上 下
518 / 764
-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章二十六節 謎の感情と螺旋道中とお約束の不穏!…-

しおりを挟む



__スッ…ギュッ!…


「ッ!……シロ?…」


「…ッ!!!……ご主人様?…もう…もう怒ってないですか?…」


「え?…」


「今のご主人様…シロ!…ひぐっ!…

すごく…ひぐっ!…怖かったですぅ~!…」


マサツグが裾を掴まれた事で振り返ると、そこには怯えた様子のシロが…となると

マサツグは自覚がない様子で少し不思議そうに…若干戸惑った感じで次には怯える

シロに向かい声を掛けると、シロはビクッと反応!…やはり怯える様子を露わに

する!…そしてマサツグに向かい怒って居ないか?を確認すると、マサツグもその

質問に戸惑い!…と、困惑した具合に言葉を漏らし!…思わずオロオロとする様子

を見せて居ると、次にはシロが目をウルウル!…今にも泣きそうな様子で言葉を

続ける!…しかし泣かないよう我慢をして居るのか、目をウルウルさせるだけに

留まり!…その一方でそんなシロの様子にマサツグもハッと!…更に驚いた反応を

見せて行くと、自身の中で疑問を持つ!…


「ッ!?…」


{…あれ?…何でだ?…何でさっきあんな俺…怒ったんだ?…

確かに今まで説明が無い事にイライラはしていたけど、

我慢出来ない程じゃなかった…なのにどうして?……あれ?…}


「ごしゅじんばば~!!…」


「ッ!!!…あぁシロ、ゴメンゴメンゴメン!!!…

怖かったな!!…ゴメンなぁ~よしよし!!!…」


それは先程自分が激怒して居た事についてであり!…正直言うと別にそこまで

怒る事では無かったのだが、何故かカッとなった事に疑問を持ち!…となると

自身の中で自問自答を始める事に!…何故如何して?とその理由について

分からない様子で戸惑い続けて見せて居ると、一方ではシロがマサツグに抱き

付き!…怖かったと!ばかりにやはり泣く!…するとマサツグもまたハッと

我に返って慌ててシロの事を迎えて行くと、次には頭や背中を撫でてシロを

あやし…少しするとシロはそのまま眠ってしまい…マサツグもそんなシロの

様子にフゥッと一息吐いて行くと、シロを抱えたままその螺旋状の道を!…

先を急ごうとして見せる!…


「…ふぅ…寝ちゃったか…

…そう言えばシロの前で怒った所を見せた事が有った…

様な気はするんだがいつだったかな?……どっこいしょっと!…」


「ッ!…まさかシロちゃん抱えながらこのお世辞にも

整備されたとは言えん道を歩いて行くつもりかぁ!?…

確かにもう直ぐ着くとは言っとるけど!…結構シンドイと思うぞぉ~?…」


「…かと言ってシロ一人を置いて行く訳には行かないだろ?…

大丈夫だ、今までにも似た様な事が有ったから…」


「…いや、起きるまで待つと言う選択肢も……

あぁ~もう!!…疲れたら言いなさいよ!!…

代わってあげる位は出来るから!!」


何事も無かったかの様にシロを抱えて先を行こうとすると、マサキが心配をする

様にマサツグへ言葉を!…と言うのもまるで実体験が有る様子でシンドイと話し!…

何ならその時の事を思い出す様にフフッと笑みを零しながら話を続けると、その

話に覚えが有るのか…マサツグも笑って返事をする!…何なら既に何度か経験済み

である事を話して行くと、そのまま足を螺旋の道に…と、そんなマサツグの様子に

くまさんも心配!…呆れたと言うか何と言うか…とにかく助けが必要になった場合

の事を口にすると、慌ててマサツグを追って行く!…そうしてもう命綱も要らない

洞窟の中を進んで行く事に!…先にシルビィ達が待って居り!…


