582 / 764
-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章九十節 バッカスの秘技とマサキの意地と元祖のやっつけ!-
しおりを挟むさて話は戻ってマサキとオリハ達の戦いに!…オリハはいつもの安定の初手から
入り出し!…何か厄介な技を使って来るのではないか?と警戒をすると、次には
二人のステータス画面がオリハの目の前に!…特段何も変わったモノが無い事が
表示される!…それでもしいて言うならやはり初心者であるマサキには少々相手を
するには辛いステータスが表示される位で、マサキはそんな初手をしている中…
既に戦闘を始めており…
「死に晒せええええぇぇぇぇ!!!!」
__ッ!!…ババッ!!…グオン!!!…
{…チッ!…図体デカい割に機敏に動き回りおる!!…
こっちもまだスキルのお陰で動きが見えるから助かってるけど…
こでは中々に面倒な戦いになりそうやな!!…}
殴り掛かって来るバッカスの動きに紙一重!…ギリギリついて行けている様子で
マサキが攻撃を回避すると、冷静に距離を取って見せ!…と言うのも迂闊に
カウンターを繰り出す暇も無い様で!…マサキ自身若干戸惑う様にしてとにかく
その攻撃に慣れる事に徹して行くと、一方でオリハは僧侶の女を追い駆ける事態
になっており!…それはやはりあくまでも僧侶の女はヒーラーなのか、向かって
来るオリハに対して慌てた具合に背を向け逃げ惑う様子を露わにすると、次には
バッカスに対して罵倒!…文句の言葉を並べて行く!…
「ッ~~~~!!!…な、何をしているのですかバッカス!!!…
早く助けてください!!!…その中身が有るかどうか分からない頭でも!!…
回復役がどれほど重要かは分かっているのでしょう!?…
これでは女王どころか貴方の回復すらまともに出来ませんよ!?」
「ッ!!…チィ!!…ぎゃあぎゃあ騒がなくても聞こえてるってんだよ!!!…
ネフィル!!!!…こっちの状況も知らないでピィピィ喚くんじゃ!!…」
それは普段から仲が悪い様子で言葉を口に!…その際僧侶の女はまるでバッカスの
事を脳無し!と…如何に自身が重要であるか?を主張する様にオリハから逃げ続け
ながらに語って行くと、バッカスもその言葉にピクッと反応!…当然怒りを覚えた
様子で返事をする!…この時バッカスは僧侶の女の事をネフィルと言うと、振り
返って喚くな!と怒声を上げ!…と、そんな喧嘩が始まった事に二人は戸惑い!…
しかし一瞬ではあるが自身から注目が外れた事でマサキがチャンス!と受け取って
行くと、途端に反撃に打って出る!…
「ッ!!!…余所見とはまた随分舐められたモンやのぉ~?…」
「ッ!!…あぁ!?…い、居ねぇ!?…」
「もう遅いっちゅうねん!!…」
マサキはヌンチャクを脇に抱える様にして腕を畳むと、一気にバッカスの懐に
入り!…その際戦闘中である事を口に!…余所見厳禁!と言ってバッカスに
注意が散漫して居る事を漏らして行くと、バッカスもそれを聞いてハッ!と…
途端に慌てた様子で振り返り始める!…しかしそこにはもうマサキの姿は
とっくに無く!…ハタと気が付けば接近を許しており!…となるとその状態
からでは反撃も防御も不可能であり!…マサキもそれを見越して更に攻撃を!…
的確に人体の弱点を突いて行く!…
__ドガガガガ!!!…
「ッ!!!…いってぇ~~~!!!!…」
慌てるバッカスを尻目にマサキはアダマンタイト製のヌンチャクで五か所を攻撃!…
それは眉間・人中・顎・タン中・水月と正中線に掛けて突いて行き!…突かれた方も
思いっきり怯み!…思わず後退りする様なそんな反応を見せて行くと、少しばかり
スタンも入った様子で動かなくなる!…それは勿論効いた!とばかりに苦痛の声も
上げて見せる!…と、次にはプルプルと体を痙攣させる様なそんな反応も露わにする
と、マサキとしてもそんな反応に若干の戸惑いの様子を見せ!…
「ッ!?…ゴツイだけあって頑丈やのぉ~!!…
えぇ感じに正中線を突いたと思ったのにピンピンしとる!!!…」
