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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章六十六節 兄弟喧嘩・中編とシロの脱走と謎の危機感-

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もはやはた迷惑な勢いで争う二人は一進一退の攻防を続け!…またもや仕切り直した

様に真正面からぶつかって行くと、次の瞬間オリハが考えた様子で動きを変える!…

それは依然としてマサツグに向かって行くのは行くのだが、途中で大きく地面を踏み

締めると大きく跳び!…と、その一方でマサツグはそんなオリハの様子に若干驚いた

反応を露わに!…と言うのもそのまま猪突猛進で突っ込んで来ると思って居たから

こそ何か不意を突かれた様なそんな表情を露わにすると、オリハもマサツグに

向かって勢い良く飛び掛かる!…若干の奇襲を掛けて行く!…


「オオオオオオォォォォォォォ!!!」×2


__バッ!!!…ギュン!!…


「ッ!?…跳んだ!?」


「貰ったあぁぁ!!!」


この時オリハはただ飛び掛かるのではなくそこに回転も付けて行く!…それはまるで

某・青い音速のハリネズミの様に!…縦に高速回転してその手に持つ武器を振り

被って見せて行くと、無防備のマサツグに対して吠えて見せる!…それはさもまずは

一撃!と確実にダメージを与えられた様に嬉々として口にすると、何の疑いも無く

マサツグに向かって武器を降り下ろし!…しかしマサツグもそのままやられる様な

魂では無く!…途端に獣の様な反応速度を露わに!…次にはそのオリハの攻撃に

対して瞬時にガードへ動き出すと、マサツグもマサツグでオリハをあっと驚かす!…


__ッ!!…バババッ!!…ガキイィィン!!…


「ッ!!…なんとおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」


「ッ!?…嘘ぉ!?…」


マサツグはその突き出していた大剣の構えを瞬時に変えると、オリハと自分の頭の

間にその大剣を滑り込ませ!…となるとオリハの攻撃はその滑り込んで来た大剣へと

当然吸い込まれ!…マサツグも攻撃を凌ぎまだ終わらんよ!とばかりに吠えて見せる

と、オリハを逆に驚かせる!…その際オリハも思わぬ形で攻撃を防がれた事に

戸惑ってしまうと、バランスを崩し!…と、そのままマサツグの大剣の上へと乗って

しまい!…マサツグもそれに気付いてかそのまま追撃の動きを見せて行くと、更に

行くぞ!とばかりに吠えて見せる!…


「ッ!!…もう一丁おおおおぉぉぉぉ!!!」


「ッ!?…ひぇ!!…」


「どぉぉぉっせぇぇぇぇぇぇぇいいいい!!!!!」


__グググッ!!!…ブオ゛ォ゛ンン!!!…


マサツグはオリハを大剣の上に乗せたままスッと落とさない様に構えて見せると、

次には投石機と化し!…と、その一方でオリハは反射的に動けなくなってしまい!…

まるで落とされないよう大剣の上に乗ったままで青褪めて行くと、マサツグもそれを

感じてか好機!とばかりに!…それは何時ぞやのシロを射出した時の様に振り被って

見せる!…そして四番バッターとばかりに思いっきり腕に力を込めてオリハの意思

など聞かずに振り抜いて行くと、次には壁に向けて射出!…となると当然オリハを

驚かせる事になり!…オリハも打ち出された事で悲鳴を上げて飛んで行くと、更に

その表情を青褪めさせる!…


「うわあぁあぁぁああぁぁぁあ!?!?!?…」


