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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章七十七節 凶悪犯の最後と優勝賞品?とハティの固執-
しおりを挟む二度目の皇女様達の乱入により観客達も唖然!…となると今大会は一体如何なって
居るのか?と…何ならマサツグの変わり様にも当然戸惑い!…と言うのも先程まで
それは恐怖の対象であったのが、シロとハティが飛んで来た事で何とも和やかな!…
とても闘技場には似付かわしくない雰囲気を見せて行くと、更に状況は混沌とする…
そしてそんな戸惑う観客達を置いてけぼりにマサツグがシロとハティの事を構って
遊んで見せて居ると、一方ではそんな茶番を見せられて怒りを燃やす者が居り!…
__……ズシャ…ズシン!…ズシン!……ッ~~~~!!!…
「…フザケンジャネェ!!!!…俺ハ最強ナンダ!!!!!…
コンナ餓鬼共相手ニノホホントシタ馬鹿面見セル奴ニ!!!…
コノ俺ガ負ケル訳ガ無ェンダァ!!!!…サッキノハマタ卑怯ナ手デモ使ッテ…
ヤッテ見セタ虚仮脅シナンダロウ!?…クソガアアアァァァァァァァ!!!!!」
__ゴアアアァァァァァ!!!!…キャアアアアァァァァァァァァァ!!!!…
言わずもがなその怒りを燃やす者と言うのはバルトグロメイア!…その先程までの
勢いが無くなった事に!…何なら和気藹々とし出した姿に自分が恐怖した・或いは
負けたのか?と言った自覚を感じて怒りを燃やすと、立ち上がっては認めない!と…
こんなふざけた事が有ってたまるか!とばかりに激昂する!…それは近くにシロと
ハティが居ようが御構い無し!…殺気をガンガンに放ってマサツグを威圧!…
その勢いは観客席にまで到達して行き!…観客達もそんな殺気に怯える様なそんな
反応を見せて行くと、マサツグは至って冷静に…何なら呆れた様子で溜息を吐く!…
「……はあぁ~…
…そのまま反撃して来なければもう少しは長生き出来たろうに…」
「ッ!?…」
勿論この時そんな様子に観客達もシロとハティが危ない!と言った具合で怯えながら
慌てる一方、モツ達もこれは不味い!とばかりにさすがに動き!…何ならこの時
マサツグはシロを抱えてバルトグロメイアに対して背を向け!…とても反撃出来る様
な状態ではなく!…シロとハティが居る事でマサツグにとっても二人が足枷の様に
なっている様に見えてしまうと、それを見て居る者達は更に慌て出す!…しかし
肝心のマサツグはそんなバルトグロメイアに対してまるで読めて居た!とばかりに
呆れて見せると、次には意味深な事を口に!…と、この時マサツグの手には刀は
無く…だが、マサツグがそんな事を呟いた事でバルトグロメイアが思わずビクッと
反応すると、次に瞬間!…
__ッ!?…ッ!!…ズバババン!!!!…
「ッ!?…」
それは一瞬の出来事であった!…バルトグロメイアがマサツグに向かい襲い
掛かろうとして行くと、この時シロとハティは身構える様な素振りを!…
それはマサツグにまた魔王化されない様に!…大人しくして貰おうと代わり
戦う姿勢を見せて行くのだが、時既にお寿司!…マサツグは一瞬で片を付ける!…
と言うのもシロとハティが身構えたかと思うと、マサツグは瞬時に刹那を発動!…
そこからシロを落とす事無くクルッと振り向いては片膝立ちに姿勢を整え!…
装備スロット3に在るまた別の刀を瞬時にバッと抜いて見せると、バルトグロ
メイアに画竜点睛!…斬り刻んだ後、中途半端に納刀して元の姿勢へと戻って
見せる!…宛らその一連の流れはまるで漫画に出て来る達人の様で、殺気も
シロとハティに悟られる事は無く!…因みにその一連の流れはコンマ1秒の
出来事であり!…喰らったバルトグロメイアは途端にその場でビタッと動かず!…
まるで時が止まったかの様に動きたくても動けない状態になってしまうと、
シロとハティもハッと!…
__ッ!?…ッ!?…
「ッ!…だ~いじょ~ぶ、だいじょうぶよぉ~?…もう怒ってないよ~?…」
「……あ!…あ!…あ!…」
__…チラッ?…スゥ…キン!!…
恐らく不自然に突如ビタッと固まってしまったバルトグロメイアを見て察したの
だろう!…シロとハティは慌ててマサツグの方を振り返り!…と、突如二人に
慌てて振り返られた事でマサツグもビクッと反応を!…だがそれを笑顔で大丈夫!