「…じゃあ、さっきの約束通り!……

歩きながらの道中で説明を頼む!…

場合によっては俺はシロを母親に会わせたら即行で

連れて帰らなくてはいけなくなるからな!…」


__…ッ!…コクリッ!!…


「承知いたしました…では…こちらへ……」


この時いつの間にかシルビィが螺旋の道の手前に移動しており…マサツグがシロを

抱えて合流する様にシルビィの前へと立って見せると、先程の話を掘り返す!…

それこそ説明を求める様に!…そのマサツグの言葉にシルビィも了承をするよう

頷き返事をして見せると、次には先行する様に螺旋の道へ!…遂にフェンリル

クィーンの居る城へと向かい始める!…その際シルビィの前を更にラグナスが

警戒をした様子で進んで行くと、チラチラと辺りを見回し!…それはまだ何か有る

様子で眼光鋭く!…更には進めば進む程に三合目から感じていたプレッシャーが

より一層強いモノへと感じられると、各々その感覚に困惑!…戸惑いの言葉を

零さずには居られないでいた!…


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


「……何だこの妙な緊張感は?…

まるで大物の敵を相手にしているような?…」


「モツさんもですか?…

さっきから殺気の様なものを感じて私も落ち着かないのです…」


「……今のは駄洒落か?…

だとしたら中々に面白いと…」


「シッ!!…黙って居るのじゃ!!…

お主の笑いの沸点も低いのは良く分かったのじゃ!!…」


__ッ!!…あぁ~ん?…ッ!!…おぉ~ん?…


歩き始めてまだ数分…モツが異様なまでに圧を感じる様な?…とにかくプレッシャー

が大きくなった事を話し出すと、オリハも同意をする様に話しに乗る!…その際

意図せずまるで駄洒落の様な返事の言葉を口にすると、一方で微塵もプレッシャーを

感じて居ない様子でパルシィが!…さも笑いのツボが浅かった様子で面白い!と

笑って見せ!…その場違いなパルシィの反応に珍しくフィロが反応!…ツッコミを

入れる様にパルシィへ黙るよう言葉を口にして行くと、二人はまた険悪になる!…

しかしそんな時間も無い様子でシルビィが口を開き出すと、そのプレッシャーの

正体について話し!…


「…この皆様が感じている緊張感は今現在向かっている城より来ているモノ!…

そして私が旦那様達をここに案内した事に対して!…

後悔をして居る理由でも御座います!…」


「ッ!…如何言う事だ?……」


シルビィが言うのはこのプレッシャーは今目指して居る城より来ているモノらしく、

つまりは女王の物である様に話をし!…と、続けて今になって後悔の言葉を口に

し出し!…落ち込む様にして若干俯き…何か暗い表情を浮かべて見せて行くと、

それに気が付いたマサツグが質問を!…その言葉の真意について尋ねて行く!…

するとシルビィも耳をピクッと反応させると、チラッと見る様にして振り返り!…

しかしその進む脚を止める事は決してなく!…まるで道を体で覚えている様子で

歩いて見せると、更に話しを続けて行く…


「…旦那様が聞きたい!と怒りを露にして仰った理由……その物に直結します…

……実の事を申しますと…女王様は今…危篤状態にある様に御座います…」


__どよぉッ!?……


この時まるでマサツグが怒った原因を知って居る様子で話しをすると、次には

ド直球に結論を!…何でもその今会いに行こうとして居る女王様は危ない状態

にある!と…まるで遅過ぎた!とばかりに悲し気な表情を浮かべて見せると、

当然それを聞いた一同は困惑!…洞窟内に響く勢いでどよめいて見せる!…

しかしそれでシルビィの話が終わる事はまだ無く!…続けて何を見て来たのか?