シロを射出して居た時は互いにアイコンタクトを取り合いながら、シロに身構え

させる猶予を与えて居たのだが…勿論オリハ相手にそんな時間を与える筈もない

訳で!…オリハが整って居ようが居よまいがフルスイング!…見事に砲撃をする

が如くオリハをかっ飛ばして見せて行くと、オリハは錐もみ状態で低空を舞う!…

しかしオリハもそのままやられる魂では無く!…何とか空中で受け身を取って

体勢を整えて見せて行くと、次には両足と左手で着地をしては勢いを殺し!…


__ッ~~~!!!……ッ!!!…グルン!!!…


「ッ!!…グウウウゥゥゥ~~~!!!!」


__ズザザザザザアアァァァァァァ!!!……


着地をする際その勢いでか腕と両足を持って行かれそうに!…だが持っていかれる事

無く耐えて見せ!…歯を食い縛りマサツグと自身との間でスキール痕を作って見せる

と、何とか耐え切れた事に安堵!…そして自身が無事である事にドッと何か疲労感を

覚えてしまう!…と言うのもその体験と言うのはまるでダンプカーにでも轢かれた

様な体験で、勿論そんな経験は一度として無いのだが!…それでも吹き飛ばされた

衝撃と言うのはそれほどまでに凄まじく!…思わず自身が生きているかを確かめる

様に胸に手を当てて行って見せると、その自身の心音にこれまた驚く!…


__…バクバクバクバクバクバクバク!!!…


{こ!…怖ぁ~~!!!!…

あんな事されて笑っていられるシロちゃんアイアンハート過ぎでしょ!?…

…初めてされたけど…投げ出される時の心境はベルトの無い

ジェットコースターに乗せられた気分だぞ!?…二度と喰らいたくない!!!…

…これがヒ○ックスに捕まった時のリ○クの気持ちなのかな?…}


「休む隙なんて与えないからな!!…」


オリハの心音はあからさまに動揺が手に取る様に分かるレベルで高鳴り!…

オリハ自身も先程の事を思い返しては改めて恐怖心を抱いてしまうと、これを

平然とやってのけるシロに改めて動揺を!…更には妙な事まで考えてしまう!…

その際もう二度と食らいたくない!と言った具合にとにかく青褪め固まって

居ると、一方でマサツグに動きが!…それはチャンスと踏んでの攻撃の様で!…

再度大剣を構えてその項垂れるオリハに向かって行くと、ダッシュ斬りを

敢行!…一気にオリハを肉薄する!…


__バシュン!!…ゴオオォォォ!!!…


「ッ!?…」


「その状態だとさすがに避けられないよな!?…貰っ!……」


マサツグがダッシュ斬りで崩れるオリハに急接近し!…お返しとばかりに大剣で

斬り上げようと下段に構えを見せて行くと、オリハも咄嗟に気が付いた様子で

反応を!…慌てて顔を上げて見せる!…するとそこにはもう目の前にまで迫って

来ているマサツグの姿がそこに在り!…オリハも更に慌てた様子で目を見開き!…

しかしマサツグはそんなオリハに対して御構い無し!…容赦なく決着を着ける

つもりでオリハに向かい大剣を振り上げて見せて行くと、ここでもまたオリハが

意地を!…


__バッ!!…ブオォン!!……スチャッ!!…


「な!?…息切らしているのに!?…

んな回避を見せるのかよ!?…」


「…ハァ!…ハァ!…

…さっきのお礼だよ!!!」


__グンッ!!…ドゴス!!!…


それはマサツグがオリハに対して追撃を放とうとした瞬間!…オリハは咄嗟に

後転をしてその斬り上げを回避すると、そのままマサツグに対して足を向けた

まま丸まって見せ!…何ならまだオリハの呼吸はこの時乱れたままであって!…

そんな状態下でも回避をして来た事に!…その獣人らしい回避能力と反射速度に

マサツグが戸惑って見せて居ると、オリハはすかさず反撃!…その向けて居た