と言い聞かせ!…何なら右手でそれぞれ二人の頭を再度撫でて落ち着かせると、
一方ではバルトグロメイアが再度恐怖に引き攣った表情を!…そして声にならない
声を上げて見せる!…しかしそんなバルトグロメイアに対してマサツグは最後に
固まったその姿をチラリ?と見ると、二人にその最後を見せない様に納刀し切り!…
それはまるで合図とばかりにキン!と鍔鳴りを鳴らして行き!…次にはバルトグロ
メイアもまた時が動き出したかの様に前のめりに倒れ!…そこから何とも重々しい
感じに地響きを立てて遂には動かなくなってしまうと、これにて完全決着となって
しまう!…
__ッ!!!………グラァ…ズズ~ン!!!…
「ッ!?…ッ!?!?…」×2
__ッ!?!?……
「…何を勝手にキレてるかは知らんが…
俺はお前に対してまだ怒りが収まったとは一言も言って無いぞ?…
…何ならそのまま何処へ逃げようが隠れようが仕留める気で居たから…
気配はビンビンに探ってたし…お前の動きは何パターンも想像して居た!!…
…結局の所…お前はここでくたばる事に変わりはなかったんだ!!…
…って、もう何も喋らない相手にこんな事を言っても無駄かぁ……
…あの世でしっかりその身を業火で焼かれて来い!!…このクソったれが!!!…」
バルトグロメイアが倒れた事でシロとハティは吃驚!…何なら観客達も目を真ん丸
にして驚き戸惑い!…更にはこの最後の最後で呆気ない決着を着けたマサツグの
技に気付いた者は居るのだろうか?…とにかく不自然なバルトグロメイアの死に…
まるで欠片刀による中毒で死んでしまったかの様に見えてしまうと、闘技場内は
シンと…不思議と歓声も上がる事無く静まり返る!…そして最悪の罪人である事
には変わらないが、人狼族の中では最強であった事に代わりはなく!…しかしそんな
最強の人狼もマサツグの背後で動かなくなり!…脅威が去った事に安堵しつつ!…
同時にその人狼代表が負けた様なそんな謎の虚無感を感じてしまうと、本当に何も
喋れない…ただただその気持ちに戸惑い続けるのであった!…尚この後バルトグロ
メイアの遺体は兵士達の手によって回収される事になるのだが、不可解な事に!…
「…よし!…いちにのさんで持ち上げるぞ!!……いち…にの…さん!!…」
__ぐにゃん!!…でろん!!…
「ッ!?…う、うわああぁぁぁ!?…な、何だこれぇ!?…」
「い、一体如何なって!?…こ、これも欠片刀による症状だと言うのか!?…
な、何て恐ろしい!!…」
その巨体を回収するのに約30名!…まるで某・ピク○ンの様にその巨体を取り囲み
闘技場の外へ運び出そうとするのだが、その時に事件が起きてしまう!…と言うのも
そのバルトグロメイアの体を持ち上げようとしたその瞬間、その体はまるで筋肉が
溶けた様にスライムみたくドゥルン!と…何とも掴み所が無い様にとても不気味な
様子を露わにして見せ!…兵士達もそんな未知なる体験に当然恐怖!…まるでSAN値
チェックを受けたかの様なショックの表れようを見せて行くと、とにかく怯えながら
運搬!…無事運び出す事に成功するのであった!…
さて話は戻ってマサツグ達!…今だマサツグがシロとハティを可愛がる様に撫で
回して居ると、ふと忘れた所でアナウンスが!…
「なななな…何と言う事でしょう!!!!…
今大会ダークホースと呼ばれた時の闘士・マサツグが堂々の優勝ぉ~!!!!…
あの不本意ながらも伝説の戦神姫を倒したバルトグロメイアを!!!…
欠片刀を使い更にパワーアップしたと言うにも関わらず!!!…
全くの無傷で完封勝利ぃ~~!!!!!…
…強いて言えば皇女様の頭突きを諸に受けていた様に見えましたが!!…
それでも見事大勝利を収めましたあぁ~~!!!!」
__ワアアアアァァァァァァァァァ!!!!…
それは司会もビックリの様子!…予想外の結果に興奮が治まらない様子で進行を