について触れて行くと、更に良くない話を口にする!…


「この事を知ったのはこの洞窟に辿り着いて少ししてからの事…

皆様が寝静まった後にございます…」


__……ッ…


「…お話した通り私一人先に女王様の居る居城に向かい!…

シロ様の事をせめて女王様にだけでも!と思い馳せ参じたのですが…

そこはかつて私が居た城ではなく、ただ混乱に包まれた場所に…

とても誰かが統治している様な場所では無くなって居たので御座います!…」


事の始まりはこの洞窟で休憩を取った事から始まるらしく、何なら皆が寝静まって

一夜を明かす前で…シルビィはこの時に単独行動を取った!と自白をして行き!…

自身でもイケない!と分かって居た様子で話しをすると、その話に全員が沈黙…

何か緊張感を覚えて行く!…そして黙ってシルビィの話に耳を傾け進んで居ると、

シルビィも更に話しを続け!…と、そこで見たモノについてもう自分の知って居る

場所ではない!と語って行き…何か不穏な空気を更に漂わせて不安感を煽って行く

と、モツが戸惑った様子で言葉を!…


「ッ!?…お、おいじゃあ!!…」


__ッ!……フルフル…


「…城を管理する従者達は皆、人形の様に生気を失い…

城を守る兵士達は皆殺気立っている…

そしてそんな城内の様子を私が静かに確かめて居ると、

ふと兵士達の会話が聞こえていたのです…


[女王様が危篤状態にある]と!…


その話を聞いて私は酷く動揺し!!…

その後直ぐに女王様のお部屋へと向かったのですが!!…

肝心の女王様の部屋には鍵が掛かっており確認出来ず…

…私は何も出来ないままその場を後にする事にしました…」


まるで行っても無駄脚になるのでは!?と慌てた様子で言葉を口に!…すると

そんなモツの言葉にシルビィも察したのか首を左右に振って見せ!…まだ話が

ある様子で続けて言葉を!…何でもそこは無法地帯に変わったかの様な口振り

であり!…とてもじゃないが統治されて居る様には見えなかった事を口にする

と、更に女王様の事についても危篤である!と…これまたマサツグ達に緊張感を

持たせて行く!…そしてそれは兵士達の会話から盗み聞いたモノである事を

説明すると、勿論その女王様に会いに行った!と…が、結果として会う事が

出来なかった様で…そのまま戻って来た所までを話して行くと、次にはふと

疑問を…リーナが不思議に感じた様子で尋ね出す!…


「…ん?…ちょっと待て?…では何故そのまま帰って来たのだ?…

シルビィーナの事だから確認するまで戻らないと思うのだが?…

何より先程から話を聞いて居ると…

まるで隠れながら調査をして居た様にも聞こえるが?…」


「ッ!…それは……幾ら元はこの城の近衛の隊長であったとしても…

私は一度山を下りた身に御座います…

既に彼等からすれば侵入者でしか有りませんし…

今の私にはマサツグ様の匂いが染み付いています…

…見つかれば確実に始末されるか、尋問…

いえ、拷問されてマサツグ様達の場所聞き出そうとするでしょう…」


「…ッ!?…そ、そこまでやるのか!?…

かつての仲間だったと言うのに!!…」


と言うのもシルビィの話しぶりから性格も判断!…そしてそのまま居座らなかった

事に疑問を持ち!…シルビィならそうした筈とリーナが問い…その問い掛けに対して

シルビィも耳をピクッとさせると、その質問に答えて行く!…その際シルビィが口に

した言葉と言うのは世知辛い?モノで、既に部外者扱いをされると…何ならその事は

自分が一番知って居る様で話をして見せ…その話を聞いてリーナだけでなく他の面々

も戸惑った様子で聞いて居ると、更にシルビィは話を続ける!…


「……はい…例えかつての同胞であったとしても…

人間の手に落ちた私を見たのなら即刻討ち捨てに来る事でございましょう…

…彼等はあの日で止まって居ます…

シロ様の誘拐を企てた人間達を絶対に許さない!と誓い…

