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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章九十三節 勇者の洗脳?と魔王の武器と無慈悲な銃弾- 第六章終話

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さてアヤをまるで恋愛ドラマの一場面の様な感じで救出すると、一方でその様子を

ジッと見て居る者が!…と言うのもダグレスが何か物申す様な感じでモツを見詰め、

そして何かプライドを傷つけられた様にプルプルと震えながら静かに怒りを燃やし

出すと、ギュッと歯を食い縛る様子も露わにする!…するとそこから吹き飛ばされた

筈のシュタインも何とか体勢を立て直して一度ダグレスの元に戻って来ると、次には

心配をした様子で声を!…


「王子!!!!…ご無事ですか!?…」


__ッ!……ッ……


「申し訳有りません!!!!…

このシュタイン不覚を取ってしまいました!!!…

またあの者を動きを封じれば宜しいで!!…」


自身の役割を全う出来なかった様子で慌てて居り!…シュタインがダグレスに

心配の声を掛けて行くと、ダグレスは声を掛けられた事でピクッと反応!…

しかしシュタインに対して振り返る素振りを一切見せない!…その際ただモツと

アヤの様子をジッと見詰めてはやはり何か静かに怒りに震える様子を見せると、

シュタインもその様子に自分の不甲斐なさに怒って居るのだ!と…となると

次には謝罪の言葉を口に!…今度こそ完璧に自身の役割を!と意気込む姿勢を

見せるのだが…


「……殺せ!…」


「ッ!…は?…」


「ッ!!!!!…あの二人を殺すんだよ!!!!!…

この僕を無視したんだぞ!?…

折角の千載一遇のチャンスを仲間を助ける為に使うなんて!?……

それもこの僕を倒せるチャンスをだよ!?…

無視するって事は僕の事なんて大した事無い!!!…

眼中に無いって事だろう!?…」


ダグレスはシュタインの事など如何でも良く!…何かまた癇癪を起した様に二人を

見詰めたまま指示を出すと、シュタインは聞き取れなかった様子で言葉を…すると

更にダグレスが切れた様子で振り返る!…その際今度は明確にシュタインに対して

モツとアヤを始末する事を口にすると、自分を無視された事に怒りを!…それは

まるで敵味方関係無しに自分を見ろ!と…何ともメンヘラみたいな救い様の無い

理由を口にすると、狂気に憑りつかれた様な表情を露わに!…シュタインもそんな

ダグレスの言葉に戸惑って見せる!…だがダグレスはそんなシュタインの様子など

御構い無し!…続けて話しを口に!…


「いいかい、シュタイン!!!!…

ここであいつ等を殺す事が出来なければ!!!…分かっているよね!?…」


「ッ!!!…そ、それは!?…」


それは見るからに脅しを掛けるよう話しを続け、何ならスッと立ち上がって詰め

寄り!…その怒りの表情を露わにして行き!…と言うのもダグレスの本質はただ

自分が一番!でないと気に入らないらしく!…モツとアヤの始末を再度命じ!…

その言葉にシュタインも更に戸惑った反応を見せて行くと、思わず後退って

見せてしまう!…するとそんなシュタインの戸惑う様子にダグレスも機敏に

反応を示すと、その際更にシュタインへ詰め寄って脅しを掛け!…


「拒否権なんて物も無いんだよ!?…君達には!!…

栄光あるデグレアントの為に死ぬか!?…

逃げてその代償を別の誰かに払わせるかなんて!?…考えるまでも無いだろ!?…」


「ッ!?!?!?…」


それは自身の命令が絶対である事を口にすると、シュタインのその後退りを

敵前逃亡!と言う様に…何ならその自身の仲間達でさえ奴隷として扱う様に!…

そんな暴論を言われて更にシュタインも困惑して見せ!…その感情を諸に出して

一体如何すれば!?と目で訴えるそんな反応を見せて行くと、ダグレスは更に

ある事を!…まるで悪魔の囁きの様な言葉を口にする!…と言うのもそれはさも

身分を与える様に語り出すと…


「あいつ等を殺しさえすれば君は英雄になれるんだよ!?…僕と同じ!!…

選ばれた人間になれるんだよ!!!!!…」


「ッ!?…選ばれし!!…英雄!?…」


__コクリッ!!…


ダグレスは意味深にシュタインの周りを歩きながら!…そして唆す様に言葉を

口に!…それは自分と同じになれる!と話し!…その話を聞いてシュタインも

ハッと何か目が覚めた様なそんな表情を露わにすると、次にはダグレスへ視線を

向ける!…その際復唱する様に英雄と言葉を口にすると、ダグレスはそんな

シュタインに対して笑顔で頷き!…と言ってもその表情からは必死さが全く

抜けて居らず!…まるで狂気に染まっている様!…しかしその表情を見ても尚

何か思い詰める様にシュタインが俯き出すと、これまたある事を口にし出す!…


「……そうだ!…英雄になればマーティンに洋服を買ってやれる!!…

英雄になれば!!…パメラにも美味い物を食わせてやる事が出来る!!!…

英雄になれば!!…もっと家族に良い思いをさせてやる事が出来る!!…

英雄になれば!!!!…英雄になれば!!!!!…英雄になれば!!!!!!…」