すると、バルトグロメイアを倒した事を!…何ならマサツグが勝った事を誇張する
様に称えて行く!…その際シロの彗星の一撃についても触れるのだが!…まあ無事
終わった事を続けて行くと、とにかく勝利を称え!…と、この司会の話を聞いて
観客達もハッ!と…我に返った様子で意識を取り戻し!…そしてマサツグを称賛
する様に歓声をワッ!と上げて行くと、大会は元の盛り上がり様を取り戻して
行く!…さてこれにて厄介なトーナメントも終わりを告げると、今度は表彰式に
移るのかと思われるのだが!…
「……ッ!!…何と!!…
ここでそんな栄えある闘士にはなんと女王様より褒美があるとの事!!!!…
…してその褒美の内容と言うのはぁ~~~??…」
{ッ!…もしかして賞金が出たり?…
いやぁ~!…ここに来て予想外の出費が重なったからありがたいなぁ~っと!…
…って、あれ?…確かここでは金銭的なアレは無いんだったよなぁ?…
…じゃあ褒美って?…}
表彰式など無い様で!…司会がハッとそのマイクの向こう側で何か驚く様なそんな
反応を露わにすると、次にはさも賞品がある様子で言葉を!…何なら勿体ぶる様に
話しを続ける!…するとそれを聞いてマサツグも思わずピクッと反応をしてしまう
と、次にはソワソワとし始め!…と言うのもここに来てマサツグのへそくりの
減り具合が気になって居り!…物によってはこれで何とか補填出来るのでは!?と…
思わず心の中で期待を持ってしまう訳なのだが、しかし次にはそれもハッ!と…
ここでシルビィの言葉を思い出し!…恐らく賞品が金銭では無い事をフッと察して
では何?とばかりに戸惑っていると、司会がその賞品の正体を!…
「この後に開かれますメインイベント!!!…
後継者を決める皇女同士の一騎打ちにて!!!…
レフェリーの座に就いて貰う権利が与えられます!!!!」
「……え?」
司会が言うにはメインイベント!…それもシロとハティの試合で審判を務める事だと
放送すると、それを聞いたマサツグは更に戸惑った様子で言葉を!…何ならすっかり
忘れて居た様子で反応を露わに!…思って居たモノと違う!とばかりにその表情を
思いっきり浮かべて見せると、その様子にモツ達も当然呆れ気味!…頭を抱えながら
溜息を吐く!…その際マサツグの魔王化が切れた事でかフィロも元の姿?に戻って
しまうと、本人は気付いているのかとにかくマサツグの様子に呆れて居り!…
「…あの様子は完全に忘れて居った様じゃな?…
…全く!…何とも抜けて居ると言うか何と言うか!!…
…まぁそんな所も愛らしくわっちは思うのじゃが♥…」
「…もう!!…ここから本番だって言うのに!…
ほんっとしっかりして欲しいわね!?……ッ!…
と言うかフィロ貴方…また体が縮んだみたいね?…」
「んん~?……ッ!?…にょわ!?…
わ、わっちの体がまた珍竹林に!?…」
しかしそんなマサツグも満更ではない様子で!…頬染めては両手も添え…そして
モジモジとする様なそんな素振りを見せて居ると、アヤも一部珍しく同意!…
マサツグに対して言葉を漏らす!…するとそこからフィロの身長が縮んで居る
事に気が付き出すと、次にはフィロに教えるよう言葉を…となるとフィロも今
言われて気が付いた様子で!…次には自身の体を見回し!…また身長や色々な
モノが無くなった事に慌てて見せると、一人ワタワタとして見せる!…
さてそうしてフィロが一人慌しい様子を見せて居ると、ここでパルシィもふと
ある事に気が付いた様子で!…
「…ッ!?…あの5人が居ない!?…しまった!!…」
__バッ!!…ババッ!!…ッ~~~~!!!!…
「…チッ!!…何処を見ても見当たらない!!…
と言う事は移動したのか?…とにかく早く探さねば!!…」
気が付いた事とは見掛けた時から警戒をして居たあのフード5人組が居ない!
