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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章七十節 完徹のマサツグ達と閃く奇策と常識破り-

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さて饒舌になったドンドンの話を聞きつつ、マサツグ達は漸く洞窟の奥…モツ達が

待つあの場所へと戻って来る!…その際ずっと背中に背負ったままの状態でアダマン

タイトを持ち帰って来ると、その有様にモツ達も驚き!…マサツグはマサツグで

息を切らし…その場所に辿り着くなりさも投げる様にしてその黒い巨大なアダマン

タイトを地面に降ろして見せて行くと、ドワーフ達も戸惑った様子でそのアダマン

タイトに目を向け出すのであった!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…た、ただいまぁ~!……」


「ん?…おう、おかえり~。

意外と早くに終わったんだな…

…って!?…何だそのデカイ岩盤は!?…」


「……それがまさかアダマンタイトなのか!?」


「ぜぇ!…ぜぇ!…

…あぁ、これがそのアダマンタイトだ!……」


「確かにこの洞窟の入り口は大きく作られているが…

良くそれを持って入って来れたな!……」


この時何も知らないモツはいつも通りマサツグ達が戻って来た事で挨拶を!…

そしてクルっと振り向き…と、そこでマサツグが黒い岩盤の様な物を背負って

居る事に気が付き!…マサツグにそれは何!?とさも戸惑って様子でその黒い

岩盤の正体について質問をすると、リーナもハッと気が付いた様子で質問を

する!…その際驚いた様子でアダマンタイトである事を口にすると、マサツグも

その問い掛けに対して息を切らしながら返事!…と、ここで冒頭の通りに岩盤アダマンタイト

下ろし!…オリハとドンドンもまだ話を続ける様に後ろからヒョコッと姿を

現して見せて行くと、そこに興味を持った連中が集まり出す!…


__ガゴン!!!……ッ!?…ゾロゾロゾロゾロ!…


「はあぁ~!!!…重かった!!!…

ここまで持ってくるの本当にきつかったぁ~!!!

…で、アヤの様子は?…」


「……ッ!…え?…あっ!…あぁまだ眠っている…

さっきから婦人会のノーム達が付きっ切りで看病をしているが、

やはり無茶をしていたのか深い眠りに就いたまま一向に目を覚まさない…

…まさかと思うがこのまま目を覚まさなかったら…」


アダマンタイトを漸く地面に置いたマサツグが言葉を口に…と、同時に腰を

伸ばす様に反って見せると肩もグルン!と回して行き…次にはアヤの容態に

ついて質問を!…するとその質問に対してリーナが戸惑った様に反応を示す

と、若干不安を覚えた様子で答え始める!…この時婦人会の面々が頑張って

居る事を最初に話すと、容態は変わらず眠って居ると…そしてその眠りっぱ

なしである事に不安を覚えた様子で言葉を漏らし始め!…もし起きなかったら!…

とアヤの身を案じるよう言葉をポロっと漏らして行くと、モツが苦笑いを

しながら無い!と言う…


「いやいやさすがにそれは無い!…現にアヤの呼吸をよく見てみろ?…

アレが今にも死にそうな様子に見えるか?…

あれだけしっかりと呼吸をしてれば大丈夫だ!…

ただ酷く疲れたから眠っているだけ!…

それにもし何かあったら今ここに居るチネットの身にも何かしらの

異変が起きる筈!……でも何も無いって事はつまりはそう言う事だ!…

安心しろ!…」


「ッ!…あ、あぁ…そう、だな……」


この時モツも多少なりとも不安を覚えた様子で笑みを!…しかし不安で居る事を

嫌う様に話しをし始め!…と言うのも自身にも言い聞かせる様に状況を分析して

言葉を口に!…アヤの呼吸が正常である事!…何ならチネットの様子にも何の

異変も見られ無い事も続けて話をして見せて行くと、不安がるリーナに安心しろ!