今まで生きて来たと思われます!……そこまでに彼等の怒りは深く!…

こびり付いては取れない様なのです……」


それ程までに非情である事を口に、そして彼らの怒りも尤もである!と話しを続け…

何ならシロを誘拐されたあの時から時が止まって居ると詩の様に語り…詩の様に

シルビィが悲しい表情を浮かべて見せると、一気に空気はお通夜モードに…何とも

重々しい空気になって行く!…そしてその一連の話を聞いてラグナスも落ち込む様な

反応を見せるのだが、ずっと落ち込んでも居られない様子で辺りを警戒!…と、

次には空気を入れ替える様にシルビィに話しを!…シルビィの隠密・情報収集能力を

賞賛すると、ある事も確認して行く!…


「……さすが隊長!…

あの殺気立った大馬鹿野郎達からそれだけの情報を持って来られたとは!…

…その分だと今行われているこの状態が!…

如何言う状態なのかも勿論分かって居るんですよね?…」


「……勿論……それに貴方が引き起こした様にも聞こえたですがぁ?…

…まぁいいでしょう…ここから先の説明をマサツグ様に…」


「ッ!……はい!…」


そのラグナスの言葉と言うのも状況確認!…それは色々な事に対しての確認で

あり!…何なら今自分は反逆行為をして居る!とばかりに話して行き!…

シルビィもその話を聞いて重々承知している具合に途端にキリッとして見せる

と、今度はラグナスに説明を…何か意味深に求めて行く!…するとラグナスも

そのシルビィの指示を聞いてピクッと反応をして見せると、次には威勢良く

返事!…と言っても今だ周りに対して注意を払い!…この状態についてラグナス

自身も無礼である事を自覚すると、次にはマサツグ達に謝り始める!…


「……まずは歩きながらのご説明に付き、背を向ける事…

そして説明が遅くなった事に対し深く!…謝罪を致します!!…

申し訳有りません!!!…」


「………。」


「では説明の方をさせて頂きます!…

先ほどアレクシア隊長…いや、シルビィと言う者から説明が有ったとおり、

女王様は危篤状態にあります……

……しかし、それは誰も確認していない事なのです。」


「……え?」


それは気が抜けない様子で声だけでもと誠意を持って謝罪をすると、マサツグ達も

理解を示す様に何も言わず!…と、その一方でラグナスは更に続けて説明を口にし

出し…そこで更に耳を疑う言葉を口にすると、当然マサツグ達を困惑させる!…

と言うのもそれは内容だけを聞けば可笑しな話で、誰も女王の姿を確認して居ない!

と言う事であり!…となると勿論その話を聞かされた一同は如何言う事?と…揃いも

揃って訳が分からないと立った反応を見せて居ると、更にラグナスは説明を続ける…


「…正確にはでは無く、が正解ですかね…」


「ッ!?…ちょっ!…ちょっと待て!?…

危篤なのに確認してないって可笑しくないか?…

それに確認して居ないのに危篤って…

如何やったらそんな事が!?…」


その際ラグナスの口から出て来た言葉は更に難解を極め!…と言うのも確認を

したくても出来ない!と言う事をマサツグ達に話し!…となるとそのラグナスの

話を聞いて一同は当然疑問を持ち!…マサツグがその疑問をぶつける様に戸惑い

ながらもその事についてツッコミを入れると、ラグナスは依然背を向けたまま!…

それでもその状況を確認する事が出来る様子である物について説明をする!…


「落ち着いてください!…勿論説明します!…

しかしここから先は少しややこしくなるので覚悟してくださいね?…

…ゴホン!…まず女王様が何故危篤だと分かるのか?…についてですが…

それは城に有る特殊な氷塊…[命の氷塊ライフロックアイス]!…

と言う物を見れば分かる事だからです!…」


「ッ!……ライフ…ロック…アイス?…」


この時ラグナスは戸惑うマサツグに対して若干慌てながらも静止を促し、そして

その理由についてもちゃんと説明を口に!…その際特殊な氷塊…[命の氷塊ライフロックアイス]