足を延ばして蹴りを繰り出す!…それは起き上がる際の勢いも足してドロップ

キックと昇華させると、マサツグの顔面を蹴り上げ!…


「ッ~~!!…ガッシャ!!!…」


{ハァ!…ハァ!…息がまだ落ち着かないけど!!…今攻撃しないと不味い!!…

さっき見たいなのをまた喰らうと次はエレエレ嘔吐するかも!…

…それでも!!…}


「ッ~~!!!…ハアアアアァァァァァァァァァ!!!!…」


マサツグも回避する事が出来ずに諸に受け!…大剣を構えたまま後ろへ下がる様に

して怯んで行くと、その一方でオリハが復帰する!…となるとまたもや立場が逆転

して今度はオリハのペースに!…と、なる筈なのだが…怯んでいるマサツグを前に

してオリハ自身も辛い!と…目に見えて表情がまるで苦痛に耐えるモノになって

しまうと、次の攻撃に繋がらない!…同時にトラウマも覚えてしまう!…しかし

それでも攻撃をしない事には相手も倒れず!…オリハも歯を食い縛り根性を入れて

振り被りって行くと、追撃を放とうとする!…


{……大剣は地面に刺さっているし!…

刀を抜こうにも右手を離さないといけないからどの道攻撃出来ない!…今の現状…

兄さんが反撃するにしても右手利き腕は塞がっているから!!…

どんなに頑張っても攻撃出来ない!!……行ける!!!…}


「ハアアアアアアァァァァァァァ!!!!!」


{この一撃で兄さんを倒せれば俺の勝ち!!!…

……いや、倒してみせる!!!!…}


この時大きく怯んだマサツグは地面に大剣を刺しては倒れまい!と踏ん張って

見せて居り!…何なら蹴られた顔を手で覆い隠しては苦痛に耐え!…それは

誰が如何見ても追撃チャンス!…オリハもそれを確認して両刃剣を振り被り!…

相手が反撃出来ない事を良い事に!…これで決める!とばかりに意気込んで

見せると、更に一際気合を入れる!…それは向かって行く際の雄叫びからも

ヒシヒシと感じられるモノが有り!…観客達もその様子に大興奮!…ただ手に

汗を握りまるで自分の事の様にその様子をジッと見守っていると、次の瞬間

有り得ない光景を!…その目でしっかと見てしまう!…


__…ニヤッ!…バッ!!!…


「ッ!?…な!…ッ!!!…」


と言うのもそれはオリハも思わずビクッと恐怖を感じるモノで!…向かって行く

時にマサツグが顔の手を退けて行くと、その時チラッとオリハの事を確認!…

それはまるで怯みから回復した様にゆっくりと!…しかしその手の間から見えた

マサツグの目と言うのは爛々としており!…まるでそう来るのは読めて居た!と

ばかりに口角が上がって居るのもチラッと見えると、そんな異様ないで立ちに!…

オリハも本能的に警戒をする!…しかしここで立ち止まる訳には勿論行かず、

オリハは突貫を続行!…しかしそれが良くないとばかりにマサツグが動きを!…

この時決して剣を構える事は無く!…その場で大きく何故か体を仰け反らせて

見せて行くと、次の瞬間振り子の様に!…


__スゥゥ…ドゴス!!!…


「ンギャ!!!…」


オリハの射程圏内にマサツグが入り!…オリハも後はその振り被っている両刃剣で

マサツグを攻撃するだけであったのだが!…結果はマサツグの方に軍配が上がり!…

マサツグはオリハに向かって頭突きを!…そのオリハの攻撃より出が早かった様子

で繰り出して行くと、またまたオリハを怯ませて行く!…その際マサツグの頭突きは

これまたオリハの額に刺さって行くと、オリハを大きく吹き飛ばすと同時に鈍い音

を辺りに響かせ!…それは思わず耳を覆いたくなる程に生々しく!…オリハも