「ッ~~~!!!……お、おいお前!!…中々やるじゃねぇか!!!…
不意を突いたにしちゃぁ~ちゃんと急所を狙って来てるしよぉ?…
ちょっとは武術の心得を知ってるってか!?…」
と言うのも大抵この五か所を突けば戦意を無くす筈なのだが、しかしバッカスが
まだ立って居る事から戦意はまだ残っている!と…となるとそんな立っている
バッカスの様子にマサキも頑丈!と言った具合に驚きを感じ!…次にはバッカスも
バッカスで怯みから回復!…そしてマサキに対して正直油断をして居た事を漏らし
始め!…同時にマサキが武術の心得も持って居る事も直感的に理解をすると、
もう微塵も油断はしない!と…改めて身構え直して続けて話す!…
「…そうと分かりゃあもう油断はしねぇ!!…こっからが本番だ!!…
…あのバカ女も追われてる事だし!…一気にケリを着けさせて貰うぜ!!…」
__ッ!!…チャリッ!!……スゥ~~…
相手も武闘家である!とばかりに気合を入れると、一気に本気になった様子で
言葉を口に!…その際自分も時間が無い事を続けて話し!…未だにネフィルが
オリハに追い駆けられている様子をチラッと見ると、徐に腰を落とし出す!…
マサキに対して正拳の構えを取って見せる!…しかしこの時マサキは既に
バッカスから離れて構えて居り、距離としても約1~2mの差をあけて居り!…
因みにバッカスが構わずマサキに向けて正拳突きを放ったとしても!…その腕を
全力で伸ばした所で約80cm!…明らかに届かない事が目に見えて分かって居る
筈なのだが、それでも構えを解かない!…寧ろ精神統一を図り始める!…
となるとマサキもそんな様子に思わず戸惑った具合に言葉を零すとその動きを
止めてしまい!…
「ッ?…何や?…一体何をするつもり?…」
__ダダダダダダダダ!!!……チラッ?…ッ!?…
「親父!!!…左右どっちでも良いから逃げて!!!」
「ッ!…え?…」
困惑した具合にそのまま凝視!…因みに攻撃も絶対に届かない事を加味して
その様子をジッと見詰めているのだが、ここでオリハが心配になった様子で
追い駆けながらマサキの方をチラリ!…すると途端にマサキに逃げるよう
指示を出す!…それはヤバい!と言った具合に慌てて声を荒げて行くのだが、
マサキは分かって居ない様子で戸惑いの言葉を口に!…その一方でもう遅い!
とばかりにバッカスは拳を!…マサキ目掛けてグン!と一気にその固めた拳を
突き出して見せると、次にはマサキの身に不可解な出来事が!…
「ハアアアアアァァァァァァァ!!!!」
__バシュウウゥゥゥゥ!!!!…
それはまるで某・か○は○波を撃ち出す様に!…一気にマサキへ向けて吠える
様にして拳をバッ!と突き出して見せると、マサキは何か超能力を受けた様に
突如宙を舞う!…真正面から攻撃を受けた様に仰け反って見せる!…その際
何か強烈な風圧を感じる音だけが聞こえて来るが、その攻撃自体は見えて居らず!…
となるとマサキも何を喰らったのか分からず仕舞い!…まだ死んではいない
もののただ戸惑い!…驚いた様子で痛みに耐えるそんな表情を浮かべて行くと、
次にはその正体に悩み始める!…
「ッ~~~~!!!!…」
{な、何や!?…何が起きたって言うんや!?…
何か知らん間に宙に浮いてるし!…体はめちゃくちゃ痛いし!!…
一体何が起きたって言うんや!?…}
__……ドサァァ!!!…
因みにその一撃はマサキのHPの六割を簡単に持って行く!…そして喰らった
マサキもただ分かる事は今自分が何故か宙を浮いている事と…何なら物凄く
痛かった事だけしか認識出来ない!…指一本動かせずにそのまま滞空をして
居ると、その体は次第に地面へ落下!…それも不思議な事にまるでスロー
モーションの様に自身の目に映って行く!…となると受け身も取れないまま
地面にそのまま叩き付けられると、その様子にくまさんやオリハが青褪め!…
__ッ!?!?!?……ッ!?…
「……ふっふっふ!!!…」
青褪める二人に遅れてフィロとパルシィもその様子を目撃!…いつの間にか
