583 / 743
-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章九十一節 デグレアントの教えと男の意地!と激昂のアヤ!-
しおりを挟むさてオリハが改めてネフィルの事を追い駆け出すと、一方でマサキもその様子に
気が付いた反応を!…が、見てみるとそれはバッカスを助けるのではなく女王の
方へと向かって居り!…マサキもそれを見てバッカスを見捨てて行くのか!?と…
驚き戸惑った反応を露わにすると、その直ぐ傍ではバッカスが!…戸惑うマサキ
に対して攻撃を仕掛ける!…それはとてもフラフラとしながら拳を構えると、
もう真空破は使えないのか生身で殴り掛かり!…
__ググググ!!!…ッ!?…グオン!!!…
「おいやめとけ!!!…ホンマに死んでまうぞ!?…
そんな体で戦えるか!!!…そのまま戦ったらお前!!!…
出血多量で死んでまうぞ!?…」
「まだだ!!…まだ終わっちゃいねぇよ!!…」
胸の傷が予想以上に深いのか、動くのもやっと!と言った具合にバッカスは
マサキへ襲い掛かり!…と、マサキもハッと咄嗟に気が付いた様子で寸での
所を回避して行き!…そして反撃をすると言った事も無く…と言うよりも
これ以上は無駄な戦闘!と考えている様子で逆にバッカスに止まるよう声を
掛けて行くと、バッカスはそれに対して反論!…まだやれる!と不敵に笑って
見せる!…しかしそれとは裏腹にそのバッカスの足元には血だまりが!…
それはもう直ぐ倒れてしまうかもしれない事を物語っており!…
__ブシュウ!!!…ボタボタッ!!!…ッ!!…ッ~~~!!!…
「ッ!?…このアホ!!!…」
それでも必死に歯を食い縛って痛みに耐え!…もう一度マサキに向かってその
丸太みたいな腕で殴り掛かろうとして行くと、マサキもその様子に呆れを通り
越して怒りを!…それ以上は止めろ!とばかりにツッコミを入れる!…しかし
吠えた所でやはりバッカスが止まる様子を見せる事は決して無く、腕を振り
上げるとそのまま襲い掛かり!…が、その時の攻撃と言うのは武道家の武の字も
無い様なモノで!…もはや素人同然の域にまで落ちて居り…
「ッ~~!!!…せいやああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
__スウゥゥ…ッ!…バッ!!…ブシュウ!!!…ッ!!…ッ~~~!!!…
「ッ!?…だから言うたやろ!?…お前の体じゃもう戦え!!…」
何ならそこに相手の攻撃の軌道が分かるスキルまで発動すると、回避は容易に!…
マサキは簡単にバックステップで距離を取り!…バッカスの攻撃もそのままただの
空振りに終わって行くと、更に出血を促す事になって行く!…それは次第にまるで
滝の様に真っ赤に染まると、更にバッカスが苦しそうな表情を!…となるとそれを
見てマサキも再度警告を!…その際これが最後と言った様子でバッカスに降伏を
促すのだが、バッカスはそんなマサキの呼び掛けに対してグッと怒りを覚えた表情
を見せて行くと、それでもまたもや襲い掛かる!…
「ッ!!!…オオオオオォォォォォ!!!!…」
__ッ!…バッ!!……ブォン!!!…ブシュウゥゥ!!!…
「グッ!!!…ガアアァァァ!!!…はぁ~!!…はぁ~!!…」
それはもはや形振り構わない様子で負傷しながらでも腕を交互に振り回す様にして
二撃目を!…しかしこれもマサキは分かっている様子でもう一度バックステップを
