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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章四十節 極まるテクニックと悪魔の提案と地獄の鬼ごっこ!…-
しおりを挟む「ッ?…な、何で急に甘えねばならんのじゃ?…
…まぁ良い!…ともあれ甘えれば良いのじゃな?…
…くふふ♪…そう言う事ならぁ~♥…マサツグ~♥」
__すりすり~すりすり~…もふもふ!…もふもふ!…
突如甘えるよう言われた事でフィロは勿論困惑!…しかし次には満更でも無い
様子でそのオリハの指示を聞き入れて行くと、その放心状態に近いマサツグへ
甘えて見せる!…腹にくっ付きながら宛らシロの様に顔を摺り寄せ…そして
モフモフの尻尾を犬の様に振って見せると、猫撫で声でマサツグに媚っ媚び!…
するとそんなフィロの甘え様にマサツグも反応!…次には視線を落としてチラッ
とフィロの事を見て行くと、それはフィロに襲い掛かる!…
「………。」
__ガッ!……
「んぎゅ!!……ッ?…マサツグ?…」
__……ザスッ……スッ……
当然襲い掛かったのはフィロが抱き付いて居るマサツグ本人!…マサツグは自身の
腹にフィロがくっ付いて居る事を確認すると、次には逃がさない様に拘束!…
しかし拘束と言ってもフィロの事を両脇から掬い上げる様に抱えて居るだけで!…
抜け出そうと思えば簡単に抜け出せる状態ではあるのだが、フィロは戸惑った様子
でされるがままに抱えられると、マサツグは何を思ったのか?…そのままフィロを
抱えてその場に座り…胡坐を掻きながらその中にフィロをチョコンと座らせて行く
と、次にはジッと見詰め始める!…
__ジィ~~……
「…ッ!?…マ、マサツグ?…
如何したのかや?…な、何故無反応?…」
「………。」
「マ、マサツグ?…」
宛らハシビロコウの様に一点にフィロを見詰めて行くと、その時のマサツグの
目はまるで死んだ魚の様であり!…そこに光が無くては魂も無く!…そんな目で
見詰められて居る事にフィロも戸惑いを隠せない様子でマサツグに声を掛けて
行くが、その返事はやはり無く…その間それは品定めをする様に今だガン見!…
言葉一つ発する事無くただ無表情にジッとフィロの事を見詰めて行くと、さすがの
フィロも恐怖を感じる!…そして何故か動けない様なそんな違和感も感じて居る
と、次にはマサツグが覚醒した様に目を見開き!…
__カッ!!…なでででででででで!!!!…
「ッ!!!…んのあぁぁぁぁ~~~!!!…
何!?…のじゃ~~~~!?!?」
__も~ふ、もふもふもふもふもふもふ!!!!…
この時自身の胡坐の中で納まるフィロに対して!…まるで欲望を爆発させる様に
その頭や尻尾…更には腕や足と揉んだり撫でたりし始めると、フィロもビックリ
した様子で反応する!…その際驚き戸惑った様子で声を上げると、珍しく慌てた
反応も見せるのだが!…しかしマサツグはその声を聞いても決して止まらず!…
まるで仕事人の様に何かを極めん!とする勢いの目をして行くと、更にフィロに
畳み掛ける!…勿論ただのスキンシップでそれ以上でもそれ以下でも無い様で、
それをされている方のフィロはと言うと…
「ッ!?…な、何じゃこれは!?…あふ♥…あぁ!!♥…
その様な所まで!?♥…あぁ!♥…やぁ!!♥…ッ~~!!…
だ、駄目なのじゃあ!?♥…こ、このままでは♥…ッ~~!!…
駄目にされてしまう~~~!!!♥…あっ♥…あん!!♥…ッ~~!!!…
あぁ~~~れぇ~~~!!!!♥♥……」
