えるグラトニアにこれまた各々が

驚いた様子でビクッとすると、次には一同グラトニアへ視線を向ける!…そこで

更に無力感に襲われているグラトニアの姿を目にして行く!…それはまるで過去にも

同じ様な事が有った具合に更に言葉を口にすると、やはり諦め切れない様子で

ふざけろ!と言い!…と、そんな義理堅い様子?にこれまた面々も戸惑う始末!…

と言うのも本当に囚人なのか?と…涙を流すグラトニアの姿に各々の誰もが囚人とは

思えず!…周りの従者達や近衛兵達もこれがあの食人鬼なのか?と困惑した様子で

グラトニアを見詰め居ると、その嘆くグラトニアの様子に何か居た堪れなさを

感じる!…


__…ッ!…ッ……


「…ッ!…ッ…」


この時周りの空気は一気に通夜ムードと化して行き、誰もがそんなグラトニアを

前に何も言う事が出来ず!…その際奇妙な話なのだがこの時のグラトニアの様子

と言うのは…何かリーナを妹と重ねる姉の様に見えてしまい!…その妹が

助けられない!…自身の不運を呪う悲劇のヒロインの様に見せてしまうと、何故

そう見えるのかにやはり疑問を!…一方でマサツグはふとその様子を見て考える

素振りを露わにすると、これまた何かを思い付いた様子を!…そして徐に

グラトニアへ向かって近付き始める!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ポンッ…


「ッ!!…ッ~~~!!!…

な、何よ!!…惨めに吠える私の事を笑いに!!…」


俯き泣きじゃくるグラトニアを前に!…マサツグが何も考えて居ない様子でスッと

その前に立って見せると、次にはしゃがんでその肩に手を置く!…この時怪我を

して居ない方の肩に手を置いて見せる!…するとグラトニアもふとそれを察知した

様子で慌てて涙を拭い出すと、次には顔を上げてマサツグに文句を口に!…それは

完全にへそを曲げた様子で反応をして行き!…ひねくれもしているのか嘲笑いに

来たのか!?と怒気を強めてマサツグに威嚇をするのだが、マサツグは怯みもしない

で突如ある事を口に!…周りを驚かせる言葉を放って見せる!…


「そんなに助けに行きたければ行けば良いじゃん!!…」


__ッ!?…どよぉ!?…


「ちょ!?…ハァ!?…」


それは今までの話を聞いていたのか!?と言わんばかりの衝撃の一言、行きたければ

行けばいい!とすっ呆けた具合に言葉を掛け!…となるとそれを聞いた者達は漏れ

なく全員驚き戸惑い!…何ならそのマサツグの一言にグレイスもぽか~ん!と…理解

出来ない様子で思わず目を点にしてしまう程の衝撃を覚えて居ると、一方でもモツも

そのマサツグの発言に当然の如くツッコミを口に!…しかし一方でマサツグは淡々と

話しを続ける!…その際ふとシロとハティが居る方へ振り向き出すと、徐に二人を

呼び!…


「ッ!…シロ~?…ハティ~?…ちょっと良いかぁ?」


「ッ!…は、はいです!」×2


__テテテテテテ!!…


「おぉ!…お~よしよし!…いい子だぁ!…」


笑顔で手招きをしながら二人を呼び!…笑顔で突如呼ばれたシロとハティもそれに

当然戸惑った具合に返事をすると、それでも素直に従うよう駆け寄り!…と、二人

揃ってマサツグの前に!…マサツグも二人が来た事で褒める様にしゃがんだ状態の

まま声を掛けると、次には頭を撫でて行く!…するとシロとハティもマサツグに

頭を撫でられた事で嬉しいのか、次には反射的に二人揃って甘える素振りを!…


__ワシワシ!…ワシワシ!…ッ!…ッ~~~~♪…パタタタタ!!!…


と、尻尾を振って喜ぶ様子も見せており!…そんな二人の反応を見てマサツグも

大丈夫!と…別に言葉にすると言った事は無くただ笑顔で頷き二人の頭を撫で