マサキが地面に倒れてしまって居り!…一体何があった!?とばかりに
その表情を酷く驚いたモノにして居ると、バッカスは漸くやられた分は
やり返せた!と…そう言わんばかりに静かにニヤッとほくそ笑む!…何なら
我慢出来なかった様子でその嬉々とした声も若干フフ!っと漏らして見せて
行くと、次には構えを解いては徐にマサキに声を掛け出し!…
「ふぃ~~!!!!…見たか!!!…
これが俺の得意とする[真空破]って奴よぉ!!!…
コイツァコツは要るけど便利な技でな!?…
距離を取られてもこうやって!!!…
相手に攻撃出来るってのが売りなのよぉ~!!!…
…まぁ、この技は俺以外に出来る奴は今までに見た事無いしぃ?…
俺専用の特別な技って奴なんだろうけどな!?…
ンハッハッハッハッハッ!!!」
__ザザアァ!!!……ッ…ギュウウウゥゥ!!!…
「……ッ~~~!!!!…親父いぃぃ!!!…大丈夫かああぁぁ!?…」
倒れて血を流すマサキに対して堂々の仁王立ち!…この時見下ろす様にしてマサキに
視線を!…そして満足げに笑みを浮かべて今やった技に対して語り出すと、ベラベラ
と饒舌に!…もはや勝った気で居る様子を露わにする!…その際先程の技を[真空破]
と言って自分にしか出来ない!と言うと、自分をさも選ばれた人間の様に更に語って
見せ!…と、その一方で吹き飛ぶ自分の親を見てオリハが思わず足を止め!…
となると次にはマサキに意識が有るか?について慌てて叫び!…最悪自分が敵討ちに
出る様なそんな素振りを見せて行くと、マサキもその呼び掛けに答えるよう若干の
動きを!…
__……ピクッ!…ギュウゥ!!…ザッ!!…ザザザッ!!…
「ッ!…あぁん?…ッ!?…」
まずは軽く指を動かすと次にはギュッと拳を!…それはまるでまだ動けるか?を
確かめる様に!…そこから負傷した体を引き摺って仁王立ちするバッカスの前に
立って見せると、若干フラ付く!…それでも何とか復帰をする!…するとそんな
マサキの様子を見てバッカスも反応を見せて行くと、まるで先程の様子が逆転した
様に!…今度はバッカスがしぶとい!とばかりに驚きを露わに!…自身でも会心の
一撃だったのか復帰して来るとは思っても居なかった反応を露わにすると、
マサキは復帰するなり頭を掻き毟る!…そして効いた!と零し始める!…
「ッ~~~!!!…ったぁぁ~~~!!!…今のは効いた!!!…
あぁ~痛!!…ッ~~~!!!……はあぁ~…やれやれ…
…っで、それだけか?…」
__ッ!?!?…×4
それこそ痛がる素振りを見せて居たのだが、次第にそれも徐々に治まり…と、次には
スンと元の様子に戻って見せ!…何か溜息を徐に一つ吐いてバッカスをキッと睨み
出すと、そこから挑発!…さも大した事は無い!とばかりに口にする!…となると
そんなマサキの挑発にバッカスは勿論の事をオリハやフィロにパルシィと驚きと
戸惑いを露わにすると、その言葉に開いた口が塞がらず!…するとただ一点に強がる
マサキの様子をジッと見詰め!…バッカスもその挑発の言葉を受けて乗っかった様に
顔を真っ赤にして行くと、マサキに対して殺意を持ち出す!…
「ッ!?…な、何ぃ~!?…」
「なんやオリハが慌てとったから如何程のモンかって思とったけど?…
思ってたより一撃が軽いな?……よぉ?…
これなら現役時代にトラックのニイチャンに
ボコられた時の方がよっぽど重かったでぇ?…」
自慢して居た技を馬鹿にされる!…が、一方で御構い無しにマサキは更に言葉を
続け!…何なら自身がヤンチャをして居た時の事を持ち出し!…その時受けた
拳の方がよっぽど痛かった事を口にすると、更に大した事は無い!と…もう一度
バッカスを煽って行く!…その際思いっきり小馬鹿にするよう不敵にニヤッと
笑って見せると、更にオリハ達を青褪めさせ!…と言うのも挑発をする意味が
全く分からず!…さもまるでヤンキーの根性比べの様に見えてしまうと、一方で
バッカスももう一度腰を落とし始める!…正拳の構えを見せて行く!…