して行き!…いとも簡単にその攻撃もスッと回避をして見せると、またもや出血に
繋がり!…と、今度は勢いもあってか更に激しい出血が見られ!…何なら今度は
堪えたのかまた表情を歪め!…片膝を着く様子までマサキの目の前で見せて行くと、
切羽詰まる息の切らし方まで露にする!…それは体全体で呼吸をする様に激しく
息を切らして見せると、マサキもそんなバッカスの必死な様子に更に戸惑い!…
「…何でや?…何でそこまでシンドイ思いしてまで戦おうとすんねや!?…
ここで死んでまうより捕まってでも生き延びた方がまだ!!…
チャンスは有るかも知れんのに!!!……」
「ッ!!…ガハァ!!!…はぁ~!!…はぁ~!!…
…そ、そんなモン!!…そんなモン!!!…俺達に!!!…
有る訳ねぇだろうが!!!!…」
「ッ!?……」
もはや疑問さえ覚えた具合に!…何ならその事についてまんまバッカスに尋ねる
様にして声を掛けると、バッカスはそのマサキの問い掛けに対してピクッと反応!…
その質問に対して愚問!とばかりに吠えて見せる!…その際顔だけ挙げてマサキの
「生きていれば」と言う言葉に対して過敏に反応を示して行くと、さも生き残る
事を許されていない様な口振りを露わに!…となるとそんな返事が帰って来た事で
マサキは戸惑い!…思わずビックリした様なそんな反応を見せて居ると、バッカスは
更に吠える!…デグレアントが如何言う所なのかを続けて話す!…
「いいか!?…俺達デグレアントの人間は絶対に後退は許されないんだよ!!!!…
戦って!!…戦って!!!…戦って!!!!…死ぬ時も倒されるのでは無く!!!…
前のめりに死なないといけない場所なんだよ!!!!…
…敵に背を向ける事は恥とし!!!…武人として捕まる事は奴隷も同然!!!…
捕まれば即刻舌を噛んで自害もする!!!…
それがデグレアントの掟なんだよ!!!!…」
バッカスは自分の国の事をさも何処かの旧軍事国家の様に語り始める!…それは
本人が望まなくとも掟を強要される所であり、戦って死ぬ事を誉れと!…その際
敵に対して背を向ける、或いは捕まる事を重罪としており!…捕まれば即自害!…
とにかく例外が一切認められない場所である!と堂々マサキに口にすると、それを
怒鳴る様に語って見せる!…それはマサキに対して鬱憤をぶつける様にも見えて
行くと、マサキも思わず戸惑った様子で反応をしてしまい!…
「ッ!?…」
「何も知らねぇ奴が偉そうに!!!!…
ガタガタ抜かしてるんじゃねええええぇぇぇぇぇ!!!!」
__ッ~~…バッ!!!!…
と、マサキが思わず怯んで居るとバッカスは怒った事でまた出血を!…それは
興奮した事で血の巡りが良くなった具合にダラダラと流れ!…そして怒りのせいか
痛みも忘れた感じで突如タックルを決める様に立ち上って行くと、次にはもう一度
マサキに向かって腕を振り上げる!…三度襲い掛かろうとして見せる!…その際
大きく振り被って勢いそのままに吠えて行くと、有りっ丈の力を籠める様に拳を
突き出し!…
「うおおおおああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!…」
「しまっ!!!…」
__ガシイィィィィンン!!!!…
「グッ!!!!…」
この時突如バッカスが飛び掛って来た事でスキルはしっかり発動するが、肝心の
マサキが虚を突かれた事で反応が出来ず!…結果反応が遅れて回避が出来ない!