続けて居ると、次には再度グラトニアの方へ振り向く!…そして先程の言葉の

真意を語って見せる!…と言うのもマサツグ的にも何か当然目的が有って!…

グラトニアに対して不敵に笑みを浮かべて見せると、徐にこう話しを切り出し!…


「…さぁて?…って言うのもさぁ?…

勿論さっきの話を全然聞いていなかった訳じゃあねぇんだ!…

ただ潜入するに当たって!…恐らくこれが出来れば問題はねぇんじゃねぇのかな?…

って所でちょっとしたテストを考えた訳だ!……つまり!…

行っても良いが条件がある!って事だ!!…」


「ッ!?…え?…」


「ッ!?…いやちょっと待て!!…絶対なんて保証は!!…ッ!!…」


この時マサツグはまるで悪い事を考えた様に!…先程の話も交えてちゃんと

理解している事を話して行くと、ニヤッと悪い笑みを浮かべ続ける!…それは

まるで相手を罠に嵌める事しか考えていない様な!…とにかく不気味な様子を

見せて行くと、グラトニアを行かせるに当たってのテストを思い付いた!と…

と、そんな事を言い出したマサツグに対してグラトニアもピクッ!と反応を

して見せ!…若干驚いた様子でマサツグを見詰る!…モツもそんなマサツグの

言葉に対して当然の如く反論の言葉を口にしようとするのだが、マサツグは

手を突き出してさも大丈夫!と言った様子!…更にグラトニアにその条件を

突き付けて行く!…


「ルールは簡単だ!…で!…

で二人から逃げ切る事が条件だ!!」


「ッ!?…な!?…」


「「「ッ!…あっ…」」」×8


と言うのもこの時マサツグは何故かノリノリ!…その行かせるに当たっての条件を

突き付け!…ふざけた内容にグラトニアも更に戸惑った様子で目を見開き反応を

すると、その話を聞いた面々!…何ならグレイスも次にはその真意が分かった様子で

言葉を漏らす!…そして同時にその結末も見えた様子で誰もが死んだな…と言った

悟った表情を見せて居ると、マサツグは構わず更に詳しいルール説明をグラトニアに

話し!…


「お前にこの二人から逃げ切るだけの足!…

切り抜けるだけの思考力が有るってんなら!…

正直単独でも行けるんじゃないのか?って俺は考えてる!!…

だからそれを試す為の試験を今俺が考えた!!…

…ルールは簡単!!…二人に捕まらずに今から日没まで逃げ切る事!!!…

勿論捕まってしまったらその場でゲームオーバー!!!…

もう次はもう無いと思うが…まぁ、言うなれば実践に近いテストって奴だ!!…

どちらにせよ単純に捕まらないだけの実力が無ければ助ける事も叶わない!!…

…如何だ?…やるか?」


「ッ!?…このお子様達から?…

…えっとぉ…それ、本気で言ってる?…」


ルールも至ってシンプルであり、マサツグ達がここで鬼ごっこをした際と同じ

条件を提示!…と、そんな話を聞いて外野からは更に各々違った反応が!…

それはその時の事を思い出しては青褪める!…ある者はトラウマになって居る

のかプルプルと震えるそんな反応を見せて居ると、それを提示したマサツグの

事を鬼畜扱い!…人でなし!と言った視線を向ける!…因みにその鬼ごっこに

マサツグ達は当然参加をする事は無く、!と…

と、一方でそんなルールを聞かされたグラトニアはキョトンとしており!…

そのマサツグの説明に対してシロとハティを指差しながら戸惑う言葉を口に

すると、物扱いされた事でシロとハティもムッ!と…途端にエンジンが掛かった

様子を露わにする!…


__…カッチ~ン!!×2…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!…


「ッ!…あっ…」


「…如何思うかは結構だが…やるのかやらないのか?…

あと言っておくが舐めて掛ったら豪い目に遭うぞ?…」