喰らって悲鳴にならない声を上げて額を押さえると、思わず片膝を地面に着く!…

そして互いに一撃ずつ貰った事で若干のフラ付き様を見せて居ると、徐にオリハが

口を開き!…


「……ッ~~~~~!!!!!……兄さん酷いじゃないか!!!…

女の子に向かって遠慮無しのヘッドバット決めるなんて!!!…

普通の子だったら今のでノックアウトだよ!?…」


「ッ!!…うるせぇ!!!…

そっちこそ人様の顔にドロップキックなんぞ決めやがって!!…

お陰で一瞬意識が飛びそうになったわあぁ!!!!…

てか第一にテメェもいい年した野郎だろうが!!!!!……ったく!!…」


__スゥ…ジャコンッ!!…


自身の額に頭突きを入れられた事に対して文句を漏らし!…いつまでも怯んでは

居られない!とばかりに頭を左右に振って意識を取り戻して見せて行くと、

マサツグの事をさも外道!とばかりに言葉を続ける!…するとその言葉に対して

マサツグもカチン!と来た様子で眉間をピクピクと痙攣させると、次には文句を

言い返し!…と言うのもドロップキックのお返し!と言っては大剣を引き抜き!…

その際鼻血を自ら噴き出し!…それで止血して追撃を放たずただオリハに対して

構えて見せると、オリハも怯みから復帰!…マサツグに対してまだ行ける!と

ばかりに立って見せる!…となるとそこから更に睨み合いにへと発展すると、

仕切り直し!と言葉を口に!…


「さ~て!……第三ラウンドと行きますか?…オリハさんよぁ?…」


__ブン!!…


「……上等!!!!」


観客達の目線からして見ればどっちもどっちなのだが!…オリハもマサツグの

言葉に対して返事をするよう両刃剣を一振りすると、かなり頭に来ている様子で

身構え始める!…その際怒りを露わにするよう返事の言葉も口にすると、先程

までとは違って更に殺気を放ち!…と、そんな様子と言うのは勿論観客達に

とっても不穏で有り!…同じ様にその光景を見ているシロ達の目にも普通じゃない

様に映って行くと、次にはシロが!…


「ッ!!…ッ……ッ~~~!!!…」


__ダッ!!!…


「ッ!!…お姉様!?…」


「ッ!?…スコルティナ様!?…ッ~~~!!!…

えぇ~い兵士よ!!!…早くスコルティナ様を保護するのだ!!!!」


「ハ、ハハァ!!」


ジッと見詰めては不安げの表情を浮かべて居り!…そしてこの後の展開を予想した

のか?…次には我慢が出来なくなった様子で振り返ってそのまま展望デッキを後に

すると、ハティやマグダラスは当然困惑!…シロの後を追い駆けに掛かる!…その際

ハティはすぐさまシロの後を追い駆けて展望デッキを後にすると、マグダラスも

またか!とばかりに兵士達に指示を飛ばし!…となると兵士達もテンヤワンヤで

追い掛け始め!…さも緊急網を敷く様にシロの捕縛へと動き出すと、一方で

飛び出して行ったシロはと言うと!…


__タッタッタッタッタッタッ!!!…


「ッ!!…居たぞぉ!!…

スコルティナ様!!…お戻り下さい!!!…

この先はマグダラス様の命によりお通し!…」


シロはとにかく戦う二人の元へと急いでおり、闘技場内を駆け巡り!…しかし

ここである問題点が出て来てしまい!…二人の居る闘技エリアへの行き方が

分からない様子で悩み慌てるそんな反応を露わにすると、その間にもマグダラスの

魔の手が!…それは通せんぼする様に兵士達が立ち塞がる!…となると勿論

兵士達としてもそんな駆け回るシロを捕まえようと躍起になるのだが、シロも

それを巧みに小柄な事を活かすと見事に回避し!…


__ッ!!…スッ…ズザアァァァ!!!…


「ッ!?…なッ!!…」


「ごめんなさいです~!!!