と、コッチもコッチで慌て始め!…その際辺りを見回し何処に行ったのか!?と
目まぐるしくその姿を探すのだが、何処にもその姿は見当たらず!…となると
見失った事でパルシィは更に慌て始め!…必死にその気配を探ろうと色々手段を
考えようとするのだが、次にはモツに回収される事に!…と言うのも司会の
言葉がきっかけとなる!…
「…尚、一騎打ちにつきましては今から一時間後と致しましてその間に食事…
トイレの方を済ませておく事をお勧め致します!!…
…今日…我等が新しい指導者が決まるかもしれない大切な日なのです!!!…
皆様!!…如何かこの行く末を!!…如何か!!…
この可憐な皇女達に盛大な声援をお送り頂く事を!!…
心よりお願い申し上げます!!!!…」
__ワアアアアァァァァァァァァァ!!!!…
司会はまだ終わって居ないとばかりにこの後の予定について言葉を!…そして
このイベントこそが大事である事をこれまた誇張する様に口にすると、シロと
ハティに声援を送るよう言葉を続ける!…するとその話を聞いて観客達も
楽しみ!とばかりに歓声を上げると、放送に有った通りに各々自ら行動を!…
ある者は腹が減ったのか席に座ったまま食事を取り出し、そしてまたある者も
今まで我慢をして居たのか足早に席を立って行くと、そのまま何処かへ姿を
消す!…そうしてつかの間の休憩にこれまたちょっとした騒動が起きている様に
見えていると、モツもいい加減に戻らないと!と…
「……とりま!…無事トーナメントも終わったみたいだし?…
俺達も戻るぞ!……ッ?…ほらパルシィも!…
ずっとここに居る訳にも行かないだろ?…」
「ッ!!…あぁ、おい引っ張るな!!…それよりもアイツらがぁ~!!…」
勿論いつまでもここに居る訳には行かない!とばかりに!…自分達も戻るよう
一緒に居る面々に声を掛けて戻ろうとすると、そこで様子が可笑しいパルシィの
姿を…だがこの時然程気にしていない感じでそのパルシィの様子を確認すると、
次にはまるで小さな子供の手を引く様にパルシィを回収!…と、そんなモツの
回収にパルシィも途端に戸惑い始め!…やはりあのフード五人組が気になって
居る様子で!…モツに待った!を掛けて何とかその姿を探す事を続けようとする
のだが、体格差で引き摺られる事に…そのまま駄々っ子の様に回収される!…
そしてその一方でそのアナウンスを聞いてシロとハティがそれぞれ途端に思い
詰める様なそんな表情を浮かべて行くと、若干二人の間で距離が出来る様な?…
__…ッ!…ギュッ!……ッ!……ッ…ギュッ!!……
「…ッ!…ん?…あれ?…
如何したんだ二人とも?…」
それは何かを決意する様にも見えて行くと、ハティは静かに拳を握り!…すると
シロもそれに気が付いたのか釣られて拳を握る素振りを露わにして行き!…
となるとニブチンのマサツグもピクッと反応!…この時マサツグとしてもこの後に
何があるのかはちゃんと把握しており、しかしその二人が思い悩む理由が何なのか
分かって居ない様子で!…首を傾げながら一体如何した?と…不思議そうにその
理由について当の本人二人へ尋ねて行くと、二人はその質問に対して沈黙!…
しかし直ぐにふとハティがシロに対して声を掛け出す!…
「……ッ!!…お姉様?…お話があります!…」
「ッ!?…な、何ですか?…」
「…この後に行われる決闘について!…お姉様にお願いが有るのです!!…」
勿論キッと真剣な表情を浮かべて行くと、まずは話がある!とシロに言い出し!…
と、そのハティの呼び掛けに対してシロもビクッ!と反応をして見せ!…何なら