と言葉を掛ける!…するとそのモツの言葉を聞いてリーナもハッと戸惑った様に

反応をすると、次にはモツに慌てて返事!…それは同意を求められた事で戸惑った

様にも見える反面!…モツの気持ちを汲んで慌てて居る様にも見え!…とにかく

リーナはワタワタと!…その一方でドワーフ達が目をキラキラとさせながら持って

帰って来たアダマンタイトに興味を持ち出して居ると、叩いたり撫でたり!…


__ガンガンッ!!…ッ~~~……


「ッ!!…さすがの硬度!!…ちょっと小突いただけで腕が痺れそうじゃわい!!…


__サワサワ…サワサワ…


「……ッ!…これはかなり上質じゃぞ!?…

かなり年月が経っている上に!!…層がきめ細やかでなめらか!!…

ランクにしてワシらが見て来た物では最上級じゃ!!!…

…よくもまぁこんなトンデモナイ物を見つけて来て!…」


自前の鶴嘴でアダマンタイトを殴っては痺れを覚え!…その痺れに何か興奮した

様子で言葉を口に!…その一方ではアダマンタイトの質感を確かめる様に優しく

撫で!…その手触りだけで色々な事が分かったのか、とにかく最上級の質の物で

ある事を口にすると、さも化け物を見つけて来た様な言い方をする!…それは

長年見てきた中でもこれは初めて!と言った様子で、この時のドワーフ達はまるで

子供のよう目を輝かせてはあれだ!これだ!と…と、その一方で話は戻って

マサツグ達!…一体如何やって帰るかで悩み出す様子を見せて居ると、色々な話が

出て来て居た!…


「…ふぅ……で、如何するかな?…」


「ッ!…ん?…何、如何した?…」


「いやそろそろドワーフファミリアに戻らないとシロ達が心配し始めるだろ?…

それにこのままノーム達にずっとアヤの看病を任せる訳には行かないし…

早く戻らないとシロ達なら探しに行くとか言いかねんからな…」


「…っ!?…

そういえばシロ達を待たせているのを忘れていたな……

…確かにシロやフィロならそんな事言い始めそうだが……

寝ているアヤをどうやって運ぶつもりだ?…

無理に起こす訳には行かないし……」


マサツグが溜息を吐くと一言呟き…そのマサツグの呟きにリーナもピクっとした

反応を見せると、不思議そうな顔をして質問をする!…と言うのも急に如何した?