__もみみみみみみみみみみ!!!!……ッ!?…
まるで最高級マッサージを受けているかの様な蕩け切った表情でされるがまま!…
耳の先端から足の先まで!…尻尾の一本一本に到るまで念入りに揉まれて撫でられ
尽くされて抵抗する気力を失うと、ただただ艶っぽい声を!…そしてマサツグに
身を任せてしまう!…それは最初テイムされた時より更に乱れる様にして声を
上げると、軽く体を痙攣させる事態にもなり!…と、その様子に周りの面々も何か
如何わしい事をやって居るのか?と…思わずチラッと見てフィロが完全に蕩け
切って居る様子を目にすると、同時にマサツグの一心不乱振りにもギョッとする!…
さてそうしてマサツグのスキルが遺憾なく発揮されてフィロも逃げる事が叶わなく
なると、マサツグが飽きるまで…と言うより正気に戻るまで撫でられ続け!…
フィロが解放されたのは約数十分後の事…マサツグがハッと我に返るとそこには
完全に溶け切った…足腰まで骨抜きにされたのか真面に立つ事の出来ないフィロの
姿がそこにあった!…
__チ~~~ン……
「お!♥…おぉ!!♥…
こ、このわっちを!…ここまで満足…ッ!♥…骨抜きにするとは!?♥…
お、恐るべしマサツグ!…更に出来る様になった!!♥…
…くふふ♪…あ、足腰が立たん~♥……ガクッ!…
……あっ…存外乱暴にされるのも悪くないのじゃ♥……」
「……ハッ!!…お、俺は一体何を!?…って、フィロ?…
おい如何したんだ?…何でそんなに小刻みに痙攣してるんだ?…」
__無、無自覚!?……
そのフィロの状態はとてもはしたない事になっており、顔と膝だけで何とか四つん
這い状態になって床を舐め!…しかし当の本人は満足した様子で言葉を口に!…
何ならとても良かったのか恍惚とした表情を浮かべて見せると、また受けたい様な
そんな事も零して行く!…そして一方のマサツグもハッと我に返って行くと、次には
目の前に居るフィロの状態に疑問を持ち!…と、自身がやった事に対して記憶が
無いのか?…その四つん這い状態で倒れているフィロに如何した?と声を掛けて行く
と、その無自覚振りに周りの面々も驚愕!…これまた揃ってギョッとする!…さて
そうしてマサツグがフィロの尻を見詰める様に戸惑って居ると、オリハが呆れた
様子でツッコミを!…
「……私がやった事とは言え…
…兄さん…アンタ末期過ぎるでしょうが…」
「ッ!…え!?…なんで!?……」
「んん~♥…のじゃ~~~~♥……」
__ッ!?……ゴクリッ!…
もはや救いようがない様子で言葉を口に!…するとそんなオリハの呆れように
マサツグも戸惑い!…その一方でまだ動けないフィロからは吐息交じりの声が
漏れ…それは満足げと言うか疲労感に満ちていると言うか…とにかくあのフィロが
これでノックアウト!…これにはパルシィも何か恐怖を感じた様子でマサツグの
事をジッと見詰めるそんな反応を見せて行くと、思わず生唾をゴクリと飲む!…
さてそんな珍事を見せて居る一方で漸く女王のお説教にも終わりの兆しが!…
近衛兵が何度目となるか分からない注意の言葉を口にすると、その肝心の女王は
不貞腐れる様な反応を露わに!…
「…ふぅ!……本当に考えてからお発言して頂くようお願いします!!…
ご冗談でも言って良い事と悪い事が有るのですからね!?」
「…別に私は冗談のつもりで言ったのでは無いのですが……」
「何か言いましたか!?…」
「ッ!!!…何でもないです!!…分かりました!!」
これではもはやどっちが主従なのか?…近衛兵が呆れた様子で念押しの言葉を口に
すると、女王はまるで子供の様に反発を…そっぽを向きながらに零して見せる!…
すると当然そんな女王の様子に近衛兵達もカチン!と来ると、またもやオカンと