なる物を語り始め!…その特殊な氷塊の話を聞いて当然初めて聞く!とばかりに

各々が戸惑った反応を示して行くと、シルビィは何かを察した様子で下唇を噛み…

更にラグナスが詳しい説明を!…その氷塊についての細かな話をし始める!…


「[命の氷塊ライフロックアイス]と言うのは言うなれば目視で分かるその者の寿命です!…

その製造方法に付きましてはフェンリル家代々に伝わる禁術らしいので不明ですが…

とにかくその氷はその者の寿命を形にする氷で、幾ら強固なモノで砕こうとしても

砕ける事は無く!…如何なる灼熱でも絶対に溶けない!…

その者の寿命が尽きない限り決して溶ける事の無い氷だと認識して頂いたら

結構です!……そしてその氷は女王様の居城に有るのですが…

スコルティナ様が誘拐され…ハティビィエール様だけとなった時以降から徐々に

少しづつではありますが溶け始め!…それに気が付いた者が女王様の危篤!と…

実際に私も見たのですが…確かに初めて見た時より少しばかり!…

小さくなっているのが確認出来ました!…それゆえ危篤と…」


そのラグナスが言う説明だと[命の氷塊ライフロックアイス]と言うのは寿命その物!…そしていかに

重要であるかもマサツグ達に語り!…となるとその話を聞いてマサツグ達も漸く

納得!…思わず恍けた表情も浮かべつつ…それでも話が繋がった!と言わんばかり

に黙って居ると、いつ頃からその異変が見られ始めたのか?を…とにかくそこから

危篤である事を知った!とばかりに話をする!…そしてその話を聞いたマサツグ達

も思わず軽く頷く素振りを見せて行くと、次にはモツが質問を!…


「……なるほど?…で?…確認していないと言うのは?…」


「ッ!…それはですね?…

…その氷が姿

からなのです……ただ例外もある様で…

我々人狼族の代表長に[マグダラス]と言う者が居りまして…

その者だけは女王様の事を知り得る事が出来る様なのです…

実際女王様の部屋に出入りしている姿も見られ…

ある者がその女王様の容態について深く問い詰めて行った所!…

その者は処罰!…追放されたという話も聞こえております!…

…まぁ本人は否定をして真実を有耶無耶にして居ますが…

火の無い所に何とやら…周りの者達は暗黙の了解をして居る様です!…」


__………。


モツが気になる事が有った様子で言葉を口に!…と言うのも話はちょっと振り返る

方向へ…最初の確認が出来て居ないの話にまで戻って行き、何故確認が出来て

居ないのか?について尋ねて行くと、ラグナスもピクッと反応するなり更に話を!…

その事のきっかけから説明をする!…その際例外がある事も話し出すと、新たな

人物の名前も口に!…何ならラグナスはその人物の事を嫌悪して居るのか?…その

後ろ姿からでも分かる位に声が嫌悪を露わにすると、何か怪しむ様に言葉を!…

納得が行かない反応も露わにする!…さてそこまで聞いてまだ話が終わらない様子で

更に続き!…今度はそのマグダラスと言う者がやろうとして居る事について話し

出し!…


「……そしてそのマグダラスは何を思ったのか…

まだ女王がご存命だと言うのに後継者に[ハティビィエール]様を

祭り上げようとする始末に!……一応理由としては…

長らくこの混乱に収拾を着ける為にハティビィエール様を即位させると!…

他の人狼族の安寧を考えての策の様ではあるのですが…」


__ッ!……はあぁ~……


「ッ!……いかが為さいましたか?…」


と言うのもそのマグダラスなる者は既に女王様を諦めている?…ともかく安寧を

求めている様子でシロの妹!…ハティビィエールを即位させようと躍起になって

居るらしく!…と、その話が出て来た途端にマサツグとモツがハアァ~っと…

何かを悟った様子で一気に脱力する素振りを見せて行くと、そんな二人の様子に

気が付いたのか…次にはラグナスが声を掛ける。するとそのラグナスからの問い

掛けに対してマサツグもピクッと反応すると、正直な気持ちを露わにする様に!…


「ッ!…え?…あ、あぁ…いや気にし無いでくれ…

ただまたこの手の話かぁ…って思って…」


「ッ!…ん?…この手の話って如何言う事や?…」


この手の話に事欠かないマサツグ達!…そして本人達も次に巻き込まれるであろう

事案に今度はこれか…とばかりに言葉を零すと、二人は揃ってやはり落胆…

その一方でマサキやくまさんが疑問を持つ!…と言うにも今までどんな冒険をして

来たのか?と言うのは聞いて居らず、まさか自分達も巻き込まれるとは露にも

気付かず!…いや、もう巻き込まれて居る訳なのだが!…とにかくそんな反応を

見せるマサツグ達に対して声を掛けると、マサツグがアヤ達に話しを振る!…


「…主にアヤやリーナから話を聞いてくれ……もう何とも言えん…」