とばかりに言葉を掛けると、マサツグはそろそろ戻る算段を!と…その際シロ達の

事を口すると逆に心配をする様な表情を!…何なら探しに来るのでは?と…さも

タイムリミットが近付いて来ている様な事を続けて話すと、リーナもハッと気が

付いた様子で目を見開いて見せる!…そして納得した様子で話しをすると、改めて

問題点を洗い出し!…この時その問題点と言うのはアダマンタイトに寝ている

アヤと…リーナも現状の事に気が付いた様子で腕を組み出し!…真剣に悩む様な

そんな様子を見せて居ると、そこへ漸く解放されたのかオリハが合流をして行く!…


「……それにリアルに時間がヤバイしね?…」


「ッ!!…オリハ!!…何、漸く解放されたのか?」


「ッ!!……分かってたんだったら助けてよ!…

…ノーム達はあっちでドワーフ達と盛り上がってる…

それよりも早く戻らないと!…また一日ここで過ごす事に…

何ならゲームーの中とは言え二日連続で徹夜する事になるよ?…」


「ッ!?……そう言えば探しに来てから一睡もしてない様な?…

…通りでダルいし眠い筈だぁ~……あぁ…」


つい先程までノームの話に付い合わされていたオリハがヒョコっと参加!…その際

何食わぬ顔で時間を押して居る!と…それは色々な意味を差す様に言葉を口に!…

その突然のオリハの参加にマサツグも反応!…チャチャを入れる様にやっと解放

された事を突いて行くと、オリハは不服そうに言葉を漏らす!…この時ノーム達の

行方について自身の背後を指差すと、そこでドワーフ達と鉱石について盛り上がって

いる様子を見せて行き!…次には彼らを放って置いて話の続きを!と…ここで

自分達が徹夜をして居る事、このままだと二日連続になる事を更に続けて話して

行くと、漸くここで自覚したのか…マサツグ達が戸惑った様子で反応をする!…

何なら後から遅れて疲労感がやって来ると、各々は話ながら欠伸を…と、そんな

様子を見せつつ!…ふとモツが改めてアダマンタイトに目を向けて行き始めると、

マサツグにある事を口にする!…


「……ッ!…なぁ、マサツグ?…ちょっと良いか?…」


「う~…ん?…何だモツ?…呼んだか?…」


「いや…シロちゃんとアヤの事もそうなんだが…

このアダマンタイトは如何するつもり何だ?…」


モツは改めてふとある事に気が付いた様子で言葉を口に!…と言うのもその持って

帰って来たアダマンタイトの大きさに戸惑い!…ふと何気ない様子でマサツグを

呼び出し!…呼ばれたマサツグも何気ない感じで返事をすると、その本題である

大きさについて話をし出す!…その際モツはシロとアヤの事もそうだと言うと、

改めてその巨大なアダマンタイトを指差し!…マサツグに持って帰る為の算段は

有るのか?と…一体如何するつもりなのか?と、マサツグにその運搬方法について

質問をすると、マサツグは意味が分かって居ない様子で返事をする!…


「ッ!…へ?…いや…持って帰るけど?…」


「いや、そうじゃなくて!…

このまま持って帰るにしても大き過ぎる事を言ってるんだ!…

これってアヤを連れて帰る時にも邪魔にならないか?…

ここまでの道中は確かにモンスターに襲われる事は無かったが…

帰りもそうとは限らない訳なんだぞ?…

何ならこれを運んで帰るにしても多人数の力が居る!…

となるとそれだけ人の力が消えるって事で…

いざ戦闘になった際それはかなりの痛手になるって事で…

最悪投げ捨てる羽目にならないか?…」


「ッ!?…バ!!…馬鹿言っちゃいけねぇよ!!!…

俺達の本来の目的なんだぞコレェ!!!…

投げ捨てるなんてトンデモ!!…」


「ッ!?…お、落ち着けマサツグ!!…そうならない様に相談を!!…」


さも何を当たり前の事を?…とばかりにマサツグは戸惑いながらも返事…が、当然

その返事にモツは首を左右に振りながらツッコミを入れ出し!…改めて問い掛けた

理由について説明を口に!…このままだと持って帰るどころか仲間が危ない!と、