化して行き!…と、そんな近衛兵達の様子に女王も慌て!…途端に取り繕う様に
何でも無い!と言って了承すると、更に情けない様子を露わにする!…さてそうして
その様子の一部始終を見ていたシロとハティビィエールとしても如何反応した
ものか?と…一方で女王はそんな二人に話し掛け!…
「…ふぅ……スコルティナ?…ハティビィエール?…
ごめんなさいね?…ちょ~っとお話が長くなっちゃって?…」
「………。」
「あら?…二人揃って如何したの?…
その何とも言えないお顔は?…」
「…何でも無いのです。」×2
さも何事も無かったかの様に笑顔で振る舞い!…女王に話し掛けられたシロと
ハティビィエールも尊敬と言った眼差しが無くなって行くと、次には冷めた目で
女王を見詰め…となるとそんな二人に対して女王は若干戸惑い!…更に詳しい
事を尋ねる様に声を掛けて行のだが、シロとハティビィエールは何でも無いと…
この時息が合った様子で返事をする…そして二人が逆に大人になるよう何事も
無かったかの様に振舞い出すと、その様子にリーナが思わず近くに居たアヤへ
質問を…
「な、なぁ…あれって…大丈夫だと思うか?…」
「ッ!…それって如何言う意味で?…」
「…女王様として…親として?…」
「ッ!…多分、大丈夫なんじゃないかなぁ?……良く分かんないけど?…」
と言うのもその冷めた様子に心配をした様で…若干戸惑い気味にその女王達の方を
指差すと、アヤも戸惑った具合に返事!…その際質問を質問で返してしまう!…
するとリーナもその問い掛けに対して何か言い辛そうにしながらも言葉にすると、
アヤもそれを聞いて次には理解!…が、やはり悩む様にして返事をして行き!…
二人が揃って何か心配をするそんな様子を見せて居ると、その話を聞いていたのか…
モツも会話に参加をする!…その際モツもそんな女王達の様子を見て何か微笑ましく
笑って見せると、大丈夫であると言い出し!…
「…大丈夫だと思うぞ?…あれは…」
「ッ!…え?…」
「大丈夫やって!…子供が親の意外な姿に戸惑うなんてのは当たり前!…
何から何まで完璧な親は居らんのやからよっぽどの事で無い限りは大丈夫!!」
「それにあの程度の事ならもはや通過点みたいなものだから仕方ないね?…
あぁ言う風に親の姿を見てあれは駄目、これは駄目って学ぶきっかけに
もなるからね。……まぁ、度合いにもよるけど…
まぁ本来、常識って言うモノは親や学校の先生から教わる事だから。
それにあの程度で駄目だったら今頃この子等どうなっていた事か…」
「ッ!?…そ、そう言う物なのですか…」
何をもってして大丈夫なのかが分からず!…そのモツの話を聞いてアヤやリーナが
戸惑った反応を見せて居ると、そこへ更にマサキとくまさんが参戦!…モツと同じ
様に大丈夫と言い出す!…その際マサキが補足説明をする様に語り出すと、逆に
威厳を見せ続ける事自体に対して無理!と語り…するとそれに続くようくまさんも
言葉を口にし出し!…これは一種の通過点である!と…笑いながら語ってそれが
また子供達の成長に繋がる事を続けて話すと、アヤとリーナにはまだ難しかった
のか?…若干戸惑った反応を見せる!…さてそうしてマサキとくまさんが実際の
親として色々話しをして居る一方!…女王は戸惑いながらもシロとハティビィ
エールにある質問を…
「…じゃ、じゃあ何して遊ぼうか?…
何かしたい事は無いの?…
スコルティナ?…ハティビィエール?…」
「ッ!…好きな事ですか、おかあさま?…ハティは何も…」
「…うぅ~ん……」
この時女王としても母親とはどう接するべきか?と探り探り!…そしてまずは遊ぶ