けど急いでいるのです~!!!」


ある者は股下をスライディングされてはシロを取り逃がし!…そしてまたある者は

壁キックでそのままバレルロールをされるとやはりシロを取り逃がし!…何なら

フェンリルと言うだけに当然足が速い訳で!…シロが本気でその場を後にしてしまう

と、兵士達は絶対に追い付けない!…まさに風を捕まえようとしている気分になって

しまう!…そしていざ匂いを頼りに一応ゲートの前まで来るのだが、ゲートは固く

閉ざされては決して開く様子は勿論無く!…


__タッタッタッタッ…ッ!…ザザァ!!…


「…待っていましたよ?…スコルティナ様…

さぁ、お戻り下さい!…

ここは貴方様が来るべき所ではございません!…」


「ッ~~!!…ゲートを開けて通してください!!…

このままだとご主人様が!!…オリハ叔母さんが!!…」


「なりません!!!…さぁ、お戻りを!…」


何ならそこには更に行動を読んで居た様子で兵士達の姿が!…シロの捕獲の為に

待ち構えて居り!…読み通り姿を現したシロに対して忠告の言葉を口にすると、

シロはそれを拒否する様に言葉を!…寧ろゲートを開ける様にお願いをする!…

しかし当然そんな事を言った所で開けて貰える筈もなく、徐々にシロへ詰め寄り!…

となるとそんな兵士達の様子にシロも焦った表情を!…すると次には振り返って

また逃走を図り!…だがそこで更に後ろから詰めて来た兵士達が居る事にも

ハッと気が付いて見せて行くと、兵士達も追い詰めた!と…不敵な笑みを浮かべ

始める!…


「ふっふっふ!…もう逃げられませんよ?…

スコルティナ様?…さぁ、戻りましょう!」


「ッ!!……こうなったら!…」


それは今度こそ捕まえた!と言った感情が見て取れ!…シロに対しても諦める様に

言葉を口に!…しかしだからと言ってシロが諦める筈もなく!…その前後から来る

兵士達を交互に見て…まだ逃げれる隙があるのでは?と伺って行くと、徐々にその

心の中では別の覚悟も!…最終手段で一戦交える気にまでなって行く!…そして

シロが苦悩する表情を浮かべて万事休すの状態になって行くと、兵士達も不気味な

笑みを浮かべてシロに近付き続け!…宛らその様子はもう人攫いの様にしか見えなく

なり!…シロも身構える様にして徐々に警戒の色を強めて見せて行くと、次には

そのゲートの方から大歓声!…突然の歓声に兵士達が驚きを露わにする!…


__ワアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


「ウァ!?…な、何だ!?…何が有ったんだ!?…」


「闘技エリアの方からか!?…何で急にこんな歓声が!?…」


「ッ!!…今の内!!…」


それは大音量となってシロ達の居る方へと流れて響き!…突然の事に兵士達も耳を

押さえて吃驚した反応を見せて行くと、思わずゲートの方に目を向ける!…それは

勿論原因を探る様に軽くチラッと見る程度であったのだが、シロからするとそれは

十分な隙であり!…一斉に視線がゲートに向いた事でシロは動きを見せ始め!…

その背後から来た兵士達の股下をスライディングでスッと躱して見せると、そのまま

その場を後にする!…!…


__ズザアァァァ!!!…


「…ッ!!…あっ!!…しまった!!…」


「ッ!?…スコルティナ様は!?…」


「…後ろだ!!…ウッ!…クッ!…

おい退け!!…下がれないだろ!?」


たった一瞬の出来事でまたシロを取り逃がし!…慌てた様子で兵士達が言葉を

漏らして居ると、ゲートを守っていた兵士達もシロが居ない事に気が付き!…

となると次には疑問の言葉を口にし出し!…それも言わずもがな慌てた様子で

詰めて来た兵士達に対して問い掛けて行くと、詰めて来た兵士達も慌てた具合に

返事!…そしてシロを追い駆けようと引き返し始める!…しかしそこでまた

後続の兵士達とかち合う様にしてまた慌しくなって行くと、もはや収拾が