最悪全滅も考えられる事を口にし続け!…アダマンタイトを投棄する事も視野に

入れて話しをマサツグにして行くと、そのモツの言葉にマサツグも思わず反論を

する!…この時何を馬鹿な!?と慌て出すと、元々の目的はコレと指差し!…それ

こそモツとの衝突が始まりそうになった中!…リーナが慌てて止めに入り!…

オリハもそれを聞いてふとある事をポツッと呟いて見せて行くと、マサツグが

ハッとある事を思い付く!…と言うのも…


「……せめて、アヤさんをんだけどなぁ?…

それこそ

そうすればモンスターと遭遇しても逃げる事ぐらいは……」


「ッ!?……ん?…オリハ?…今何て言った?…」


「ッ!?……え?…い、いやぁ…モンスターから逃げやすく…」


この時オリハはただ問題点を口に…と漏らし、

何ならその解決策に更にはある物を口に!…が、現状物が無い事で頭を抱え!…

何の解決にもなって居ない事を続けて漏らして見せて行くと、突如マサツグは

ピンと!来た様子で固まってしまう!…それこそリーナを間に挟んでモツに詰め

寄ろうとして居たのだが!…その言葉を聞いた瞬間、衝撃を受けた様に目を

見開き!…次にはオリハに何と言ったのか?と質問をし始め!…オリハも突然の

その質問に戸惑った様子で返事をすると、マサツグは更に違う!と言った様子で

言葉を漏らす!…


「いや、その前…」


「……ッ?……じ、って……」


「…ッ!!!…そうか、その手があった!!!…」


「ッ!?!?…な、何だ!?…急にどうしたんだマサツグ!?…

そんな大声を出して!?…」


オリハはその前!と言われて更に困惑!…しかし次には思い当たる節を恐る恐る!…

するとマサツグは突如オリハの方へ振り向くなり元気に!…何か思いついた様子で

思いっきり目を輝かせて言葉を口にし始めると、近くに居たモツ達やオリハを

驚かせる!…となると突如元気になった事でリーナも困惑!…何があった!?と

声を掛け出す始末で!…しかしそんなリーナの事など御構い無し!…マサツグは

ただ思い付いた!とだけリーナに答えて!…徐にモツ達やオリハにある事をお願い

し始めて行くと、早速自身も動きを見せる!…


「いや、良い方法を思いついたんだ!!!…

…何でこんな簡単な事に気が付かなかったんだ!!!…

…スマンが今すぐ手伝ってくれ!!!…」


__ッ!?……ッ?……ッ~~~~…


「……あ、あぁ…いいけど?…」


この時マサツグはその妙案?…を思い付いた事でイキイキとし始め!…次には

協力を扇ぐ様に言葉を!…するとそのマサツグの変わり様に勿論一同は驚き

戸惑い!…一体何が何だか?と言った具合に互いに顔を見合わせアイコンタクト

を取り合う様なそんな反応を見せて行くと、一方でマサツグは目をキラキラ!…

もはや深夜テンションの様な昂り様をモツ達に笑顔で見せて居た!…となると

そんな様子を目にしたモツ達も更に戸惑った反応を露わにすると、一部不安を

覚え!…だが一応は渋々とマサツグの考えに同意して行き!…マサツグもその

返事が聞けてご満悦の様子でニッコニコと更に笑って見せると、早速行動に

移すよう徐にそのアダマンタイトを置いて来た場所へと向かい出す!…


__タッタッタッタ…


「ッ!?…ま、待ってくれマサツグ!!…何を思いついたのだ!?…

それにアダマンタイトの所に戻って……」


「何か思いついたなら説明してくれよ!…

でないと俺達も協力しようが!……」


「まぁ付いて来たら分かるって!!…

それにそんな難しい事じゃねぇんだ!…俺以外…」


「……は?」


突然の様にマサツグがアダマンタイトを置いて来た所まで掛けて行き出すと、

当然の様にモツとリーナも困惑!…リーナは慌てた具合にマサツグを呼び…

モツも説明を求める様にマサツグに声を掛けて行くが、マサツグは御構い

無しにマイペースを貫いて見せる!…その際マサツグはさも難しい事では

無い様に事を頼もうとして居る事を話して行くと、最後に意味深な言葉を