事から始めて行くと、二人にやりたい事は無いか?と…するとその質問に対して
ハティビィエールはふと戸惑ってしまう反応を!…特に思いつかない様子でやはり
困った感じに返事をすると、その隣ではシロも悩む様に唸って見せる!…すると
そんな二人の様子に女王も戸惑った反応を見せると、何かオロオロとする様な…
これがダメなら如何すれば?と…初心者お母さんみたいなそんな反応を見せて居る
と、次にはシロがハッと!…思い付いた様子で目を見開く!…そして自信満々の
表情を見せると、次にはシロお得意のお遊びが!…
「…ッ!…じゃあシロはおにごっこが良いです!!」
「ッ!…おにごっこ?…」
「はいです!…ご主人様達を混ぜてのおにごっこがしたいです!!」
「へあぁッ!?…」
このシロはお得意の挙手!…そして女王に鬼ごっこを提案!…と、それを聞いた
女王とハティビィエールはへ?っとばかりに戸惑って見せ!…再度確認をする
様にシロの言った事を復唱すると、シロは笑顔で返事をする!…何ならそこに
マサツグ達も加える事を提案して一人ワクワク!とし始めると、それを聞いた
マサツグ達はビクッと反応!…と言うのもあの苛烈な遊びが始まるのか!?と…
雪合戦の時よろしく地獄が始まる!とばかりに各々恐々として見せると、その話を
聞いていたマサツグが待った!を…
「い、異議あ!!…」
「…分かりました!…そうしましょう!…」
__ッ!?…え!?…
「ッ!!!…やったです!!」
あくまでもこれは女王とシロの思い出作り!…自分達は関係無い!と…だがその
本音は命がヤバい!と言うモノであって!…シロだけでも手一杯の所!…しかし
そこにハティビィエールが加わる事でその難易度がガラッと変わる事が予想される
と、何としても回避したい所ではあったのだが!…マサツグが辞退するよりも先に
了承!…女王はこれも一興とばかりに喜んでその事を取り入れると、マサツグ達の
退路を断つ!…そうしてほぼ全員参加の鬼ごっこが決まって行くと、各々更に
戸惑いを露わに!…その一方でシロは飛び跳ねて大喜び!…この時まだ四つん這い
のフィロも!…マサツグが立ち上がろうとした際に偶然にもその膝がフィロの尻に
ぶつかって行くと、これまた機敏な反応を見せる!…
「ちょ!…ちょっとま!?…」
__スゥ…ズム!…
「にょわ!?…」
「ッ!…あぁ!…す、すまん!!…大丈夫か?…」
「ッ!…彼方方も宜しいでしょうか?……」
それはあまりにも敏感過ぎる様子で反応をすると、頭を上げては体を反る様に
して声を上げ!…と、そんなフィロの様子にマサツグも驚き!…次には咄嗟に
謝りながらフィロの体を気遣うそんな様子で声を掛けると、女王もハッとした
様子で声を!…と言うのもやはりマサツグの待った!には気付いて居ない感じで
確認をする!…そしてその確認と言うのも勿論先程のシロの提案についてで
あり!…マサツグ達もその確認をされた事で戸惑い!…と、その女王の隣では
シロが目を輝かせて期待しており!…一人一人にそれぞれ目で訴える様に眼差しを
向けて行くと、とてもNOとは言える状態ではなくなって行く!…さてそうなると
マサツグ達の中でも腹を括るしかなく!…
「……ッ…はあぁ~…了解しました…」
「ッ!!…きゃ~~~~♪」
全員が口籠る反応を見せる中…マサツグが反論する事を諦めた具合に渋々項垂れ
返事をすると、シロは更に大喜び!…今にも走り出さん勢いで跳ねまくる!…
するとそのマサツグとシロとの寒暖差にハティビィエールもハッと気が付いた
具合に反応をすると、これは何?とばかりに戸惑い!…と、その一方ではモツが
青褪めた様子でマサツグを見詰め!…次にはツカツカと近付いて行くなり正気か!?