「ッ!?…ちょ、ちょっとぉ~!!…」


「私達に話を振られても困るのだが!?…」


「主に張本人達の様な気がするが?…」


「「それは心外(だ)!!!」」×2


それこそ今まで巻き込まれた原因は後ろに居ると…マサツグがアヤやリーナを

チラ見し!…と、突然話を振られた事でアヤとリーナも戸惑い慌て!…自分達は

関係無い!と…マサツグに抗議をする様に文句の言葉を口にするのだが、片や

お転婆で片や家出!…何方も結果として一騒動起こしており!…マサツグが

呆れた様子で文句を受け入れない言葉を口にすると、更に二人はショックを受け!…

しかしそれでも自分達が騒動を起こした訳ではない!とばかりに文句を言う!…

さてそうしてまた後方が騒がしくなって来た所でラグナスが若干戸惑て見せると、

更に話しの続きを口に!…


「…と、とにかく!…当然そんな話に納得出来ない者達も出て来る訳で!…

そのマグダラスに対して反旗を翻す者達が現れ出したのです!!…

その際反旗を翻す理由に先程話した[命の氷塊ライフロックアイス]がまだ在る事!…

そして女王様ご本人の姿が確認出来て居ない事からこれはマグダラスの凶行!と…

それは徐々に数が増えては勢力となり!…遂には対峙する結果となったのです!!…

…それが!…」


…と言う事ですね?…馬鹿弟子?…

…貴方は民衆及び兵士達が見ている中で…その代表長に向かって反論をした事が

きっかけで出来た反対勢力!…

…城で聞いたラグナス派と言う名前にまさかとは思いましたが…

まさかこんな大事をする様になるとは…

…かつての訓練生の頃では有り得ない動きですね?…

せいぜい覗きをするのが関の山…」


そこから話し出したのは当然とばかりに反対勢力の誕生の話であって!…ラグナスが

何か責任を感じる様に話して居ると、次にはシルビィも話に参加!…そして衝撃の

事実を口にする!…と言うのもその反対勢力を仕切って居るのが今マサツグ達の前を

歩いて居るラグナスである事を話して行くと、シルビィ自身まさか?と思った事を

口に!…何ならまた訓練生時代の時の話しを持ち出し!…これまた弄る様にして最後

に言葉を口にすると、ラグナスも慌てて止めに入る!…


「ッ!?…うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!…

今説明と関係無いじゃないですか!?!?…

そう言うのは後にしてください!!…

…と、とにかく!!…私が貴方達をここに案内した理由は一緒に

女王様を探して欲しいのです!…

このままだと担ぎ上げられたハティビィエール様が後継者になり!…

その補佐にあのジジィが就くともはや実際の支配者はあのクソジジィ!!…

それではハティビィエール様が大変な事になります!!!…

ですから如何か!!…如何かお力を!!!…」


まさかのシルビィからのチャチャにラグナスが慌てて振り返ると、勿論はぐらかす

様に言葉を!…そしてシルビィに対して文句を口に!…同時に話の軌道修正もして

行くと、次にはラグナスが恐れている事態を語り!…何としてもマグダラスの凶行

を止めたい!と話をする!…その際最後にやはり協力を願う様に話しをされると、

マサツグ達もその話を聞いてまた派閥争いかと…しかし話を受けない事には前には

進まず!…やはり逃れる事が出来なかった事にもはや諦めが付いて居ると、ふと

シロが起床…何なら先程までの話を聞いて居た様子で話しをする!…


「…ご主人様?……お願いです…手伝って上げて下さい…」


「…ッ!…シロ!…いつ目が覚めて!?…」


「お母さんが居なくなっちゃった…と言っていた所からです…

ご主人様…お願いです…お母さんを…

お母さんを探すのを手伝ってください……んん~……ふあ…あ~あぁ…」


「……ッ!…シロ…ふふふ…」


__……ッ!!…クルッ?…


シロが突如目を覚まし、そしてお願いをして来た事に驚き戸惑い!…と、マサツグは

いつ起きたのか!?と声を掛け…その問い掛けに対してシロも眠い目を擦りながら

返事をすると、更にお願いの言葉を口に…そしてまだ眠いとばかりに欠伸もする!…

するとそんなシロの反応を見てマサツグもハッとして見せると、次には思わず吹いて

しまい!…と、同時にシロのお願いに対してスッと覚悟を!…やる気を見せる表情で

次にクルッと背後を見ると、その各々の反応を見て行く!…するとそこにはマサツグ

同様呆れながらも覚悟を決める者達の姿が有り!…そして各々言葉を口に!…


「…はあぁ~……やるんだろ?…もち、付き合うよ!…

…ってかここまで来て帰んのも納得出来ないし?…」


「ッ!…私もやるぞ!!…私の友の願いだ!!…友として叶えねばな!!」