一つ!…となるとそんなマサツグの一言に更に二人は戸惑って見せ!…

一体何が何だか?と思いつつもとにかくマサツグの後を追って居ると、

マサツグはそのアダマンタイトが置いてあるところに!…丁度そこに居る

ドワーフ達にも声を掛け出す!…


「…ッ!…ジッチャン達!!…ちょっと良いか?」


「ん?…何、如何したんじゃ?…ワシらは今鉱石について話しを…」


「いやそれ所じゃねぇんだ!…ちょっとばかり協力してくれ!!…

…って言うのもそのアダマンタイトなんだが…

このままだと持って帰るにしては大き過ぎるし…アヤも寝込んでいるだろ?…」


マサツグが徐に声を掛けるとドワーフ達も反応!…一旦ドンドンとの会話を

止めると振り向き出し…と、同時に若干邪魔をされた事に不服そうな表情を

浮かべて見せ!…ついでに文句も口にしようとするのだが、そんなの関係ねぇ!と

ばかりにマサツグが話しをし始める!…その際まず若干慌てた様子で協力を

求める様に声を掛けると、そのアダマンタイトについて話しを!…と言うのも

持って帰るにしても大き過ぎる!と話を口に!…更にはアヤが眠ったままで

ある事もドワーフ達に関連性が有る様子で話しをして言って見せて行くと、

ドワーフ達も戸惑った様子で返事をする!…


「……ッ?…まぁ、そうじゃの?…

このままじゃと拠点に戻るまでかなりの時間が掛かるじゃろうな?…

それにこの時間になるとモンスター達も活動し始めるじゃろうし…

なかなかに難航するじゃろうな?…」


「そこで質問なんだが……」


「…ッ?…何じゃ?」


この時当然如何関係が?と言った具合に関連性について悩むのだが、一応は話に

乗ると返事をして見せ…その際大きい事を口にするとモツと同意見の話をして

行き!…確かに大変な作業になる事を想像した様子で話しを続けて口にすると、

マサツグも頷き話を聞く!…と、そして一通りドワーフ達の話を聞いた所で徐に

質問を口にし出し!…となるとドワーフ達も何の脈絡も無い事で更に戸惑い!…

が、問い掛けは気になった様子で返事をして見せ!…マサツグもその返事を聞いて

いざ本題に入り出すと、ドワーフ達にこう尋ねる!…


「今ここでこのアダマンタイトを加工する事って出来るか?」


「ッ!?…ちょ!…ちょっと待て!?」


マサツグが問い掛けたのは加工について!…何ならアダマンタイトを思いっきり

指差し!…となるとそんなマサツグの言葉に一同当然の様に大困惑し始め!…

モツとリーナは慌ててふためき!…ドワーフ達もその話を聞いて目をパチクリと

させて見せて行くと、へ?…とばかりに戸惑った表情を露わにする!…そして

次にはリーナがマサツグに如何言う事か!?と言葉を口にして行くと、!…モツも

続く様に言葉を!…


「おいちょっと待った!!…正気か!?…

ヤブは今トンデモナイ事を言ってるんだぞ!?」


「そうだぞ兄さん!?…

この世界ゲーム内で一番硬い鉱石を何も無しで加工するなんて!…

…無理があるにも程があるぞ!?」


「……まぁ、そこの狼の嬢ちゃんやモツ殿の言う事も分かるが…

マサツグ殿?…加工と言っても如何加工するつもりなのだ?…

加工するにも如何言う風にするかによって出来る出来ないが

判別しようがないが?…」


「ふっふっふっ!……

簡単な話でコイツでソリを作れないかと思ってさ!」


「ッ!…ソ、ソリ?…」


モツはマサツグの両肩を掴むとSAN値チェック!…ならぬ慌てた様子で正気か

どうかを確かめ!…何ならその会話にオリハもすかさず参戦し出し!…アダマン

タイトをその場で加工する事に出来る訳が無い!と…真っ向から否定する様に

言葉を口にして行くと、ドワーフ達もその話に若干の疑問を…とにかく話を聞く

様に言葉を口に…その際話次第では出来る?…かもしれない事を口にすると、

マサツグは更に話しを進める!…と言うのも単刀直入に質問を!…アダマン