シロとハティはジッとグラトニアの事を睨む様に視線を向ける!…それは怒りを

燃やす様に!…二人揃って頬を膨らませるいつもの不機嫌な表情も露わにすると、

思わずグレイスが二人の様子を見て何かを察したかのよう言葉を口に!…一方で

マサツグは再度グラトニアに質問をする!…それは明らかにグラトニアが油断を

している様子を見て更に悪い笑みを浮かべると、一応とばかりに忠告を口に!…

するとそのマサツグの言葉に対してグラトニアはハッ!と…思わず我に返った

様子で目を見開き!…次にはフッと余裕の笑みを零すそんな表情を露わにすると、

寧ろ好都合!とばかりにこんな事を!…


「ッ!…はぁ~?…そんなので許されるのならやってやるわよ!…

…何なら同時にスタートしても良いハンデもあげちゃうわよ?…」


「「ッ!!……言ったですね?…」」×2


「ッ!…あぁ~…」


完全にお子様を相手にするつもりで余裕の笑みを!…何ならもはや勝ちを確信して

いる様子で言葉を口に!…そしてこの時調子に乗って更にハンデも付ける事を約束

して行き!…と、その言葉を聞いて更にシロとハティがシンクロしながら怒りを!…

二言は無いな!?とばかりに確認の言葉を口にすると、そんな三人の様子に

グレイスも呆れる!…もう知~らない!とばかりに苦笑いをする!…さてそうなると

次にはその一連の会話の聞いて居た者達としても心の中で思わず本音を漏らし出す

と、やはり全員同じ事を考え!…


{あの子死んだわね?…}


{死んだな…}


{死にましたね?…}


{見事に焼かれに行きおったな?…}


{勇敢と無謀は紙一重なのか?…}


{死因はヘッドバットによる背骨粉砕?…}


{…南無~……}×2


順番にアヤ・モツ・シルビィ・フィロ・パルシィ・オリハ・マサキとくまさん…

この順番でグラトニアの死を確信して行き!…全員がまるで冥福を祈る様な思わず

呆れながらも悲しい表情を浮かべて見せると、マサキとくまさんに至っては両手を

合わせる!…合掌をしながらグラトニアに視線を向けて行く!…しかしそんな面々

の事など知らないグラトニアは未だ余裕の表情を浮かべて見せると、ウズウズした

様子を見せており!…と、一方でシロとハティも準備OKとばかりにふと興奮状態

になって行き!…猟犬の様な目でグラトニアをジッと見詰め!…口から蒸気の様な

物を吐いて見せると、その本気具合を露わにする!…


__フシュゥ~~!!…フシュゥ~~!!…ガゴン!!…ギイイィィィ!!!…


「ッ~~~!!……さぁ、これで良いでしょ!…

…まだ肩が痛いけど!…それでも逃げる事位訳ない!!…

始めましょ?…時間が惜しいわ!…」


「…本当にやるんだな?…後悔はしないな?…」


さもシロとハティが鬼ごっこに情熱を見せる様にも感じられる一方…グラトニアは

スッと自力で立ち上がって見せて行くと、次には出入り口の門に向かって駆けて

行き!…その際やはりまだ肩が痛いのか庇いつつ!…それでも門の前まで行くと

自力で開け!…何時でも始められる準備をした!と…早く始めたい!と言った様子

で振り返りマサツグに声を掛けると、マサツグはそんなグラトニアに対して最後の

確認を口にする!…まるで今ならまだ引き返せる!と言った様な質問をする!…

さてその一方でシロとハティの二人はと言うと、この時何処からか視線を感じた

様子でふとその視線を感じる方を振り向き!…


__…ッ!…チラァ?…ッ!…


{…ティナ!…ハティ!…

…あまり怪我人を追い込ませる様な事はしたくはないのですが…

…やむを得ません!…彼女を秒殺してしまいなさい!!…

…これも彼女の為でもあり!!…余計な犠牲を生まない為!!…