つかなくなり!…と、その一方でシロはそのまま現場を後に!…とにかくまた

如何やって闘技エリアに向かうか?で悩み出すと、今度はハティと合流をする!…


「ッ!!…いました!…お姉様~!!」


「ッ!…ハティちゃん!!…」


突如後ろから声を掛けられた事でシロがピクッと反応をすると、途端に警戒をし

ながら振り返り!…しかしそこに居たのは若干膨れ気味で駆けて来るハティの

姿で有り!…ハティはシロに手を振りながら!…探して居た!とばかりに声を

掛けてシロの事を飛び留め続けると、シロもそれを確認するなりハッ!と…まるで

安堵する様に警戒を解いて行く!…そしてハティも難無く遂にシロと合流をして

若干息を切らして見せると、次には詰め寄る様にして飛び出した理由について

質問を!…


「はぁ!…はぁ!…ッ~~…もう!…急に如何したと言うのですか?…

あそこが窮屈なのは認めますが…飛び出すのなら一声掛けてくれれば…」


__ガバァ!!…ッ!?…


「きゃあ!!!…もう!!…今度はなんで…ッ!?…」


シロの行動が読めない!とばかりに文句を漏らし!…そして説教をする様に何か

一言あっても良かったのでは?と続けて行くと、次には突如シロがハティに

抱き付き!…となると当然更にハティとしても困惑する事になって行き!…

戸惑った様子で突如抱き付いて来た事に如何した?とその真意について尋ねて

行くと、そこでふとシロの様子に気が付き!…と言うのもこの時シロはとても

慌てて見せて居り!…ハティもその様子を見て思わずビクッとした反応を露わに

すると、シロがある事を尋ねて行く!…


「あのご主人様達が戦って居る場所に行くには!!…

如何やって行ったら良いのですか!?…」


「ッ!…え?…」


「ですから!!…あの闘技エリアに行く方法です!!…

早くしないとご主人様が!!…オリハ叔母さんが!!…」


この時のシロの質問と言うのもやはり闘技エリアへの道筋で、自分よりここの事を

良く知って居るハティに縋るよう質問を口に!…何ならその時のシロの表情は

今にも泣き出しそうなモノになり!…ハティもそんなシロの表情を見て面食らった

様に!…目をパチパチと何度も瞬きさせて戸惑いの言葉を漏らして見せると、更に

シロがハティに詰め寄るよう質問をする!…それはまるで命の危機が迫って居るか

の様に言って見せると、そんなシロの様子にハティも当然慌てた反応を露わに!…


「わ!…わ!…な!…何でそんな顔をするのですか!?…

分かりました!…分かりましたから泣かないでください!!…」


「ッ!!…本当ですか!!…」


「本当です!!…案内もしますから離してください!!!…」


「ッ!!…あぁ!!…ご、ごめんなさいです!!…」


何が何だか分からないもののハティは承諾!…その際泣かれても困ると言った事を

口にして見せ…ハティの言葉にシロも途端にパァッ!と明るい表情を見せて行くと、

再度確認の言葉を口にする!…するとそこから興奮した具合にキュッと首を絞めそう

になって行くと、ハティはシロに待った!を掛けながら返事を口に!…それは何度も

肯定をする様に返事をして見せ!…更にそこからシロに放すよう文句の言葉も続けて

行くと、シロもシロでここでやっと自身のして居る事に気が付いた様子!…またもや

慌てた反応でハティをスッと解放する!…この時続け様にハティに対して謝って

見せて行くと、ハティも息を切らしながら危なかった!と…


「…はぁ!…はぁ!……ふぅ…

あ、あぶなかったのです!…死ぬかと思ったのです!!…」


「ご、ごめんなさい……」


「まったく!…何をそんなに慌てているかは知らないのですが…

もっと気を付けて欲しいのです!……とにかくこっちです!…

付いて来てください!」


呼吸を整える様に言葉を漏らし!…そのハティの言葉にシロも反省をするよう

小さくなって謝罪をすると、ハティは更に文句を!…それでも約束は守る様子