タイトでソリを作れないか?と相談し!…となるとそのマサツグの言葉に更に

ドワーフ達は戸惑いを露わに!…思わず疑問形で一言ソリ?…と言葉を漏らして

見せると、次には悩む様に考え出す!…


「……う~ん……」


「如何だろう?…無理だろうか?…」


「マサツグ!…幾ら何でもソリは出来……」


「いや、出来ん事はないぞ?」


「出来るのかよ!?…」


ドワーフ達はその場で目を閉じ…顎に手を当てるとう~ん!と俯く様に悩み

始める!…と、その一方ではマサツグも結論を急ぐ様に質問を!…若干困惑

した様子で言葉を漏らし!…そのマサツグの言葉に考えるまでも無い!と

ばかりにモツが出来ない!と返事を口にしようとすると、ドワーフ達は

それを否定する様に言葉を…出来ない事も無い!と言って返事をする!…

するとそのドワーフ達の話を聞いてモツも一言!…キレッキレのツッコミを

口に!…が、やはり条件が有る様子でドワーフ達もマサツグに話を!…

これを解決出来ない限り無理である事を口にすると、逆に質問を返して行く!…


「但し、お前さん達も見ていただろう?…

ただの岩ですらワシ等には切る事は出来ん……

マサツグ殿に切って貰って加工が漸くで…

この一枚アダマンタイトを裁断する方法がなければその考えも……」


それはつかの間の喜びみたいなもので、その答えを聞いてマサツグが少し笑い

ながらガッツポーズをし!…しかし次にはその裁断方法が無い!と…ドワーフ達は

それを実現させる為に!…さもマサツグの腕次第!とばかりに言葉を口にして

行くと、かなり難しい事を話して行く!…となるとそれを聞いてモツ達も

やっぱり!と言った具合に落胆すると、マサツグだけは諦めていない様子で

言葉を!…


「やっぱり加工は出来るんだな?…」


「……ッ?…あ、あぁ…さっきも言った通り!…

アダマンタイトを切ることさえ出来れば……」


__チャキッ!!…


「じゃあ、ジッチャン達!!…

悪いけど如何切れば良いか指示してくれ!!…

俺がやってみるから!!」


マサツグがさも不敵に笑って見せると尋ね返し!…その問い掛けにドワーフ達も

戸惑った様子で返事を!…と言うのもさすがのドワーフ達も斬れる訳が無い!と

踏んでおり!…マサツグの無茶振りに冗談であろう!と言ってあくまでも可能性

の範疇である事を話して行くと、次にはマサツグが構え出す!…それこそいつもの

抜刀フォームで刀を握り!…そして同時にドワーフ達へ指示を求め!…となると

そんなマサツグの様子にこれまたドワーフ達は驚き戸惑い!…本当にやるの!?

とばかりに狼狽え様を露わにすると、さすがに止めに入ろうとするのだが!…


「ッ!?…な、何を馬鹿な!?…幾ら何でも無理が!?…」


「いいから言ってみてくれ!!!…出来る気がする!!!…」


「ッ!?…な、なにをそんな!?…

…モ…モツ殿!?……これはどうすれば!?…」


__…フルフル……


「…こうなったら幾ら言っても無駄だよ……

出来るまでやるか、TPが切れて倒れるかしない限りはね……

……もしかすると、もしかするし…」


ドワーフ達が止めるよう声を掛けてもマサツグは止まらず!…と言うよりも

止まる訳がなく!…マサツグは徐に刀を構え続けるとアダマンタイトを睨み!…

その様子にノーム達も異変を感じ!…蜘蛛の子を散らす様に慌ててその場から

逃げ出すと、終いには早く指示しろ!と急かし始める!…そうなると一向に

止まる気配の無いマサツグの様子にドワーフ達も更に困惑をし始め!…その内の

一人がモツに助けを求める様に声を!…しかしモツもその問い掛けに対して

既にお手上げの様子を見せており!…そのドワーフに対して首を左右に振って

行き!…止めるだけ無駄である事を話して諦めるよう見せて行くと、同時に

若干ながらマサツグへ期待を見出してしまう!…しかしそんな期待をされても

困るのはドワーフ達で…


「そんな無茶な!……」


「…お~い!!

まだ決まらないのか~!?