それは如何やらシュタインは既婚者であったらしく、その際決して裕福でない事を

漏らし…しかしその位に立てたならば!と考え始め!…自身の思って居る事を思わず

口に!…そしてそれを力にするよう徐々に声を上げて行くと、シュタインは途端に

やる気を!…するとそれを見てダグレスも更に笑って見せる!…それはまるで上手く

行った!とばかりに悪魔な笑みを浮かべて見せると、もう一度シュタインを唆し

始め!…


「そうだ!!…いいぞ!!!…

英雄になれば思うがままなんだ!!!!…

それもあの二人を殺すだけで良い!!!…

君にとっては簡単な仕事だろ!?…」


「はい!!!!…見ていてください王子!!!…

このシュタイン・マーベリックがあの者達の首を貴方の元に!!!…」


「…本当に救い様の無い連中だな…

…アヤ?…傷は大丈夫か?…地面に下ろすぞ?…」


もはや言っている事は犯罪教唆!…そして駄目押しとばかりに三度始末する様に

言ってしまうと、シュタインは暗示に掛ったよう!…威勢良く返事をして見せる!…

それは家族の為!と言った具合に剣を握ると、悲しくも魔王化したモツを睨み!…

と、一連の会話はずぅっとモツに聞こえて居り!…モツも呆れた様で言葉を!…

そっとアヤを地面に寝かせるよう置いて行くと、更に殺気を放って見せる!…


__スゥ…ブワアアアアァァァァァァァァ!!!!…ッ!?…


「…う、うん…大丈夫…

実はチネットが見えない様に私のカバーをしてくれていたみたいで体の方は…

でも顔はカバー出来ないって泣きながら私に謝っていたわ…」


もはや謝っても許さない!と言った具合に大いにブチギレ!…チラッと見る様に

振り返ってはその眼光だけでダグレス達を牽制し!…と、アヤもモツの問い掛け

に対して大丈夫!と返事を!…その際チネットが守ってくれた!と…影ながらに

アヤのカバーをして居た事を話して行くと、その際出来なかった事についても

謝罪をして居ると!…色々とやってくれて居た事を明かし始める!…するとそれを

聞いてモツも一旦は安堵する様なそんな反応を見せて行くと、ついでにふと疑問を…


「そうか…じゃあ後でチーノにもお礼を言わないとな?…

…あれ?じゃあ何でチーノは姿を現さないんだ?…

別に出て来ても問題無いんじゃ?…」


「姿を現すと私の魔力を消費しないといけないからって…

あの子なりに気を掛けてくれているみたい…」


「ッ!…そうか…」


と言うのもその肝心のチネットは何故姿を現さないのか?と…別に怒って居る

訳では無いのだが…姿を現さない事に何か一抹の不安を覚えて行くと、アヤは

またチネットの代りに答えを!…チネット形の気遣いである事を話して行く!…

何でも姿を現すとなると、やはり魔力TPを消費するらしく!…となるとそれを

聞いてモツはもう一度安堵して見せ!…一方で目を血走らせる様にモツを凝視!…

功を焦る様に譫言うわごとみたく何度も英雄!と言葉を口にすると、まるでモツをボーナス

キャラクターと!…もはや人間を止めた様子のシュタインの姿を目にして行く!…


「英雄!!…英雄!!…英雄!!…英雄!!…英雄!!…英雄!!…」


{…この僕を虚仮にしてくれたんだ!!!…

その代償をしっかり払って貰うとしようか!?…}


「……鑑定アプレェィザァル!!」


モツの眼光に戸惑いながらも未だ譫言の様にシュタインは英雄と…その隣では

シュタインと協力して戦う姿勢を見せるダグレスの姿が!…しかしその心情は

と言うと真っ黒で!…私利私欲でモツを始末する事しか考えないで居ると、

未だに不気味な笑みを浮かべる!…となると当然もはやどこの誰が如何見ても

悪者にしか見えず、未だいる観客達も悍ましいと!と…と、そんな二人を前に

モツは一切慌てず行動!…まずは安定の初手に入り!…そこから相手の動きを

もう一度思い出す様な驚くほどの冷静振りを見せて行くと、モツの目の前には

二人のステータスが!…


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「戦士(シュタイン・マーベリック)」  

 Lv.53

 HP 49500 ATK 460  DEF 450

      MATK 100 MDEF 440


 SKILL

 剣術 Lv.3  防御術 Lv.14  防御崩し術 Lv.14  追跡術 Lv.11
 -----------------------------------------------------------------------

 -----------------------------------------------------------------------

 「デグレアント帝国第一王子・勇者(ダグレス・ディスティリア・デグレアント)」  

 Lv.55

 HP 49500 ATK 490  DEF 450

      MATK 480 MDEF 450


 SKILL

 剣術 Lv.13  万能魔法術 Lv.10  防御術 Lv.14  気配隠し Lv.7

 洗脳術 Lv.13  狂気変貌  魔剣適性○  王位継承候補者 
 -----------------------------------------------------------------------