と言わんばかりの反応を見せると、更にはメールについても尋ねて行く!…
「ちょ、ちょっと待てマサツグ!!…本気でやるのか!?…
さっきのメール見てないのか!?…」
「…すまん……見る前に間違って消しちゃった…」
「ッ!?…な!?…」
「それにあんな期待に満ちた表情をされちゃあ俺も折れるしかないのよ…
……モツ?…これが親の運命だ!…」
実に面白い位にモツは慌て様を露わに!…そしてマサツグもそんなモツの問い掛け
に対して素直に申し訳なさそうな表情を見せると、次には消してしまった事を告白…
モツに謝罪をし始める!…するとそんなマサツグの返事にモツも戸惑った具合で反応
をすると、思わず後退りをする様子を露わに!…と、そんな感じでモツが戸惑って
見せて居る一方!…マサツグも更に続けてもう諦めて居る様な…シロの事を考えて
いる様子で言葉を漏らすと、笑ってくれとばかりに運命!と言う…さてそうしてまた
マサツグとモツが互いに見詰め合い会話をする様子を見せて居ると、また何故か
近衛兵達の間からは若干の黄色い歓声が…それはアヤやリーナの耳にも入って行き、
二人もこれは?とばかりに戸惑った反応を見せて居ると、一方でモツは項垂れ…
最初から自身の計画が頓挫した事にショックを受ける!…が、幾らショックを受け
ようとも事態は変わらず!…そのまま本当に地獄の鬼ごっこを始める事に!…
「……では、最初に決めたとおり…」
__ズド~~ン……
「鬼役は……スコルティナとハティビィエールにお願いします…」
「はいです!」×2
その際急遽決まった鬼ごっこのルールは至ってシンプル!…鬼は二人だけで後は
全員逃げる側、そして逃げれる範囲は城内だけと…が、それが本当に地獄で有り!…
その理由は何故かと言うと次の女王の言葉の通り!…その鬼の役がシロとハティ
ビィエールとなっており!…シロのポテンシャルは言わずもがな!…マサツグの
腹筋を貫くミサイル頭突きを有しており、迂闊な事をすれば死は免れず!…そして
シロの妹と言う事からハティビィエールも未知数!…恐らく同等の力を持って居る
と思われ、同じく下手な事をすると死!…とにかく鬼畜仕様の鬼ごっこと化して
いた!…となるとまだ駆け出しのマサキやくまさんにして見ればかなり危険で!…
リーナやアヤにとっても生き残れるか?と言ったレベル!…それでも淡々と準備が
成され!…徐々に鬼ごっこが始まろうとして居ると、ふとマサツグはマサキと
くまさんが心配になったのか…ある疑問を持ち始める。
{……ッ!…そう言えば…
親父とくまさんも強制的に参加する形になったけど…
あの二人は如何するつもりなんだ?…
何か逃げる策みたいなモノが有れば良いが…}
__チラッ…キラキラキラキラ!…
{ッ!…なるほど?…あの親父とくまさんの顔を見る限り…
最初っから逃げる気無いって表情をしてるな?…
まぁ、まだそんなにレベルが高くない二人が…
本気でシロ達から逃げろと言うのが酷な話なのだが…
それでもあの表情は何?…
まるで諦め過ぎてお釈迦様みたいに悟りを開いてる表情をしてるが?…
…って、あの二人はもう大丈夫そうだから…
今は自分の事に専念しないと!…}
このある疑問と言うのも当然逃げれるのか?と言ったモノで…二人を心配して
チラッとその様子を確かめて行くと、そこにはまるで悟りを開いた様な達観した
表情を浮かべる!…最初っから逃げる気などサラサラ無く!…自身の命を最優先
に考えた二人の姿を見つけて行くと、マサツグも直ぐに理解!…思わず感心を
覚えてしまう!…しかしマサツグの場合はそれが当然聞かない訳で、結局の所
逃げるしか無く!…が、これで二人の安全は確保!…後は各々自分の身を守れる