となるとマサキは咄嗟にヌンチャクで防御!…何とかダメージを軽減させる事には
成功するが!…それでも勢いは殺せなかった様子でそのまま後ろに吹き飛ばされる
と、宙に浮いたままバランスを崩し!…そして地面に叩き付けられる様に地面を
転がる!…何なら幾ら威力を削いだと言ってもHPの一割を削られており、それは
それで地味にダメージも大きく!…
__ふわぁ!!!……ダンッ!!!…ゴロゴロゴロゴロ!!!…
「ッ!!!…つぅ~~~!!!…
何やこれ!?…まるで車に撥ねられた様な衝撃が!?…
意識も朦朧として来たし!!…これは!!!…」
「ッ!?…お義父様!?(マサキ殿!?)…」
それ程までに強い衝撃を受けた事でマサキも若干意識を朦朧とさせてしまい!…
感覚的にはまるで車に撥ねられた様な!…スタン状態でも無いのに思う様に
立ち上がれないそんな状態になって行くと、マサキ自身もこれはヤバい!と…
戸惑った具合に言葉を零す!…するとその様子を傍から見ていたフィロと
パルシィも途端にまた慌てた具合にマサキを呼ぶと、勿論とばかりにマサキの
心配をするのだが!…しかし今この場を離れる訳には当然行かず!…ただ
遠目から眺めるだけと、二人で何か歯がゆい思いをして居ると、一方で
バッカスがフラフラと…マサキに向かって歩いて行く!…
「…グッ!!!…ガハァ!!!……ぜぇ!!…ぜぇ!!…
ま、まさか!!…こんな奴にここまでやられるとは思っても無かった!!…
…そして!!…俺は!!………多分ここで死ぬだろう……」
「ッ~~~!!!…ッ!?…」
「せめて!!…せめてお前だけでも!!!!…」
その足取りはかなり遅いもののマサキへ向かって続いて居り!…バッカス自身も
まさかこんな事になるとは思いもしなかった様子で言葉を口に!…何なら自身の
死を悟っている様子で言葉を続け!…何か嫌な感じでニヤッと笑みも浮かべて
見せると、決して脚を止めない!…意味深にマサキへ向かって歩き続ける!…
するとマサキもまだ立てない様子で藻掻いて居ると、一応はバッカスが向かって
来ている事だけは認識出来た様子で!…と言うのもその様子はマサキの目から
見てもとても可笑しく!…マサキとしても容易に想像が出来たのかヤバい!と言う
本能が騒ぎ出すと、更に藻掻く素振りを露わにする!…
__ッ!?…グ、グググ!!!…
{ッ!?…これはヤバイ!!!…このままやとホンマに死んでまう!!!…
幾らゲームの中とは言え死ぬ気なんかサラサラ無いのに!!!…
クソ!!!…視界が歪んで方向感覚が狂う!!!…
こんな奴と心中なんざ勘弁やで!!!…}
「えぇ~い!!!…お義父様から離れよ!!!!…」
言わずもがなバッカスはマサキを道連れにするつもりで近付き続ける!…そして
一方でそれを理解しているマサキとしても必死に藻掻き何とか距離を取ろうと
して見せるのだが、出来たのはやっとの思いで片膝立ちで!…それも地面に手を
着いてのモノであり、平衡感覚も麻痺しているのかそこから思う様に立てない!
と言った脱力感にも悩まされていると、その間にもまるでゾンビの様に大男が
進行!…更にヤバい雰囲気となって行く!…となるとそれを見てフィロもすかさず
マサキの代りにバッカスへ止めを刺そうとするのだが、またもやパルシィが止めに
入り!…
「駄目だ玉藻前!!!!…
今のお前が下手に手を出せば!!!…マサキ殿まで!!!…」
「ッ!?…この期に及んで何を!?…それ位わっちと手加減位!!!!…」
と言うのもパルシィはフィロの腕を信頼していない様子で有り!…この時何か思い
当たる節があるのか…それを引っ張っている具合にマサキを巻き込みかねない!と
詰め寄る様にして注意をすると、フィロもそれに対して反論を口に!…いい加減に
しろ!と文句を零す!…その際未だ迫って行くバッカスの様子を目で追いながら
慌てて見せると、既にその手に狐火を握って見せ!…しかしパルシィはその手を
更に掴みに掛かって行き!…更に詰め寄り説教をするようその引っ掛かっている事
を口にすると、更にフィロへ制止を促し!…
__ガッ!!!…ッ!?…
「忘れたのか!?…貴様は今と同じ位に慌てて!!!…
そう言って目的のモノだけでなく!…町一つを焼け野原にした事を!!!…」