__……スゥ…ッ…ヴワァッサァ!!!…パタパタパタパタ!…


さて二人のステータスも確認した所でモツはゆっくりと立ち上る!…その際その黒い

揺らめく外套は風も無いのにはためき続け!…モツもそんな外套を邪魔そうに!…

バサッと手で払いながらその普通じゃない二人に対して武器を握ると、独特の威圧感

を放って行く!…それはまた二人の体の自由を奪いそうな程に重く圧し掛かって行く

のだが、二人も二度も喰らうか!とばかりに踏ん張り!…と、そんなモツの様子を

倒れながら見ている事しかアヤには出来ず!…モツを心配する様に言葉を口に!…

と、同時にまた頭の中でチネットの言葉を耳にすると、チネットは必死に謝り続け!…


「……モツ!!…ッ!!!…」


{アヤさんごめんなさい!!!…ごめんなさい!!!!…

僕がもっとしっかりして居ればこんな事には!!!…}


「ッ!…良いのよチネット!…私こそゴメンね?…

もっと冷静になって居ればこんな事にはならなかったのに!…

負担…掛けちゃってゴメンね?…」


{そんな!!!!…僕はただアヤさんとの約束を守る為に!!…

でも!!…その約束もまもれなぐで!!…ごめん!!…

ごべんなざあぁい!!!!…}


未だ自身の責任を感じている様子で、チネットは何度も泣きながらにアヤへ謝り!…

と、そんなチネットの謝罪を聞いてアヤも自分が悪かった!と…感情のままに動いた

事を反省して行き、その上でチネットにもう一度ゴメン!と涙を零すと、チネットは

その言葉に恐縮!…相変わらずの泣き虫ぶりを発揮する!…そしてそんな二人を守る

様に立ったモツはと言うと、徐に左手を自身の右腰に向かってスッと手を回し!…


__…スゥ…カチャッ!!…スゥゥ……ッ!…


「…よくもまぁ…ここまで俺を怒らせてくれたよな?…ある意味尊敬するよ…

ホント…人を怒らせる事に関してはピカイチだな…デグレアントって…」


__ジャキンッ!!!…ッ!?……ッ…


そこにはまるでモツの腰の陰に隠れるよう、一丁の拳銃ホルスターが有った様子で…

するとモツはそこからスッとその拳銃を抜いて行き!…さもダグレス達を相手に

ソレをぶっ放そう!と考えた様子でその拳銃の姿を露わにして行くと、その異様な

形も露わに!…更にダグレス達を驚かせる!…と言うのもその手に握られている銃と

言うのは、如何にも拳銃と言うには些か大き過ぎで!…簡単に説明をすると某・最終

幻想の七作目に出て来る拳銃キャラ!…そのキャラが持って居る様なロングバレルの

厳つい物が出て来て!…と、モツは呆れた様子で言葉を零し!…それをダグラス達に

向けて突き付け亜流の剣士となって行くと、銃も更に異様な様子を!…その銃身に

突如風を纏い始める!…


__…シュンッ…バシュウウゥゥン!!!…ボボボボボボボボ!!!!…


「ッ!?……フ、フン!!…妙な銃を抜いた所で!!…

二対一の不利な状況は変わらないよ!?…

それどころかこっちの戦士はこんなに殺る気になっちゃってるし!!…

英雄さんその二!!…君は本当にここで死んじゃうんだ!!…」


「……はあぁ~…お前も何処かの中将みたいに戦いは数だって言いたい訳だ…」


「ッ!?…だから如何だと!?…」


この時恐らくその異様な銃と共にモツの様子にもビビったのだろうか、ダグレスは

強がる様に言葉を口に!…しかしその口調からはやはり既に弱気が感じられ!…

何ならその言葉にモツも引っ掛かった様子で静かにツッコミを入れて行くと、更に

呆れて首を左右に振って見せる!…その際某・白い悪魔に「やらせはせんぞ!!」と

単身機関銃で挑む中将が思い浮かんだ事を口にすると、そのモツの発言にダグレスが

またもや癇癪を起し!…となると食って掛かる様に言葉を口にし出すのだが、それも

最後まで言わせる事も無く!…


「教えてやるよ!!…戦いは数は数でも…

質が悪かったら結局一緒だって事をさぁ!!!!」


「ッ!!!…やれるもんなら!!…やって見ろ!!!!」


「ウオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!」


モツはダグレス達の事を有象無象!と…それこそそこら辺に居る雑兵と変わらない

事を口にすると、珍しく相手を挑発!…するとダグレス達も簡単に乗った様子で

激昂する!…となるとそこから剣を掲げモツに向かって突貫をしようと声を上げる

と、本来ならその様子は勇ましく見える筈なのだが!…目が血走って居たり一本

キレた表情だったりと…とても勇ましいの言葉では収まらず!…何方かと言うと

もはやバーサーカーの様にしか見えなくなってしまうと、一方でモツは未だ呆れた

様子…静かに狙いを定めながら引き金に人差し指を掛けて行く!…


「…はあぁ~……これ一発撃つのにそこそこお金が掛かるから…

撃ちたくはないんだけどなぁ~…」


「英雄!!!…英雄!!!…英雄!!!…英雄!!!…英雄!!!…英雄!!!…」


「…まずさっきから馬鹿の一つ覚えみたいに…

喋らなくなったあの可哀想な奴から始末するか…」


呆れて溜息を吐きながら嫌々言葉を、まるでマサツグみたいに採算が合わない事を

口に!…しかしそれでももう時間は掛けては居られない!と判断をした様子で!…

一方でシュタインは未だに何かに憑りつかれた感じで言葉を!…ダグレスより先に

前に出て居の一番にモツに斬り掛かろうとして行くと、モツもまずはシュタインに

ターゲットを絞る!…その異様な銃を突き付けて行く!…因みにモツの持っている

銃と言うのは先程挙げた通り、某・最終幻想七作目に出て来るキャラの武器の様で…

中でも最終最強武器に似て居り!…その銃口から怪しい黒い風を若干漏らすと、

シュタインはそれでも構わず突貫!…何ならモツに挑発をする!…


「ッ!!!…無駄だ俺の鎧はそんじゃそこらの代物とは!!…」


余程自身の耐久性や防御力に自信が有るのか、銃など効かない!と言葉を口に…

だがモツはそんなシュタインの忠告など御構い無しに狙いを定め!…その狙いを

シュタインの胸…心臓に対してスッと銃口を向けて行くと、一方でシュタインも

それに対してピクッ!と反応!…すかさず盾を構えて見せる!…それは盾と鎧の

二重防御で防ぎ切る!と言った様子で更に接近をして行くと、次にはモツがそれ

でも御構い無しに引き金を引き!…


__コオォォォ!!!!…バシュウウゥゥゥゥンンンン!!!!!…ゴウッ!!!…


「……え?…」


それこそまだ何か有った様子で喋っていたのに!…御構い無しにモツが引き金を

引いてしまうと、それは銃と言うのには幾分可笑しい!…奇妙な発砲音が闘技場に

響く!…その際それを簡単に説明するとするなら、まるでガン○ムに出て来る様な

ビーム音が辺りに響き!…と、次の瞬間その発砲音が聞こえたかと思うとシュタイン

が忽然と姿を消し!…ダグレスも突如目の前に居た筈のシュタインが消えた事で

途端に戸惑った反応を見せて行くと、観客達もどよめく!…その何があったのか?