位の実力がある事を認識すると、とにかく身構えるそんな姿勢を見せて行く!…
さてそうして各々覚悟を決める様なそんな表情を見せて居ると、更に女王の
ルール説明は続き!…
「そして逃げる側の私達ですが…冒険者の方々と私…
ならびにシグルーンの11人で逃げて行きます!…
競技範囲はこの城の中のみで、逃げる時間ですが…そうですね?…
時間は夕刻…その時点で逃げ切った者が勝者であり…
もしスコルティナとハティビィエールが全員を捕まえた場合は二人の勝利です!…
そして勝者には私からちょっとしたプレゼントを用意させて貰います!…」
__はぁ~い…
「はいです!」×2
この時女王も心成しか何かウキウキとした様子を見せて居り、そして参加者の
人数を改めて話し!…その他の決め事も一切合切全員に説明をするよう続けて
行き!…各々がそれぞれの感情を露わに!…女王に対して返事をするよう声を
上げて見せて行くと、それが全員の同意となったのか!…鬼となった二人も
それぞれ闘志を燃やす!…それは何かを考えている様も見られて行くと、次には
マサツグ達に対して背を向け!…と、そんな二人の様子に女王も最後の言葉を!…
シロ達に合図の話をして行くと、いよいよ緊張の糸が張り詰められる!…
「では!…鬼の二人は私達が逃げ始めて十秒後にスタートしましょう!…
…私達が逃げてから十秒数えてくださいね?…」
「はぁ~いです!」×2
「では冒険者の方々?…位置について…」
__ザッ!……
最後の説明を聞いてシロ達は玉座の方へと歩いて行くと、玉座を目の前にしては
両手で目を覆い隠し!…そして元気に女王へ返事をして見せ!…ちゃんと自分達で
ルールを守ってマサツグ達と競い合う姿勢を見せて行くと、女王はマサツグ達を
先導!…謁見の間の門の前へと整列させる!…そしていつでも走り出せる様に
身構える姿勢を見せて行くと、女王もマサツグ達の隣に並んで走る態勢を整え!…
そして合図を出し始めると更に緊張感がマサツグ達を襲い!…果たして最後まで
立っている者は誰か?…はたまた女王を含むゲームオーバーとなるのは誰か?と
言った緊張感に駆られて居ると、その女王は何も考えずに号令を出す!…
「では…よぉ~い……ドン!!」
__ンバッ!!!!…バシュン!!!…
「ッ!?…はっや!!!」×2
やはり嬉々とした様子でよぉ~いと言い!…そして若干間を溜めた後に開始の
合図を出して行くと、その女王の号令が出た瞬間一同散開!…一斉に城内の
到る所へと逃げ出し始める!…その際一番速く門を駆け抜け廊下へと走り抜けた
のはマサツグであり!…日頃シロと遊んでいるお陰か脚力が相当鍛えられ!…
と、そんな猛烈なスタートダッシュを決めるマサツグに各々驚き!…思わず声に
出してツッコんで居ると、マサツグもマサツグで返事をする!…
「当たり前だ!!!…
こちとらいつでも命がけの追いかけっこをしている様なモンなんだ!!!…
ちっとやそっとじゃ捕まる気は!…」
「あら?…お速いのですね?…」
「ッ!…え?…」
それこそ置いてけぼりにするよう返事をすると、何故か全力を見せる姿勢を!…
その際捕まらない!と言った事を明言して行き!…誰も自身に付いて来て居ない
事を確認すると、次にはその隣から声を…女王の声を耳にする!…この時女王も
マサツグに付いて来たよう並んで走って見せて居り、マサツグの全力に対して
まだまだ余裕がある様子を露わに!…と、マサツグもその声に反応して振り向き…
そこで自身よりデッカイ狼が並走して居る事に気が付いて行くと、途端に驚きを
露わにする!…
「ッ!?…うおわあぁぁぁ!!!…じょ、女王様!?…