__……スゥ~……ギュッ!!!…ッ!?…
「チッ!!…舐めた事抜かしやがって!!!…
そんなに強烈なの喰らいたけりゃお見舞いしてやるぜ!!!」
「ッ!!!…今度また喰らったら今度こそ親父が死んでしまう!!…
親父ぃぃ!!!…今度は駄目だ!!!!…逃げてくれえええぇぇぇ!!!!」
再度マサキに対して狙いを定めると、先程同様精神統一をし始め!…それは勿論
二発目をぶっ放す構えであり!…何なら先程より威力を込める!と…これで止め
にするつもりで更にギュッとバッカスが拳を握る素振りを見せて行くと、次には
オリハ達が慌てる!…中でもオリハが逃げる様にマサキへ指示を出す!…しかし
マサキはそのオリハの叫びに対して全く真逆の反応を見せると、ヌンチャクを
脇に挟んで反撃の構えを!…
「…はあぁ~…何と無くやけど分かった!…
さっきのがホンマに真空破っちゅうモンやったとして!…
もしそれがホンマに真空の事を差してんのやったら!!…
コイツを黙らせる方法が一つ有る!!!……」
__ジャラ!!…ッ……
マサキは落ち着く様に息を漏らし!…続けて一人納得した様なそんな言葉を口に
すると、バッカスの事を睨み付ける!…その際この時も勿論ヌンチャクを身構えた
状態のままで構えて行くと、驚く事に相手が真空破を撃ち出す事を待って居り!…
と言うのもマサキの中でその技に対して対策が有る!と…寧ろこれでしかコイツは
倒せない!と言った事を口にすると、自身のHPの事など御構い無し!…その一瞬の
一撃に全てを掛ける!…となるとそんな様子を見てフィロとパルシィも驚き出すと、
次には戸惑った様子で言葉を零し始め!…
「ッ!?…に、逃げないだと!?…
何かしらの策が有ると言うのか!?…」
「…だとしてもじゃ!!…
今のお義父様では悔しいがあの筋肉達磨を打ち倒す方法が無い!!…
…先程の正中線五撃は見事なものじゃったが…その一撃一撃が軽い!!…
オリハが逃げろと言ったのはそう言う意味であったのに!?…
ここは素直に退くべき筈!!…何故に逆に構えたと言うのじゃ!?…」
パルシィはマサキが身構えた事で思わず驚き!…何か意図を感じた様子で思わず
期待をする様なそんな言葉を続けて行くと、一方でフィロが無茶だと否定!…
慌てた反応を露わにする!…それは実力差が有る!とばかりに話して行くと、
技術は確かにある事を認めはするのだが!…それでもまだ埋められない差が有る
事をやはり口に!…オリハの言葉の意味について敵わない!と言った意味があった
事を続けて話すが、マサキの耳には届かない!…ジッとマサキが身構え続ける!…
するとバッカスもそんなマサキの様子を見て舐められていると感じているのか!…
更に怒りを露わにすると、遂に発射体勢を整え!…
「…とことん舐めてるのか何んかまだ隠しているのかは知らねぇが!!!…
もう構わねぇ!!!…お望みどおり!!!…」
__グッ!!!…ギュン!!!!…
もはや構えを取る事すら挑発と受け取った様子で!…バッカスはマサキの構えなど
御構い無しにその握った拳を遂にマサキ目掛けて突き出そうとして行くと、より拳に
一層力を込める!…腰の捻りも加えて更に威力を底上げを図って見せる!…そして
自身の中でも何もかもがベストの状態!と言った具合にそのまま拳を突き出して行く
と、興奮極まった様子でマサキへ向かい叫んで行き!…
「これでくたばれ!!!…大馬鹿野郎があああぁぁぁぁぁ!!!!」
__バシュウウウウウウゥゥゥゥ!!!!!!…ッ!!!……チラッ?…ッ!?…
それは先程と違ってやはり威力が上がっている様子!…一撃目と比べて真空破を
繰り出した音が更に大きく聞こえて行くと、やはりその攻撃は見えない!…しかし
マサキに向かって飛んで行くのが何故か分かる!…となるとそれらを傍から見て
フィロやパルシィが更に慌てた反応を見せると、チラッとマサキの方にも視線を…
と、そこには相も変わらずバッカスを睨む様にして構えるマサキの様子が!…それ
どころか待って居た!と言うようなそんな真剣な表情を見せて居ると、一方で