いい加減腰がキツイんだが~!?…」


「……はあぁ……

モツ殿の言うとおりこれは幾ら止める様に言っても無理そうじゃな?…

となると…やってみる他無いか……」


モツの様子にドワーフ達もえぇ~!?っと…その際助けて貰えなかった事に嘆き

戸惑い!…と、その一方ではマサツグも再度急かす様に言葉を口に!…そろそろ

腰が辛いだの!…周りの事など御構い無しの様子を見せて行くと、ドワーフ達も

徐々に諦めと言うモノを覚え出す!…そして溜息を軽く吐くなりマサツグの言う

通りにする様で、地面に置いてあるアダマンタイトへ持っていたチョークで線を

書き!…


__ゴソゴソ…スッ……カッ…スゥ~~…カッ…カッ…スゥ~…


「……ふむ、まぁこんなモンじゃろうて!…

よし、ではマサツグ殿?…この設計図通りに切り出して見てくれ!…

一応の為に言っておくが無理して切ろうとすれば…

その刀が折れるだけでなくマサツグ殿自身にも反動が返って来るやもしれん!…

今のうちに止めるのも手じゃぞ?…」


ドワーフ達がチョークで何かを書き終えるとそこには簡単なソリの設計図が出来て

おり!…簡単と言っても手抜きなどは一切見られず!…となるとマサツグもそれを

見て驚きを露わに!…その一方で線に沿って切るようドワーフ達が指示を出すと、

マサツグも待って居た!とばかりに動き出す!…その際最後にドワーフ達から忠告

を受けると、マサツグは笑って返事をして見せ!…見ててくれ!と余裕の一言!…

そして刀をギュッと握り!…更に眼光鋭くアダマンタイトを睨んで行くと、最後に

呼吸を整える!…


「ふぅ~……」


__…………。


{……な、何だ?…何でこんな緊張感を覚えるんだ?…

別に一騎打ちとかそんなんでも無い筈なんだが?…}


{……もはや達人同士の手合わせの様では無いか!…

これ程までに研ぎ澄まされて居ると言うのか!?…}


「……これで失敗したらもはやオチが付くんですけどね?…」


この時の様子は宛ら刹那の見切りの様であり、その独特の緊張感に誰もが息を

呑み!…と言うのも何故アダマンタイトを斬るだけでこんなに緊張をして居る

のか?…モツは分からない様子で困惑しており…リーナは逆に興奮して居る

様子で手に汗を握って見せると、さも達人同士の試合を見て居る様だと目を

輝かせる!…しかしその一方で失敗する事を望んでいる?…とにかく何かオチを

望む様な声も聞こえ!…が、そんな事など露知らず!…マサツグは一人ゾーン超集中

状態に入って行くと、次には動きを露わにする!…


「………。」


__クン…ダンッ!!!………ピタッ!……


「ッ!?……」


それは突然の出来事であり!…突如マサツグが動き出したかと思えば天井に向かって

飛び上がり!…と、直ぐに天井にまで辿り着くとクルンと縦に反転!…天井に足を

着ける様な状態で一時止まり!…さも蝙蝠みたいにアダマンタイトを上から見下ろす

形でマサツグが止まって見せて居ると、その様子にモツやリーナも驚いて見せる!…

その奇妙な光景に思わず目を丸くして一体何事!?と思って居ると、勿論その一方

ではドワーフ達やノーム達も口を開けて驚きを露わに!…と、その一方でマサツグ

にも更なる動きが見られ出し!…マサツグが勢いを付ける様に天井を蹴り!…

そのまま真っ直ぐアダマンタイトに向かって急降下を仕掛けて行き始めると、

続け様に技を繰り出して見せる!…


__…ダンッ!!!


「星破!…乱閃刃!!!」


__ズガガガガガガガガガガガ!!!!!…


「うおおぉぉぉぉぉ!!!!」


刀を手に急降下するマサツグの姿はまるで彗星の様に見え!…全員がただ何も言えず