をどよめきで語る!…


__どよどよ!?………ガシャアァァン!!!…パラパラ…


この時観客達の目に映った光景と言うのはダグレスの後ろを浮遊するシュタインの

姿で…その際着込んで居た鎧は胸元から腹部・肩に掛けて見事に砕けて居り、盾も

跡形も無く破損!…何なら撃たれたであろう本人は未だ血走った目のままニヤケ面

をキープしており!…それはまるで今だに何が起きているのか分かって居ない

様子!…とにかく一瞬の出来事に理解が追い付いていない反応を見せて居ると、

程無くシュタインは地面に落下…激しい衝撃を音を響かせて行く!…さてそうなると

一人欠けた事に気が付いたのかダグレスが途端に脚を止めると、次には恐る恐る

振り返り!…


__ッ!?……そろぉ~……ッ!?!?…


「…自慢の鎧は粉々になったみたいだけど……生きてるか?…」


ダグレスが振り返るとそこにはやはり倒れているシュタインの姿が!…その際

表情は変わっておらず…生きているのか死んでいるのかすら分からない状態で

大の字になってそこに居ると、当然その惨状にダグレス困惑!…一方でモツは

シュタインへ徐に声を掛ける!…それこそ先程まで防御に自信がある!と豪語

していたにも関わらず、この有様とツッコむ様に言葉を口に!…だがそうやって

言葉を掛けた所で返事は無く!…ダグレスはそんなシュタインの様子を見て勿論

動揺して見せると、途端にカタカタと震え始める!…


「…な、何だ?…それ!?…そんな物!!…デグレアントにも!?…」


「…当たり前だろ?…デグレアントにこんな物が有る訳がない!…

なんせこれ特注品だし?…」


「ッ?!…と、特ちゅ!?…」


その際自国の開発力でもこんな兵器は未だ見た事が無い様な事を漏らして見せる

と、モツに対して青褪めて見せ!…と、そんなダグレスの言葉にモツもこれまた

律義に返事を口に!…と言うのも特注品であるらしく!…さも自分専用とばかりに

スッとその銃口に息を吹きかける様なそんな素振りを見せて行くと、ダグレスも

更に戸惑う!…何なら後退りをする様なそんな素振りを露わにする!…すると

その一方でモツもそんなダグレスの様子に気が付いたのか、興が乗った様子で更に

その銃の説明を口に!…


「一発撃ち出すのに約2秒…一度に三発まで連射可能だけど…

さっき言った通りコイツの弾薬がこれまた特注で高いんだ…

だから毎回撃つのは追い込まれた時か…

或いは如何しようも無いほどムカついている時限りのみ!…

…なんせこの銃を作るのに必要だった素材ってのが…

あのだったんだからな?…」


それはまるで友人に説明をするよう仕様を話し…何故今まで使わなかったかに

ついても躊躇いがあった事を続けて話すと、今は特別である事をこれまた明かす!…

その際この場合その特例の二番目に当たっていると話して行くと、きっかけを

作ったのはお前!とばかりにチラッと睨み!…と、モツに睨まれた事でダグレスも

思わずビクッとして見せ!…だが構わずモツの説明は更に続く!…そしてその

説明の最後にバルデウスの素材を使った事を!…つまりは魔王の素材で出来て居る

事をポロッと零すと、さすが有名人なのかダグレスも更に驚いた様子で反応を!…

あり得ない!と慌てて困惑し出す!…


「ッ!?…なっ!?…そ、そんな馬鹿な!?…

ま、魔王の素材だって!?…ふざけた事を言うんじゃない!!!…

この世に魔王が存在する訳が!?…」


「まぁ…普通はそう言うよな?…

俺だってまだレベル15にして魔王と戦う破目になるとは思っても居なかったし…

まさか戦ってその相手を撃退に追い込むとも思ってもいなかった!…

でもやってしまったからこうして今俺の手にこの銃が握られている訳だ!…

…これだけでも十分証拠になると思うんだがな?…」


__ジャキンッ!!…スッ…ッ!?……


魔王の素材を使った武器!…と言うよりも魔王の存在自体に疑問を持っている

様子で!…と、そんなダグレスの言葉にモツも更に反応をして見せ!…と言っても

ふと思い返す様にして銃を見詰め!…そこからマサツグとの経緯を交えて魔王と

遭遇した事を思い出すと、今となっては良い思い出なのか…フッと思わず笑みを

零す!…そしてダグレスの疑問に対してこれが証拠!とばかりにリロード再装填をすると、

無慈悲にその銃口をダグレスへ突き付け!…するとダグレスもそんなモツの様子に

対してハッ!と…剣を片手にワナワナと震え始めて行き!…恐怖を払拭しようと

しているのか…突如自身に暗示を掛けるよう言葉を口にして見せると、またもや

異変を露わにする!…


「有り得ない!!…嘘だ!!…嘘に決まっている!!…

魔王は勇者にしか倒せない筈なんだ!!!…この世に勇者は二人と居ない!!!…」


「…とことん可哀想な奴だな?……じゃあ、俺は別に勇者じゃなくて良い!…」


__ッ!?…バッ!!…


それはもはや情緒不安定!…今にも発狂しそうな感じで頭を抱えて俯き!…とにかく

自分が勇者でないと駄目である事を口すると、モツはそんな子供じみた台詞に更に

呆れる!…何なら呆れを通り越して憐れみ始める!…その際そんなダグレスに対して

さも大人になるようモツが言葉を口にすると、ダグレスの拘りである勇者を簡単に

切り捨て!…となるとそれを聞いてダグレスはハッ!と頭を上げ出し!…そのモツの

言葉を聞いてさも常識を疑う様なそんな表情を浮かべて見せると、モツはダグレスへ

向かって更に言葉を!…真っ向からダグレスの全てを否定しに掛かる!…


「お前の言う勇者がただ馬鹿みたいに暴れ回る奴の事を言うのなら!…

…いっそ俺はお前の言う自己犠牲の塊みたいな悪役の方がずっと良い!!…」


「ッ!?…ッ…ッ~~~~!!!!…」


と言うのもそのダグレスの言う言葉をまんま否定!…自身はダグレスに対して

悪になる!と…それはさもダグレスが異常である様に未だ怒りを露わにして

吠えて見せると、ダグレスはその言葉に怯み!…しかし次には否定された事で

怒りを燃やす!…さてそうして二人が睨み合う様にして構え合って行くと、

モツは静かに銃の引き金に指を掛け!…と、その頃氷の壁の向こうではマサキが

バッカスとの戦いに決着を!…僧侶のネフィルもフィロ達によって掴まったのか!…

抵抗する声がギャアギャアと騒がしく聞こえて来始めると、何やら慌ただしく

なり始める!…


「ッ!!!…放しなさい!!…私を誰だと!?…」


「やかましいでありんす!!!…そっちこそわっちを誰だと思って居るのかや!?…

…わっちはかつて傾国の妖狐として恐れられたあの!!…

…っと、これは黒歴史でありんすな…魔王フィロネウスでありんす!!!!…

それこそわっちの気分次第ではお主の首など簡単に!!…」


氷の向こうではまるで自分が高貴の出である様な言い方をするネフィルの声が!…

しかしそれを当然の様に一蹴するフィロの声も聞こえ!…何なら逆に自分の方が

高貴!とばかりに吠えて見せ!…その際何か聞いた事のある様な無い様な?…

本人もそれを口にして途端にこれは違う!と言った具合に仕切り直すと、自身が

魔王である事を口にする!…そして生殺与奪の権利は自身が握っている事を続けて

話して行くのだが、そんなフィロに対してネフィルは焦りながらも未だ強気で

反論を!…


「ッ!?…あ、貴方の様な痴女が妖炎艶狐の魔王な訳が無いでしょ!!!…

嘘を吐くにしてももう少し言葉を選びなさい!!!…」


「ッ!?…な、なにょ~~~~!!!!!…ッ~~~~!!!…

パルシィ!!!…やっぱりこの愚か者をここで始末してしまわんか!?…

わっちの勘がここで排除しておかねば面倒になると言っておる!!!!…」


「…嘘だろ?…ネフィルが捕まったって事はバッカスは?…

…さっきまで戦う音が聞こえていた筈なのに聞こえて来ない?…

バッカスは生きているのか?……それとも!?…」


と言うのも身分詐称と馬鹿にし、その理由に格好が際どい!と…何ならこんな痴女

みたいな奴が魔王である筈が無い!と命知らずにも程がある具合で吠えて行くと、

勿論フィロもカチンと来た様子!…花魁から幼女口調に戻ってしまう!…そして

そんな口を叩くネフィルに対して怒りを抱くと、終いにはパルシィに対して始末の

許可を取り出し!…と、そんな賑やかな声が聞こえて来た事でダグレスはハッ!と…

向こう側が全滅した事を悟って行くと、漸く危機感を!…思わず呆然とするので

あった!…


第六章スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編   完

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俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
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朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

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