で案内をする!…その際呆れ気味に付いて来るよう言葉を続けて話して行くと、

シロも若干戸惑いながらもハティの後を付いて行き!…と、この時二人が

向かって行った方向と言うのは観客席!…それでもシロはハティを信じた様子で!…

黙ってハティの後を付いて行くと、後にトンデモナイ事をするのであった!…


一方でマサツグとオリハの二人はと言うと、シロ達が脱走騒動を起こしている間に

何度も弾き合いや鍔迫り合いを繰り返し!…そしてどちらも一歩として引く気配を

見せない接戦も接戦!…とにかく激しい意地にぶつかり合いを見せて居た!…

となるとそんな二人の戦いを見て居る観客達としても興奮をしない訳が無く!…

大いに盛り上がっては歓声を上げ続け!…


__ワアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…

いい加減降参してくんねぇかな!?…

こちとらもうTPが切れそうなんだが!?…」


「はぁ!…はぁ!…そっちこそいい加減降参してよ!!…

互いに何かあった時にTP切れなんて洒落になんないでしょうが!!…

……それに!…こっちはまだを納得した訳じゃないんだからな!!…」


「ッ!!……あぁ、そうかい!!…

じゃあまだまだ続くなこの死闘はよおぉ!!!」


「意地からでも絶対に折れる気無いからね!?」


この時互いに武器を構えては息を切らし睨み合い!…観客達の歓声が響く中、

二人はそれぞれ疲れたからもう降参しろ!とこれまた文句を言い合うのだが!…

当然両者共に折れる訳もなく!…意地と意地がぶつかり合ってはいつまで

経っても平行線!…戦いも話も一向に進まず!…モツ達もそんな言い合いをする

二人の様子を見て何か嫌な予感を感じていると、ただただ困惑の色を見せて

居た!…と言うのもその話し合いの内容だけでも聞こえたら良いのだが、

歓声のせいで掻き消され!…


「…なぁ?…誰かあの二人が話している内容分かる人は居るか?…」


「…うぅん?…少なくともあの二人がまだ戦おうと考えているのは分かるけど…

何を話していたかまでは…」


「…ッ!…え?…あぁ、それなら分かったよ?…」


各々二人の様子から外見的な事しか察せず、この戦いもいつになったら終わるのか?

と疑問を持ち!…と、終いには先程の会話を誰か聞いて居ないか?と尋ね始め!…

モツの問い掛けにアヤが分からない!と…やはり目でしか情報を得られない事を

話して行くと、ここでくまさんがピクッと反応!…それはこの大歓声の中で話が

聞こえた事を口にする!…するとその話を聞いてモツは一旦スルーをする様な反応を

見せるのだが、次にはハッとした様子で質問を!…


「はぁ~…そうですかぁ……って、んん!?…

え!?…な、何て!?…何て言ってましたか!?…」


「ッ!?…えぇ!?…え、えぇ~っと…

最初はまーちゃんがそろそろTP?…が切れるとか言ってて?…

ヒロちゃん…じゃなくてオリハに降参するよう言ってたみたいだけど?…

オリハの方は降参する気はサラサラ無いって文句を言って…

まーちゃんに逆に降参するよう言ってた…かな?…」


「……この分だとまだ嵐は通り過ぎず…か…」


それはくまさんの耳の良さにも戸惑うモノで、しかしそれよりもその内容が

気になった様子で慌てた具合に言葉を口に!…するとくまさんもそんなモツの

慌て様に戸惑って見せ!…それでもその内容についてありのままに!…互いに

まだ折れる気配を見せて居ない事を口にすると、若干言葉の意味に悩みながら…

それでも聞けた事を口にする!…するとその話を聞いてモツも途端に落胆した

様子を露わにすると、まだこの戦いが続く事に頭を抱え!…と言うのもまだ

衝撃波が飛んで来るのか?と…本来の目的を忘れて居ないか?と不安になって

しまうと、アヤが同情!…とにかく各々は決着が着くのを願うのであった!…

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