この時既に何と無くその用件を察している様子!…思わず警戒した具合に尻尾を
逆立てその用件についてハティへ返事をして行くと、続けてハティは用件を!…
やはりこの後の決闘について話をし出す!…それはシロの事を真っ直ぐ見詰めて
真剣な表情を浮かべて行くと、そんな視線を向けられた事でシロも思わず怪訝
そうな表情を!…
「ッ!……ッ…」
「…この後に開かれるお姉様との決闘!!…
ハティと真剣に戦って欲しいのです!!…」
しかしそんなシロの表情など御構い無し!…ハティは続けてこの後に行われる
決闘についてあるお願いを口にすると、更にシロを戸惑わせ!…何でもその時が
来たら肉親など関係無い!とばかりに…自身と本気で戦って欲しい!とシロに
話しをして行くと、そんな事を言われたシロもハッ!と…目を見開き更に戸惑い
様を露わにする!…と言ってもシロとしてもその話を聞いて何と無く察して居た
具合に更に俯くと、やはり嫌そうにするようモジモジと!…
「ッ!?…え!?…あっ!……ッ…」
{ど、如何して?…如何してそんなに?…}
当然本来戦う理由が無いシロからするととても受け入れ難い話で!…シロ自身
勝敗など如何でも良い!と、何なら今からマサツグの手を引いてここから
逃げようと考え始めて居たのだが!…しかしハティの真っ直ぐな眼差しが
それを許さない!とばかりに訴えて居り!…やはり何か勝負に固執する!…
そんな眼差しでシロの事をジッと見詰めて放さないで居ると、更にシロの事を
追い詰めて行く!…となるとシロとしても何故そこまで勝負に固執するのか?
と疑問を持ち出す一方!…更にハティがこれでもか!とばかりに宣戦布告を!…
「…勿論ハティも本気で戦いますので!!…覚悟してください!!…」
「ッ!?…ちょ、ちょっと待って欲しいのです!!!…
ハティちゃんと本気で!…って、如何言う事ですか!?…」
「………。」
やはり依然として真剣な表情で言葉を口に!…そしてやるからには自分も本気!と
ハティは語り…それは最初に出会った時みたく若干の敵意まで露にすると、も一つ
シロを困惑させ!…となるとシロも次には慌て出す始末となって行き!…ここで
正直に自身の思って居る事を口にすると、ハティの本音が聞きたい!とばかりに
訴えて見せる!…しかしハティはそんなシロの問い掛けに対して返事をする事無く
見詰め続けると、更に敵意を徐々に滲ませ!…と、これにはマサツグも思わず目を
パチパチと瞬きさせ!…やはりハティの固執に疑問を!…何か裏が有る様に感じて
仕方が無い戸惑い様を覚えて居ると、一方でシロが更にこんな事を!…
「ハティちゃん!!…如何言う事ですか!?…
シロ!!…シロは初めからワザと負ける気で居たのですよ?…」
「ッ!?…ッ~~~…」
やはりどういう事かを聞きたい様子で問い掛けを続け!…その際こんな戦いに自ら
執着がない!事を明かして行くと、何なら八百長をしようとして居た事まで話し!…
と言っても筋書きは自身が負けると言うのもであって、それを聞いたハティが途端に
ピクッと反応をすると、目に見えて体を震わせる!…それは怒って居る様子を露わに
する!…しかしシロはそんなハティの事など御構い無しに、自身の本音を更に
漏らし!…
「折角仲良くなったハティちゃんと!…
シロは…シロはやっぱり戦いたくは!…」
「戦わないと!!…駄目なのです!!!」
「ッ!?…」
色々と紆余曲折あったものの!…自身でもハティと仲良くなれた!と思う事を口に
すると、自身の胸を押さえながら辛そうに話し!…そして再度説得する様に
戦いたくない!と…シロはまるで懇願するよう自身の本音を話すのだが、次には