…って、フェンリルなら俺位余裕か…」
「ふふふ♪…そうでもないですよ?…これでも一割の力で走っておりますので…」
「ッ!?…い、一って!!…あ、あははは…」
この時マサツグの隣を並走する女王の身にある変化が!…と言うのも走り回るに
当たって痩身したのか、その体の大きさが小さくなっており!…例えるならば
その大きさはアイリッシュ・ウルフハウンド位と言った所か…それでもゆうに
マサツグと肩を並べる程にやはりデカく!…マサツグもそんな女王の顔が真横に
ある事でビクッとした反応を見せるのだが、次には落ち着いた様子で言葉を漏らす…
その際フェンリルだった余裕と言った事を口にすると、女王も謙遜をする様に
言葉を…が、圧倒的にレベルが違う事には変わらず!…マサツグがそれを聞いて
苦笑いをする様なそんな反応を見えて居ると、一方ではカウントが!…
「10~♪…9~♪…8~♪…7~♪…6~♪…」
「ッ!!…カウントも始まった!!」
__ダダダダダダダ!!!…
マサツグ達が出発した事で謁見の間からは「Deathカウント」が!…それは子供
らしい元気一杯の様子が伺えると、同時に可愛い声も聞けるのだが!…その数を
数える音と同時に恐怖も感じ!…マサツグがそのカウントを聞いて更に慌てる様な
そんな反応を見せて行くと、更にギアを上げて行く!…それは当然シロ達から
逃げる様に必死で走る様を見せて居り、その隣を女王はピッタリと並走して見せ!…
さもマサツグの行き先が気になる様子で付いて来続け!…マサツグもそんな事を
気にして居られない程に慌てて居ると、女王は楽しいのか笑みを!…
「ふふふ♪…久しぶりです♪…こうして誰かと並走するのは…」
「ッ!?…えぇ!?……」
「…私と並走出来る人間様はほんの数人だけなのです…
ただ並走するだけなのに数人…この時点で貴方様は凄いのです…
ですからそんな貴方様と走っているのが何故か楽しくて…」
まるで幼少に戻った様な感じで言葉を零し!…そんな女王の言葉にマサツグも
戸惑った具合に返事をすると、そこから女王は若干寂しそうに…何か思い詰める
様な感じで俯いて見せる…その際女王は強さが故にみたいな事を言い出すと、
今の状態が楽しい!と…女王からすればそうそう体験する事の無い状況らしく、
まるでマサツグを誰かと重ねる様に更に言葉を口にすると、マサツグに向かって
微笑んで見せる!…するとそんな表情を向けられた事でマサツグも更に戸惑った
具合に返事をすると、その気恥かしさから誤魔化す様に質問を…
「は、はぁ…因みに現時点では?…」
「少しスピードが上がりましたので三割…」
「えぇ…」
と言うのもマサツグは更にスピード上げて走っており!…それでも尚付いて来る
女王に今どれ位の力で走って居るのか?と尋ねて行くと、女王は涼しい顔を見せ
ながら答えを!…さも楽しそうに並走をする!…するとその返答にマサツグも
分かって居た様子ではあるのだが、やはりはっきりと言われた事にショックを…
何故なら今マサツグは九割の力で走っており、それでも尚女王に三割と答えられた
からその力に驚愕!…勿論勝てるとは1mmたりとも思って居らず!…それでも
やはり負けず嫌い的には何か悔しさと言うモノを感じて行くと、一人ショックを
受け続ける!…さてそうしてマサツグ達はいつの間にか城の玄関口までやって来る
と、その一方ではカウントダウンが!…遂に終わりを迎えては動き出す様な!…
とにかくここからが本番!と言った危機感を覚えて行くと、逃走者各々!…
戦々恐々とするのであった!…
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