モツは頭を掻きながら諦めの言葉を、しかしその目はやる気に満ち!…何なら

自分でも中途半端が嫌いである事を口にして見せ!…そしてマサツグに付いて

行く事を!…シロの願いを聞く事に同意をすると、頷いて見せる!…すると

それを皮切りにリーナもモツ以上にやる気を見せて腕を振り回すと、シロを友!

と言っては使命感に燃え!…と、その後ろでもそんなリーナに呆れた様子!…

何なら自身の慣れにも戸惑いを露わに!…しかしやはり乗り気なのか!…最後には

噴き出す様にして思わず苦笑いをして見せると、やはりやる!と言葉を続ける!…


「…はあぁ…何だかんだでこうなっちゃうのよねぇ?…

…もう慣れて来てる自分にもビックリだけど?…ッ…

ふふふ!…私も!!…当然やるわ!!…」


「…勿論私もやりますよ?…

シロちゃんの叔母様なんですから!…」


「だとすると俺等も頑張らなアカンな?…

可愛い孫の頼みに応えやなぁ…じぃじにばぁばやねんからな?…」


「…頑張ると言っても何を頑張れば良いのやら…」


「……お義父様にお義母様もやると仰るのなら!…わっちもお供いたします!…

お義父様とお義母様に降り掛かる厄災はわっちが跳ね除けて見せましょう!!…

…ついでにシロも友なのでな?…手伝ってやる…」


__コクリッ!…


そしてオリハもさも当然!とばかりに返事をすると、マサキもくまさんにやる事を

勧め!…と、そのくまさんは戸惑う様なそんな反応を露わに!…するとそんな

二人をフォローする気で居るのか?…フィロが二人を助ける事を口にすると、

自身の株を上げようとする!…が、その最後には照れ臭そうにシロの為とも語り!…

とにかくパーティ全体がやる気を見せ!…各々この先に待ち受ける困難に対して

覚悟を決めると、脚を止める事無く前に!…ラグナスやシルビィに二人を感動させる

のであった!…

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

だって私、悪役令嬢なんですもの(笑)

みなせ
ファンタジー
転生先は、ゲーム由来の異世界。 ヒロインの意地悪な姉役だったわ。 でも、私、お約束のチートを手に入れましたの。 ヒロインの邪魔をせず、 とっとと舞台から退場……の筈だったのに…… なかなか家から離れられないし、 せっかくのチートを使いたいのに、 使う暇も無い。 これどうしたらいいのかしら?

【本編完結】転生隠者はまったり怠惰に暮らしたい(仮)

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

【完結】え、別れましょう?

須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」 「は?え?別れましょう?」 何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。  ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?  だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。   ※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。 ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

弟のお前は無能だからと勇者な兄にパーティを追い出されました。実は俺のおかげで勇者だったんですけどね

カッパ
ファンタジー
兄は知らない、俺を無能だと馬鹿にしあざ笑う兄は真実を知らない。 本当の無能は兄であることを。実は俺の能力で勇者たりえたことを。 俺の能力は、自分を守ってくれる勇者を生み出すもの。 どれだけ無能であっても、俺が勇者に選んだ者は途端に有能な勇者になるのだ。 だがそれを知らない兄は俺をお荷物と追い出した。 ならば俺も兄は不要の存在となるので、勇者の任を解いてしまおう。 かくして勇者では無くなった兄は無能へと逆戻り。 当然のようにパーティは壊滅状態。 戻ってきてほしいだって?馬鹿を言うんじゃない。 俺を追放したことを後悔しても、もう遅いんだよ! === 【第16回ファンタジー小説大賞】にて一次選考通過の[奨励賞]いただきました

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!

中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。 ※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。

処理中です...