驚いていると、マサツグは手にしていた刀を抜刀して行き!…落下の勢いを利用して

アダマンタイトに斬り掛かり!…その際一撃ではなく無数の斬撃を繰り出す様にして

アダマンタイトへ向かって行くと、次には物凄い勢いで削れる音が辺りに響く!…

この時その様子を目にした面々は思わず固まり!…ただただ目を見開くとその場で

困惑して見せ!…と言うのも一体何が起きて居るのか全く分からず!…その一方で

マサツグも衰える様子を見せる事無く一心不乱に刀を振り続けて見せて行くと、

苦戦の表情も浮かべて行く!…


__ズガガガガガガガガガガガ!!!!!…


「…ッ!!…やっぱ、硬いな!!…

それも予想以上に!!……」


「…ッ!!……す…凄い!!…

幾ら精錬していないアダマンタイトとは言え!?…

かなりの硬度の筈じゃ!!…それを相手にあの斬り様!!…

ほ、本当にアレは冒険者なのか!?……」


「……やっぱりな?…マサツグならもしかして?なんて思ってたけど…

まさか本当にやってしまうとは…もはや何でも有りになって来たな?…」


とにかくその異様としか言いようのない光景にドワーフ達は困惑!…もはや本当に

人間なのか?と疑問を持ち…と、同時に気になるのはこの世界ゲーム世界の法則についてで

あり!…本来アダマンタイトを斬るには同じ硬度を持つ物で無いと!…削るどころか

傷を入れる事すらままならない筈なのだが、マサツグはそれを無視して斬っている!

と…モツももはやツッコむの面倒になった様子で呆れており!…そのマサツグが

パーツを切り出す光景を見て本当に常識知らず!と感じて居ると、次に瞬間嫌な

音が!…


「うおおおおおおお!!!!」


__ズガガガガガガ……バキンッ!!!…


「ッ!?……何か嫌な音が聞こえてきたんだが!?…

何だ!?…やっぱ刀が折れたのか!?……」


「……いや、折れている様子は…無い?…ではさっきの音は一体?…」


それはマサツグが足掻いて居る方向より突如聞こえる!…無数の斬撃が繰り出される

音に交じってバキンッ!!!と…何とも冒険者としては不吉な音が聞こえて来て!…

と、その音にモツも機敏に反応をして見せ!…やはり刀が折れたのでは?とモツが

心配をし始めると、ふとマサツグの方に視線を向けて行くのだが!…そこで見た

モノはマサツグが今なった音に怯む事無くアダマンタイトを斬り続けている様子で

あり!…その様子に周りの者達もさっきの音は何だ?と考え始めて見せて居ると、

突如何かが足元に転がって来る!…


__フォンフォンフォンフォン!!…ゴッ!…カラン…カラン…カラン…


「ん?……ッ!?…ま、まさか!?…

…本当に!!…本当に切り出したというのか!?…」


__ザッ…ザッ……カラン…


「……ッ!?…う、うむ!!…確かに設計図通りに切られている!!…

これなら作る事が出来てしまうな!?……」


さも飛んで来た様に何かが突如転がる音が聞こえて来ると、ドワーフの一人が

足元に反応して見せ!…するとそこに転がっていたのはアダマンタイトらしき

モノであり、気が付いたドワーフもこれには一瞬何事?と戸惑う一方…しかし

次には突如ハッ!と気が付いた様子で徐にそれを拾い上げ!…マジマジと

見回す様にその飛んで来たアダマンタイトを検品すると、次には問題が無い事を

口にする!…と言うのもその飛んで来た者と言うのはソリのパーツで、マサツグは

見事に斬り出し!…となるとその事にドワーフ達も興奮し出し!…モツ達にも

伝える様にソリが作れてしまう事を口にすると、モツ達をびっくりさせるので

あった!…

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