ハティが怒りを露わに!…何ならシロの言葉にも怒った様子で吠えて見せる!…
それはまるで自身の気持ちを侮辱された!とばかりにシロを睨むと、酷く興奮した
様子で肩で息を!…と、そんな怒りを向けられた事でシロも委縮してしまい!…
さも驚いた様子を…更には怯えてショックを受ける様なそんな表情も見せて行くと、
マサツグも釣られて更に驚く!…
{…な、何でこんな!…戦う事にハティは執着しているんだ?…
…確かに最初出会った時は…シロの事を嫌っていた様にも見えたけど…
今はもうそんな蟠りも無い筈!…やっと仲直り出来たと思ったのに!!…
…となるとやっぱりスイッチは後継者争い?…
とにかくこの事になると一気にハティの様子が急変する!!…
…今までのハティの様子を見る限り!…
覇権が如何こうとか拘る子じゃないのは良く分かるが…
…何よりも!…何で!…何でこんな頑なに焦った表情を見せるんだ!?…}
その際マサツグの中でもそんなハティの様子に対してやはり疑問は増すばかりで、
自分でもその原因を探る様に色々と今までの事を振り返り!…と言うのもハティと
出会った時の頃からここに来るまでの事を纏めて全部!…何なら最初に比べて
シロとの関わり様も変わった!と、マサツグの目から見ても大分と二人の関係性が
良くなった様に感じていたのだが!…この手の話のなった途端これで!…そうなると
ハティのトリガーがマサツグの中でコレ!と絞られ!…ハティの性格を加味して…
何故ここまで後継者争いに必死になるのか?と更に疑問を抱いて行くと、その時の
ハティの表情にさえ!…何か嫌な疑問を抱いてしまう!…さてそうしてハティの裏に
隠れている何かにマサツグがメスを入れようかと悩んで居ると、ハティはシロを
一頻り睨んだ後にそっぽを向き!…
__ッ!!……ぷい!!…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「ッ!…ハ、ハティちゃん!…ッ…ッ~~~!!!…」
思いっきり不機嫌な態度を露わに!…そのままシロを置いてその場を後にして
行くと、シロもシロでハティを慌てて呼び止める様に名前を!…しかしシロが
名前を呼んだ所でハティは一切振り返らず!…やはりそのままその場を後にして
闘技エリアからその姿を消してしまうと、そこに残されたのはマサツグと
シロだけ!…シロはその呼び止めようとした手で空を切り!…また嫌われたのか
と考え出すと、静かにポロポロと泣き出してしまう!…さてそうして自身の膝の
中でまた不仲となってしまったシロを目の前に置くと、マサツグもそんなシロを
抱えて頭を撫で!…
__……ギュッ!…なでなで…なでなで…
「ッ!…ご、ごしゅじんしゃま!…
…ッ!!…エッグ!!…う、うえええぇぇぇぇぇ!!……」
{…とにかくハティも何かを抱えて居る事に違いない!!…
…もしかするとここでそれをハッキリ出来る機会があるかも知れない!!…
…落ち着けおれぇ!…冷静にこの状況を見極めるんだ!!…
でないとこのまま一生!!…
シロとハティが仲良くなる事は無いかもしれないんだからなぁ!!!…
…そしてシロには辛いかもしれないけど……ッ~~~!!…}
勿論シロを宥める様に優しく!…そして自身の心音を聴かせるようシロに体を
預けさせると、シロもハッと察した様子で…となると次にはやはり我慢出来ずに
泣き出してしまい!…マサツグにしがみ付きそのままワンワンと不安をぶつける
様に泣き続けて見せると、マサツグもマサツグである決意を!…そのハティの
裏側にあるモノを探る事を決意する!…そしてその上でシロの協力が必要である