オリハが再度叫び!…
「ッ!?…何で逃げないんだよ馬鹿親父!!!…
こんな所でつまらない意地張っても!!!…」
__バシュウウウウウウゥゥゥゥ!!!!!!…
「………。」
まるで意地を張る子供に文句を言うようオリハは叫ぶ!…その際オリハもムッと
感情的になって行き!…マサキを馬鹿親父!と言ってプライドを捨てるよう更に
続けて漏らすのだが!…マサキは一切動かない!…真空破と思わしき音が聞こえて
来ようが無言を貫く!…この時マサキ自身も精神統一をするようスッと目を閉じて
行くと、次には構えをスッと変え!…と言うのも足を肩幅に前後で開くのは先程と
変わらず!…脇で締めていたヌンチャクを放し…ブンと振って右肩に乗せるよう
何とも中途半端な状態で構えて見せると、左手を若干突き出す!…それはまるで
自身が仁王像になったかの様な構えを見せると、一方で刻一刻と真空破が迫って
来て居り!…
__…チャリッ…フォフォン!…スッ…バシュウウウウウウゥゥゥゥ!!!!!!…
「ッ!?…あぁ!?…」×2
「……ふぃ~~~!!!!…何をやっても無駄だ!!!…
俺の真空破を破った奴なんてこの世に誰一人として!!!…」
恐らくマサキの方でもその真空破が近付いて来る音は聞こえて居る筈!…何なら
それは近付くに連れより大きく聞こえて来て、より自身の身が危ない事を警告して
居る筈なのだが!…それでもやはりマサキは一歩としてその場から動かず!…
となるとやはりそんなマサキの様子にオリハやフィロ達が慌て続け!…バッカスも
そんなマサキの様子に勝ちを確信した様子でまた饒舌になり始めて行くと、次には
スッと構えを解く!…ドヤ顔で胸を張ろうとして見せる!…しかしそれは不味かった
のかマサキはそれをさも敏感に感じ取った様子で突如目をバッと見開くと、周りの
不安を見事に裏切り!…
「ッ!!…ナメとんと!!…ちゃうぞおおぉぉぉぉ!!!!」
__フォン、カッ!!!…バシュウウウウウウゥゥゥゥ!!!!!!…ッ!?…
「な!?…さ、裂けた!?…」
「え!?…い、今何が?…」
と言うのもこの時マサキは恐らく感覚的に感じたのであろう!…自身の間合いに
その真空破が入って来て、尚且つ相手の体が無防備になる瞬間を!…すると
マサキはさも抜刀術の要領でヌンチャクを縦に振り抜き!…そして真空破と
ヌンチャクが接触したのであろう瞬間!…真空破を縦に斬り裂きそのまま霧散化
させて攻撃をいとも簡単に凌いで見せると、オリハやフィロ達を驚愕!…何なら
バッカスをも驚かせる!…だがマサキの反撃はこれで終わらない!…いや、既に
終わっており!…
__バシュゥゥ!!!…ズバシュウウゥゥン!!!…ッ!?…ッ!?!?…
「な!?…は!?…こ、これは!?…」
「な、何で!?…」
それはまるで異変の様に!…各々が真空破を破ったマサキの姿に目を向けて居ると、
次の瞬間バッカスの体が突如出血!…それはトンデモな深手が露わになる!…その際
傷の様子としては左肩から右太腿に向かって袈裟斬りが入ったようザックリ行き!…
それに気が付いた様子で各々がハッと振り向き出すと、そのバッカスの体の状態に
再び驚き!…となると何が起きたのか全く分からず!…フィロはあり得ない!と
ばかりに軽いパニック!…オリハも戸惑いもはや声もままならない様なそんな様子を
見せて居ると、一番にバッカスが勿論驚く!…そのまま色々と混乱し出す!…
「…うおおおああああぁぁぁ!?…
な、何だ!?…一体何が起きたんだ!?…
俺の真空破が!!…破られた!?…それにこの傷は!?…」
「い、一体何が!?…た、確かに真空破は破ったものの!…
あのブ男にまでは攻撃はして居ない筈!?…それにあの傷の具合!!…
まるで鋭い刃物で斬られた様な!?…」
その際痛みは感じて居ないのか至ってそう言った素振りは見せず、ただその自身の
傷口に手を当て!…そしてそれが何か幻覚等で無い事を確認すると、更にパニックに
陥って行き!…何なら自身の自慢の技が破られた事で拍車が掛かった様子!…まるで
発狂する様に戸惑い続け!…一方でパルシィも何があったのか!?と思わず驚いた
反応を見せて行くと、今度はマサキがしてやったり!と…ドヤ顔を決めながらに
説明をし出す!…
「…なぁに、小学校で習う様な簡単な理科の実験や!…」
__ッ!!…ババッ!!…
「真空状態ってのはつまり空気が無い、圧力も無い力場の事を言うんや!…
そして抵抗となる空気!…つまり素子粒子が無いって事で…
その状態下で外から違う力を加えると!…それは爆発的な加速!…
或いは増幅してトンデモナイ力を生み出す事が出来るんや!…
…さっき俺がヌンチャクで物体を切る様に振ったから軽い斬撃になって!…
さっきの説明通り斬撃は加速!…
鋭さを増してカマイタチになったっちゅう訳や!…
…まぁ、これを現実の世界で出来るか?って言われたら無理な話やけど…
理論上はそう言う事や!…分かったか、つるっぱげぇ?」
マサキが簡単!と口にすると、各々の注目はマサキへ向けられ!…が、構わず
マサキは説明を続け!…気分は理科の先生!とばかりに…先程の技?…出来事を
カマイタチと言って何が如何なったのか?を話して行くと、簡単にバッカスの
真空破を利用した!と…笑いながらに話しをする!…その際原理が分からない
者達は当然首を傾げるそんな素振りを見せて行くと、一方でマサキは理論上の
話と続け!…勿論現実では出来ない事を踏まえて行き!…あくまでもこの世界
でしか出来ない事!と念を押すと、最後にバッカスを小馬鹿にする!…
さてそうして改めて説明が終わった所でオリハやフィロがポカ~ンとすると、
やはり何が起きなのか理解出来ていない様子で固まってしまい!…と言うのも
先程までレベル差だったり経験だったり!…色々足りていない!と言って居た
にも関わらず!…蓋を開けて見れば呆気ない!…逆転?をした事に今だ
信じられない!と言った反応を見せて居ると、ここでバッカスに更なる異変が…
__……ブシュウゥゥ!!!…ッ!?…ドサアァ!!…
「グッ!!…はぁ!…はぁ!…」
「ッ!…その様子やともぉ無理やろぉ?…大人しいしとけ!…
お前かてここで死にたくは無いやろ?…幾ら頑丈や言うても!…」
それは時間差でダメージがやって来た様であり!…そのバッカスの胸の傷から更に
激しい出血が見られ出すと、次には膝から崩れ落ちる!…そして途端に顔色も悪く
なって見せて行く!…その際途端に息を切らして必死に痛みに耐える素振りを
見せるのだが、やはりそこから立てない様子で!…となるとそんな様子にマサキも
終わり!と…そのままバッカスに降伏をするよう呆れた感じで声を掛けて行くの
だが、バッカスはまだ諦めていない様子で歯を食い縛り!…
「ウゥ!!…ク、クソがぁぁ!!!…」
__グウゥゥ!!!…ダンッ!!…ググググ!!!…
「ダハァ!!!…はぁ!…はぁ!…」
「ッ!?…んなアホな!?…無茶やろ!?…」
バッカスは最後の意地を見せるよう体に力を!…その際力む訳であり傷口からまた
出血が見られるのだが!…それでも何とか立ち上がり構えて見せると、今度は
マサキを驚かせる事に!…となると勿論あり得ない!と言った具合に言葉を零し!…
その一方でバッカスもフラフラとしながら構えを解かずにマサキの方へと歩いて
行くと、最後の一戦を交えようとする!…そしてその一方で唖然として居オリハも
ここでハッと我に返る様なそんな反応を見せて行くと、次にはアレ?っとばかりに
疑問を…
「…ッ!…あれ?…そう言えば?…
俺さっきまで何かを追っ駆けてた様な?…
それも捕まえないとかなり不味い奴…」
__チラッチラッ?…ッ!…タッタッタッタッタッタッタ!!…
「…あぁ!?…」
と言うのもマサキの事で夢中になり過ぎて居た具合に疑問を口に!…一体自分は
何をしていたのか?と…さも記憶障害が起きた様なPONな事を口にすると、次には
辺りを見回し!…そこでマサツグ達の居る方に!…倒れる女王の姿がある方へ
ネフィルが走って行くの姿を見つけると、途端にオリハも思い出した様子でハッ!