「ッ!?…ッ…ッ~~~!!!…」
突如手を掴まれた事でフィロもビクッ!と!…思わず狐火を消してしまい!…その際
詰め寄って来たパルシィの真剣な表情を目にすると、思わず怯んだ様子で固まって
しまう!…その間一方でパルシィは前科がある様にフィロへある事を思い出させる
様に言葉を続けて見せて行くと、同じ過ちを繰り返すのか!?と…それは状況が状況
だけに起きかねない!と言った具合にパルシィも慌て!…何か既視感が有るのか?…
フィロもそれを言われて更にピクッと何かを思い出した様なそんな反応を露わにする
と、そのまま攻撃を躊躇ってしまう!…と、そうして居る内にもバッカスは更に膝を
着くマサキへ向かって行き!…マサキも一方で覚悟を決めた様子である事を考える
と、次にはそれを行動に移し!…
「ッ!!!…こうなりゃ成る様に成れ!!!…
何事も経験や!!!……一か八か!!!!…」
__グググッ!!!…バッ!!!…
「死ねええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
それはタイミングを見計らう様に!…力が入り難いながらも!…いつでも動ける
様にその自身の足に力を入れて備えて行くと、バッカスが近付いて来るのを待ち!…
と、その一方でバッカスも自身の間合いにマサキの姿を捉えて行き!…次には
止めの一撃を繰り出そうと!…また大きく腕を振り被りマサキに狙いを付けて行く
と、次には吠えながら殴り掛かる!…一気に腕を振り下ろそうとして見せる!…
だがそのバッカスの動きより先にマサキがハッとした様子で動き出すと、さすが
マサツグの父親!とばかりに奇策を!…
__ッ!!…ババッ!!!…ッ!?…ズザアァ!!!…
「ッ!?…な!?何を!?」
それは振り被るバッカスに飛び掛かる!…のではなく!…目でフェイントを入れて
バッカスの股下を潜り抜けると、まずは攻撃を逃れようとして見せる!…すると
バッカスもこれにはまんまと引っ掛かった様子で戸惑って見せると、次にはハッ!
と騙された事に気が付き!…と、その様子は勿論フィロやパルシィの目にも映って
行き!…突然の展開に戸惑いの言葉を!…一体何をするのか!?とばかりに戸惑い
続ける様子を露わにすると、マサキも更に追い打ちを!…
「ッ!?…えぇ~い!!!…ちょこまかとうっとおしい!!!…大人しく!!…」
「やられる訳無いやろが!!!!…」
この時バッカスはすっかり騙された事で慌てて見せると、直ぐに目でマサキを追い
駆け!…となると当然まだ抗うマサキに対して文句も口に!…さっさとくたばれ!
とばかりに苛立ちを隠せない事を言って見せようとするのだが、マサキは最後まで
言わせる事無く!…逆に文句を言い返しながら攻撃に出る!…その際バッカスの
背後に回って行くと、次には左手でブレーキを掛けながらその左手を軸に回転!…
まるでブレイクダンスを踊る様に蹴りを繰り出し!…
__ズザアァ、フォン!!…ドガァッ!!!…
「ッ!?…な、にぃ!?…」
その蹴りは綺麗にバッカスの右膝の側面を捉えて行き!…何ならクリティカルに
入ったのかバッカスも膝全体にその鈍い痛みが伝わる様にダメージを受けると、
堪らずバランスを崩し掛ける!…その際反射的にバランスが崩れた事で踏ん張って
見せようとするのだが、やはり耐えきれなかった様子で結局倒れ!…と、一方で
蹴りを繰り出したマサキの攻撃はまだ終わらず!…そのまま勢いに乗って態勢を
整え!…倒れて来るバッカスに対して二撃目の体勢に入って行くと、その倒れて
来たバッカスの顔を狙えるタイミングで!…
__…グラァ!!…ッ!!!……ダンッ!!!…
と言うのも人は転けそうになったり倒れそうになったりすると、まず目で安全に
受け身を取れるかどうかを咄嗟に確認をしてしまうモノで!…そしてその反応と
言うのは勿論バッカスも例外ではなく!…慌てて地面との距離を測る様に首を
後ろにグルンと回して確認をすると、そこで身構えるマサキの姿を!…しかし
避ける事も防ぐ事も出来ず!…ただしてやられた様にハッとした表情を浮かべて
見せると、次には最後の一撃が!…マサキの足より繰り出される!…
「これで!!!…仕舞いや!!!!…」