事も理解すると、自身の中で葛藤をしながらもシロにある事を!…
「……シロ?…お前はこの後ハティと戦わないといけない!…」
「ッ!……ッ…」
「それはハティからのお願いで有り!…
そして…ハティの気持ちを知る為でもある!…」
「ッ!…スンッ…ハティちゃんの…気持ち?…」
それはシロにハティと戦う事を強要する事で!…当然その事をマサツグから
言われたシロはその腕の中で小さくなる!…が、マサツグも無理は重々承知で
更に言葉を!…と言うのもこれはハティの為でもあると言い!…ハティの本音
を聞きたくないか?と…シロに尋ねるよう言葉を掛けると、シロもそれを
聞いてピクッと反応!…鼻を啜りながら顔を見上げる!…するとそこには少し
真剣な表情を見せるマサツグの表情がそこに在り!…マサツグは更にシロを
奮い立たせるよう言葉を続け!…
「そうだ!……言うなれば…
今真正面からハティの気持ちを受け止められるのは!…
シロ!…お前だけしか居ないんだ!!…」
「ッ!!…」
「…いいか?…別に相手を力任せに負かせるだけが戦いじゃあない!!…
よぉく考えるだ!!…相手を傷付けず!!…相手を屈服させる方法を!!…
…まぁこの場合は屈服じゃあないんだが…あぁいや、それでも!!…
恐らくシロになら出来る筈だ!!……ただ相手の動きや呼吸!!…
その他色んな物に目を向けて相手の言葉を探すんだ!!…
…そうすれば必ず!!…相手の言いたい事が自ずと分かって!!…
自分が如何したら良いのかもハッキリと分かる!!…」
ハティの気持ちを受け止められるのはシロだけ!と…自分ではない!…正真正銘
シロにしか出来ない事を口にすると、シロも途端にハッとする!…それはまるで
目が覚めた様に目を真ん丸に見開いて見せると、マサツグの顔を一点に見詰め!…
と、そんなシロからの熱視線にマサツグも答えるよう見詰め返し!…何ならこの時
戦わなくてもいい!と…まるで別の戦い方がある様にシロへ教えるよう言葉を更に
続けて行くと、シロもそれを聞いて泣き止み始める!…
「ッ!!…ハティちゃんの…声!…」
「ッ!…あぁ!!……シロ!!…ここが正念場だ!!!…
俺も出来る限りはフォローする!!…しかし!!…肝心の所はシロ!!…
お前だけにしか出来ない!!…だから!…頼んだぞ?…」
__ッ!!……ッ!!…コクリッ!!…
それはまるで勇気を貰ったかの様にグッと力が込み上げて来ると、徐々に元気も
取り戻す様に目に活力を宿し!…そしてマサツグの言葉を復唱するよう言葉を
漏らし!…シロが元気になって来た事でマサツグも更に励ますよう言葉をも一つ
掛けて行くと、改めてシロにお願いをする!…それは再度自分では出来ない事を
口にすると、シロが要と言い!…と、そうマサツグに言われた事でシロも徐々に
覚悟を決め!…グッとピーカブーに構えて見せ!…そしてマサツグにやる気を
見せる様に一回コクン!と頷いて行くと、シロはハティと立ち合う!…その覚悟を
自身の中に持つのであった!…
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※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
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貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
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