何より!!…貴方達を馬鹿にした報いを与えるのです!!…}


{ッ!!…はい!!!…おかあさん(さま)!!!…}


二人が振り向くとそこにはグレイスの姿が!…その際グレイスは何か言いたげな

表情で二人を見詰め!…二人もそれに気が付いた様子でジッと見詰め返すそんな

反応を見せて居ると、三人は目と目で通じ合う様に会話!…しかしそこに何か

ジェスチャーも付いて来る!…それはグレイスが何か悲しむ様な表情を見せて

居ると思えば、次にはグッと握り拳を握る様なそんな素振りを露わに!…と、そんな

グレイスの様子に二人もハッ!とした表情を!…となると次にはやる気に満ちた

表情でグレイスに頷き!…マサツグもそれに気が付いた様子でピクッと反応!…

間違いなくグラトニアにある種の危機が訪れている!…何ならその会話が聞こえて

居た様に苦笑いをすると、自身のアイテムポーチよりある物を!…


「ッ!…何か後半の方が本音の様に思えるんだが?…

…と、その前に…グラトニア!!…」


__ヒュッ!!…


「ッ!…え?…きゃっ!…ちょ!…いきなり何よこれ!?…」


思わずツッコミを入れる様に言葉を口に!…そしてアイテムポーチより取り出した

物をグラトニアへ呼び掛けながらヒュッ!と投げて渡して行くと、グラトニアも

呼ばれた事でピクッと反応!…そして物が飛んで来た事で驚き!…が、それでも

何とかギリギリのところで受け取って見せ!…その際マサツグに文句を口に!…

そこから更に投げて来た物についてこれは何!?とばかりに尋ねるよう困惑した

具合で言葉を漏らすと、マサツグは深く答えずにただ飲むよう!…グラトニアに

忠告だけをして行く!…


「…悪い事は言わない!…それを飲んでおけ?…」


「ッ!?…ハァ!?…

いきなりこんな得体も知れないモノを渡されて飲め!だなんて!!…

飲む訳が!!…」


特にコレと言った説明もなく!…いきなり飲め!と言われた事で更にグラトニアが

困惑する様子を露わにすると、当然その渡された物を飲む事を拒否!…何なら

そのまま渡された物を返そうともして見せる!…因みにその渡された物と言うのは

ある小瓶の様で、中身は液体で弾ける様に気泡がシュワシュワとしており!…と、

そんなグラトニアの態度に対して許すまじ!といつの間にかシルビィが!…背後に

回ってその手を掴み!…淡々と怪しい様子を見せて行くと、次には!…


__スゥ…ガッ!!…ッ!?…


「…旦那様が飲めと言っているのです…黙って飲みなさい!…」


「ッ!?…ちょ!?…な、何するの!…は、放し!!…ッ!?…」


勿論この時突如背後を取られた事でグラトニアは驚き、いつの間に!?と言った

表情も露わに!…が、その一方でシルビィは淡々とグラトニアを拘束し続け!…

何ならグラトニアを操り人形の様に力づくでコントロール!…一方でグラトニアも

そんなシルビィの強行に慌てて抵抗をしようとして見せるのだが、敵わない!…

そのまま小瓶の封を切らされる事になってしまう!…となると次にはスッと口元に

運ばれて行くと、拒否も空しくそのまま口に!…


__パキュッ!!…ブンッ!!…ブンッ!!……グワッシ!!…ガボオォ!!!…


「あぼぼぼぼぼぼ!!!…」


それこそグラトニアは最後まで顔を逸らしたり振ったりして抵抗の意志を見せる

のだが、グラトニアが肩を負傷している事を良い事に!…全く問題無い様子で

シルビィは冷静!…寧ろ慣れている様子でその負傷している方の腕から手を離し!…

ガシッと器用に自身の顎も使いながらそのグラトニアの頭を固定すると、そのまま

小瓶の中身を無理やり口の中に流し込む!…それこそ溺れさせる勢いで飲ませに

掛かる!…さてそうして無理やり小瓶の中身を飲ませた事でグラトニアも何とも

言えない状態になって行くと、次には全部飲み切った事を確認してシルビィが

グラトニアの拘束を解き!…


__ゴクッ!…ゴクッ!…ゴクッ!……ッ…スッ…


「ゲッホ!!…ゴッホ!!…ガッホ!!…ッ~~~!!!…

な、何するのよ!!…飲んじゃったじゃない!!!…」


「旦那様からのご慈悲を無下にしようとしたからです…

…それに…飲んで初めて分かると思います…」


その容赦の無さにマサツグも思わず戸惑ってしまう始末!…目を見開きその様子を

ジッと見詰め!…中身を無理やり飲まされたグラトニアもその場で崩れる様にして

膝を着くと、次には文句を口に!…だが一方でシルビィは澄まして見せる!…

それこそ周りから容赦がねぇ!と言った畏怖の視線を集めようが、何事も無かった

かの様に振舞い!…何ならグラトニアの文句に対しても反論を口に!…その態度が

気に食わなかった!と…そして更に飲ませた物についても問題無い様に話しをする

と、次には!…


「ッ!?…な、何を言って!?…ッ!!…」


__ドクンッ!!…パアアァァァァァァ!!!…


そのシルビィの説明に納得が行かないグラトニアはやはり文句を!…が、次には

体に異変を覚えた様子で!…次にはクッと腰を逸らしまるでグラビアのポーズの

様な体勢をして見せると、その体をドクンと脈打たせる!…そして体に眩い光を

纏わせて行く!…それは本人も酷く驚いた様子で仰け反って見せると、徐々に

その光も落ち着き!…となると今度は喉に異変が!…炭酸を飲んだ際の特有の

アレが来そうになって慌てて居ると、我慢出来ずに漏らす!…それは大きく口から

吐き出して見せる!…


「ッ!!……げっふぅっ!…ッ~~~!!!…

…ッ!…あ、あれ?…痛く…ない?…」


口から吐き出したモノと言ってもただのゲップ!…しかし女の子としては些か

恥ずかしいレベルのモノを漏らし!…と、そんなゲップを出してしまった事で

グラトニアもハッ!と…何なら恥かしがる様に両手で口を押さえ!…その際ふと

咄嗟に動かした肩や腕が!…もう痛くない事に気が付いた様子でアレ?と途端に

疑問を持った表情を浮かべて見せると、次にはマサツグが準備完了!と…既に

我に返って居た様子で仕切り始める!…


「……よし!…じゃあ始めるぞぉ~!…」


「え!?…ちょ!……ま、まあいいわ!…

何でか分らないけど!…これなら!!…」


それこそ突如鬼ごっこを始める準備が出来た事を告げて行くと、次にはシロと

ハティが何も疑問を持たない様子でピクッと反応をし!…と、依然として

グラトニアは突然の回復に困惑!…一体何が何だか分からず仕舞いで!…

それでも怪我が治った事でやれる!と…更に余裕が持てた様子でとにかく

マサツグの言うスタートラインに立って見せると、次にはシロとハティも身構え

始める!…さてそうして遂に地獄の鬼ごっこが始まりを迎えようとして居ると、

マサツグは両者の準備が整った事を確認してから合図を取り!…


「位置について!…」


{…やっぱり私があのおチビちゃん達に捕まるなんて有り得ないわ!!…

…所詮時の闘士様って言ってもこの程度!…私の事を甘く見過ぎているから!!…

簡単にこんなテストなんて突破される!!…今に見てなさい!!…

全開で動ける私を捉えられるのは!!!…}


マサツグが腕を振り上げて合図を口に!…その際グラトニアもスタートラインに

立った状態で軽く背後に居るシロ達の方にチラッと視線を向けると、その表情や

仕草!…構えなどを観察する!…しかし幾ら見た所でそこに居るのはただの幼女!…

構えと言ってもまるで駆けっこをする様に腰を落として見せており!…と、そんな

様子を見て更に負ける筈が無い!と…何ならマサツグの考えに対して甘過ぎる!

と言った認識を持って構えて見せると、更にカウントは続き!…


「よ~い!!…」


{そんなにいる筈も無いんだから!!!}


カウントが迫って腕が振り下ろされようとして行くと、グラトニアは自信満々の

笑みを浮かべ!…それは勿論捕まらない事を考えての事で!…シロとハティも

そんなグラトニアの様子を察知してか、グッとその踏み出す足に力を込めて見せる

と、一点にグラトニアだけを見詰めて行く!…さてそうしてマサツグが最後の

言葉を口にすると、次には完全に腕が振り下ろされる訳なのだが!…そこで目に

する光景と言うのは誰もが簡単に想像が付いた光景であり!…もっと言うと勝負は

一瞬!…その呆気ない幕切れに!…何なら容赦の無い幼女二人の様子を目にする

と、各々は当然戸惑った反応を露わにする!…と言うのも!…


「ドン!!!…」


__バッ!!!…ドゴオォ!!!…ドサァ!!…ズサアァァァ!!!…


マサツグが開始の合図を言うと同時にグラトニアが駆け出し始める!…しかし

シロとハティは一踏み!…その一踏みだけに全集中して行き!…脚力にモノを

言わせてその駆け出し始めたグラトニアへ向かって直ぐにミサイルと化して

行くと、グラトニアの背中に二発着弾!…グラトニアの背中をくの字に曲げる!…

それは誰が如何見ても勝負とは言えない呆気ない幕切れに終わって行くと、

グラトニアはシロ達に抱き付かれたまま謁見の間を飛び出し!…そしてすぐ

そこの通路へ放り出されるよう転がって行き!…シロ達はシロ達で捕まえた事に

大喜び!…そのまま這い寄る様にして敗者グラトニアの顔を覗き込むと、何とも悪い笑みを

浮かべ!…更には一言呟いて見せる!…


「「……つ~かま~えた~です♪…」」×2


「ッ~~~!!!…ッ!?…ヒ、ヒィ!!!…

ば、馬鹿な!?…い、一体何が起きて!?…」


そこには父親?マサツグ譲りの悪い笑みを浮かべる小娘が二人!…一方グラトニアも体を

床にぶつけ回った事でその表情を苦痛に歪め!…が、次にはその幼女二人の顔を

目にして思わず恐怖を覚えてしまい!…と、同時に何が起きたのか分からず困惑

し出し!…とにかく何か悪い夢を見ている様な!…信じられない!とばかりに

慌てる様子も見せて居ると、更にシロとハティはグラトニアにお仕置きを!…


__ガッ!…ガッ!!…ギュゥゥ!!!…


「ッ!!!…アアアアアァァァァァァァァ!!!!…」


「何が余裕なんですか!!!…

全然駄目じゃないですか!!!!」


「…普通の人達より体が柔らかい事は認めますが!!…

こうして捕まってしまえば意味がありませんよ!?…

さぁ逃げて見て下さい!!…遠慮は要りませんよぁ~!?…」


シロとハティはグレイスに言われた通り遠慮のない攻めを!…それこそシロは

グラトニアの両腕を掴んで逆海老反り固め!…ハティも両足を掴んで同じく

逆海老反り固めを決めて行くと、宛らそれは地面設置型のパロスペシャルの

様な!…二人掛りの協力技へと発展する!…その際される方も悲鳴を上げて

何とか難を薙がれようと藻掻くのだが、藻掻けるのは首だけで!…その一方で

喧嘩を売って来た割には大した事が無い!と…二人揃ってやはり根に持つよう

言葉を口にして見せると、その様子を遠方から見てるマサツグも一言!…


「…うぅ~む…やっぱりこうなったかぁ…」


と、他人事の様に言葉を漏らし!…その他の面々もまぁそうなるな?と…苦笑いを

しながら技を掛けられているグラトニアを助けるかどうかで悩むそんな反応を

見せて居ると、一方でグレイスはそんな二人の様子に思わずガッツポーズ!…

してやったり!と言った様子を見せるのであった!…尚それは誰にも見られる事無く

やって見せて居た様なのだが、オリハが気が付いた様子でチラリッ!…と、その

様子を見てオリハはハッ!と…後に無邪気そうにやって見せていたその姿を見て…

シロ達の原点を見た!とオリハはマサツグ達に語るのであった!…

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