__グオオォォ!!!…バキイイィィィィ!!!!…南斗獄○拳!!!!…
「ッ!?!?…な!?……」
その際体勢的にはしゃがんだ状態!…しかしそこからいつでも飛び掛かれる状態で
構えて居り!…そして丁度自身がバッカスの顔面を狙える状態になって行くと、
マサキは勢いを付けて飛び蹴りを!…それは某・南斗の殉星の男の様に蹴りを
繰り出し!…それは思わず技の名前が聞こえて来そうな位に綺麗にバッカスの頬を
捉えると、生々しい音を響かせ!…と、そんなマサキの起死回生の一撃に周り
絶句!…何ならブチ理演算を無視したその動きは何!?とばかりに目を見開くと、
一方でバッカスはそれが止めに!…さも事が切れた様に気絶する!…
__ッ~~~……ドシャアァァ!!!……ザシャアアァァ!!!…
「……ッ~~!!…ダハァ!!!…はぁ!…はぁ!…」
マサキは蹴りを繰り出してバッカスを飛び越え!…蹴られたバッカスもそのまま
許されない仰向けで倒れて行くと、その場で大の字になって動かなくなり!…
その際マサキの蹴りが強烈な程に効いたのか?…バッカスの顎は砕かれた様に
口が閉まらない様子を露わにすると、だらぁ~んと何とも不気味な!…そして
それを見てフィロとパルシィは再び驚く!…それはこの子にして親も親と言った
所か!…二人揃って見た事が無い技に戸惑いを露わに!…
「…な、何なのじゃ!?…あの技は!?…
まるで何か理を無視した様な!?…」
「わ、分からない!!…今までに見た事の無い技だ!!…
…もっともあのデカ物も何か技を使っている様子が伺えたが!!…
それとはまったく毛色が違う!?…」
「はぁ!…はぁ!…………ふぅ~~!!!…」
それはやはり魔王達の目から見てもあり得ない技の様で!…その際バッカスと
比べても異色!と…マサキのそのポテンシャルにフィロとパルシィが各々驚いた
具合に言葉を漏らすと、一方でマサキももう限界なのか!…その場でへたり込む
様に座ってしまう!…何なら当然息を切らしてガクッと俯く素振りを見せると、
一際大きく息を吐いては次にスッと天を仰ぎ出し!…そしてバッカスに対して
言葉を!…ふと思った事を口にすると、そのままマサキが勝利を収める!…
「…この大馬鹿モンがぁ!…
お前の言うその国にはテメェの命を懸ける程の価値があるんか!…ったく!…
…お前のその話を聞いている限り!…俺にはそうは全く思えんわ!…
…俺にはな?…」
「ッ!……お義父様…」
その言葉はバッカスの忠誠心?に対して、いや恐怖観念とも言うべきか…とにかく
呆れた様子で言葉を零し!…自分には理解出来ない!と反骨精神を露わにすると、
依然として天井を見つめる!…何なら同情をする様なそんなマサキの感情がチラッ
と見られる!…するとそんなマサキを見てフィロはマサツグに似ている!と改めて
実感をして行くと、マサキの事をまるでマサツグと重ねる様にジッとその様子を
見詰め!…と、その一方でオリハとネフィルの追いかけっこも終盤に!…遂に
ネフィルはマサツグ達へ肉薄!…そして回復魔法を唱えようとするのだが!…
「ハァ!…ハァ!…ッ~~~!!!…
《あらゆる傷を癒し!!…
かの地へと旅立つ戦士達に再び戦場へ赴く勇気を!!!…》
…ウゥ!!…ゴッホゴッホガッホ!!!…あぁ…」
__フラァ~…ドサアァァ!!…
結果として肝心の所で一歩及ばず!…息を切らしあと一文の所まで持って行く
のだが、ここでTP切れに!…となると一気に失速して突如咽出し!…そして
そのまま足が縺れてマサツグへ向かいヘッドスライディングを決めて行くと、
気絶!…呆気なく御用となってしまう!…片や勝利の喜び無くまるで哀愁を
感じさせる結末を見せる一方…もう片方はまるで漫画の様なオチが着き!…
と、これにてマサキとオリハの勝負は終わり!…一方で時間を戻してモツ達の
方へと視線をフッと向けて行くと、そこにはアヤが激昂した様子を!…ダグレスに
対してまるで憎悪を燃やす様に睨んでいた!…
__フゥ~!!…フゥ~!!…ギリィ!!!…
「おいアヤ、冷静になれ!!…一体如何したって言うんだ!?…」
「あの魔剣は!!…あの魔剣だけは!!!…
絶対に!!…この世に在ってはいけないモノなのよ!!!!…」
この時アヤはそのダグレスの握る魔剣に対して狙いを定め!…動いたら絶対に撃つ!
と言わんばかりに殺気を放つと、モツを更に困惑させ!…何なら一度冷静になるよう
モツが呼び掛け!…その際同時に訳を!…一体何があったのか?についてやはり
戸惑った具合に続けて行くと、アヤは激昂したまま恐らく訳を!…とにかく魔剣に
対して憎悪を燃やす!…するとそのアヤの台詞を聞いてダグレスは怯む事無く鼻で
笑うと、アヤの威嚇など蚊程にも効いていない様子で動きを!…
「…ふ~ん?…君にはこの剣の素晴らしさが分からないんだね?…
…この剣は実に素晴らしい物なのだよぉ?…
どんな物でも簡単に斬れるし!…
僕が思う事だってなんだって実現を可能にする!!…
…例えそれがどんな大物の命だろうと!…簡単に!…ね?…」
__ブツン!!!…ギリィ!!!…ッ!?…
と言うのもそのダグレスの前にはシュタインと言う名の壁があり!…勿論アヤに
対して盾を身構え!…となるとダグレスもそれに対して安心し切った様子で
クスクスと笑い!…何ならその魔剣の峰を撫でる慈しむ!…そんなナルシストっ
ぽい動きも見せてさもアヤが怒っている理由も分かって居る具合にその神経を
逆撫ですると、アヤもそれを見て更に激昂!…怒りのままに矢を放とうとして
見せる!…
「ッ!!!!…絶対に許さない!!!…
その剣も!!!…貴方も!!!!…ッ~~~!!!…
この世から全て消してやるうぅ!!!!!…」
「ッ!?…ちょ!!…本気でちょっと待ってってアヤ!!!…
一旦落ち着け!!!!…このまま感情的になったら相手の思う壺!!!…」
「ッ!!!…離してモツ!!!…アイツだけは!!!…アイツだけはぁ!!!!…」
珍しく激しい感情を露わにするアヤにモツもタジタジ!…その際矛先が自分に向いて
来ないよう警戒をすると、それでもアヤに冷静になるよう声を掛け!…が、完全に
頭に血が上っている様子でアヤは全く聞かない状態!…遂には矢を消費するだけと
分かって居ながらも矢を放ち!…シュタインがそれを防ぐと言った構図になり出す
と、シュタインの足元にはただ鏃の欠けた矢が!…無残にも薪の様に散乱する!…
さてそうして一人暴走をするアヤの様子を見てシュタインも如何動いたら?と悩み
出すと、その指示をダグレスに問い求め!…
「……何やら揉めているようですが…いかが致しますか?…」
「…ふぅ~む…そうだね?……ッ!…良い事を思い付いたよ!…
…シュタイン!!…君一人であのモツとか言う冒険者を相手に出来るかな?…」
それは自分を駒と認識している様子で話しを持ち出し!…その問い掛けに対して
ダグレスもちゃんと反応をして少し悩む様なそんな素振りを見せて行くと、次には
ハッ!と思い付いた様子で!…と言うのもダグレスは逆に質問を質問で返す様に!…
シュタインにモツの相手を任せられるか?について尋ねて行くと、シュタインも
それを聞いてピクッと反応!…そして自信が無い様子でこう答え始める!…
「ッ!…そうですね…戦って勝つとなると少々骨が折れそうですが…
足止めであれば問題は無いかと…」
「ッ!…フフフ!!…その答えが聞けただけでも十分だよ!!…
じゃあシュタイン!!…あの冒険者の方は任せたからね?…」
「ッ!!…承知!!…」
__ギュン!!…バッ!!…ガッチャ、ガッチャ、ガッチャ、ガッチャ!!…
それは倒すとなると時間が掛かる事を口にして行き、足止めなら余裕!とばかりに
ダグレスへ返し!…となるとその返事が聞けて良かったのかダグレスはフッ!と…
笑みを浮かべて十分!と言い!…そのままモツの相手を任せるよう指示を出すと、
シュタインもそれを聞いて直ぐに動きを!…了承してモツに向かって突貫をする!…
するとそんなシュタインの突然の行動にモツもハッと気が付いた反応を見せて行く
と、自身に向かって走って来ているのを察したのか…アヤから機敏に離れて行き!…
「…ッ!?…また突っ込んで来た!?…チィ!!…」
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
「ッ!!…何度も何度も同じ手は!!…ッ!?…」
と言うのも勿論アヤを巻き込まない様にする為に距離を取り!…一方で武器を
大振りに掲げる!…まるで成長をして居ない様子で吠えながらに向かって来る
シュタインの姿を目にして行くと、モツも当然構え出す!…しかしここでふと
ある事にも気が付いた様子で若干焦る!…それはいつの間にかシュタインの
後ろに居た筈のダグレスの姿が無い事で、モツもまた奇襲攻撃か!と…しかし
何処を見回してもそれらしい姿は何処にもなく!…
「…あの馬鹿王子は何所行った!?……何所にも居ない!?…」
「はあああぁぁぁぁ!!!」
__ッ!!!!…ギイィィン!!!…ギギギ!!…ギギ!!…
その間にもシュタインはモツに接近!…そしてそのまま襲い掛かり!…モツも
それに対して回避が間に合わない様子で受け止めに掛かると、鍔迫り合いへと
発展させる!…その際鍔迫り合いをしながらでも辺りを見回し何とかダグレス
の姿を捉えようとするのだが、やはり何処にもその姿は無く!…何ならパルメ
リアも動いておらず!…そんな様子に何か一抹の不安を覚えていると、次には
離れたアヤの方から!…突如悲鳴が聞こえて来る!…
「ッ!!……きゃああぁぁ!!!…」
「ッ!!…アヤ!?……ッ!?…」
「あっははははは!!!…はい、まずは一人!!…
ははははは!!!…何だやっぱりこんなものか?…」
それは何かに襲われた感じで聞こえて来ると、当然モツもその悲鳴の聞こえて
来た方に視線を向け!…するとそこにはアヤの綺麗な長い金髪を掴んでは持ち
上げる!…何なら満足げに笑顔を浮かべるダグレスの姿を見つけて行くと、
突如モツは目をカッと見開き!…一方でダグレスはもう仕留めた気で居るのか
笑いながらに勝ちを誇る!…その際アヤも髪を掴まれた事でダグレスに対して
勿論抵抗をするのだが、ダグレスは何とも思っても居ない様子で!…何なら
アヤの事を嘲笑う様に言葉を口に!…厭味ったらしくその表情も挑発的なモノに
変えて行くと、ジィ~っと顔を近付けて見せるのであった!…
0
お気に入りに追加
551
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん)
いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ?
王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。
だけど、夢にみた迄の異世界…
慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。
自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
現在書籍化されている…
「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」
の100年前の物語です。
リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。
そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。
その作品の【改訂版】です。
全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。
今回のHOTランキングでは最高5位かな?
応援有り難う御座います。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する
あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。
俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて
まるでない、凡愚で普通の人種だった。
そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる