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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章八十六節 魔王炸裂!と勇者御一行と決死の覚悟!…-

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パラメリアが異様な空間の歪みを生成すると、それは次第に規模が大きく広がり

始め!…何ならその様子はアダマンタイマイの背中にて!…バルディアナと

名乗っていた何某の魔法!…自身の部下を呼ぶ為のあのワームホールの様なモノ

へと変化すると、そこからやはりデグレアントの兵士が!…まるで召喚された

様に出て来ようとし始める!…そしてそれを見てモツも何と無く察した様子で

嫌そうな顔をすると、パラメリアはそんな兵士達に対して号令を!…


「さぁ!…出て来なさい!!…王子の役に立って見せるのです!!!…

デグレアント帝国、四大魔術師士団・水の魔術師部隊団長…

「パルメリア・スピット・デグレアント」の名に於いて命ずる!!…

開け!!…虚無の向こうの彼方へ通ずる扉!!!…」


__ヴヴヴヴヴ!!……ヴン!!…


パラメリアは両手を広げて更に魔力を放つ素振りを!…すると更にその空間の

歪みが生成され!…これまたそこから更にデグレアントの兵士がその場に召喚

されようとして行くと、ここでパラメリアが名乗って見せる!…その際曰く

彼女が言うには如何も自分は幹部クラスの様子で、水の魔術師部隊団長と言い!…

となるとそれを聞いてモツ達は戸惑い!…特にアダマンタイマイの背中での

経験をして居る!…モツやアヤと言ったやはりバルディアナを知って居る者達が

ギョッとすると、驚きの言葉を漏らしてしまう!…


__チャキッ!!…


「ッ!?…デ、デグレアント帝国の水の魔術師部隊団長ですって!?…」


「だあぁぁ~~もう、面倒事になったぁ!!!…

いつもならこの手の災難を引き受けるのはマサツグの役割の筈なのにぃ!!!…」


「ッ!?…おいちょっと待て!!…

今のは聞き捨てならんぞモツゥ!!!!…今の言葉撤回しろぉ!!!!」


アヤは矢を番えながら驚きの表情!…そしてモツはまるでフラグを立ててしまった

様な感覚を覚えると、面倒!と漏らし…それはとても面倒臭そうな表情も露わに!…

何ならこの役割は普段からマサツグの担当である様な事も口にすると、それを聞いた

マサツグも当然反応!…思わずモツにツッコミを入れる!…さてそんなやり取りを

している間にまたワームホールが生成されると、そこからデグレアントの兵士が

ゾロゾロ!と…となるとそんな様子にマサキとくまさんもさすがに戸惑った様子で

若干狼狽え!…その数も約50にまで到達しようとしていると、パルメリアは兵士に

命令を!…やはり突撃の命令を口にする!…


「…さぁ…かの愚か者達を打ち倒しなさい!!!…」


「…御意!!」


「ッ!!…来るぞ、構えろ!!!」


「またあの状況が来るの!?…冗談じゃ!!!…」


パルメリアの命令にその50人の兵士が一斉に返事をして見せると、その手に剣を

握って身構え始め!…と、次には数で飲み込もうとモツ達に向かって突貫を開始!…

となるとそんな様子に勿論警戒!…モツが慌てて兵士達の対処に当たるよう指示を

出すと、アヤの中ではもうトラウマになって居るのか!…拒否反応を示す様な事を

口にする!…しかしだからと言って逃げる訳にも当然行かず!…アヤはその兵士に

対して弓を!…


__カッ!!…ギリィ!!!……ッ!?…ビタァ!!!…


「ッ!?…え?…」


「ッ!?…な!?…こ、これは!?…」


それこそ自身に迫って来るデグレアント兵に対して矢を放とう!と…が、次の瞬間

その兵士達は途端に驚き慌てた様子で脚を止め!…それはまるで何か恐ろしいモノ

を見た様に!…或いは今までに見た事が無い絶世の美女を目の前にした頬の染め様

を露わにすると、そこから一歩も動かなくなる!…となるとそんな兵士達の様子に

当然敵味方の間で混乱が起きると、一体何事!?と言った雰囲気を!…と、その

様子に対して勿論動きを見せる者も出て来る訳で!…何なら自分達がその原因!と…

名乗る様に徐に動きを露わにすると、一人は誘惑する様に妖しい笑みを!…モツ達の

前へと立って見せる!…


__ザッ!!…ッ!?…


「退けぃ!!!…痴れ者共があぁ!!!…

貴様達雑魚が何人束になって掛かって来ようが!!!…」


「わっちとこのカキ氷娘が居る限り!!!…

これより後ろに居る仲間達には!!!…」


「「何人たりとも危害は加えさせぬ!!!!」」×2


と言うのもその二人は既に魔法を唱えて居た様子で、それぞれ自身の魔法を手に!…

何ならいつでも発動出来る様に片手で定着させると持ち運び!…モツ達の前に堂々

姿を現し!…そして兵士達に対して威嚇の言葉を口にすると、次にはそのまま魔法を

ブッパして見せる!…因みに言わずもがなその魔法を放った二人の正体と言うのは

フィロとパルシィの二人で有り、フィロに至ってはまたマサツグの影響か完全体の

姿に戻っており!…これにより相手は誘惑状態で棒立ち状態!…結果回避する事も

ままならず!…


__シュウウウゥゥゥゥゥゥ!!!!……ドゴオオォォォォォォンンン!!!!…


フィロとパルシィは互いにその手のある魔法を投げ、魔法はその固まる兵士達の

集団の中央に落ち!…すると互いが惹かれ合う様にして魔法は一つに合わさり!…

そして途端に辺りに水蒸気の様なモノを放つ!…明らかに不穏な雰囲気も放って

見せる!…するとそれに見覚えが有るのかラグナスがハッとした様子を見せて行く

と、次には青褪め!…と、青褪めて居ると次にはその水蒸気は兵士達を隠し!…

そしてそのまま時が来た様に強烈な爆発音を立てて大いに爆発をして見せると、

その兵士達の影すらも!…何も残らない位に消し飛ばして見せる!…すると次には

その爆風は辺りに飛び散る様にして襲い掛かると、衝撃波となり!…


「ッ!?…うおおぉぉぉ!?…」


「きゃああぁあぁぁ!!!…」


それは未だローブを着込んで居た者達のローブをも消し飛ばし、その姿を露わに!…

何ならその容姿は一目で分かる様に役職を物語り!…ダグレスが勇者とするなら

パルメリアは魔術師!…その他にも武闘家や僧侶…戦士が居る事等が伺えて行くと、

各々驚いた反応を露わに!…その爆風にも耐えた様子を見せて行く!…そしてその

一方で先程まで50の兵士が居たにも関わらずものの数秒で無に消えた事にモツ達が

驚いた反応を見せると、その目の前ではパルシィが鬱憤を晴らしたかの様に笑って

居り!…


「はっはっはぁ~~!!!…痛快痛快!!!…

今までの鬱憤も溜めて打ったから綺麗に爆発したぞ!?…

なぁ、玉藻前!?…」


「ッ!…ふん、やかましいでありんす!!…この協力もこの時限りだけのもの!!…

本当ならこんな風に手を組む義理も無いんでありんすからなぁ!?…

仕方なく!!…仕方なくなのでありんす!!!……勘違いするで無いぞ!?…」


さも気持ち良かった!とばかりに言葉を口に!…何ならその同意をフィロにも

求め出す無邪気振りまで見せて行くと、フィロはそんなパルシィに対して呆れた

反応を…何なら鬱陶しそうに返事をする!…と言うのもこの時パルシィは何故か

フィロに肩車をして貰う形で座っており、フィロもそんなパルシィに対して

不服の表情!…そして何か訳が合った様子でこの時限り!と…決して心を許した

訳では無い様にパルシィに文句を言って見せると、一方でその爆風を受けた者達も

言葉を!…ポツリポツリと零し始める!…


「ッ!!!…なんて威力の魔法!?…

いや、アレは魔法なのか!?…」


最初に言葉を漏らしたのは戦士風の男…某・竜退治のゲーム宜しくとは行かない

様で、その格好もモツと同じ中装備位の格好をして居り!…とにかくしっかりと

身を固めているのがハッキリ伺えその際被っている冑だけはオマージュしている

のか、何処かで見た事のある羽飾りが付けられて有るのを目にすると、思わず

アレ?と思ってしまう!…そして次に武闘家らしき大男が驚いた!と零し出すと、

その爆発の有った中心地をジッと見詰め!…


「うぃ~!!…さすがに今のはビビッたぜェ!!…

俺達まで吹き飛ばされそうになったんだからな!?…」


その際その見た目と言うのは如何にも某・竜退治のゲーム6作目に出て来る大工の

息子の様であり、違いがあるとするならその髪型がスキンヘッドと!…もっと言う

ならハ○サンの格好をしたナ○パが居り!…思わず描いている人は一緒!と…

何と無くツッコミを入れたくなる様なそんな格好が見受けられると、その手には

手甲が!…ここで武闘家だと言う事を認識する!…それまでは格好だけだともはや

山賊にしか見えず、オリハも勇者パーティに山賊?と思わず首を傾げる事態に!…

と、そんな事を話して居ると最後に僧侶の女が言葉を口に!…呆れた様子で二人に

声を掛けて行くと、自分達が危機的状況である事を更に話す!…


「そんな呑気な事を言ってる場合ではありませんよ!?…

…兵士は一瞬で全滅!!…向こうは無傷!!…

おまけに兵士を呼び出すワームホールまで消し飛ばされました!…

…おかげで兵士達は途中で閉じられたワームホールの中で延々と…

出口の無い行進を続けさせられる事に!!…

…因みにパルメリア殿?…閉じ込められた兵士の数は?…」


因みに僧侶は至って普通の何処にでも居る僧侶で有り、特段何か特徴的な様子は

見受けられず…しかし強いて言うなれば綺麗なロングのブロンドに赤ブチ眼鏡!…

体型も身長もアヤと然程変わらず!…性格も何処か高飛車に感じられる!…

気の強そうな感じだけが何かふと感じられると、眼鏡をクイッとする仕草も

見受けられる…とにかく至って普通と言うのが感じられる!…これが俗に言う

普通と言うのが特徴と言う奴なのか?…戦士や武闘家と比べてキャラが薄く!…

等と考えている間にも向こうは会話を!…その際サラッとヤバい事を口に!…

この時その損害について魔術師のパラメリアに質問を口にすると、パラメリアも

淡々と返事を!…


「…今分かる感覚だけだとざっと数百と言った所です……これは大損害です…」


「ッ!?…な、何だこいつ等!?…

相変わらずの胸糞の悪さだがそれ以上にこのパーティ!!…変だぞ!?…」


それはこの事態に対して特段何とも感じていない様子で有り…無表情ながらに

両手を広げて首を左右に振って見せると、そんな自身の部下への反応にモツが

異論を!…と言うのも確かにやったのはコッチ!とばかりに…しかしその

ドライな反応に対してモツがやっぱりコイツ等可笑しい!とばかりに言葉を

口にして行くと、場面は硬直!…一方でマサツグは先程の爆風からシロ達全員

を守って見せる!…


__ッ~~~~……ヴワッサァ!!!…


「…シロ!!…ハティ!!…女王も無事か!?」


「ッ!!!…は、はいです!!…」


「先生!?…おかあさまは!?…

おかあさまは助けられないのですか!?…

このままだとおかあさまが!!!…」


その際マサツグはその外套?…翼?…の扱いに慣れてしまったのか、巧みにそれを

扱うと自身の身と黒い何かで盾になってシロ達を守り!…何なら翼?で丸ごと包み

込む様にシロ達に塵一つ寄せ付けない!…完璧な防御を成して見せると、次には

シロ達に身の安全を確認する!…するとシロもそんなマサツグの言葉に気が付いた

様子でハッとすると、戸惑いながらも返事を返し!…と、その一方でハティは未だ

女王の心配を!…マサツグに助けを求めるよう言葉を続け!…その言葉を受けて

マサツグも途端に戸惑った反応を露わにすると、言葉を零しながら画面を開き!…


「ッ!!!…そ、それもそうなんだが……ッ…」


__ヴゥン!!…


 ---------------------------------------------------------------------------------

「母神のフェンリルクィーン(A・R・F)」
  
   Lv.160  レジェンドユニークモンスター 二つ名「母神」

   HP  80 / 768000  ATK 2500   DEF 1600 etc…


 SKILL:不屈の肉体 狼王の牙(HP吸収) etc…


 バッドステータス 

 毒:??? 呪い:???

 ---------------------------------------------------------------------------------


そこには何も状況が変わっていない画面が表示される!…いや変わっているとする

ならHPぐらいで!…やはり徐々に衰弱して行っているヤバい状態が伺えると、勿論

マサツグも更に慌てる!…そこからこうして悩んでいる間にも更に女王は衰弱して

行くと、また確実に死へと近付いて行き!…と、その様にマサツグも画面で可視化

した事で更に慌てる始末になり!…とにかく延命として色々と何か策は無いか!?

と…頭の中で必死に抜け穴的なモノは無いか!?と考えると、取り敢えず改めて

状況の整理をし始める!…


{…やっぱりアイテムも駄目!…魔法も駄目となるともう残っているのは…

何かしらの特殊なモノでの回復方法しかない!!!…けど!!!…

そんなご都合主義な物が今ここにある訳無いし!!…

何なら天気やフィールドによって発動するモノも有ったりするが!!…

ここって一応屋内だし!!…闘技場だからそんな奇跡が起きる筈が無い!!!…

ほぼが駄目な状態でどうやって女王のHPを回復させれば!!!…}


 ----------------------------------------------------------------------

「母神のフェンリルクィーン(A・R・F)」

  HP  50 / 768000  

 ----------------------------------------------------------------------


{ッ!!!…って、悩んでいる間にも毒でHPが減って行ってるし!!!…

…確かに幾ら毒っても絶対にHP1残るから毒死!…なんて事は無いけど!!…

結局だからってこのまま放って置く訳にも当然行かない!!!…

それどころかさっきみたいな爆風で今度こそダメージが入れば終わりだ!!!…

…何か!!!…何か良い策は!!!……ッ!!…ん?…}


頭の中で状況を整理して他に回復手段が無いかを模索する!…と言うのも

なくなら問題は無いのだが!…そんな都合が良い物が

この闘技場にある筈もなく!…何なら見回してその手のモノを探しもして見るの

だが、やはり当然何処にも無い訳で!…そうして更に悩んでいる間にもHPは

減り!…遂には駆け出しのマサキやくまさんでも倒せそうな位に弱ってしまうと、

マサツグもそれに気が付きも一つ慌てる!…当然このまま女王を見殺しにする

訳には行かないので、更に目を皿の様にしてそのステータス画面を見詰め!…

と、そこであるスキルに注目!…マサツグはそれを凝視してふと頭の中でその

意味を確認し出すと、それに一つの可能性を見出す!…


 ----------------------------------------------------------------------

 SKILL:不屈の肉体 (HP) etc…


 バッドステータス 

 毒:??? 呪い:???

 ----------------------------------------------------------------------

「…HP吸収……ッ!!!…そうか!!…これならワンチャン!!!」


「ッ!!…ご、ごしゅじんさま?…」


この時マサツグはハッとした表情を浮かべると、若干ながら希望を見出した

表情を!…そして何か確信を得た様子で言葉を零し!…そんなマサツグの

反応にシロもふと気が付いた様子を露わにすると、次には戸惑いながらに

声を掛ける!…それは心配をする様にマサツグの事を呼ぶと、マサツグは

その呼び掛けに答えないまま徐に女王の頭を抱え出し!…と、その一方では

悪党共が動きを見せ!…埒が明かない!とばかりに自ら動く素振りを露わに

すると、遂に戦闘の意を見せる!…


「…仕方ないですね?…

このまま兵士を呼び出しても再度吹き飛ばされては労力の無駄です…

この人達は我々の手で倒すとしましょう…」


「オオォォ!!…漸く動いて良いのか!?……ふぃ~!!…

まだ体を動かせねぇのかってウズウズしてたぜぇ~?…」


__グッグッ!…グッグッ!…スゥ…トン、トン!…シュッ!!…シュッ!!…


その自ら動く理由についても労力が見合わない!と、面倒臭そうにモツ達を前に

して言葉を零し!…その際ワームホールの中の兵士達の事等如何でも良く!…

この時ダグレスでは無くパルメリアが何故か仕切り!…それを聞いて各々軽い

ウォームアップをし始めると、武闘家は早く戦いたい!と…シャドーボクシング

までし始める!…その際言葉でもウズウズして居た事を口にすると、続けて

戦士が自分の仕事を全うする為に質問を!…


「…よし!…ではどの様に立ち回れば良い?…

さすがに相手が複数となると注目は集め切れないぞ!?…」


「私とパルメリア殿は後方支援…

前衛は王子、シュタイン、バッカスは前衛…いつも通りで良いと思います…

あの英雄と呼ばれている者の言葉が正しければあの狼は私の回復魔法…

或いはパルメリア殿の魔法で倒せる筈です…

貴方方前衛は今目の前で武器を手にしている不心得者達の足止めをして頂ければ…」


自らタンカー盾役買って出て!…その立ち回りについて優先順位を尋ねて行くと、

その後ろの僧侶が慣れた様子で指示を!…すかさず迷いなく全体に出す!…

この時自分とパルメリアの事を口にすると、当然の様に後方に回る!と

口にし!…と、続けて前衛もダグレスと武闘家と戦士と割り当て…容易に

予想出来る基本に忠実な態勢を取るよう指示をすると、何の事は無いいつも

通り!と更に続ける!…そしてメイン火力もパルメリアに基本任せる事を

話して行くと、淡々と指示を続け!…その際戦士をシュタイン、武道家を

バッカスと呼んでいる事に気が付き!…とにかく王子さえ何とか出来れば!…

モツもその王子に対して身構える素振りを見せて居ると、突如バッカスが

動きを!…


「ふぃ~~!!!…よし!!!…じゃあ突貫するか!!!!!」


__グググ!!…バッ!!!…ッ!?…


「ッ!!…い、意外と速い!?…」


自分の役割だけを聞いて満足して行き!…最後まで話を聞かずに一気にモツへ

向かって突貫して行くと、意外といい動きを露わにする!…それはバッカスと

モツとの間が大体2~3m在ったのだが、一気に間合いを詰めると自身の攻撃

圏内に!…するとそんなバッカスの動きにモツも思わず驚きを露わに!…何なら

同じ前衛のシュタインとダグレスもえ!?とばかりに若干戸惑った反応を見せて

いると、一方でバッカスは攻撃モーションに!…その太い腕を畳んで見せる!…


「ふぃ~~~!!!…

まずは一番槍行かせて貰うぜぇ!!!!!」


「ッ!?…モツ!!!…」


__ギリィ!!!…ッ!?…


走って来る勢いそのままに!…脇を絞めてギュッと拳を握って見せると、その巨体

ごと突っ込んで行く様に!…モツへ向かってその拳を打ち出そうとして行く!…

その際そのバッカスの突貫にアヤも慌てて構えている矢をサッと向けようとする

のだが、この時誤射を考えてしまうとその矢を放てず!…その間にもバッカスは

モツに迫り!…後は撃ち出すだけの所まで持って行くと、モツも咄嗟に刹那を!…


「ッ!!…刹!!……ッ!!!…」


__ガッ!!!…ジャラッ!!!…ブゥン!!…


「ッ!?…ん!?…何だこぉ、りゃああぁ!?!?」


が、発動せず!…ふとある事に気が付きその刹那の発動を思い止まると、一方で

バッカスにある事が!…それは本人も気が付いた様子で反応をする!…と言うのも

突如そのモツへ殴り掛かろうとして居た腕が何者かの足によって蹴り上げられると、

同時にその腕に鎖の様な物が巻き付き!…となるとバッカスもそのまま攻撃の軌道を

変えられては外してしまい!…勢いそのままにフラ付き戸惑いを露わにして見せる

と、次にはその鎖に引っ張られる!…すると当然いきなり引っ張られたもので更に

戸惑いを露わにすると、同時に何者か達の威勢のいい声が辺りに響き!…


「うおぉぉりゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」×2


__グォン!!!!…


「うおああぁぁぁぁ!?!?…」


その掛け声が聞こえたかと思うとあら不思議!…先程までフラ付いて居た筈の

巨体が宙に浮き!…そしてそのバッカスの手首に巻き付く鎖の両端をよく見て

みると棒が!…それはヌンチャクと思われる棒が鎖の両端について居り!…

それぞれマサキとオリハが共に持って引っ張り回すようそんな動きを見せて

行くと、次にはバッカスの腕からそのヌンチャクの鎖が外れる!…そこから

そのまま地面を転がる様に2~3回弾んで飛んで行ってしまう!…その際何か

思う体が動かないのか受け身を取る事無く跳んで行くと、激しく体を打ち付け!…


__…ドシャ!…ドシャ!…ドシャアアァァァ!!!……ッ!?!?…


「ッ!?…ば、馬鹿な!?…」


勿論これにはダグレス達も初めて見たとばかりに大いに驚き、思わず唖然とした

様子でそのぶっ飛ばされたバッカスを見詰め!…一方でそんな事をしたマサキと

オリハはゆっくり体勢を戻して行き!…その際そのヌンチャクは若干の伸縮が

可能なのか?…ジャラジャラと鎖を元の自分の扱い易い長さに戻して見せると、

次には一仕事終えた様子で言葉を!…何ならある事と比べる様に一息吐き出す!…


「…フゥ~!…

勢いからして車に撥ねられた位はあった筈やのに立ち上がったなぁ?…

頑丈さやとまーつぐとえぇ勝負って言った所か?…」


「…親父?…現実世界リアルでの兄さんと比べちゃいかんと思うが?…」


と言うのもこの時現実世界リアルの話を持って来ると、マサツグが事故を起こした時

の事を口にし!…それはまだ相手が起きて来る事を踏まえて話し!…中々に頑丈!

と…その時のマサツグと比べる様にしてマジマジ見詰めながらに話しをすると、

オリハが呆れた様子でツッコミ入れる!…その際一応マサツグが可哀そうと言った

念も込めて行く!…それは比べるのは失礼!と言った様子で話しをすると、その

投げられたバッカスも動きを!…


__ぷるぷる!…ガッ!!……ガッ!!…


「あ!…あぁ!!…あぁぁ~今のは効いた!!!…」


それはそこそこダメージを貰った様子で地面に手を着き!…何なら頭や腕や

足から多々出血が見られると、バッカスも効いた!と言って言葉を零す!…

その際バッカス自身も頭を抱えながら堪えて見せると、スッとマサキを睨み

ながら立ち上がり!…と、そんなバッカスに対してマサキも睨み返すよう

眼光鋭く!…コイツは俺がやる!とばかりに肩で一度大きく息をして

見せると、そこから一切視線を外さない!…それどころか近付く様子も露わに

する!…となるとそのマサキの荒れ様に当然モツ達も心配をする訳なのだが、

ここで一度マサツグ達の方に視線を戻すと!…


「………ッ…」


{…失敗すれば女王だけじゃなくて俺も死ぬかもしれない!!…

けど…女王を助ける唯一の方法はこれしか思い浮かばないし、

何より時間がもう無い!!……仮に成功したとしても!…

その後こいつ等を相手にするとなると如何なるか分からない!!!…

…女王が直ぐに戦えるレベルまで復活するとは到底思えない!!…}


「ご主人様(先生)!!…」


マサツグは女王の頭を抱えながら思い詰めた表情を!…それは自身で覚悟を決める

一方、やはり少なからず抵抗も覚える様子で!…何ならこの後の展開についても

心配を持ち出し!…中々に自分のやる事に対して最後の一歩を踏み出す事が出来ない

で居ると、そんな様子にシロとハティは心配を!…マサツグの事を呼んで見せる!…

その際不安げな表情を浮かべてジッとマサツグの事を見詰めて行くと、マサツグも

気が付いた様子でシロ達に視線を!…


「ッ!!!…そうだ!!…悩んでいても仕方が無い!!…

一か八かの賭けなんていつもの事じゃねぇか!!!…

…もう!!…やるしかねぇ!!!…」


「ご、ご主人様(先生)?…」


そのシロとハティの不安そうな表情を見てもう迷っている場合では無い!と…

目を閉じ無理矢理を決めて行くと、次には自身の左腕の袖を捲って

見せ!…となるとその不可解なマサツグの言動にシロとハティも困惑気味に!…

その際再度マサツグの事を呼んで行き…その言動の意味について尋ねるよう

更に視線を向けて行くと、マサツグは最後にシロ達に言葉を!…それは額に汗を

掻きながら無理して作った笑顔を見せて行く!…


「……ッ…シロ…ハティ…ちょっと退いてくれるか?…

あと、お前達は今からこっちを絶対に見ない様に…いいな?…」


「ッ!…え?…な、何を?…」


__グッ!!…カパァ!!!…スッ……


一度離れる様にシロ達へ言い聞かせると、まるで今からやる事に対して絶対に

真似はするな!…或いは止めるな!とばかりに注意をし!…となるとそんな事を

言われた二人は更に困惑!…一体何をするのか?と不安になり出し!…余計に

マサツグの事を凝視する様子を見せて行くと、一方でマサツグは徐に女王の口を

開き始め!…その口の中に自身の左腕を入れて行く!…それは端から端まで横断

させる様に銜えさせると、一度呼吸を挿み!…するとそんなマサツグの行動に

シロ達も当然パニックになり!…勿論そんなマサツグを慌てて止めようとする

のだが!…


「え?…えぇ!?…な、何を!?…」


「スゥ~~~~!!…ッ!!!…

モツウウウウウウゥゥ!!!!…後は任せたあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「ッ!?…き、急に何を!?…ッ!!!!…」


シロ達が止めに入るより先にマサツグが行動を!…それは大きく息を吸って見せ!…

グッと奥歯を噛み締めるそんな覚悟の表情を浮かべて見せると、次にはモツに全てを

丸投げ!…大声で言葉を残して行く!…となるとモツもそんなマサツグの大声に

一体何事?と言った様子でチラッと確認をするのだが、そこにはとてもショッキング

な光景が映っており!…と、同時にマサツグとシロ達の耳にはとても生々しい!…

嫌な音だけがさも木霊する様に聞こえて来ると、それは地獄の始まりを告げる!…

マサツグに取っても生涯で一番印象に残る耐久が今まさに始まりを迎えるので

あった!…

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兄は知らない、俺を無能だと馬鹿にしあざ笑う兄は真実を知らない。 本当の無能は兄であることを。実は俺の能力で勇者たりえたことを。 俺の能力は、自分を守ってくれる勇者を生み出すもの。 どれだけ無能であっても、俺が勇者に選んだ者は途端に有能な勇者になるのだ。 だがそれを知らない兄は俺をお荷物と追い出した。 ならば俺も兄は不要の存在となるので、勇者の任を解いてしまおう。 かくして勇者では無くなった兄は無能へと逆戻り。 当然のようにパーティは壊滅状態。 戻ってきてほしいだって?馬鹿を言うんじゃない。 俺を追放したことを後悔しても、もう遅いんだよ! === 【第16回ファンタジー小説大賞】にて一次選考通過の[奨励賞]いただきました

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!

中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。 ※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。

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