と…そして慌てて追い駆け始める!…その一方で何故か見つからなかったネフィルは
走りながらにほくそ笑むと、バッカスに対して上から目線で褒める言葉を!…
「…フフフフ!!…考えていた結末とは違いますが!!…
ナイスです筋肉達磨!!!……貴方の事は如何でも良いですが!!!…
私が代わりにその無念を!!!…果たして見せます!!!!…」
「ッ!?…って、あのデカいおっさんを助ける気無いのかよ!?…
…いや!…初めっから分かって居た事かもしれねぇが!!!…」
それはもはや助ける気など無い様子で一直線に!…何ならもう死んだ者として
更に言葉を残して行くと、そのネフィルの台詞にオリハが戸惑う!…と、同時に
呆れて怒りを覚える!…それは幾ら不仲とは言え見方を見殺しにする精神が
許せない!と考えるモノで是が非でも捕まえようと!…が、あまりにも距離が
空いてしまったせいか簡単には埋まらず!…一方でネフィルは女王に止めを
刺す為に詠唱を!…皮肉にも人を助ける筈の魔法で命を奪おうとして行くと、
更にオリハを驚かせるのであった!…
0
お気に入りに追加
563
あなたにおすすめの小説
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
いや、自由に生きろって言われても。
SHO
ファンタジー
☆★☆この作品はアルファポリス様より書籍化されます☆★☆
書籍化にあたってのタイトル、著者名の変更はありません。
異世界召喚に巻き込まれた青年と召喚された張本人の少女。彼等の通った後に残るのは悪人の骸…だけではないかも知れない。巻き込まれた異世界召喚先では自由に生きるつもりだった主人公。だが捨て犬捨て猫を無視出来ない優しさが災い?してホントは関わりたくない厄介事に自ら巻き込まれに行く。敵には一切容赦せず、売られたケンカは全部買う。大事な仲間は必ず守る。無自覚鈍感最強ヤローの冒険譚を見よ!
◎本作のスピンオフ的作品『職業:冒険者。能力:サイキック。前世:日本人。』を並行連載中です。気になった方はこちらも是非!*2017.2.26完結済です。
拙作をお読み頂いた方、お気に入り登録して頂いた皆様、有難う御座います!
2017/3/26本編完結致しました。
2017/6/13より新展開!不定期更新にて連載再開!
2017/12/8第三部完結しました。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
だって私、悪役令嬢なんですもの(笑)
みなせ
ファンタジー
転生先は、ゲーム由来の異世界。
ヒロインの意地悪な姉役だったわ。
でも、私、お約束のチートを手に入れましたの。
ヒロインの邪魔をせず、
とっとと舞台から退場……の筈だったのに……
なかなか家から離れられないし、
せっかくのチートを使いたいのに、
使う暇も無い。
これどうしたらいいのかしら?
【本編完結】転生隠者はまったり怠惰に暮らしたい(仮)
ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。
そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。
※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。
※残酷描写は保険です。
※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる